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2015年1月26日 (月)

五島列島 再び@サンライズ 冬の玄界灘その2

釣りをなさらない方々には、オフショアのソルト・フィッシングというと、なんだかその響きだけでワケわからんとおっしゃるのではないかと思われますが、平たく言うと
「船で沖に出て餌は使わずルアーという疑似餌を使って魚をだまくらかして釣る」のがこの釣りの特徴であります。

このルアーというシロモノ、たぶんご覧になったことのない方々は想像し難いと思いますが、妙にリアルなものからアクセサリーのように綺麗なものまで千差万別、数かぎりないと言っていいほどたくさんの形と色があります。

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                                                     キャスティング用 プラグ

釣り人は数あるルアーの中からあるときはその釣り場の魚たちが餌としている魚に似たものを選んだり、魚の好む形や色を選んだり、全く自分の好みだけでピンクしか使わないなんていう方がいたりしながら魚をだまくらかして釣り上げるのです。

一目して、「これは釣れそうだあ!」って釣りをしない方でも思うものから、釣り人でも「え〜っ!こんなの釣れるの?」ものまで、今回の釣行記はそんなところもご覧いただこうと思いますので、釣りをなさらない方もチラ見程度でけっこうですので、ご覧位なってみてください。意外と面白いものが登場すると思いますよ。

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                                                  ジギング用 メタルジグ

これら各種ルアーに合わせた竿の硬さ、長さなどが存在しますので、自ずとその数は増えるわけで、今回の場合は一人当たり平均6〜7セットのタックル(道具)が持ち込まれ、船上のロッド・ホルダー(竿受け)はご覧の通り。↓

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これが片舷分なので反対側にも同数のタックルがあり、それでもこれにも収まりきらないタックルが数本ありました。


さて、2015年1月21日朝7時、ワタクシ達一行8名はうっすらと空が明るくなり始めた佐賀県呼子港のサンライズ新海号に到着。素早く荷物を降ろし船に積み込みタックルの準備を始めます。

佐賀県、というと「どこにあるんだかわかんな〜い!」なんて言う人も結構いる一方で、「呼子」(よぶこ)と聞いただけで「イカがうまいんだよあそこは」なあんていう方々も結構いらっしゃるくらい呼子のイカは有名でグルメさんたちの舌を唸らせる美味しさだとか。
残念ながら、ワタクシは釣りの方がグルメよりも優先順位が高いので、前回訪れた時も港近くの土産物屋さんには宅急便の荷物を預けに行ったくらいで、イカはおろか干物の一枚も食べたことがないんです。

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                                               サンライズ新海号  いつ見てもかっこいい船です

天気は曇り、いつ雨が降り出してもおかしくないような暗い空とほおに当たる風に、この日の天気の悪化を予想させられます。
雨は多少、いや結構土砂降りでもちゃんとしたレイン・ウェアを着ていれば見た目ほどには辛くはないものです。しかし風が吹けばたちどころに波が立ち海は荒れ、船は危険にさらされ釣りどころではなくなります。荒れた時化の海の中ではどんな船でもこのは同然、大波を食らえば転覆、遭難、それは死を意味するのです。

本物の海の男であるサンライズをはじめとする遊漁船の船長さんたちは、我々シロート以上にその怖さを知っているので、天候に対する船長の判断は絶対です。
たとえどんなに爆発的に釣れていても、そしてその空は晴れ渡り、波は鏡のように静かでも、船長が風が吹くのを予測し今すぐ釣りを中止して港に向かうという判断を下したならば、釣り人はそれに従わなければならないのです。

海の上では船長の判断は絶対なのです。
同時にそれは船長にとって重い責任なのです。

当初、今回の釣行は対馬方面に行く予定でした。
ところが前日発生し急速に発達した低気圧の影響で対馬方面は強風が吹くとの予報が出たため、計画は変更を余儀なくされました。
そして、サンライズ新海の田代誠一郎船長が下した結論は、対馬より風、波の穏やかという予報と、風裏になる場所や避難場所も多く点在するというような理由で、五島列島方面に行こうというものでした。

