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2015年1月

2015年1月31日 (土)

七里が瀬@サンライズ 冬の玄界灘 その7

冬の玄界灘釣行最終日、今日はあの有名な七里が瀬というポイントを目指します。
「あの有名な」と書いておきながらこの釣りを始めてまだ10ヶ月足らずのワタクシは、その本当の凄さを知るものではありません。釣りビジョンでヒラマサをジギングで見たり、人づてに一流しで何匹ものヒラマサが入れ食いになった話を聞いたり、デカいブリが釣れるという話を聞いたり、そこのポイント専用の七里スペシャルという釣竿があるというのを知っていたりする程度。

漠然と「とにかく釣れる場所なのだな、でも近年だいぶ釣り人に叩かれて渋くなっている」ということが分かっているくらいなのでした。

日の出前、この日も港を出て外海に差し掛かると船は大きく揺れ、昨日の嵐の再現か?と思いましたが、潮波と言われる海流によって引き起こされる波の部分を通過してしまうと、船は安定し速度を上げて沖に向かったのでした。

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1時間半ほど走り、ナビゲーションのモニターに海が浅くなっていることが映し出されると、船はエンジン音を下げて速度を落とします。
船長から釣り方の説明があり、ここではイカのナブラ(群れ)とサンマのナブラが起こると言います。

イカとサンマではそれぞれ釣り方が異なり、イカの場合はイカの群れの周りを取り囲むように魚がいるのでとにかくイカ玉と言われるイカのナブラめがけてルアーをキャストする事。

サンマの場合は移動が早いのだが、群れの後ろを追う大魚が他の大魚が食い損ねて弾き飛ばしたサンマに食いつくので、サンマのナブラの後方に狙いを定めてキャストする事などを教えていただきました。

イカ玉を狙う時に使うルアーはイカそのもの形をしたユニークなもの。
イカ玉には年に何度出くわすこともなく、また他に用途は見当たらないこのようなルアーをいくつも持つ釣り師の頭の中は一体どのようになっているのか?
いや、むしろチャンスが少ないからこそ、その時のために周到な準備をしていると申し上げたほうが良いでしょう。

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                                          イカ・ルアー三種  ワタクシの投げたのは一番左のもの

船はゆっくりと進みながらナブラを探します。
上がって間もない朝日の低い角度の光線の中、大魚がエサを食べるときにあげるしぶきを見逃さないように船長はじめ一同目を凝らします。

「いたいた!」という船長の声はすぐにキャビンに響き渡りました。
一同さっと音もなくデッキに飛び出し竿を構えてキャストの準備をします。
ナブラはイカのです。静かに忍び寄るように船はナブラに近づいて行き、船長からの合図を固唾を飲んで待ちます。

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この時ワタクシは幸運にも船の先端近くに立たせていただいており、いいところに投げれば釣れるという状況にありました。

「でた、左!」「投げて!」という船長の合図とともに4名がほぼ同時にキャスト!
ワタクシのルアーはナブラの上げたしぶきのはるか前方に落ちてしまい、「ああ、こんな大チャンスになんて下手くそなんだろう」と自分に呆れながらルアーを回収し始めたその時!ドン!という鈍く重いアタリが竿から伝わったかと思うと竿が一気に絞りこまれました。

「ヒット!ヒット!」と叫ぶ誰かの声に、「あ、ヒットしているのはオレだ!」と気づくほどに油断していたワタクシは魚の重さに慌ててしまいました。そのまま糸を巻き続けていけばいいものを、魚の口に針がしっかりとかかりきる前に竿を腰に付けたファイティングベルトに収めようとしたため、一瞬糸の緊張が緩んだのでしょう。スッ!と魚の重みが竿から消えてしまいました。

一瞬の出来事に呆然としかけたところに隣で釣っていた大阪Sさんとヤッシーさんの竿が曲がっている。
手練の二人はワタクシのような凡ミスを犯すこともなく見事に10kgオーバーのブリをキャッチ!

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近くにまだナブラはいる!とゆっくり船を進める船長が次のナブラを見つけるのに時間はかかりませんでした。再び「投げて!」の合図に一斉にキャスト!
竿を大きく曲げたのは桐生Kさん。かなりの大物のようで竿は大きくしなります。

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「ゆっくり、ゆっくり」「右に回りこんで」と船長の掛ける声に従い慎重にファイト、およそ5分ほどのファイトの末上がってきたブリは先ほど二人が釣ったものよりさらに一回り大きく見えました。
測ってみると、なんと重量は14.25kg!!!
このような大きさになるとブリも風格というか顔つきが違って見えたのはワタクシだけでしょうか?
Kさん、実は昨年もこの時期のサンライズ・ツアーで14.5kgの大物を仕留めているというじゃありませんか。デカブリ・キラーだったんですね。

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デカブリとのファイト中に姿を消したナブラを求めて船はスピードを上げて走りだしました。数分走ったところで魚群探知機を頼りに魚の群れを発見し、キャスティングとジギングで攻めることになりました。

程なくして、ミヨシ(船前部)でキャストしていた岐阜Mさんにヒット。
余裕でファイトするMさんですが竿はいい感じで曲がっており魚のその大きさを推測させてくれます。

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上がってきたのは見事なヒラマサでした。
「そうだ!このヒラマサが釣りたかったんじゃないのか?!」「とにかくヒラマサが釣りたいと言ってたんじゃないのか?」
先ほどブリを逸した精神的ダメージに打ちひしがれていたワタクシは、この一匹のヒラマサで「しっかりしろ!」とビンタを食らわされたよかのように目が覚めたのでした。

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時間はまだ午前8時過ぎ。場所は天下の七里が瀬。
まだまだチャンスはある。

気持ちを切り替えたワタクシはまだ見ぬ初ヒラマサを釣るべく海に立ち向かって行ったのでした。

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2015年1月30日 (金)

誕生日はスキヤキ・パーティ@サンライズ 冬の玄界灘 その6

嵐の玄界灘から無事に壱岐にたどり着いたワタクシ達一行は港近くの旅館に直行し、素早く風呂に入り体を温め我が身の無事を実感し幸せな気持ちになっていくのでした。

程なくして、夕食の用意ができたというので宴会場のような個室に移動。なんとそこにはスキヤキのお鍋がセットされているじゃあありませんか!

