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隠岐の島遠征2025①@福友丸 知夫里島

今年も秋恒例となっている隠岐の島遠征に行ってきました。

行き先は隠岐諸島の知夫里島の福友丸さん。

 

行程は木曜日の朝一便で出雲空港まで飛んで、レンタカー2台に分乗して七類港まで一時間半くらいかけての移動。

そこに知夫里島からお迎えにきてくれている福友丸さんに乗り込み、釣りのセッティングをしてから出航。

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およそ一時間半くらいで隠岐の島沖まで行ったら早速釣りの開始であります。

 

今回の釣行もルアーショップ、エブアンドフロー さん主催のツアーで、メンバーは引率のY店長、ジギング王、根魚王、怪魚ハンター、塩さん、ワタクシ、という常連組で構成されております。が、実はここにアームス梅ちゃんも来る予定だったにも関わらず、数日前に急遽ドタキャンしたのでこの6名での釣行となりました。

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このメンバーでは、キャスティング好きはジギング王くらいで、根魚にしか興味のない根魚王はもとより、比較的キャスティングよりもジギンングの好きなワタクシに塩さん、そしてどちらか釣れている方になびきやすい怪魚ハンターという構成で、キャスティング船である福友丸の広〜いフロントデッキに立って投げ始めたのは怪魚ハンターのみ、ジギング王は定位置のトモでのキャスティングと、なんだか勿体無い船の使い方だったので、珍しくこの日はワタクシもキャスティングをいたしました。

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お天気は晴れて風は少々あったものの海はそれほど波もなく、まあまあのキャスティング日和。

釣りを開始したのは午後一時くらいだったかな。

いい空気を胸いっぱい吸いながらのキャスティングは気持ちいいもんです。

 

ところが、お魚ちゃんの反応はあまりよろしくなく、なかなかルアーに出てくれない。

一方の左舷でジギングの根魚王は早速型の良いキジハタ(この地ではアカミズと呼びます)をヒット。

続いて塩さんにもアカミズがヒットと、投げ続ける我ら3人の反対側の左舷では色々魚を釣り上げては歓声をあげるので気になって仕方ない。

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それでもこの日は投げ続けましたよ。

釣れる釣れないはともかく、この日はちょっと思い入れのある日だったので半日投げ通しておきたかった。

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船長は僕らの思い想いの勝手な釣りにもなにも言わずに対応してくれて、良さそうなポイントをどんどん回ってくださった。

午後3時を回ると少し暗くなってきて潮もいいし波もそこそこあってキャスティングに出そうな感じがあったので、気合を入れて投げ続けました。

Y店長からも、こういう時はルアーのパターンがハマれば食って来るので、どんどんルアーチェンジしたほうがいいです、とアドバイスをいただいたので、流しごとにルアーを替えて投げ続けました。

 

そんな中で潮の動きを素早く読んだ塩さんが(駄洒落ではない)素早くジギングして素早くマルゴ(ワラサ)をかけて素早く取り込み青物第一号を釣り上げた。

 

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ああ、今がジグのしゃくり時だぁ、と思いながらも、いやいや今日は投げ続けるもんね、と投げ続けましたよ。

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しかしながらやがて夕暮れ時が訪れ、日が沈み夜のとばりが訪れて、暗くなるまで船長は粘って下さったのですが、この日キャスティングにはチェイスもなく終わりました。

それでも、半日投げ続けた自分に満足したのでありました。

 

夜は、福友丸さんの経営する知夫里島の民宿に泊まり、シャワーや風呂で汗を流して美味しい夕ご飯とお酒で満腹になり、翌日に備えて早々にとこに入ったのでありました。

 

 

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2025年5月 6日 (火)

外国人と共に走る春のツーリング⑤伊香保温泉〜横浜

伊豆〜ビーナスライン〜志賀高原満座道路〜伊香保温泉と神奈川県から静岡県、山梨県、長野県、群馬県とやって来た旅もこの日でおしまい、横浜に無事に戻るだけの最終日です。

 

前回も書いたのだけれど、この日は走るルートのほとんどが高速道路で単調なライディングが続く上に、香港ライダーのカール君はバイクで一度にこれだけの長距離を高速道路で走った経験がない、ということも大きな不安材料だったのでありました。

 

それを踏まえて、とにかく前日は早く寝るようにと話しておいたにも関わらず午前一時過ぎまで起きていたカール君だったので、例によって早起きの僕でしたがカール君は七時の朝食の時間ギリギリまで寝かせておくことにして、屋上の露天風呂に使ってさっぱりして時間調整をしたのであります。

 

二人の普段の生活のリズムがあまりにも違うのでお互い戸惑うところもあったりするのですが、大きな支障がない限りはお互いを尊重してやるsかないと思うのでありました。

 

七時にカール君を起こして朝食バイキングを食べたらチェックアウトは道路の混む前に高速に乗りたかったので九時に設定して支度を始めました。

カール君も食後に屋上の露天風呂に浸かりにゆき僕は部屋で二度寝します。前夜遅くに一度目が覚めてしまいまだ眠かったのでありますね。

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八時半頃目を覚ました僕は身支度をしてカール君が露天風呂から戻るのを待って、時間に合わせて戻った彼と予定の九時を少し回ったところでチェックアウトをして宿を出ました。

 

伊香保温泉から関越道までは初めて使う駒寄パーキングンのETC専用入り口に向かったのですが、水沢うどんの店の連なる街道を通り過ぎて山裾を下ると高速道路が見えて来ました。

高速に乗る前にガソリン補給をしておきたかったので、スマホのナビで検索して最寄りのガソリンスタンドを探して満タンにしたら関越道に乗り東京方面に向かいます。

 

十時半くらいだったのでまだ交通量も少なく時速80キロのスピードを保ちながら走ると、カール君が僕のすぐ後ろを走ってついてくるので、もしもの時のために僕との車間距離を長めに保つように指示して走ります。

彼も理由をちゃんと話せばすぐに理解してくれて、素直に僕のいうことを聞いてくれるので助かりました。

退屈して眠くならないように見える景色の説明をカール君に観光ガイドをしながら走ったので思っていたより快適なライディングになり最初の休憩は嵐山パーキングを考えていたのを高坂サービスエリアまで延長して一気に走りました。

 

寄居から嵐山の辺りは緩い登坂が何キロも続くので渋滞の名所であります。

交通量は少なかったもののそれでも車の数は増え始めて来ていたので一番左端もレーンを80キロで進みました。

とにかく安全第一、そして居眠り運転による単独事故を防ぐことに集中したのでありますね。

 

バイクに乗らない方は、バイクでの居眠り運転なんて信じられないかもしれませんが、意外とバイクも眠くなるものなんです。

昔、バス釣りをしていた頃に夜討ち朝駆けの釣りをバイクでした時には何度も居眠り運転をして怖い思いをしたことのある僕は、とにかくカール君の居眠り運転に気を使いました。

おそらくこれまで香港でしかバイクに乗ったことがなかったカール君はバイクで居眠り運転の経験もなかったろうという前提で、彼が高速走行をどこかで舐めていたら危険だと思っていたのであります。

 

なんとか高坂サービースエリアまで安全に走って辿り着き、休憩をとりつつお昼ご飯も食べて、ここから先は鶴ヶ島ジャンクションで圏央道に入り八王子を回って横浜に向かうだけなのでありましたが、食後の一時間くらいが一番眠気の襲ってくる時間なので要注意です。

 

高坂を出ると間もなく鶴ヶ島ジャンクションを八王子方面に曲がったあたりで僕は少し眠気を感じたので、カール君に眠くない?と聞いたら、彼も案の定少し眠いというので狭山のパーキングで一休み。

眠気覚ましに買っておいたドリンク剤をカール君と二人で飲んでさらにソフトクリームを食べてからのんびりスタート。

車の交通量はかなり増えて来ていて片側に車線の圏央道はスムーズに流れるにはほぼちょうど一杯というくらいの車の量になっていました。

 

ここも安全運転で左車線をキープし、のろい車がいても抜くことはせずに付き合うようにしました。

目覚ましドリンクが効いて眠気もどこかに吹っ飛んでくれたので快適に走ることができ、午後三時半過ぎには厚木のパーキングに到着。

その先は海老名で高速を降りるので最後までお互いに気を引き締めるようにと話し合って出発します。

 

短い休憩をとってから海老名インターまで走って圏央道を下り、一般道を40分ほど走り無事我が家に到着となったのであります。

まだここから借りたバイクを返しに行くという行程もあるものの、とりあえずは一区切り、安全に帰ってこられたことをお互い祝福して握手をし、荷物を下ろして一休みしました。

バイクの返却時間までまだ余裕があったので、少しゆっくり休んでから東名横浜町田インター近くのレンタル屋さんに向かいバイクを返却。

お店の人の対応は素晴らしく良く、僕らが無事に帰って来たことを一緒に喜んでくれたし、転けてキズになったところに関しては冷静に修理代を見積もって請求してくれたので、カール君も一番気になっていたところをクリアできてホッとしていた。