オフショアの釣り人の間ではパラダイスと言われている対馬に行けなくなったのは少々残念ではありましたが、11月の長崎のステイタス釣行で訪れた五島列島でブリしか釣れず一人だけヒラマサを釣れなかったワタクシは、すぐに気持ちを切り替え11月のリベンジに気持ちは燃えていくのでありました。

8時前、呼子の港を出港した船は港を出ると西に進路をとります。
さほど揺れることなく海上を走ること1時間と少し、エンジンの音が低くなりポイントが近付いたことを釣り人に知らせます。
一同、身支度をしてキャビンから出る身構えをします。

船の操舵席にある魚群探知機は海底の形状を魚の有無を色で知らせてくれます。

0005 海中の様子を知らせてくれる最新の魚群探知機

これを見ながら船長は魚のいそうなところを船が通過するように操船していくわけです。

さらに、エンジンの回転が下がり船長から「準備してください」と合図が出ると、一斉にキャビンを出て思い思いの釣竿を手にデッキへと向かいます。

初めのポイントは大海原に断崖絶壁の岩礁とも言えるほどの小さな島がポツンとある場所でした。
いかにも魚のいそうなポイント、釣り開始直前の高揚と緊張が胸の中で高鳴ります。
朝一番のポイントというのは、まだその日誰も釣りをしていない可能性が高いため魚へのプレッシャーも低く魚の出る確率が高くなります。
船前部のデッキに立ったワタクシに隣の大阪Sさんに「最高のロケーションですね」と声をかけられ、気分は一層高揚します。

船長の合図とともにキャスティングの開始。

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船長はポイントの上を船が流れるように操船しなら、刻々と変わっていく水深をアナウンスして伝えてくれます。

このようなオフショア(沖)の釣りでは、見た目は変化のないただの海なのですが、水中の地形は起伏に富み、そこには小魚が集まりさらにそれらを捕食する大型魚が回遊してくるのです。
ここでは50mほどの水深からどんどん浅くなり、最も浅い10mくらいの浅瀬部分が最も魚のアッタックしてくる確率が高くなります。

100gほどの魚の形をしたルアーを50m以上投げては、丁寧にかつ大胆に動かすことで魚を誘い出しバイト(魚が食いつくこと)につなげようと試みます。
魚は予告なく水中から一気にルアーめがけて飛び出してきます。釣り人はそれに備え常に心の準備をしていなければなりません。
一投一投ごとに緊張が高まり船長の「ここからがいい場所だよ」とのアナウンスに、緊張はピークに達します。
「出ろ、出ろ!」「来い!来い!」などと無意識に釣り人の口から声が発せられます。

しかしながら、一流し目は水面に魚の波紋が起こることなく終わり、船は少し移動して二流し目に入ります。
この日の海は適度な波が魚の警戒心を薄れさせていると思われる良い状況。
いつ出てもおかしくない場面でしたがこのポイントでは何事も起こることはありませんでした。
二流しして「30分移動します」という船長のアナウンスに一同再びキャビンへ戻ります。

このように、魚のいそうな水中に変化のある場所を次々と移動していきながら魚を狙って行くのがオフショアの釣りです。

ここでの釣り方は、海水面もしくは直下を20cmほどの大きさで100g以上ある魚の形をしたプラグというルアーを投げては細く引きながらこれを動かし魚を誘い出すキャスティングというものと、ジグと呼ばれる鉛の平たい棒に魚の模様などをコーティングしたものを魚の群れのいる水面下あるいは海底まで落とし、これを小刻みに竿をしゃくりあげながら動かし魚を誘い出すジギングというものに大きく分けられます。

キャスティングは竿を大きく振りぬくために、ある程度のスペースを確保しないとキャスティング時にルアーの針が隣の人にかかってしまう危険を伴います。大型の青ものを狙うルアーの針は巨大ですので、これが人の体に刺さると大変危険です。しかしこのような釣りはまだまだ新しい種類の釣りなので、十分なスペースを確保して設計された船は少なく、多くは漁船などを利用した船で行われますが、自ずとスペースは限られ投げられる人数が限定されます。