昨晩の夕食はサメの酢味噌和えで物議を交わしましたが、すき焼きで文句を言うヒトは誰もいない。一同テンションが一気に上がります。長テーブルに大鍋二つが置かれワタクシの座った席では船長が鍋奉行に。

とりあえず、「誕生日なんだからこれ持って ! 」って肉を持ったお皿を持たされてハイポーズ!

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どうです、この牛肉の迫力!霜降り具合もたまりません!
このお肉は壱岐牛という地元の牛のお肉です。
壱岐牛というブランドは知らなかった。旅はしてみるものですね。自分の知らなかったものにこうして出会うことができますから。

写真を撮ったら早速お奉行様のお出ましです。
手際よく、かつ大胆にお肉を焼いて野菜を鷲掴みでお鍋に打ち込み・・・
どんどんすき焼きができていく。

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一通り具を仕込んだところで火が通るのを待ちながら乾杯!
ノリのいい旅館の仲居さんにシャッターを切っていただいたら、船長のカメラが連写モードになっていて、仲居さんがシャッターを押した瞬間に、「バシ、バシ、バシ、バシ、バシ、バシ!」ってあっという間に6~7枚写真が撮れちゃって、仲居さんは何事が起きたのかわからずキョトンとしていました。

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乾杯の後は、お料理にかぶりつきます。
スキヤキだけじゃなくてお刺身も美味しかった。
遠征に行くようになって、魚屋や寿司屋で食べるお魚を美味しいと感じることが少なくなってしまったフシアワセなワタクシにも、ここのお刺身は美味しかったですよ。
新鮮で甘み、コクがあって。

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話題は釣りの話にとどまらず、やむしろ釣り以外の話題の方が盛り上がりましたね。
男9人集まって釣り以外の話となればだいたい中身はしれているというもの。
酔いが回ってくると、次々とすごい話が飛び出してくる。世の中色々あるんだなあ。
まだまだ、知らないことが沢山ある。知らなくてもいいことも沢山ある。(笑)

この日はあまり釣れなかったけれど、嵐の中から無事に宿にたどり着くことのできた安堵感からか、皆さん妙にテンションが高かったようで妙な盛り上がりでしたよ。

スキヤキ鍋が綺麗に片付いたところでY店長が部屋の外に出て行ったと思ったら、ケーキを手に戻っていらっしゃった。

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たぶん5号くらいあるイチゴのショート・ケーキには小さなシュークリームが飾られ、ミッキー型のローソクが二つ。チョコレートのプレートには「HAPPY BIRTHDAY えのちゃん」の文字。

そうなんです。この日誕生日だったワタクシのために、わざわざケーキを用意してくれたんです。しかもこの日は壱岐に行くのを決断したのはたしかお昼ごろだったと思うので、それからこの島の中でこのような立派なケーキを手配してくださったY店長及び旅館の方々にも感謝。店長はただの悪魔の予言者ではなかった、幸せを運ぶ天使でもありました。

一同に「ハッピー・バースデー」の歌を合唱していただきローソクの火を吹き消して感無量!・・・とおもったら、もう一人の仕掛け人船長が居ないじゃあありませんか。
どうやらお仕事の電話を廊下でしていたようなので、戻ったところで再度全員で「ハッピー・バースデー」の大合唱!

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家族以外にこんなにお祝いしてもらったことはそうないので実に嬉しい。
バースデイ・フィッシュが釣れなかった事などどこかに吹き飛んでしまい、とても幸せな気持ちになれたのでした。
ワタクシはこのくらいのケーキなら一人で食べられちゃうくらい甘いものが大好きなので、甘いの苦手!という方から切り分けたケーキをいただき3切れも食べられてさらに幸せ!!!
このケーキ、正直言って沖の島のケーキ屋さんのモノだからタイシタコトナイだろって思って食べたら、これがなかなか美味しい。甘すぎなくバターの味が程よく感じられる濃厚クリームにキメの細かいふんわりスポンジ。地元横浜でもこのスポンジを作れるところはそうないですよ。

兎にも角にも、人生においてこのような嬉しい誕生日を祝ってくださった皆さんに大感謝!「ハッピー・バースデー」の歌をお大声で二回も歌ってくださり、ありがとうございました。心に残る深い思い出が出来ました。生きてて良かった!

釣り師一同のみなさんも「ハッピー・バースデー」の歌を二回も歌うことなんてそうなかったのでは? そういう意味ではお互い貴重な経験となったのでは?

こうして、壱岐の夜は甘いケーキを頬張りながら、あま〜く怪しい話題を熱く語るオヤジたちの熱気で燃え上がって行ったのでありました。


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2015年1月29日 (木)

嵐の中の大移動@サンライズ 冬の玄界灘5

五島列島から日本海の壱岐への移動。
直線距離にしてもおよそ130km。
この日の天気は午後から雨、低気圧が玄界灘周辺を通過するらしく予報でも対馬では風右側20m ! 波高4mという予報が出ていたようです。これは言わば嵐の天気予報です。

日頃ワタクシの乗っている、平塚あたりの乗り合い遊漁船では波が2mの予報が出たら、船を出すことはまずないでしょう。
しかしサンライズ号は違いました。すでに我々のいた五島列島は既に2m近い波が立っておりましたがおよそ30ノット(時速50kmくらい)で走るサンライズ号も大きく揺れながらもグングンと走り続けます。
それは、この船の持つポテンシャルの高さと船長の腕の良さを意味していました。

操船パネルには船の現在地を示すナビゲーション・システムの大きなパネルがあり、船の進行状況をリアルタイムで見ることができます。

走るにつれて海は荒れてきているようで、時折大きな波に当たると船は波の頂点から一気に波の底に落ちるのでドシン!という音を立てて上下に揺れるようになることが増えてきました。

時計が2時半を回った頃、船は小さな岩礁の近くに止まりました。
そこは好ポイントのようで、船長はでかいヒラマサが出るよ。と釣り人を鼓舞します。
波は高く船は大きく揺れるもののかろうじて釣りのできる範囲内。
釣りバカ達は一斉にデッキに飛び出し釣竿を構えます。ところが次の瞬間「痛い!、ビリビリする!」という誰かの声が聞こえました。
船べりに体が触れたら感電したようにビリビリするというのです。