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総走行距離は756キロメートル。

カール君にとっては人生初めてのロングツーリングだったので、メーターの数字を写真に撮っていた。嬉しかったんだろうな。

この五日間を振り返ると、初日こそ雨に泣かされたものの、その先は概ね天気も良かったし、転けたものの怪我もなく大事に至らなかったので僕も満足していた。

 

レンタル屋さんからは僕のバイクにニケツして家まで帰り、近所の焼鳥屋さんで打ち上げとなりました。

そもそもカール君と出会ったのは昨年の夏に僕が北海道ツーリングをした時にお昼に入った食堂で彼のグループがたまたま隣に座って、注文のことでトラブっていたところに僕が首を突っ込んだのがきっかけで、バイク好きの彼とラインを交換してやり取りしているうちに日本をバイクで旅したい、という話になって今回のツーリングが実現したのでありますが、今回のツーリング中も行く先々で僕らと出会った人たちにこの話をして盛り上がり、なんだかみんな親しくなっちゃう感じでとても楽しかった。

 

ここの焼き鳥屋さんでも美味しい焼き鳥と焼酎ですっかり酔っ払って、お店の他のお客さんや店主もこの話に巻き込んでカタコト英会話の店に変貌させつつ閉店時間を過ぎるまで飲んでツーリングの成功を祝ったのでした。

小さな出会いが大きな輪に広がっていくことを身をもって体験できたことはとても素晴らしく思い出深い旅になったのでありました。

 

また来たい!と彼は何度も言っていたのでおそらくまた来ることになるかも知れない。

僕もこのツーリングで普段できない経験をたくさんさせてもらったし、旅先での出会いも素敵なことがいくつもあったので、大歓迎!と返事をしたのでありました。

See you next !

 

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2025年5月 5日 (月)

外国人と共に走る春のツーリング④湯田中温泉〜志賀高原万座道路〜伊香保温泉

香港から来たカール君とのバイクツーリングもいよいよ四日目で、本日が最大のハイライト。

冬季閉鎖で閉まっていた志賀高原万座ルートが二日前に開通したのを狙っての山道のワインディングロードツーリングだ。

しかもこの道は国道の標高2200メートル近い国道の最高地点を通過する上に道路の左右は雪の壁というところも通るので盛り上がるに違いない。

 

当日朝は9時出発を目指した。この日からゴールデン・ウィークの前半が始まるので道路が混むと予想したので、なるべく早い時間の混雑前に快適なライディングをしたかったのだ。

僕は例によって朝早く5時には起きて朝湯に浸かってからストレッチなどをして体をほぐし7時の朝食の時間を待ったのだが、カール君は昨夜も仕事やら何やらで夜更かししていたのでなかなか起きない。ちょっと気をもんだが寝不足でバイクに乗るのも危ないので7時ギリギリに起こして朝食バイキングで満腹になりさあ出発。

と思ったら、カール君はお土産屋さんで買い物したりして割とのんびりな感じ。

短気な僕から見たら、おいおい何やってんだよ!早く出ようぜ、という気分なのだが、海外旅行に来ているカール君から見たら、お土産物くらいゆっくり買わせてくれ、それに何をそんなに急いでんだよ!という気分なのだろう。10分、20分出るのが遅くなったところで大した事ない、と自分に言い聞かせて彼の準備を待って9時に出発となった。

前日駐輪場に止まっていたたくさんの大型バイクはすでに出払っていて遅れをとった形になったのだがまあ良い。

 

この日は前日夕方から入り込んだ寒気のおかげですっかり冷え込んでいて、走り始めたところでの気温が7度とやや寒い。

それを予想して、ウェアはライダージャケットの上に冬山登山用のアウターをがっちり着込んだのでさほど寒くはなかったのだが、山道をどんどん登っていくと気温はどんどん下がり、志賀高原スキー場の下の方を通過する頃には3度まで下がってきた。

驚いたのは自転車でこの道を登っていく人たちが結構いて女性の割合も高い。

自分の足で登り切ったら達成感もひとしおだろうなあ、などと思いつつ追い抜いてゆく。

 

気温が下がるとグローブはしているとはいえこの気温では手が冷たくなる。僕のバイクはグリップヒーターなるものがついているのでスイッチを入れると握っているハンドルのグリップが温まるのだけれど、カール君の借りたバイクには付いていなかったので手が冷たくて辛かったろう。一番上のスキー場である横手山ゲレンデの下の駐車場に着いたときはなんと気温が1度まで下がった。

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ここで一休みしてバイクを止めて冷えた手を温める。

ここからは景色も良いので駐車場は連休らしく車やバイクで一杯だった。カスタムしたスポーツカーがずらりと並んでいて壮観だった。

天気は快晴だったがややガスがかかって遠くの山は少し霞んでいたものの見事な風景だった。

カール君は香港の友達とテレビ電話でこの様子を実況していたようで、今時の旅はこうしてリアルタイムで行き先の風景を共有したり出来るんだなあと感心する。

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30分ほど休んでいよいよ最高地点に向かって出発する。

すぐ先には長野県と群馬県の県境に大きなお店があって、そこには県境を示す大きな文字が壁に書かれていて、ここもインスタなどの写真スポットになっている。したがって駐車場は隙間もないくらいびっちり混んでいたのでスルーした。

 

そこから程なくして道路の左側に国道最高地点の碑がある場所に着くとここの駐車場も満杯だったのだが、運よく一番手前のバイクが出てくれたところにスッとバイクを停められた。

碑の前では記念写真を撮る人たちの順番待ちになっていて、自転車のグループが写真を撮っていたので、思わず「すごいですねえ、自転車でここまで来るなんて」と声をかけたら「実はすぐ下の駐車場まで車で来たんです。ズルしてるんです」と笑いながら返事が返ってきた。

そういうのもありなんだなあ、それでも駐車場からでも結構な斜面を登るのでやっぱり自転車の人はすごいと思う。

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順番待ちして二人で代わりばんこに写真を撮ったら後から次々と来る車やバイクに場所を空けんとさっさとこの場を去って下り始めた。

少し下りたところに先ほどの自転車のヒトが言っていたと思しき駐車場があったのでバイクを停めて残雪の山々の風景を堪能する。

 

道路を走る車は思っていたほど多くなく、駐車場の周り以外では渋滞するようなことも全くなかった。

天気も良く空気もよく景色も良く、良いことずくめの三点セットで言う事なし。

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ここからまた少し下ったところに道路の左右に雪の壁が高く残っている場所があり、やはりバイクや自転車の人が写真を撮っていたので僕らもバイクを路肩に停めて写真を撮った。

雪の壁は5メートルくらいか、立山黒部ルートの雪の壁には及ばないもののなかなかの見応えがあった。

ここではなぜか車で来た人は写真を撮る人がいなくバイクのヒトか自転車のヒトだけだったのが面白い。

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香港育ちのカール君は雪を見る機会もそうない上に道路の左右が雪の壁になっているのに大興奮して写真を撮りまくっていた。

埼玉育ちの僕もそれなりにコーフンして写真を撮りまくった。

この辺りに来るともう手が冷たいのも忘れて残雪の風景に魅了され切っていた。

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ここからさらに少し降りたところに広い駐車場があったのでそこにもバイクを停めて写真を撮る。

駐車場のすぐ横には適当な斜面があって、自分でハイクアップしてスキーをしているテレマーカーがいたり、スノーボードを準備している若者もいた。

カール君と二人で僕らも雪の上まで登って写真を撮った。

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ここを離れると、山をどんどん下り見晴らしも悪くなって行く。

草津と万座の分岐点で万座方面に曲がる。

草津方面は雪崩の危険があると言うことで封鎖されていた。

 

ぐんぐん標高が下がっていく道を降ると、先ほどまでは雪山の景色だったのが次第に木々が芽吹き、さらに降りていくと桜が咲き誇ろ場所があり、

料金所を抜けた先の長野原町まで降りると風景はすっかり春の新緑の風景に変わっていった。

 

たったの数時間でこれだけ季節の変化を楽しめると言うのも僕には初めての経験だったので嬉しかった。

八ッ場ダムまで走ってお昼を食べる。

ここの駐車場では何かのイベントをやっていてスピーカーからがなり立てるカン高い声が耳に突き刺さりこれまでの自然満喫モードを一蹴してくれたのですぐに建物の中に逃げ込んでお昼を食べて退散した。

 

八ッ場ダムの水はコバルト色に美しく、カール君もビュいーティフル!を連発していたが、このダムができる前はもっと美しい渓谷があったことや政府が無理やり作ったダムだと言うことなどを彼に話したら昔の渓谷が見たかったと言っていた。

 

ここからは一気に榛名湖に向かって走る。

時間にしておよそ40分。僕も初めていくルートだったのでナビを見ながら慎重に走る。

国道から榛名湖方面に曲がって山道に入るとバイク乗りにとってはなかなかの楽しめるワインディング・ロードが続き気持ちが良い。

 