ワタクシ達の乗っているサンライズ新海号は、まさにこのキャスティングのために船前部のデッキはフラットに広く作られ手すりで囲まれ4人が同時に、船尾のスペースでも2人が安全にキャスティングすることができます。

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キャビン横の左右の舷ではジギングを同時に行うことができるように設計されており、通常風下に向かった片舷はキャスティングに、風上に向かった反対側をジギングにと同時に釣りをします。

このようなルアー専用の船はまだまだ数が少なく、このサンライズ新海号はその中でもトップクラスの船なので、予約受付開始の瞬間あっという間に一年の予約が埋まってしまうという伝説の船なのです。


移動後のポイントでも魚の反応はなく、何度か移動を繰り返しながら魚のいる場所を探していきます。
何度目かの移動の後、前部でキャスティングをしていたワタクシに耳に後方から魚のヒットらしいざわめきが聞こえてきました。
ジギングをしていたY店長に魚がかかったようです。

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数分のやり取りの後上がってきたのは見事なヒラマサでした。

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ワタクシがいまだ手にしたことのない、そして「とにかく釣りたい」と願っているヒラマサをいとも簡単に余裕で釣り上げてしまうのは流石プロの釣り師だけのことはあります。

次に入ったポイントではキャスティングで少々疲れたワタクシはジギングをすることにしました。ポイント的にも比較的深い場所なので水面に魚を誘い出すキャスティングより水中深くを誘うジギングの方が有利であるという判断もありました。

船尾近くで280gの細長いスキルガンマというジグをしゃくります。これは先ほどY店長がヒラマサを釣り上げたものと同じもの、色まで同じです。釣れている人の真似をするのが魚に出会うための最短の道と考えるワタクシに真似することへの抵抗はありません。

水深60m程のところだったでしょうか?
隣で釣っていたヤッシーさんにヒット !
ヤッシーさんはキャスティングのスペシャリストで、実に巧みに正確に魚の群れのど真ん中にルアーをキャスティングし魚を誘い出す腕の持ち主で、普段はあまりジギングはしないのですが、この時は少々深い場所ということもあってかジグをシャクっていた、そこにいきなりヒットです。

よし!魚はいる、オレにも来い!と魚とのやり取りをするヤッシーさんをチラ見しながらしゃくり始めるとワタクシにもヒット!
来ました、待望の今年初ヒット!
この瞬間がたまりません。
船長がカメラを持って駆け寄り、ダブルヒットの様子を写真に収めてくれます。

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                         ダブルヒット!  赤いウェアがワタクシ  ちゃんと竿が曲がっています

笑顔でカメラに向かいヨロコビのファイトをしていくヤッシーさんの魚が水面直下に見えてきました。
すると、なんとここでお隣のワタクシとの距離が近すぎたために、ヤッシーさんの魚が暴れた瞬間にワタクシの糸とおまつり(糸が絡むこと)してしまった!
すかさず船長が糸を掴んで絡んでいるのを外しにかかってくれたのですが、間に合わず、ヤッシーさんの魚は無事ネットの中に収まったもののワタクシの釣り糸は緊張を失い魚が外れてしまっていたのでした。

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                                       ヤッシーさんの釣ったワラサ(ブリの若魚)

ヤッシーさんが釣り上げたのはワラサでした。
ブリは出世魚で大きくなるにつれて名前が変わりますが、地方によってその呼び方は様々、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、となります。関西ではワラサをハマチと呼び輪島ではガンドと呼んでいました、しかし最後の成魚をブリと呼ぶところだけは全国共通なのが面白い。

たぶんワタクシの竿を曲げたのもこのサイズのワラサだったのでしょう。
ヤッシーさんに否はなく、むしろ後ろが広く空いていたワタクシの方が広い方に回り込んでファイトしていればこのようなことにならなかったのです。

う〜む、出だしの1匹目からからバラしか・・・
この時なんだか嫌な予感がワタクシの胸中に去来したのでした。


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