次の瞬間船の真上でピカッと稲妻がはしりました。
釣竿は電気を通しやすいカーボン製のものがほとんどだったので、このような状況の船上で釣りをするということは、避雷針を持って立っているようなものなので極めて危険なのです。
さすがに身の危険を感じた一同、釣りバカといえども一斉にキャビンに避難します。

船もこの状況では即移動かと思われたのですが、船長の「ここはいいのが出るんだよなあ」という判断でしばらく様子をみることになり、一同キャビンの中で待機します。
船べりに触ったらビリッ!ときましたよ、みなさん大丈夫ですか?船に落雷したら我々は感電するのか?自動車に落雷しても大丈夫なんだから船も大丈夫なのでは?竿に落ちたら竿は焦げるのか?などと落雷に対する不安と恐怖におののきながら経過を待ちましたが、事態に改善の様子が見られないため、再び壱岐に向けての移動開始です。

走り始めると波はさらに高くなっているようで、大きな波の上を突っ切った後にドシン!の回数は増え、間隔は短くなって行き、その振幅も大きくなり、ドスン!と落ちた時に体が一瞬中に浮くようになってきたじゃあありませんか!

船に迫り来る波は船に覆いかぶさるように高く盛り上がり、一瞬波と空しか見えなくなります。大波に突っ込む瞬間船長はスロットルを下げてスピードを落としさらに細かく舵を切って真正面から波に突っ込むことを避けて、次に来る波の頂点から底に船が落ちるのを緩和するのですが、それでも体が一瞬ふわりと浮き上がり次の瞬間ドスン!という音とともに衝撃が体に襲い掛かります。

スキーでいうと大きなコブに真正面から猛スピードで突っ込んだ感じですね。
足のクッションで衝撃を吸収しないと、全身が吹き飛ばされてしまう、あの感覚です。

ナビゲーションの画面は船が玄界灘に達していることを示していました。
ここから壱岐まで何時間かかるんだろう?と思いながらも一同の不安を煽ってはまずいと判断し口には出しませんでした。

いつの間にかキャビンの椅子には3人しか残っておらず、残り5名はキャビン奥で寝ていたようです。どうやら船酔いに苦しんでいる様子でした。

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船酔いに関してはワタクシは何故か強く、かつて一度だけ、岩手県大船渡港から沖の定置網漁を取材した時に、中型漁船で1時間ほど揺れ軽く頭に違和感を感じた程度。この時沖の定置網に着いた時カメラマンのアシスタント君は身動きができないほどの船酔いでうめき苦しんでおりました。

今は船良いにもいい薬があるようで、最も多くの釣り人に愛用されているのはアネロンという薬だそうで、今回もほとんどの皆さんが飲んでいらっしゃった。にも関わらず酔ってしまう方が続出。そのくらい海が荒れていたようです。

空は薄暗くなり始め、ナビゲーションの画面に早く壱岐の島が見えてこないかなあと思い始めたころ、船は沖の海のど真ん中に止まりました。
まさか、釣りするんじゃないよね?って思った瞬間、「水深20m」という船長のアナウンス。釣りするんだあ、って思いながらデッキに出てみると小雨の中船は大波に囲まれている。

それでも釣りができるとなると竿を持ってしまうのが釣り師のサガ。
ジギングロッドを手に左舷でジグをしゃくり始めました。
風上にあたる左舷側には波が正面から押し寄せてきます。
屋根ほどの高さに海面が盛り上がったかと思うと、今度は自分がその屋根の上の高さにいて波の底を見下ろしている、というような中での釣りです。

このような波でも船首デッキでキャスティングする猛者もおり、しばらくするとそちら方面がなにやら盛り上がっている。
魚がルアーを追ってきているようです。
間もなくヤッシーさんにヒット!この方本当にキャスティングが上手い。魚を探す目もいいので、魚のいる場所を素早く探し一発で仕留める才能を持っていらっしゃる。ワタクシごときに真似の出来るものではありません。

上がってきたのは1mは有ろうかという大きなサワラ。こんなデカいサワラを見たのは初めて、ところがこのあたりの海域ではアベレージサイズだそうで、恐るべし玄界灘。

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この後、岐阜Mさんもほぼ同型のサワラをキャッチされたようで、Y店長から「サワラがいるのでシルバーの小さめのジグを投げて早引きで広く探ってみてください」とアドバイスを受けたものの、ワタクシの頭の中はバースデイ・フィッシュ、ヒラマサの文字しか無く、しかもこれがおそらくそのラストチャンスであろうと思われたので、ヒラマサ狙いに徹したのでした。

何度か船を流し返したのち、本日の釣りは終了。
ワタクシのバースデイ・フィッシュ、ヒラマサは夢と消えたのでした。

船は一気に壱岐に向かって走り始めました。

海の方はというと、これまでの波にさらに輪をかけて大きくなっているようで、船が時折来る大波を乗り越えた後に来るドスン!という衝撃がドッス〜ン!!!と大きくなり、その都度体は中に浮き上がります。キャビンのソファに座っていても片手でテーブルに捕まっていないとたちどころに振り飛ばされてしまうほどの衝撃です。
3m?4m?屋根のような高さの波が船を囲みます。

船長は大波が来るたびにスロットルを緩めてスピードを落とし、すかさずハンドルを切って波を真正面からくらわないようにするのですが、それでも落ちた時の衝撃は凄まじい。

ソファの上に置いてたあった雑誌やクッション、テーブルのお皿や食べ残しのパンなど固定していないものみな床に散乱し、それを拾い上げてもまたすぐに落ちてまうので誰も拾おうとしません。否、テーブルの下に頭を入れて床のものを拾おうとした時に船が揺れたらテーブルに激しく頭を打ち付けてしまう為、危険でできなかったという方が正確かもしれません。

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窓から見えるのは水しぶきと斜めに傾いた大波と空だけで、周りの海の様子すらわからない状況、頼りになるのはナビゲーションのモニターと船長の腕のみ。
我々釣り人一同はなすすべがなく、島に着くまでの間じっと我慢するしかないのでした。

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こんな中でも船長は冷静で、「この前の時化の時は、今のスピードの四分の一しか出せなかったんですよ。いくら走っても全然進まないの」などと、もっとすごい時化の時の話をして我々の気分を紛らせてくれようとします。