どんどん登っていくと春爛漫から再び初春の風景に戻っていく。

登り切ってから少し降りたところに忽然と榛名山と榛名湖が現れた。

道を左折してその先の駐車スペースにバイクを停めて一休みする。

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足元の湖畔ではブラックバス釣りの釣り師がいたので声をかけたら、まだ釣れないけどデカいのが見えた、と言っていた。

100メートルほど先には腰まで湖に立ち込んで竿を振る釣り師もいた。どうやらバスの産卵シーズンに入っているらしく一年で一番デカいバスが釣れる時期なのでたくさんの釣り師が来ていた。

 

少し休んだ後、ここからはすぐ近くの伊香保温泉まで走るのがこの日の行程で、まだまだ時間が早かったので湖畔沿いの道をカール君に先行させて好きなところでバイクを停めて写真を撮って、と言うことにした。

 

ここまで四日間、ずっと僕の後ろをついてくるばかりだった彼は自分の好きに走れるのに若干の緊張を持ちながらも嬉しそうだった。

湖畔はちょうど桜が満開だったので何ヶ所かで停まって写真を撮ってゆったりとした時間を過ごす。

 

ボート乗り場の近くではボート釣りのヒトが沢山いてみんな浅場に産卵に来るバスを狙っているのがよく分かった。

昔僕もバス釣りに夢中だった頃にはこの季節は富士五湖に毎週のように通ったことを思い出し懐かしかった。

 

のんびり過ごして榛名湖を堪能したので再び僕が先行して伊香保温泉まで下りる道を下る。

かなり急なカーブが続くので安全にスピードを殺して走った。

途中で路面をわざと起伏を作ってスピードを出さないような舗装をしている場所が何ヶ所かあり、カール君の僕も何事が起こったのかと焦ったり、その走り心地の悪さを笑ったりして走った。こう言う道はローリング族などの多い山道の随所にみられるのだけれど、バイクにとってはとても怖い道で、一つ間違えるとそれほどスピードが出ていなくても事故につながると僕は思うのだが、ケーサツの皆さんはそうは思わないらしいのだね。

 

30分ほど山を下ったら伊香保温泉に到着。

宿もすぐに見つかり、駐輪場もバイク専用に屋根の下にあったのでそこに入ると既に十台ほどのデカいバイクが置かれていた。

 

チェックインを済ませてビールを一杯飲んで早速温泉に入り疲れをとる。

この日のルートは短時間ながら充実していた。一日のルートを頭の中で振り返りながら湯に浸かった。

 

このホテルは洗い場のある温泉と屋上の露天風呂に分かれて湯があり、カール君は温泉を梯子して屋上の露天風呂も行くと言うのだが、僕は少し疲れていたので部屋に戻り眠くなったので少し昼寝をした。

ウトウトしていたらカール君が戻って来て、温泉街を散策してくるというのだが、僕はすっかり疲れていて昼寝するね、と寝てしまった。

 

夕食の時間まですっかり寝込んで疲れも取れたところでこのツーリングの最後の晩餐となる。

と言ってもホテルのバイキングなのでそれほどすごいものも無いのだけれど、僕は日本酒のつまみ用に焼き鳥やモツ煮、寿司などの日本食中心に食べ物を選んで大量にテーブルに並べて、とりあえずビールから日本酒へと二人で飲み進んでいった。

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旅の山場を超えた安堵感と充実感に満たされて二人ともいい気分で酒が飲めた。

僕にとっても初めての経験に沢山出会えた旅になったので、この機会を作ってくれたカール君に礼を言った。

これまで一人だけのソロツーリングしかしたことのない僕にとって初めての二人でのツーリングだったが、お互い気遣い合いながら楽しみを共有できるツーリングは楽しみも二倍になりこれはこれでいいなあと感じていたのだ。

 

翌日は伊香保温泉から横浜まで帰るだけなのでほとんどが高速道路走行になる。

高速道を走るのは単調なライディングが続くのでバイクでも居眠り運転をすることがある。

これは事故を起こせば即、命に関わるような大事故につながるのでこの日の晩は早めに寝るようにカール君に話しておいたのだが、先に眠った僕が夜中に目を覚ますとカール君はまだ起きていたので早く寝るように諭した。

彼の日常生活のリズムが夜更かしなのでなかなか寝付けなかったり、持って来た仕事もあるらしく彼なりに大変だと言うことは承知していたのだが、この日だけは翌日の高速走行が危険だから早く寝るように、と話したら彼も理解してくれてすぐにとこに入って、気づけば僕より先にイビキをかいていた。

 

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2025年5月 4日 (日)

外国人と共に走る春のツーリング③車山高原〜美ヶ原〜湯田中温泉

ツーリング三日目、朝5時に目が覚めてしまい一人で一回のキッチンに行って一人エノカフェをしながら習慣になっている日記を書く。

キッチンには人懐こい猫ちゃんがいて僕の膝に乗ってきて愛想を振りまいてくれた。

黒のトラちゃんで、正直言って僕は猫より犬派なのだけれど、これくらい愛想がいいと猫ちゃんでも可愛いと思う。

 

コーヒーを飲み終えて部屋に戻りカール君は爆睡状態なのでベッドの上でストレッチを入念にやり、6時頃になってキッチンに人の気配がしたので再び下りていくとオーナー氏が朝食の支度をしていた。

 

コーヒーを出してくださったので飲むと、一口でこのコーヒーはかなりこだわって淹れているな、ということが分かる美味しさだった。

二人だけだったのでコーヒーの話から僕のエノカフェの話、今回のツーリングの話などしていく。僕が横浜から来たことを話すとオーナー氏も横浜出身でしかも僕が以前住んでいた街の出身ということがわかり話がはずむ。

途中で朝食を出していただき食べながら話さ進んだのだけれど、話が進む内に趣味がお互いジャズや絵画鑑賞だったり、なんと仕事も同業者でお互いの会社や共通の知人がいたりと世間は狭いではないか。

なんだかとても運命的な出会いを感じた。こういう出会いがあるから旅は面白い。

さらに話すと年齢も僕と同学年でとても親しみが湧きすっかり意気投合しまった。

 

オーナー氏は自転車が趣味で以前は自転車での山登りもやっていたらしい。すごく値段の高そうな自転車が2台キッチンに飾られていて、以前僕も自転車を少しだけかじったことがあるので自転車の話も盛り上がる。

カール君は朝食の7時になっても起きてこなかったのだが、お天気は雲がかかっていて予報では10時ころから晴れてくるという予報なのでオーナー氏のご厚意もあってそのまま寝かせておいて9時になって起こした。

 

カール君が食事中も僕とオーナー氏は趣味の話やら昔の街の話、仕事の話などで盛り上がり楽しい時間を過ごす。

10時近くなりチェックアウトの時間が迫ったので、話の続きはまた今度来ます、ということにしてオーナー氏に見送られながらゲストハウスを出た。

 

ビーナスラインを車山から走り始める。

空にかかっていた雲は概ね取れてきて、蓼科山、八ヶ岳、南アルプスが美しい。

ゆっくり走りながら長めのいい場所を選んでは写真を撮りながら美ヶ原に向かって走る。

 

この辺りは今は枯れ草の山だが、もう少し季節が進むとレンゲツツジの赤い花で染まり、さらに季節が進むとニッコウキスゲの花の黄色が美しい所だ。

これらの美しさに惚れて、40年近く前はずいぶん撮影に来たものなのだけれど、ニッコウキスゲに関しては最近は鹿が食べてしまってずいぶんと減ってしまったらしい。

頭の中で真っ黄色に染まった山の景色を思い浮かべながらワインディング・ロードを右に左に気持ちよく走り抜けた。

 

平日なので他の車やバイクも少なくマイペースで走行を楽しめた。

カール君もカーブを曲がって景色が変わるたびに歓声をあげながら走る。

 

美ヶ原は近づくと、道幅は狭くなりキュカーブも多くなるので先行する僕が、次は急だよ〜!とか道悪いところあるよ〜!とか教えながら走った。

標高1700メートルの標識が道端に立っているのを見て二人ともテンションが上がる。

ヘアピンカーブをいくつか通り抜けると急に視界がひらけて美ヶ原に出た。

 

大きな駐車場の向こうに遠く北アルプスの山々がやや霞んで見えた。

眺めのいい場所を選んでバイクを停めて、三脚を出して二人一緒に写真を撮った。

この雄大ね景色は狭い香港島に住むカール君にはかなりのインパクトがあったようで、しばらくの間香港の知人に電話したりしていた。

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僕も地べたに腰掛けてきたアルプルの山々を見た。

ちょうど正面に五竜岳、唐松岳、白馬岳と昔よく春スキーに行ったお馴染みの山々が見える。

いつ見てもこの連山の姿は飽きない。

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僕ら以外にもバイクのライダーがたくさん来ていたのでカッコイイバイクに乗っている人を選んで声をかけてバイクの話などをする。

地元に住むライダーはしょっちゅうここに来るというので羨ましい。今回はビーナスラインが冬の通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙って遠方から来ているらしいライダーもたくさんいた。バイクのナンバープレートを見ると岐阜や大阪のナンバーもいる。

一時間ほどのんびりして美ヶ原を後にして上田に下り高速に乗って湯田かな温泉に向かう。

 

美ヶ原から上田に向かう道は狭くなるし路面が少し悪くなるので要注意だ。ゆっくりと注意しながらカーブを曲がる。

10分ほど下りたところで美しい白樺に囲まれた場所に出る。一瞬バイクをとめて写真を撮ろうと思ったが停める場所がないので仕方なくそのまま走り抜けた。

 

急なカーブをたくさん曲がってどんどん山を降りていくと丁字路にぶつかりその横に広い駐車場のある蕎麦屋があったので入る事にした。

この店は以前一人でツーリングに来た時にもお蕎麦を食べたことがあるので美味しいのを知っていたのでためらわずに入る。

 

駐車場の周りに生えている桜が満開で美しい事にも引き込まれた。

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蕎麦屋山に入り食券を買い注文する時に店のおじさんに、この子は香港からツーリングに来てるんですよ、と話すとおじさんは急に表情が柔らかくなり遠いところわざわざありがとう、と言ってくれた。

この店に限らず、昨日のお昼のほうとうのお兄さんも、僕が香港から来たんだよ、と言ったら即座にカール君に向かって多謝(ドーツェ)と挨拶してくれたし、外国人と日本人のバイクツアラーというのは彼らから見ても珍しいらしく食いつきがいい。

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山菜を中心にした天ぷらセイロを二人して頼んだが、ちょうど季節の山菜が美味しかった。カール君は好き嫌いなく日本食を食べてくれるので嬉しい。

お蕎麦を食べた後は併設されている土産物屋でお土産を物色し、外へ出てからはバイクと桜の写真をたくさん撮ってから出発した。

 

ここからは急な下り坂も急カーブもなくなり緩い下り道が山村を通り抜けながら走っている。

途中で菜の花が満開の名の花畑があったので急停車して写真を撮った。

 

山を降りてくると季節が短い時間の間にどんどん進んで変わっていくのが楽しい。

名の花畑の向こうに見える山肌も新緑で美しかった。

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上田市内を抜けて上信越道に入り最初のパーキングで休憩を取る。

この辺りから急に風が冷たくなってきて、まだ午後の2時ころだというのにバイクを走らせると寒く感じた。

 

上信越道の信州中野ICまでの道のりは冷たい強風との闘いになった。

トンネルを潜り抜けて出た途端に猛烈な横風が巻くように吹き付けるので注意するようにカール君に伝えながら走っていく。

 

長野市を越えたあたりで信濃川沿いに大きな桜が満開に咲き誇る並木が続いていて目を楽しませてくれた。

かなりの長い距離を桜並木が並んでいたのでおそらく花見の名所として有名な所なのではないかと思った。

 

風はどんどん冷たくなっていき、途中トイレ休憩したサービスエリアでカール君はダウンジャケットを上に着込んだ。

 

強風に煽られながらようやく高速を降りたところでガソリンスタンドを探して給油する。

長野はガソリンが高いので有名だが、僕のバイクはハイオクガソリンなので1リットルが軽く200円を超えると、改めて長野はガソリン高い!と感じた。

 

給油後、カール君が突然マツキヨの看板を見て買い物したいというので急遽入る。

なんでも友人に頼まれた買い物があり、その品物の写真を店員さんに見せて在庫を聞いているのだがどうも無いようで諦めて店を出て湯田中温泉に向かった。

 

10分も走ると温泉街に着きその晩の宿を探したのだが、なんと僕が宿の名前を勘違いして覚えていて、ついた宿はなんだかすごく高級な感じの宿で、バイクを停めたら女将と番頭さんらしき人が出迎えてくれて、名前を告げると僕の予約は入っていないという。

改めてスマホに入っている予約情報を見たら全然違う名前の宿で、その宿の名前を番頭さんに言ったら道順を教えてくれた。ありがたい。

 

我らの泊まるべき宿に着くと駐車場にはすでに10台ほどの大型バイクが止まっており、そこの空いているスペースにバイクを止めてチェックインした。

たくさんの大型バイクは、明日我々が走る予定の志賀高原草津道路が二日前に冬季通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙っていくライダーたちのものと思われる。

 

チェック・インして分かったのだが、このホテルも翌日泊まるホテルも初日に泊まった伊豆ホテルもみんな同じ系列のホテルだった。ネットで条件検索して見つけたホテルなので同じような条件だと同じ系列のホテルが引っかかったようだ。

部屋もサービスも温泉も値段も満足のいくものだったので全く問題はなかったのだけれど、部屋に入った途端、カール君が「俺、ここ来たことある」というではないか。何度も日本に来ているカール君とはいえ、まさか同じホテルに二度泊まるとは思ってもいなかったらしく驚き喜んでいた。

 

部屋で一休みした後は冷えた体を温泉で温め、その後はコインランドリーで洗濯してから居酒屋に食事にという順番で行く事にした。

普段から烏の行水の僕に対して温泉付きのカール君は長湯でなかなか出てこないので、一人で部屋に戻ってビールを飲みながら暮れ行く外の景色を眺めていた。

 

コインランドリーまでは5分ほど歩いて行く。

到着すると普段コインランドリーを使うことのない僕はカール君に使い方を教えてもらった。

百円玉しか使えず、五百円玉の両替機はあるものの新しい五百円玉は両替ができなくてちょっと焦ったが、財布を探したらなんとか間に合うコインがあった。

洗濯時間中には僕が昔仕事で行ったロンドンでコインランドリーに行ったのが唯一のコインランドリー経験で日本のコインランドリーは初めてだ、という事やこの後居酒屋で何食べようか、などという事を話しながら時間を潰す。

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洗濯が終わると、綺麗になった衣服を持ったまま居酒屋に向かった。

ネットで見つけた居酒屋さんは席も空いていてお料理も美味しい。馬刺し、野沢菜漬けの天ぷら、きのこバターなどを食べながらビールから日本酒の飲み比べになって酒がどんどん進む。

飲みすぎると明日の山道走行に支障が出る、というか危険なのでセーブするのが大変なくらい食べ物も酒も美味かった。

ここでもお店のお姉さんが香港からのライダー客を珍しがり話しが弾んだ。

 

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お茶漬けで締めて10時ころ店を出て宿に帰り寝る。

明日はいよいよ今回のツーリングのハイライト、志賀高原草津道路の標高二千メートル以上の道を走る。

明日からゴールデンウィークが始まるので渋滞が心配なので早めに出ていこうね、とこの三日間一緒に暮らして、せっかちな僕から見るとスローペースなカール君に出発時間を念を押してこの晩も先に寝てしまった。

 

 

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2025年5月 3日 (土)

外国人と共に走る春のツーリング②伊豆大仁〜車山高原

ツーリング二日目、朝イチの野暮用が9時からしか陽が足せないので朝はのんびり9時に出発した。

 

雲は多いものの雨が上がってくれただけでも大満足。暖かいのでライダージャケットで走れる、というだけで幸せ。

そうそう、今回は走りながら無線で会話できる「インカム」を二人ともつけていたので走行中のコミュニケーションはちゃんと取れるので、僕が先行してカール君が後からついてくるようにした。

彼のバイクはBMWの310cc。

小さいけれどパワーがあるので高速道路も80キロ走行なら問題なさそうだと分かったので基本的にゆっくり景色を楽しみながらいくスタイルにした。

 

午前10時に野暮用を済ませてフリーになたので大仁から沼津まで走って東名に乗る前に給油する。

僕のバイクは20リットル近く入るのだけれど、彼のバイクは10リットルしか入らないので気を使って早めの給油を心がける。

 

東名に入って走ると眼下に駿河湾が時々見えるのでカール君が大喜び。

富士ICで降りて朝霧高原に向かう。

富士の街中は交通量が多かったが山を登り始めると少なくなった。

朝霧高原が近づいてくると霧の中に入り視界が悪くなる。一番霧の濃いところでは先行車のテールランプがようやく見える程の濃い霧なので緊張した。

それでも朝霧高原を抜けて精進湖が近づいたら霧が消えていと安心。

精進湖から甲府盆地に抜ける道の曲がり角にあるお店でお昼をとって休憩することにした。

 

看板に「ほうとう」とあったのでカール君にほうとうを食べさせたかったのだ。

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中に入ったらたまたま昼時なのに席が空いていてすぐに座れた。

席に座って壁を見たらボクシングチャンピオンのポスターがたくさん貼ってある。よく見たら席に案内してくれたお兄さんじゃないか!