船酔いはしないと自負しているワタクシですが、酔いよりも「一体いつになったら島にたどり着けるのだろうか?」という不安感が起こってきて、ナビゲーションのモニターを食い入るように見つめていました。
そこには広域の地図と狭域の地図の二つのモニターがあるのですが、広域で見ると船は島のすぐそばまで来ているのですが、狭域のモニターには陸地はまだ表示されていません。

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耐えること1時間、いや2時間とも3時間とも長く感じたのですが、モニターの上部に陸地を示す黄色い地形が現れてきました。しかし船の揺れる状況は変わらず、窓の外には相変わらず波と空しか見えない。そしてモニターに映し出された陸地が近づくスピードがとても遅く感じられ、やきもきさせられます。「本当に島はあるのだろうか?」とナビゲーションのモニターを疑いたくなったころ、進行方向右手に陸地が見えてきました。

陸地が見えてから港の防波堤を超えて構内に入るまでの時間も、これまた長く感じました。「時間というものはヒトの観念の中にあるもので実体などないものだ」、というようなことをTV番組の「夜タモリ」の中でタモリが語っていたのを思い出しました。

実際にはほんの数分だったのかもしれませんが、ワタクシにとっては、いやおそらく船長を含む全員がもっと長い時間を感じていたに違いありません。


船が防波堤を横に目て港内に入ったとたん、先ほどまでの揺れは嘘のように波は静かになり、船はスピードを上げて港内奥の停泊場所へと向かいました。

「ああ、生きてたどり着くことができた」
と安堵する一同の気持ちで船内の空気が軽くなったような気がしました。

船を停泊させ終え埠頭に上陸すると空はすっかり暮れていたのでした。

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2015年1月28日 (水)

バースデイ・フィッシュ@サンライズ 冬の玄界灘 その4

1月22日、ワタクシの誕生日であります。
誕生日だというのに、わざわざ遠く九州は五島列島の最南端まで釣りに出かけた釣りバカです。
ワタクシにとって今回の遠征釣行の理想形は、この誕生日に人生初となるヒラマサを釣り上げることなのです。
そういう意味では昨日は釣れなくてよかったというもの。
あのバラした一匹が仮にヒラマサで、バラすことなく釣り上げてしまっていたらワタクシは理想を失い大きく落胆していたに違いありません。
バースデイ・フィッシュに初ヒラマサを!このことをはばかることなく釣行メンバーに公言しておりました。

朝6時過ぎ、民宿の駐車場で船から迎えに来てくれる船長

を待っている時、空には星が見えました。風は少し吹いているもののなんとか釣りはできそうです。
昨日はジブかったから今日は爆釣と行きたいですね。誰かがいうと一同静かに頷いておりました。
迎えの車には一度に全員は乗り切れないので二度にわたってピストン輸送しました。
二便に乗ることにしたワタクシが駐車場で待っているとにわかに黒い雲の塊が現れ小雨がぱらつきました。「え〜!?雨〜っ?天気予報では午後からのはずなのに」と誰かの声。
雨はいやだなあ、止んでくれないかなあと思っているうちに雨は止みました。

自称晴れ男のワタクシは、大丈夫、今日はなんとか持つ!と根拠のない確信を持ちつつ船に到着。
すでに一便の方達がタックルを船内から出しておいてくださったのですぐに釣り支度をし、船は走り始めキャビンの中で朝食をとります。

0225                                             朝食はパン、コーヒー、スープ
0224                                     バースデイ・フィッシュ釣るぞ! と気合いを入れる

出船時は穏やかに思えた海は、船が防波堤を越えて外海に船が出たとたん大きく揺れ始めました。陸では僅かな風でも海上では強く吹くことはこれまでにも経験があるので、今日は意外と波があるのかもしれないと思いました。

キャビンから外を見ていると小雨が降ったり止んだり、雨は嫌だな〜と思った瞬間、空が光ったように感じました。「今、光ったよね!」「雷だよ」などとキャビンはざわつき、これでは釣りにならないと船は天候を見ながら風裏になるポイントに向かって走ります。

幸い雷はすぐに収まり風裏のポイントで釣りをするになりました。
昨日同様、海底に変化のある場所を狙って船を流し、キャスティングとジギングで攻めて行きます。
ワタクシはバースデイ・フィッシュとなるヒラマサを求めて船前部のデッキでキャスティングをします。波は昨日よりも確実に荒く、大きく左右に揺れる船の上でのキャスティングはスリル満点。気を許そうものならそのまま海にボチャン、と落ちてしまいます。遊園地のアトラクションなどとは比べ物にならない本物のスリルを味わうことができるのです。
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                                            大きく傾くデッキでバランスをとりながらのキャスト

この日も昨日同様、魚の活性は悪いようでなかなかアタリは出ませんでした。
幾つかのポイントを移動した後、船は小さな島の近くでエンジンを止めました。
いかにも釣れそうなポイント。デッキに上がって竿を握った私は一瞬で気が変わりました。船の揺れに自分の脚力では踏ん張りきれないと判断したのです。波は少しずつ高くなっているようでした。キャスティングの竿からジギングの竿に持ち替えたワタクシは船尾に近い左舷でジギングを開始。

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                                                  波に船は傾き海面には白波が立ち始め・・・


しばらくすると右隣の根魚王のヒットの声。
竿はいい感じでしなり、つられた魚は竿先をククク・・・と何度も引き込みます。
「根魚じゃあないなあ」といいながらリールを巻いてくる根魚王Kさん、余裕のやりとりです。
魚体が見えてくると白っぽい、やはり赤や黄色のハタ類、カサゴ類ではなさそうです。
上がってきたのは見事なマダイでした。2~3kgはありそうな丁度食べて美味しいサイズです。
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さすがだなあ、と感心していると今度は前部のデッキのほうが賑やかに。
どうやら魚が追っているようです、ヒット〜ッ!という声に船上は活気付き賑やかになります。
ヒットさせたのは岐阜Mさん、上がってきたのはこれも食べごろサイズのワラサ。

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「さすが、みんなうまいなあ」と感心している場合じゃあありません、ワタクシもマイ・バースデイ・フィシュを釣らないと!
気合を入れてジグを海底に落としてはしゃくりながら糸を巻き巻き、というのを繰り返しますが一向にアタリは出ません。そんなワタクシをあざ笑うかのように根魚王さんがまたまたヒット!