「お兄さん、ボクシングの人?」と聞いたら「もう20年前ですけれどね」と返事。

最近スポーツジムで格闘技エクササイズにハマっている僕は元プロボクシングチャンピオンに興味津々で、色々話しかけると、お兄さんは嫌がりもせずに愛想良く返事してくれるので楽しい。

 

お店的には間もなく観光バスで大量の客が一気に入ってくるので、その対処に緊迫している様子だったが、さすが元チャンピオンだけあって次々入ってくる他の客にも余裕の対応をしているところがすごい。

 

出てきたほうとう定食は季節の野菜と鰹のしっかりした出汁が効いていて大変美味しく、これまで食べたほうとうの中でもトップクラスだった。

いつもはチェーン店に入って食べていたのだがやはりこういう地のものは個人でやっている店のようなところの方が美味しい気がする。

お兄さんに、「これまでで食べた中で一番美味しい」といたら喜んでくれた。

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僕らの会話を聞いていた隣の席のおばちゃんが突然お菓子をくれたりして、なんだかやたらと和んだ雰囲気になった所にタイミングよく団体さんのバスが入ってきて観光客がなだれ込んできた。

出て行くタイミングにちょうどいいので、お兄さんに「また来るね」と挨拶して店を出る。

 

店を出て峠道に入ると間もなく長いトンネルに入った。

この道路はずいぶん前から存在は知っていたのだけれど、このルートを通る用事がなかったので初めて通る。

長いトンネルを二つ抜けると山のかなり高い所に出た。

精進湖側は標高が高いので降りてきてもなおまだ山はうっすらと木の芽が黄緑色になりかけている程度だったのだが、カーブの続く道をどんどん降りて行くとやがて木々は芽吹き所々に山桜が咲いていて美しい。

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路肩のスペースを見つけてバイクを停めて写真を撮った。

カール君も初めてのこうした景色に大興奮し写真を撮りまくっていた。

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さらに下りていくと小さな山村の風景が美しい。日本の正しい山村風景の春、といった感じで大変良い。

道に沿って流れる川は春の水がキラキラ輝いて流れている。

 

道路の傾斜が緩やかになり山村を通り抜けると名の花畑が美しい所に遭遇したのでバイクを停めてまたまた写真を撮る。

ひたすら走りまくるツーリングも楽しんだろうけれど、僕はのんびり景色を楽しむのが好きなのでいつもこんな風だ。

 

山を下り切り甲府南ICの手前で道の駅のような場所があったので一休みする。

甲府盆地は初夏の暑さだった。朝霧高原で着たジャケットの下のフリースを脱ぐ。

少し休んで車山に向かう。

 

甲府南ICから中央道に乗り走り始めると八ヶ岳や南アルプスの山々の裾が見えて雄大な景色が広がる。

八ヶ岳SAまで走って一休み。ソフトクリームを食べながら巣作りに励むツバメを見る。

 

そこから諏訪南ICまで走っておりて八ヶ岳に向かって走ると雲が取れて八ヶ岳の山々が見えたのでまた写真を撮る。

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さらに走って山麓に入る前を左折して蓼科方面に向かってしばらく走るといきなり満開の桜の並木に出会ったので急遽右折して横道に入りバイクを停めて写真を撮った。

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外国人観光客の多くが日本の桜を好むがカール君も例外ではなく夢中になって写真を撮っていた。

しばらく写真を撮って出発。

ところがここでアクシデントが起こった。

 

来た道に戻るのには今いる場所をUターンしなければならなのだが、カール君の足前でうまくバイクでターンできるか微妙だったので悩んだ結果本人が大丈夫というのでUターンしたら嫌な予想が当たってカール君がターン中によろよろと転けてしまった。

本人はパニックになってバイクを起こそうと必死なのだが、起こせる体制になっていない。

僕は安全な場所に自分のバイクをとめて駆けつけて手伝いすぐにバイクを起こしたがマフラーに傷がついてしまった。

 

幸い怪我もなかったし、他の車が来ない場所を選んだので大きな事故にもならなかったが、転けた本人はバイクに傷をつけたこともショックで運転に集中できない様子で走り始めたので気にするな!運転に集中しろ!と声をかけた。

 

少し走ったら落ち着いたようで、周りの景色を楽しむ余裕もでてきたのでホッとした。

茅野市の芹が沢の交差点を右折して蓼科高原方面に向かい、別荘地の手前のガソリンスタンドで給油する。

 

そこから先はビーナスラインに入るとガソリンスタンドがない。

満タンにして安心してビーナスラインに入る。

再び山を登りピラタスロープウェイの分岐を直進し白樺湖方面に向かうとやがて左側の斜面がひらけて中央アルプスの残雪の山々が見えた。

バイクの停められそうなスペースを一つ見逃してしまったのでその先でバイクを停めて写真を撮る。

 

そこからは白樺湖畔のコンビニまで走り夕食と酒を買い込んだ。

この日は車山のゲストハウス泊まりなので夕食を調達しなければならないのだ。

 

僕はレンチンのスパゲティを買ったが大食いのカール君は弁当とラーメンを買い込んでいた。

 

ビーナスラインのメインである白樺湖から先は展望が良い。

東に蓼科山から八ヶ岳、天気が良ければ富士山、南アルプスの甲斐駒岳、さらに南から西に目をやれば中央アルプスまで見える眺望の良さだ。

白樺湖を見下ろす場所で陽の落ちた後の湖を写真に収めてゲストハウスに向かった。

 

ゲルトハウスは車山のペンション街の一番奥にある「うらら」という所。

すぐ横の駐車場にバイクを停めて中に入るとご主人が出迎えてくれた。

宿のオキテを一通り説明を受けて部屋に入るとすぐにビールで乾杯。

この日は他の客もおらず気楽だった。シャワーを浴びて一休みしてから夕食を食べた。

 

日本観光オタクのカール君もこのビーナスラインはノーマークだったと言い感動して喜んでくれた。

買い込んできた日本酒を二人で飲んで少し酔っ払い今日一日をゆっくりと振り返る。

お天気はまあまあ、まだ雲が残っていたのだが明日からは晴れ予報だ。

明日はここから美ヶ原に向かい、高原の風景を堪能した後は志賀高原の麓の湯田中温泉まで走る。

寝不足のバイク運転はとても危険なので夜更かしのカール君に早めに寝るように、と言って僕は先に寝た。

 

 

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2025年5月 2日 (金)

外国人と共に走る春のツーリング①横浜〜伊豆大仁

春の信州にバイクツーリングに行くことになった。

「行くことになった」というのは、昨年北海道ツーリング中にたまたま根室で出会ったバイク付きの香港人のカールくんという僕から見たら若者が、日本をバイクで走りたいから付き合ってくれないか?と昨年末に打診があり、軽い気持ちでいいよ、と返事をしたのがきっかけだったからなのであります。

ツーリングの行程は彼の希望を入れつつ概ね僕が組んで五日間の行程で信州から草津・伊香保と回って帰ってくるルートを考えたのでありますが、カールくんの都合で初日は中伊豆の大仁温泉に行く事になり、ちょっとコース的にはまとまりがないかなあ、という感じになったのでありますが、結果的にはこれが良かった、ということでツーリングの出発です。

 

初日はまずバイクを借りに行くところから始まるのですが、なんとあいにくの土砂降り。

開店同時に行って借りる予定を遅らせて雨が小雨になるまで我が家で待機した。

横浜の我が家から伊豆大仁まではおよそ100キロの道のりなので、初日としては足慣らしにちょうどいい距離だったし、のんびり走っても三時間もあれば行けるので出発を遅らせる余裕があったのでありますね。

 

お昼頃、雨が小降りになったところを見計らってバイクにニケツしてレンタルショップまで約30分、借りるバイクはあらかじめカールくんが予約してあり、バイクショップの方の対応もとても感じがよく手続きも順調に終わりすぐに出発できた、と言っても一度我が家に戻り荷物をバイクに積み込んでからの出発なのでありますね。

 

カールくんのバイクの腕前を知らなかったので、最初は様子見に一般道の交通量が少ないところを選んで帰宅しようと雨の中走ったのでありますが、予報では午後から晴れるという予報とは裏腹になかなか止まない。

途中でお腹も空いたので雨宿りがてらご近所のライダースカフェ、ジャック・イン・ザ・ボックスに寄ってハンバーガーをいただきながら雨宿りする。

 

午後一時半を回り、そろそろ出かけないと夕方までに大人につかなくなりそうな気配になってきたので、小雨の中をやむなく出て、家で荷物をバイクにくくりつけて出発した。

 

まずは横浜の我が家から国道1号線に出て藤沢バイパスから高速で茅ヶ崎まで走り西湘バイパスに向かいます。

国道1号を走っているあたりで雨が上がりホッとする。

高速はレンラルバイク屋さんでETCカードも借りられたのでスムーズに乗り降りできて良かった。

 

西湘バイパスに乗るとおりからの南風で大波が立ち怒涛のように打ち寄せる波を見てカールくんは大興奮。パーキングエリアに入ってしばし海を眺める。

 

ここから箱根に向かい箱根新道に入ると山は雲の中だった。

濃い霧で前の車がようやく見えるくらいの視界の悪さだったので慎重に走る。霧の水滴も体が濡れるくらい酷かったし路面も濡れていたので怖かった。

峠を越えると雲は切れてようやく雨とはおさらばできて本当にホッとする。

 