今度もタイでしたがマダイではなくマトウダイという釣り人以外にはあまり馴染みのないお魚。

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お腹の真ん中に大きな目のような模様があるのが特徴のお魚です。
この魚、食べると美味しいんですが、これが釣れる時は海の潮が止まってしまっている時が多く、釣り的にはあまり歓迎されない魚なんですね。

最近ワタクシも分かるようになってきたのですが、海の釣りというのは潮の動き次第なんです。魚群探知機にどんなにたくさんの魚が映し出されていても、潮の止まっている時というのはお魚ちゃんたちはまったくやる気なし、お昼ご飯をお腹いっぱい食べちゃった後のあなたみたいなもんです。
ぼーっとしちゃって、なんにもやる気にならない状態になったこと、ありますでしょ?

これには根魚王もちょっとがっかりしていた様子でしたが、10分もしないうちに再び王様にヒット!
「今度は重いよ」とおっしゃる通り竿の曲がりが大きい。
「でも、あんまい引かない。なんだろう?」と言っているところにY店長が来て「マトウダイが横向きにくっ付いているんじゃないですか?」なんて言ってたら、上がってきたのは予言通り腹あたりに針が掛かって横向きになったマトウダイじゃあないですか!
Y店長は悪魔の予言者か?!と思いつつ、どうしてわかったのか、適当に言ったのが当たったのかはわからず。

この一匹で、潮が悪いと判断した船長は大移動を決断しました。
今日はこれから天気が悪くなっていき、明日は風も治るので壱岐まで移動しましょう、とおっしゃいました。
このときワタクシ達が居たのは五島列島の南部あたりでしたので、壱岐までは直線距離でも軽く100km以上はあります。
通常の船では考えられない移動なのですが、このサンライズ新海号は違います。
凪ならば40ノット(およそ時速70km)は出せる強力なエンジンに走波性の良いシャープで安定した船体、そして船長の経験と腕。この三つが揃っていればこのくらいの移動は十分可能なことなので、ワタクシも驚きませんでした。

しかし、サンライズ号で移動するにしてもこの時すでに時計は2時半を回っており、壱岐に着く頃には夕暮れの時間になるであろうということはワタクシにもわかりました。
残念ながら、バースデイ・フィッシュの夢は叶わずに終わったようです。

船のエンジンが吠えたかと思うや否やスピードは上がり、船は迫り来る波を突っ切るように走り始めたのでした。

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2015年1月27日 (火)

今年の初フィッシュは?@サンライズ 冬の玄界灘 その3

1月21日、釣行初日。
悪天候が予想されていた対馬を諦め五島列島方面に出かけたサンライズ新海号。

午前中は期待に反して渋い状況が続き、釣れたのはY店長のヒラマサとヤッシーさんのワラサ各1本づつのみ。

ワタクシがバラさなければもう1本だったんですねれどね。

船は島の周りや、ぐるり360度海しか見えない東シナ海の真っ只中といったところの浅瀬などを移動しつつ、魚群探知機の反応を見ては釣りを展開していったのでした。

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動きがあったのは午後1時をまわったあたり。
ジギングしているワタクシの右となりで釣っていた根魚王Kさんにヒット !
しなる竿からその魚の大きさが伺えます。
一同の注目を浴びる中上がってきたのは50cmは超えると思われる大きなカサゴ。
通称ウッカリカサゴ、地元名ボッコという魚です。

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根魚王はよほどのことがない限りは、他の人がキャスティングをしていようがジギングをしていようが全く動ぜず、ひたすら根魚と言われる海の底に住む魚をそれ専用のジグで狙うお方なのです。
この日も早々に王様の面目を保つ一匹を釣り上げました。

上の写真にも写っているワタクシ(オレンジのウェア)はキャスティングに疲れたのでジグをしゃくりながらヒラマサを狙っていたのですが、根肴王の上げたボッコのサイズの良さに感心するやら羨ましがるやら。

30分程してジギングにも疲れたワタクシは、もうちょっと軽いジグで楽をしようと、それまで使っていたスキルガンマ280gというジグからアンチョビット・シャープ140gというおよそ100g軽いジグに持ち替えて、ジグを海にポチャンと落とし糸がスルスルとリールから出て行くのに集中していました。

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                                                                 スキルガンマ280g

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                                                          アンチョビット・シャープ140g

ジグが海底に着いた瞬間、つまり糸が出て行くのが止まった瞬間にすばやく巻き始めるのがこの釣りの一つのポイントで、Y店長いわく、「釣れるときは魚が落ちていくジグに付いてみながら寄ってくるらしい、そしてそこに着いたジグがすぐに動かないと、それが自分たちの食べ物ではないと見切ってしまう」そうなんですね。
事実、本日一匹目のY店長のヒラマサも底に落ちきったジグを巻き始めた瞬間魚が食ってきたと言っていました。

ルアーを変えた第1投目というのは魚も目新しいものが目の前に落ちてくるので、スレている可能性が低く食ってくる可能性が高いので集中します。
10mごとに色分けされたライン(糸)の色を注視し、そろそろそこに着く頃だなというところで身構えてラインがとまた瞬間すぐに巻き始め二巻きしたところで「ゴツ!」という感触が竿を通じて手元に伝わりました。
魚です。

しかし、竿先はググッと絞り込まれるもののさほど引くことはしないのを見て「根魚じゃないの?」と誰かがいうのが聞こえました。
確かに、グイグイと引き込むブリやヒラマサとは明らかに違う、おそらくは根魚だろうと私も思いました、でも結構重いじゃあないですか。
ひょっとしたらいいサイズかも・・・

上がってきたのは先ほど根魚王が釣り上げたのと同じボッコでした。
サイズはまあまあ、50cm以上はありそうな感じです。

0101                                                今年の初フィッシュ  ボッコ

魚を手にしてみてふと思い出した。
これは今年初めての魚じゃあないですか!
ワラサらしきものは午前中にバラしたものの、年初め1匹目の魚がこのサイズというのはなかなか嬉しい。
ニコニコ顔で写真に収まりました。