この日泊まる宿は夕食バイキング付きの宿で、バイキングの始まる午後6時半までにはチェックインして欲しいと言われていたのだけれど、なんとかギリギリの6時過ぎに到着し無事チェックイン。

疲れた体を休める暇もなくバイキング料理とビールでとりあえず初日の無事を祝い乾杯した。

 

香港生まれ、香港育ちのカールくんはバイクこそ持っているものの狭い香港島の中しか走ったことがないので、100キロも一度に初めて走るのは生まれて初めてだったのでそれなりに緊張しただろう。

無事に初日を終えてホッとしたのと満足したので嬉しそうだった。

 

食後はゆっくり温泉に浸かり疲れを取った。

日本の温泉に外国の人と一緒に入るのは初めての経験だったが、日本通のカール君は何度も日本に来ていて温泉も大好きなので、日本の温泉システムに戸惑うこともなく普通に楽しめた。

 

二日目は朝一カールくんの野暮用を大人で済ませた後霧ヶ峰のビーナスラインまで走るので初日の二倍の距離を走ることになる。

どのルートで行こうか色々考え悩んだ。時間を優先するなら高速を利用して御殿場から富士五湖道路〜中央道〜蓼科方面に行けばいいのだが、高速ライディングは好きじゃない。景色を楽しめないからだ。

色々考えた末、大仁〜沼津IC〜富士ICと東名を少し走り、富士山の西側を回り込んで精進湖から甲府盆地に抜けて中央道を諏訪南まで走ってビーナスラインを目指すことに決めて寝た。

 

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2025年4月19日 (土)

コルトレーン8耐その3@小笠原丸内

え~と、コルトレーンをまだ聴き続けています。

 

午前11時に竹芝桟橋を出航した小笠原丸もたぶんもう少しでおおよそ中間地点の八丈島にさしかかると思う。

 

東京湾内はスピード制限があるので、東京湾を出た途端に船はスピードを上げて、現在はまあまあの時化の波をかき分け、大きな船体をもったりと左右にゆらしながら走り続けております。

 

日もどっぷりと暮れて、こちとらお腹は一杯だし、ビールからワインにリレして

少々眠くもなってきた。

 

しかし、マイ・フェイバリット・シングスを聴きながら、これまでの視聴時間を計算してみたら、このグラーツのライブを聴き終えた時点で7時間ちょっとで、8耐と呼ぶにはあと一時間足らない。

 

 

あとCD一枚分だ。

最後は何て〆ようか?とダウンロードしてある残りのアルバムを見たら1964年録音の未発表テイク集と日本のライブしかない。

 

ライブ・イン・ジャパンて確かレコードで持ってるのは二枚組で二時間近くあったはず。

今CDで出てるのはどういう事で60分なのか知りたいけど(たぶんレコードも二枚で60分だったのね)、せっかくここまで黄金クァルテットできたのだからライブではないけれど同じメンバーで締めたいな、なんて思ったら、残るもう一枚(ステラー・リージョン)もピアノのマッコイとドラムのエルビンがそれぞれアリス・マクロードとラッシッド・アリに変わってるじゃん!

 

じゃあ、せっかくだからライブで攻め倒そう!という事で、ラストはコルトレーン・イン・ジャパンにしました。

 

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MCは油井正一さんの若い声かな?

ライブの後に日本のミュージシャンとオールナイトでジャムセッションをやると言ってるではないか!

 

これは一体誰が参加したのだろうか?

どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

 

当時1967年だっけ?フリージャズやってた日本のミュージシャンて高柳先生くらいしか思い浮かばないので誰なのかも知りたいし、冨樫さんもやってたのか?

はたまた御大の貞夫さんやジョージ川口さん辺りが出てきたのか?興味は尽きないですね。

 

話を戻すと、この東京厚生年金会館でのライブはレコードで持ってるのと同じっぽいですね。

 

とは言っても、ライブ・イン・ジャパンも最初に発売されたテイクと1970年代後半に再発されたものは別テイクで中身が違う。

 

そのどちらなのかは、ウチに帰ってレコードと聴き比べてみないと分からないけど、サブスクはこの手のレコーディング・データが貧弱なのが残念。

アメリカには良いのがあってデータもリンクも豊富な上に音質もハイレゾのがあるらしいけど(ルーンね)、色々ハードルがあってそっちに行けない。

 

あ、また話がそれた。

集中力が切れてるな。

 

コルトレーンはこのコンサートではヤマハさんから貰ったアルト・サックスを吹いているけれどテナーと何の遜色もないのは凄いなあ。

 

テナー、ソプラノはB♭キーなので運指が変わらないけれどアルトとバリトンはE♭なのでけっこう面倒くさいんだけどね。

普段からアルトも吹いていたのかな。

 

 

初めて二十歳くらいの頃この演奏を聴いた時はすご~くフリーな演奏に聴こえたけれど、あれから半世紀弱音楽を聞いてきた耳にはちゃんと調整の取れた美しい音楽に聴こえるではないか!

 

半世紀前、コルトレーンはフリーになってダメになった、的なら評価を当時のジャズ評論家達の大勢がしていたけれど、大きな間違いだよねぇ。

きっとまだ評論家の皆さんも耳が若かったんだろうな。

 

最近はプロのミュージシャンがジャズを語れるようになったので、昔のようなインチキジャズ評論家は一部のジャズ喫茶マスター上がりくらいしか居なくなって良い傾向だと思うんですけれどね。

 

あれ?コルトレーン、ファラオ・サンダースの後のソロはテナーに持ち替えてる。

 

やっぱりこっち(テナー)の方がいいな。

 

よ~く聴いてると先程まで聴いていたマッコイ、エルビンのクァルテットのライブより、こっちのサウンドの方が洗練されてる気がする。

 

モードから比べるとかなりフリーな感じはするけれどコルトレーンの音は洗練されているし全体の構成も素晴らしい。

 

元ジャズピアニストで小説家だった原寮さんがコルトーンの日本でのライブを生で見て衝撃を受けた!とどこかに書いていたけど、これは生で観たら人生変わりそうな演奏だ。

 

 

なんて思っているウチに一曲目の演奏は終わり最後の曲メディテーションに突入して行くのであります。

 

この演奏、僕の持ってるレコードと違う感じ。オリジナルの音源なのかもしれませんね。

 

ラストの、メディテーションも凄い!

またアルトに持ち替えてるけど、アルトの音が良い。

 

管楽器って普通は新品は音が抜けなくて、ある程度吹き鳴らし込んではじめて鳴るようになるものなのだけれど、貰ったばかりの楽器とは思えない鳴り方をしている。

 

さらにドラムソロの後にクラリネットのソロが入るのだけれど、音の使い方からしてファラオ・サンダースっぽいんですけど、この辺もご存知の方がいらしたら教えてください。

 

最後の会場MCで、二時間十分の演奏もこれで終わりです、みたいな事を言っているので、すごいライブだったんだなあ!って感動してます。

 

なんか、久しぶりにちゃんとコルトレーンを聴きたら新しい驚きと発見ばかりではないか!

今まで何を聴いていたのだ!?と自問自答してしまった。

 

 

ワタクシのコルトレーン8時間耐久視聴も何とか最後まで聴き遂げられました。

皆様のお力添えあっての勝利であります。(勝ったのか?)

 

こうして聴いてみて改めて今のデジタル時代は便利だなぁ、と思いましたよ。

 

二枚組のアルバムのアルバム四種に二枚足して合計十枚分のアルバムを出先でぶっ続けで聴くなんてつい数年前までは考えられなかった。何らかのメディアを持って歩かなければならなかったし、プレーヤーも必要だし。

音質云々は別にして、こういう聴き方ができるって文化も変わっていくんだなぁ、ってしみじみ思いました。

 

8時間分の駄文に最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。

 

中々できない良い経験ました。

そして、コルトレーンはやっぱり良い!