1匹釣れて気分が高揚し、再び同じジグで2匹目を狙うものの、次のあたりは遠く船は移動を繰り返します。

移動する船の船尾で、ずらり並んだタックル・ボックス(道具箱)を眺めていると、ひときわ目立った柄のものが2つ。

ワタクシ達の使用するタックル・ボックスはドカットという品名のもので、これはみんながお揃いにしようと示し合わせて買ったわけでもなんでもなく、耐久性、使いやす大きさ、仕様などからオフショアの釣り師たちの間で圧倒的な支持を得ている為、必然的にみんな同じものになってしまうというわけです。
色は何色かあるのですが、そうたくさん揃っているわけではなくついつい他人と同じ色のものを使うことになることも多いんですね。

0008                                                       赤やピンクのドカット

皆さんシールを貼ったり名前を書き込んだりとそれぞれ工夫を凝らしている中で、この箱全体をペイントでカスタマイズしてしまおうと実行したのが大阪Sさん。
エア・ブラシのアーティストを探し出してこの箱に絵を書き込む工房を立ち上げてしまったそうで、今回は迫力満点の龍の絵を箱全体にあしらった神龍(中国読みでShenlong=シェンロン)もの↓と

0104  
                                                       ドカットに描かれた迫力のペイント

写真には無いハワイのフラ・ダンス美人をあしらったものの二つを持ち込んでいました。
この工房では、お客さんの好みの柄を写真、イラスト、ロゴなどなんでも描き込んだ上に表面は自動車と同じコーティングをしてくれるとか、値段は注文内容によって変わるそうなので、興味あるお方はHPで見てみてください。なかなか楽しいですよ。

さて移動を繰り返すうち、午後の3時頃から天気予報通りに小雨が落ち始めてきてしまいました。幸い冷たい雨ではなかったので防水対策さえきちっとしていれば釣りには支障がないので釣りは続行。

しかし雨は無情にも次第に強まり、小移動中、船後部デッキに立ち尽くすワタクシ達に容赦なく打ち付けています。

004 
                                              小移動中 打ち付ける雨に耐え忍ぶ釣り人達

でも、そんなことぢゃあヒルマナイのが釣りバカって言うもんです。
土砂降り化しつつある雨の中も釣り続け、ワタクシはタイラバという本来はタイを狙う時に使うジグで、海底をトントンと小刻みに落としてはしゃくりる動きを繰り返し小さいながらアカハタを2匹キャッチすることができました。

先ほどのボッコと合わせて、お鍋にしたら美味しい根魚を確保できたので一安心。
おりしも遅く訪れる西国九州の夕暮れ時となり釣行第1日目の釣りは終了。
全体に少々寂しい釣果ではありましたが、釣りのロケーションの良さが釣り人達を充分楽しまさせてくれました。

近くの島に上陸し、予約してあった宿に入りお風呂を浴びて体を温め夕食のお料理に舌鼓を打ちます。

0106

この日の話題は、夕食のおかずにあったサメの酢味噌和えについて集中。
サメなんか食えない派から酢味噌はうまいよ派、全然オーケー派と論戦を戦わしつつビールはドンドン進んで行ったのでありました。

食事の後は、一同部屋に戻りお酒を飲んだりお菓子を飲んだり思い思いに過ごします。
全員が気持ちを一つにしているのは明日の天気のみ。
予報では雨になりそうだとか、雨だけならば良いのですが風が吹くと波がったって釣りには厄介なことになります。

風だけは吹かないでくれ〜!と祈りながら、早寝の私は午後9時をまわったあたりで一人先にとこに着いたのでありました。

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2015年1月26日 (月)

五島列島 再び@サンライズ 冬の玄界灘その2

釣りをなさらない方々には、オフショアのソルト・フィッシングというと、なんだかその響きだけでワケわからんとおっしゃるのではないかと思われますが、平たく言うと
「船で沖に出て餌は使わずルアーという疑似餌を使って魚をだまくらかして釣る」のがこの釣りの特徴であります。

このルアーというシロモノ、たぶんご覧になったことのない方々は想像し難いと思いますが、妙にリアルなものからアクセサリーのように綺麗なものまで千差万別、数かぎりないと言っていいほどたくさんの形と色があります。

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                                                     キャスティング用 プラグ

釣り人は数あるルアーの中からあるときはその釣り場の魚たちが餌としている魚に似たものを選んだり、魚の好む形や色を選んだり、全く自分の好みだけでピンクしか使わないなんていう方がいたりしながら魚をだまくらかして釣り上げるのです。

一目して、「これは釣れそうだあ!」って釣りをしない方でも思うものから、釣り人でも「え〜っ!こんなの釣れるの?」ものまで、今回の釣行記はそんなところもご覧いただこうと思いますので、釣りをなさらない方もチラ見程度でけっこうですので、ご覧位なってみてください。意外と面白いものが登場すると思いますよ。

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                                                  ジギング用 メタルジグ

これら各種ルアーに合わせた竿の硬さ、長さなどが存在しますので、自ずとその数は増えるわけで、今回の場合は一人当たり平均6〜7セットのタックル(道具)が持ち込まれ、船上のロッド・ホルダー(竿受け)はご覧の通り。↓

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これが片舷分なので反対側にも同数のタックルがあり、それでもこれにも収まりきらないタックルが数本ありました。


さて、2015年1月21日朝7時、ワタクシ達一行8名はうっすらと空が明るくなり始めた佐賀県呼子港のサンライズ新海号に到着。素早く荷物を降ろし船に積み込みタックルの準備を始めます。

佐賀県、というと「どこにあるんだかわかんな〜い!」なんて言う人も結構いる一方で、「呼子」(よぶこ)と聞いただけで「イカがうまいんだよあそこは」なあんていう方々も結構いらっしゃるくらい呼子のイカは有名でグルメさんたちの舌を唸らせる美味しさだとか。
残念ながら、ワタクシは釣りの方がグルメよりも優先順位が高いので、前回訪れた時も港近くの土産物屋さんには宅急便の荷物を預けに行ったくらいで、イカはおろか干物の一枚も食べたことがないんです。

007 
                                               サンライズ新海号  いつ見てもかっこいい船です

天気は曇り、いつ雨が降り出してもおかしくないような暗い空とほおに当たる風に、この日の天気の悪化を予想させられます。
雨は多少、いや結構土砂降りでもちゃんとしたレイン・ウェアを着ていれば見た目ほどには辛くはないものです。しかし風が吹けばたちどころに波が立ち海は荒れ、船は危険にさらされ釣りどころではなくなります。荒れた時化の海の中ではどんな船でもこのは同然、大波を食らえば転覆、遭難、それは死を意味するのです。