 

 

2025年4月18日 (金)

コルトレーン8耐その2@小笠原丸内

さあて、コルトーン連続視聴はアルバム4枚目、正確には一つを除いてみんな二枚組なので7枚目に突入しております。

 

さすがにちょっぴり飽きたのでシャワーを浴びて、ついでに船内を少しうろついて気持ち新たに聴き始めました。

まあ、レースで言うピット・インみたいなものです。

 

あ、さっき書いてたときのグラーツのライブの途中からということになりますね。

 

このアルバムは出だしの一曲目がバイバイブラックバードで、一曲挟んで三曲目はソプラノで枯れ葉をゴリゴリに吹いててすごく参考になる。

ちょっとこれ、家に帰ってから聴き直してコピーしよか。

 

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スタンダード曲をコルトーンがゴリゴリやってるのはソフトリーくらいしか知らないのですごく参考になります。もちろんこんな風には吹けっこないんですけどね。

 

こういう演奏を聴くと、曲が簡単とか難しいとか言ってるうちはシロートの域から抜け出せなくんだなぁ、って思い知らされる。曲へのアプローチは演奏家の独創性と創造力次第なんだな、って改めて思い知らされた。そもそも考えてみたらジャズそのものが独創性と創造性の音楽じゃない、って気付かされた。

いやぁ、ジャズを聴き始めてもう半世紀以上経つっちゅうのに気づくの遅い。反省してます。

 

話がコルトーン8耐からそれてしまった。

今現在、午後5時半を周ろうとしているところなので、午前11ちょい前から聴き始めて、若干のお休みは頂いたものの、すでに

6時間以上が過ぎている。

 

この後、6時になったら夕食を摂りながらまたビールなんぞを飲んで勢いづくので、ざっくり午後8時くらいまで聴き続けたら一応目標達成かな。その時間には眠くなっちゃうし。

 

続きは明日の朝起きてからの気分次第ですね~。

 

なんてごまかしてご飯食べて寝ちゃおうかと思いながらも、持ち込んだマルミヤのレンチンビビンバを食べてビールロング缶を開けたところでインプレッションズのベースソロが始まる。ボリューム上げてジミー・ギャリソンのアルコのソロを聴いてるとこれまた良いではないか!

 

さらにその後のコルトーンがまた凄い!

たぶんオリジナルのビレッジ・ヴァンガードのライブより良い。

 

そういえば、あのアルバムは僕が高校2年生の時に初めて買ったコルトレーンのリーダーアルバムだ。

などと時化の海で左右に揺られる身体を壁にもたれかけながら聴き続ける。酔っ払っているわけではない。

 

このアルバム音質もまあまあだし今までちゃんと聴かなかったのが悔やまれる内容。

 

もう一度頭から聴き直したいくらい。

さて、満腹になったし、ワインも飲み始めちゃったしどうしようか。

 

続く,...

 

2025年4月15日 (火)

コルトレーン8耐聴取に挑む@なぜか小笠原丸

ここ数年、年に一、二度小笠原島に釣りに行く。

ご存知かと思いますが、小笠原諸島へのアクセスは東京の竹芝桟橋から小笠原丸に乗って24時間かけて行く以外に手段はないのでありますが、この24時間も初めて小笠原日行った時は長くてすることもなく、退屈で堪らなかったものが、何度か行っている内に時間の使い方を覚えたのか、慣れたのか全く苦にならず、飛行機での短時間移動に比べると身体への負担も少なく感じるのようになってしまいました。

 

とはいえ、畳一畳分の狭いベッドに24時間ただ寝ているのも苦痛なので色々時間潰しの道具を持ち込んだりするのでありますね。

 

ワタクシの場合は毎回ノートパソコンを持ち込んで音楽制作ソフトで曲作りをするというのがメインになっていまして、まぁ曲といっても大したものではなくて、釣りのビデオのバックに流す程度の簡単なものなんですけれども、今年2025年4月の小笠原母島への釣り遠征時にも例年通りパソコンを持ち込んだのでありました。

 

例年通り午前10時過ぎに船に乗りこむと出船も待たずにビールを飲みながらお昼ご飯の島寿司なんかをいただいていい気分になり、さあこの先まだ24時間以上何して過ごそう?となり普段ならここでもうすぐにゴソゴソとパソコンを取り出して曲作りを始めるのでありますが、今回はなぜかそういう気分にならない。

 

他にやりたいことも特にあるわけでなく、いや、むしろやることなんか他には何にもない。あると言ったら船内をウロウロと歩き回るくらいで、あ、そうそう、言い忘れてましたが、小笠原丸はWi-Fiはないので、船が東京湾をでしまう昼過ぎくらいからはスマホもいじりようがなかなるんです。

 

僕らの利用している特2等という部屋は、畳一畳分の個室にテレビが付いてるので、これで船内で流されている映画を見る事はできるのですが、映画を観る気分にもなれないし、さぁどうする、となってしまいました。

 

そんな状態になった時、たまたまスマホのサブスクで聴いてたのがコルトーンでありまして、次は何を聴こうかな、ってリストを見たら普段家では聴かないような、かつては埋もれていたライブの発掘音源がずらっと並んでいるじゃあありませんか!

 

中身をチラ見して見ると、1963年前後のコルトーン・クァルテットとしては一番脂の乗り切った、ワタクシ個人的にも一番好きな時期のコルトーンが沢山ある。

みんなライブオンゲなので、これまた一曲が二十分くらいは当たり前にあって、レコード時代には片面に収まりきらなかったような猛烈に長くて熱い演奏が収録されているではありませんか!

 

ようし!この機会にこれらの爆裂長々演奏をどれくらい頑張って聴けるかやってみよう!とアホな事を思い立ってしまった。

 

ワタクシ、思い立ったらすぐやらないと気が済まない性格なのでそれまで聴いてたジョニー・ハートマンとコルトーンをプチッ!と切り替えてまずは軽めのパリのライブから聴き始めた。

 

このアルバムは三曲41分という肩慣らしには良い内容なので、酔いに任せて聴き始めたら酔いにも身を任せいい気分になる。

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聴いてる内に船は竹芝桟橋を出航し東京湾を走り始める。

 

ちょっとウトウトなんてしてたら41分なんてあっというまに過ぎてしまい、二枚目のアルバムに突入する。

 

今度はラジオのオンエアが音源のハーフノートでのライブ音源なのですが、すごい熱い演奏が盛り上がって、ここからが勝負!という時になると必ずナレーションが入ってフェードアウトされてしまう演奏の連続。

それでも二枚組CDに四曲入って1時間26分聴いた。

 

この辺で普段なら箸休め的にマイルスをちょっと聴くとかボサノバに寄り道するとかしてしまうのだけれど、今回はせっかくの機会なのでコルトーン一本でどれだけ行けるものかやってみることに決めたのであります。

 

これを書く今現在、四種類目のアルバムに突入しておりすでに時計は午後5時を丁度回ったところなので、概ね5時間くらいはコルトーン漬けになってる。

 

ちなみに三枚目はベルリンのライブ二枚組2時間5分でした。

 

もう2枚組のライブを一つ二つやっつければ8時間耐久視聴、いや、聴きてるだけか、聴取になるのですが、まあ、どうでもいいのでまだまだこのまま頑張るのであります。

 

ちなみに、今現在聴いているのは、コンプリート・グラーツ・コンサートという二枚組らしきもので8曲で2時間11分ものの二曲目なのであります。

このワタクシの人生に与えられた二度とない貴重な24時間をどのように過ごすのか!?

 

 

後半に続く。(笑

2025年4月 3日 (木)

今年のサクラマスは渋かった@尻屋丸

今年の3月は極めて温度変化の激しい三月でありました。

昨日は4月、5月の気温で半袖Tシャツで過ごしたかと思うと、いきなり翌日はダウンジャケットが欲しくなるような寒さの到来ともう三寒四温なんて余裕こいて行ってう場合じゃないくらい温度変化が激しい。

おかげで桜の開花なんてつい先日の東京地方ですら夏日!みたいな陽気につられて一気に開花したものの翌日には一気に真冬に逆戻りに「オイオイ!聞いてないよ」という声がき超えてきそうなくらいの激変天候。

ちょうどそんな激変の中、本州最北東端の尻屋崎漁港にある尻屋丸さんに毎年恒例となっているサクラマス釣りに行ってまいりました。

今回も初日は移動してむつ市に宿泊し二日間釣りをして最終日は半日釣りで夕方の便で東京に帰るという二泊三日下北の旅だったのであります。

 

今回は直前になって体調を壊したり仕事でいけなくなったりで定員の8名から3人もリタイヤが出て5人にこの旅をいつもコーディネートしてくださるネイチャーボーイズさんの柳さんとテスターの方を加えて合計7人での釣りになりました。

初日の移動日は午前10時過ぎの便で三沢に飛び昼過ぎに到着すると、三沢市内の「バラ焼き発祥の店」と言われるお店で名物バラ焼きを美味しくいただいてからむつ市までおよそ二時間の移動してホテルにチェックインして一休みし、夕食はこれまた毎回行きつけになりつつあるむつ市内の「あじさい」という美味しいお店で美味しいお酒をいただき早めに就寝したのでありました。

 

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さて、釣り当日は5時半港集合ということで、4時半にホテルロビーに集合して車を走らせ港に向かうと北の空はうっすらと白み始めていた。

気温は5度くらいでさほど寒くはない、風もなく凪予想ということで時間より少し早く港に着くと一年ぶりの船長に挨拶して素早く乗船し釣りの支度をします。

6時出船時にはすでに太陽が海から上がっており明るい海の上を走っていくのでありますが、季節柄のスギ花粉に加え黄砂とPM2.5がこの日は大量に日本列島を襲っていたので空はぼんやりと霞みなんとなく薄黄色い、太陽もぼんやりとおぼろ月ならぬおぼろ太陽になってしまっている。