本物の海の男であるサンライズをはじめとする遊漁船の船長さんたちは、我々シロート以上にその怖さを知っているので、天候に対する船長の判断は絶対です。
たとえどんなに爆発的に釣れていても、そしてその空は晴れ渡り、波は鏡のように静かでも、船長が風が吹くのを予測し今すぐ釣りを中止して港に向かうという判断を下したならば、釣り人はそれに従わなければならないのです。

海の上では船長の判断は絶対なのです。
同時にそれは船長にとって重い責任なのです。

当初、今回の釣行は対馬方面に行く予定でした。
ところが前日発生し急速に発達した低気圧の影響で対馬方面は強風が吹くとの予報が出たため、計画は変更を余儀なくされました。
そして、サンライズ新海の田代誠一郎船長が下した結論は、対馬より風、波の穏やかという予報と、風裏になる場所や避難場所も多く点在するというような理由で、五島列島方面に行こうというものでした。

オフショアの釣り人の間ではパラダイスと言われている対馬に行けなくなったのは少々残念ではありましたが、11月の長崎のステイタス釣行で訪れた五島列島でブリしか釣れず一人だけヒラマサを釣れなかったワタクシは、すぐに気持ちを切り替え11月のリベンジに気持ちは燃えていくのでありました。

8時前、呼子の港を出港した船は港を出ると西に進路をとります。
さほど揺れることなく海上を走ること1時間と少し、エンジンの音が低くなりポイントが近付いたことを釣り人に知らせます。
一同、身支度をしてキャビンから出る身構えをします。

船の操舵席にある魚群探知機は海底の形状を魚の有無を色で知らせてくれます。

0005 海中の様子を知らせてくれる最新の魚群探知機

これを見ながら船長は魚のいそうなところを船が通過するように操船していくわけです。

さらに、エンジンの回転が下がり船長から「準備してください」と合図が出ると、一斉にキャビンを出て思い思いの釣竿を手にデッキへと向かいます。

初めのポイントは大海原に断崖絶壁の岩礁とも言えるほどの小さな島がポツンとある場所でした。
いかにも魚のいそうなポイント、釣り開始直前の高揚と緊張が胸の中で高鳴ります。
朝一番のポイントというのは、まだその日誰も釣りをしていない可能性が高いため魚へのプレッシャーも低く魚の出る確率が高くなります。
船前部のデッキに立ったワタクシに隣の大阪Sさんに「最高のロケーションですね」と声をかけられ、気分は一層高揚します。

船長の合図とともにキャスティングの開始。

010

船長はポイントの上を船が流れるように操船しなら、刻々と変わっていく水深をアナウンスして伝えてくれます。

このようなオフショア(沖)の釣りでは、見た目は変化のないただの海なのですが、水中の地形は起伏に富み、そこには小魚が集まりさらにそれらを捕食する大型魚が回遊してくるのです。
ここでは50mほどの水深からどんどん浅くなり、最も浅い10mくらいの浅瀬部分が最も魚のアッタックしてくる確率が高くなります。

100gほどの魚の形をしたルアーを50m以上投げては、丁寧にかつ大胆に動かすことで魚を誘い出しバイト(魚が食いつくこと)につなげようと試みます。
魚は予告なく水中から一気にルアーめがけて飛び出してきます。釣り人はそれに備え常に心の準備をしていなければなりません。
一投一投ごとに緊張が高まり船長の「ここからがいい場所だよ」とのアナウンスに、緊張はピークに達します。
「出ろ、出ろ!」「来い!来い!」などと無意識に釣り人の口から声が発せられます。

しかしながら、一流し目は水面に魚の波紋が起こることなく終わり、船は少し移動して二流し目に入ります。
この日の海は適度な波が魚の警戒心を薄れさせていると思われる良い状況。
いつ出てもおかしくない場面でしたがこのポイントでは何事も起こることはありませんでした。
二流しして「30分移動します」という船長のアナウンスに一同再びキャビンへ戻ります。

このように、魚のいそうな水中に変化のある場所を次々と移動していきながら魚を狙って行くのがオフショアの釣りです。

ここでの釣り方は、海水面もしくは直下を20cmほどの大きさで100g以上ある魚の形をしたプラグというルアーを投げては細く引きながらこれを動かし魚を誘い出すキャスティングというものと、ジグと呼ばれる鉛の平たい棒に魚の模様などをコーティングしたものを魚の群れのいる水面下あるいは海底まで落とし、これを小刻みに竿をしゃくりあげながら動かし魚を誘い出すジギングというものに大きく分けられます。

キャスティングは竿を大きく振りぬくために、ある程度のスペースを確保しないとキャスティング時にルアーの針が隣の人にかかってしまう危険を伴います。大型の青ものを狙うルアーの針は巨大ですので、これが人の体に刺さると大変危険です。しかしこのような釣りはまだまだ新しい種類の釣りなので、十分なスペースを確保して設計された船は少なく、多くは漁船などを利用した船で行われますが、自ずとスペースは限られ投げられる人数が限定されます。


ワタクシ達の乗っているサンライズ新海号は、まさにこのキャスティングのために船前部のデッキはフラットに広く作られ手すりで囲まれ4人が同時に、船尾のスペースでも2人が安全にキャスティングすることができます。

0001


キャビン横の左右の舷ではジギングを同時に行うことができるように設計されており、通常風下に向かった片舷はキャスティングに、風上に向かった反対側をジギングにと同時に釣りをします。

このようなルアー専用の船はまだまだ数が少なく、このサンライズ新海号はその中でもトップクラスの船なので、予約受付開始の瞬間あっという間に一年の予約が埋まってしまうという伝説の船なのです。


移動後のポイントでも魚の反応はなく、何度か移動を繰り返しながら魚のいる場所を探していきます。
何度目かの移動の後、前部でキャスティングをしていたワタクシに耳に後方から魚のヒットらしいざわめきが聞こえてきました。
ジギングをしていたY店長に魚がかかったようです。