一時間ほど走るというので凪の海をいいことに早速絵のカフェを開店しようとコーヒー豆をゴリゴリと挽いて準備をしてみたら、湯沸かしポットが船の走行中は電気が入らずお湯がないことが判明したので、とりあえず到着したら即コーヒーを淹れようとスタンバイしていたのでありました。

 

先シーズンのサクラマス釣りは我々が来る数日前から爆釣モードに入り、船中50匹、60匹、70匹と日を追うごとに釣果は炸裂して我々の乗った日も船長の好きな69匹を軽く超えてしまうほどの釣果だったのでありますが、今年ときたら、われらの乗船する前の日は船中0匹で先乗りして一人いい思いも先取りしてしまおうと目論んでいたS氏を粉砕し、マスが釣れない人にだけもらえる尻屋丸名物のBOSEステッカーを見事ゲットしておりその前も船中数匹で今シーズン最高の日で船中4匹という有様なのでありました。

そんな渋いシーズンなのでBOSEステッカーは出まくり、マスはまあ釣れない、という中での出船となったのでありますが、この釣りは釣れる釣れないに関わらず非常にテクニカルなので釣りをするだけで楽しいのでワタクシ的には気分はルンルンなのでありました。

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小一時間走って最初のポイントに着き釣り開始。

お湯の沸くまでの間、最初のひと流し目でみんなに釣られちゃうと悔しいのでとりあえずジグを落としてしゃくります。

マスジギングの特徴はしゃくる時の初速を素早く!しゃくり幅をそれなりに!そしてフォールで食う!というものなので、竿は少し長めでティップの柔らかい竿が向いているのでありますね。

我ら横浜のルアーショップ、エブフロ軍団はネイチャー・ボーイズさんがこの釣り専用に開発したアイアン・フリックという竿を使ったのであります。この竿専用ロッドだけにルアーコントロールもし易いし、繊細なティップのおかげで食い込みが良くバレにくい。

あとはできる限り素早く、ビシッ!と竿をしゃくってはサッとフォールさせるだけなのでありますが、このビシッ!が続けているとなかなか体に厳しい。

 

ひと流ししたところで早くもしゃくるのが嫌になりコーヒーを淹れて皆さんに振る舞い、みんなが釣りの手を休めている時を狙って自分だけ釣ってしまおうという作戦に出たのでありますが、ネイチャー・ボーイズさんのテスターの方がコーヒーは苦手、といいワタクシが無理やり進めたコーヒーを一口だけ飲んで釣りを始めたらすぐにマスを釣られてしまった。

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作戦失敗なのでありました。

コーヒーを淹れて、その後の片付けなどしてモタモタしているうちに今度はネイチャー・ボーイズの柳さんもマスを釣り上げガッツポーズをしているではありませんか。

完全に出遅れたワタクシは必死にタナをしゃくり続けるのでありますが、ジグの色や重さを変えて色々やってみるものの全くアタラず、ジグを底まで落としてしまうとサメが釣れてくるばかり、というBOSE街道を一直線に突き進んでいったのでありますね。

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ポイントを津軽海峡を西に移動してマス釣りの大船団に混じって船は流されたのでありますが、10時頃一度だけ魚が食い上げてくるアタリがあっただけで釣れない。

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一度だけフォール中にアタリがあり何か重い魚がかかったのだけれど、ドラグを出すほど重くて糸は巻けない上にマスの引きでは無い。なんだろう?とやりとりしている内に針が外れてバレてしまった。外道のアタリがあるだけでもすごく幸せ!というくらいの渋い釣りだったのでこんな事でも希望を見出せたのでありました。

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そのうち引率のエブフロY店長が1匹釣り上げて「よーし!仕事は終わった」などと呟き余裕をブッこいてカップラーメンのカレー味を食い始め、船上をカレー臭で覆い包み釣れない軍団(我々残されたゲスト釣り師のことね)をイラダタせるではありませんか。

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カレーの香りに意識が朦朧としつつも、こんな挑発に乗るものか!と気持ちを引き締め直してしゃくり続けます。

 

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ベイトロッドをしゃくる左腕はすでに引き攣りそうに疲労し限界を超えているのではないかと思うのでありますが、しゃくらなければ釣れない!とい心の中で呪文のように反芻しながら黙々としゃくったのでありました。

昼を過ぎたあたりで少し移動したら潮が濁っていたので、これはひょっとして何かいい変化があるかも、と思った矢先にY店長が2匹目をかけた。

う〜む、釣るなあ、とみていたら取り込みの時に船長のタモが一瞬早くマスにアタックしてタモドリどころかマスを突き飛ばしてバラしたので思わず笑ってしまった。ヒトゴトだから笑える典型例なのでありました。

それでもその直後、フォールスピードの違うジグに変えたら二度アタリがあったので、これは続けていればそのうち釣れる、という確信めいたものを感じたのでありますね。

とはいえそのジグはその先はアタリはなくなりました。

そんな努力も虚しく時は早くも午後一時を周り船長の次のポイントで最後です、というアナウンスで移動をした後最後の勝負!としゃくり始めた途端にまたまたY店長がマスをかけて3匹目のヒットをした。

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なんで一人だけポンポン釣るのかはなんとなく分かっていたのだけれど、釣り方を真似してもうまくいかないので、とにかく基本の素早くしゃくり落とす、というのをやっていたらズン!と重いアタリがあり魚の手応え、「お!やったか!」と思ったのも一瞬、引きが方がもったりしていてマスのシャープな走る引きではない。タラでもかかったかな?と一応最後まで慎重に上げてきたらサメで、こいつが体をネジネジくねらせて仕掛けを台無しにしてくださり外道をつってがっかりした上にメインタックルも失うという事態になってしまったのでありますね。

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残り時間は後わずか、諦めてやめるか、残されたタックルで釣り続けるか、答えは一つ!

釣り続ける!なのでありました。

サブの竿はタイラバ用ロッドでティップはしなやかなものの長さが短いのでジグをしゃくった時の動く幅が短くなった。

それが良かったのか、何度か落とし直してしゃくったところで待望のアタリがありマスらしくグイグイ走ってくれるではありませんか!

やったあ!最後まで慎重に巻き巻きして上げてきたらマスの姿が見えてきた。あとは船長にすくってもらうだけ、でもさっきタモパンチで一匹吹っ飛ばしてるのを見たから船長!お願いします!と祈る気持ちであげてくると、さすがの船長、同じアヤマチは繰り返さなかった。きっちりとタモどりをして下さり待望のマスキャッチ!あああ、長い道のりでしたあ!でも釣れてラッキー!

アドレナリンが出まくりさっきまで重くのしかかっていた左肩はウソのように軽くなり身体もココロも軽く弾むよう。

さらにもう一匹を狙ってすかさずしゃくり続けます。

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終了間際の一本、いやY店長のと合わせてポイント移動後比較的短い時間に二本釣れたものだから、船長もここでタイムアップ、といえない釣りしの「念」を感じたらしくアドバンスタイムを宣告してくださった。

他の釣り師一同も、ワタクシごときに釣れるんだったら自分だって、と思ったのか気合いを入れ直してアドバンスタイムを心を一つにして闘ったのでありましたが津軽海峡のマスはそんなに甘くはなかった。

その後はノーフィッシュで納竿となり港に向かいます。

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ワタクシは本当にラッキーな一匹のおかげで気持ちも軽かったのですがBOSE組はさぞや悔しかった事でありましょう。

港に着くと言葉少なに道具を上げます。

翌日は大しけの予報が出ており船長から朝から出船中止宣言が出ていたので落胆は大きかった。

むつ市ないの宿に戻り一休みして夕食は船長も交えて船長の馴染みの店で酒宴となったのでありますが、渋いなりに色々考えながらあの手この手を尽くす釣りなので釣れなくてもそれなりに面白く、盛り下がる宴会にはならなかった、どころか船長からBOSEステッカーをもらった皆さんは誇らしげな顔をしていた。

釣れなくてこんなに嬉しそうな釣り師を見るのもなかなかない、船長の粋な演出に感心しつつ夜は更けていったのでありました。

 

 

翌日はシケなのでゆっくりとホテルをチェックアウトして30分ほど走ったところにあるワイナリーを訪問しみんなでぶどうソフトクリームを食べて、ワタクシはワインを二本購入。

 

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ホテルのルームキーを返し忘れたワタクシのヘマのおかげで再びむつ市内に戻り地元の酒蔵で日本酒も購入し、地元の喫茶店でハンバーグライスをいただいたら大間岬まで小一時間一走り。津軽海峡からの爆風の吹き荒ぶ大間岬で写真を撮ってお土産買ったら一気に三沢空港に向かい、時間丁度に空港に入ったところで飛行機の遅延を知らされ膝カックンするも立ち直ってよりより一時間遅れで羽田空港に戻って参りました。

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「今までで一番渋かったけれど、一番面白かった」と言っていたネイチャー・ボーイズの柳さんの言葉通り、しゃくるスピード、フォールスピード、などジギングの色々な要素を見つめ直すことができてとても良い釣行だったと感じたのでありました。

 

写真協力:Ebb&Flow 
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