0004


数分のやり取りの後上がってきたのは見事なヒラマサでした。

009
ワタクシがいまだ手にしたことのない、そして「とにかく釣りたい」と願っているヒラマサをいとも簡単に余裕で釣り上げてしまうのは流石プロの釣り師だけのことはあります。

次に入ったポイントではキャスティングで少々疲れたワタクシはジギングをすることにしました。ポイント的にも比較的深い場所なので水面に魚を誘い出すキャスティングより水中深くを誘うジギングの方が有利であるという判断もありました。

船尾近くで280gの細長いスキルガンマというジグをしゃくります。これは先ほどY店長がヒラマサを釣り上げたものと同じもの、色まで同じです。釣れている人の真似をするのが魚に出会うための最短の道と考えるワタクシに真似することへの抵抗はありません。

水深60m程のところだったでしょうか?
隣で釣っていたヤッシーさんにヒット !
ヤッシーさんはキャスティングのスペシャリストで、実に巧みに正確に魚の群れのど真ん中にルアーをキャスティングし魚を誘い出す腕の持ち主で、普段はあまりジギングはしないのですが、この時は少々深い場所ということもあってかジグをシャクっていた、そこにいきなりヒットです。

よし!魚はいる、オレにも来い!と魚とのやり取りをするヤッシーさんをチラ見しながらしゃくり始めるとワタクシにもヒット!
来ました、待望の今年初ヒット!
この瞬間がたまりません。
船長がカメラを持って駆け寄り、ダブルヒットの様子を写真に収めてくれます。

0003

                         ダブルヒット!  赤いウェアがワタクシ  ちゃんと竿が曲がっています

笑顔でカメラに向かいヨロコビのファイトをしていくヤッシーさんの魚が水面直下に見えてきました。
すると、なんとここでお隣のワタクシとの距離が近すぎたために、ヤッシーさんの魚が暴れた瞬間にワタクシの糸とおまつり(糸が絡むこと)してしまった!
すかさず船長が糸を掴んで絡んでいるのを外しにかかってくれたのですが、間に合わず、ヤッシーさんの魚は無事ネットの中に収まったもののワタクシの釣り糸は緊張を失い魚が外れてしまっていたのでした。

0002

                                       ヤッシーさんの釣ったワラサ(ブリの若魚)

ヤッシーさんが釣り上げたのはワラサでした。
ブリは出世魚で大きくなるにつれて名前が変わりますが、地方によってその呼び方は様々、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、となります。関西ではワラサをハマチと呼び輪島ではガンドと呼んでいました、しかし最後の成魚をブリと呼ぶところだけは全国共通なのが面白い。

たぶんワタクシの竿を曲げたのもこのサイズのワラサだったのでしょう。
ヤッシーさんに否はなく、むしろ後ろが広く空いていたワタクシの方が広い方に回り込んでファイトしていればこのようなことにならなかったのです。

う〜む、出だしの1匹目からからバラしか・・・
この時なんだか嫌な予感がワタクシの胸中に去来したのでした。


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2015年1月24日 (土)

とにかくヒラマサが釣りたい@サンライズ 冬の玄界灘 その1

昨年4月の能登輪島弾丸ツアーに始まったワタクシのソルト人生、その後のツアーで幸運にも硫黄鳥島、男女群島、五島列島とソルトファン垂涎の名所めぐりをする中で、ブリ、イソマグロ、カンパチといったいわゆる青物を釣り上げることができましたが、ヒラマサだけがまだなんですね。
マグロはマメジもキハダも一応釣っているんですが、ヒラマサだけはカスリもしない。

前回、昨年11月の五島列島遠征時なんかワタクシだけブリで後の方はみんなヒラマサを釣っているんですから。

釣行後にワタクシのジグのしゃくりに問題があるんじゃないだろうかとプロ・ショップ、Ebb&FlowのY店長に相談し、マジで家の部屋の中でリールを付けた竿のグリップ部分だけ持ってしゃくる練習もしましたよ。
食後に麺ののし棒をしゃくってイメトレしている姿をカミさんにスマホで動画撮影されたりもしました。週2日のスイミング・レッスンの時も寸暇を惜しんで右手をしゃくり左手でリールを巻くイメトレです。飲み過ぎでとうとう手が震えるようになったのかなんていう悪態もつかれました。でも何も恥ずかしいことなんかなかった。

とにかく、ヒラマサが釣りたかったんです。

昨年末、この1月のサンライズ・ツアーに空きが出たという情報をネットで見つけた時には、もう小躍りして喜びました、チャンス到来!迷うことなくすぐにお店に電話して隙間にねじ込んでいただきました。

なんといっても今回の遠征は、佐賀県呼子港のサンライズ新海に乗ってヒラマサの宝庫と言われている対馬を中心とした冬の玄界灘を釣ると聞いたからです。

正月も開けて15日頃、天気予報では今回の遠征日程1月20日から23日は凪の予報でした。
ところが一週間前になり突然凪から時化へと予報は変わり、釣行自体が怪しくなるというピンチに落ちいったのです。

それからというもの、釣行当日まで、日頃晴れ男と呼ばれている自分を信じ、予報よ変わってくれと念じ、毎日何度も週間天気予報を見てはため息をつく日々が続きました。

今回はダメか?とカンネンしかけた出発前日の1月19日、Y店長から行けそうですとの朗報が入りました。ただし対馬方面は行けないかもとのことでした。
対馬じゃなくたっていいんですよ。冬の玄界灘でヒラマサは釣れるんだったら。

そして、出発当日。
どうやら、風裏にあたる五島列島方面に行き先変更という話を聞きました。

11月のリベンジができる。上等じゃないか!と口には出さぬものの心は静かに燃えましたね。

出発直前の夕刻、イスラム国に日本人が拘束され身代金を要求されるという嫌なニュースに気分を重くしながら羽田空港に向かいました。
夕方羽田発の便で夜の9時過ぎに福岡空港着。
すでに到着していた関西、中部方面からの遠征参加者と合流し一路佐賀県は唐津市のビジネス・ホテルにむかいます。
メンバーは皆知った顔ばかり。みな、この一年で知り合った釣り仲間たちです。

二度に渡る能登輪島弾丸ブリツアーでご一緒した岐阜のMさん、沖縄の「よせみや丸船中泊」でご一緒した大阪Sさん。昨年9月のサンライズツアーでご一緒した桐生のKさん、浜松のヤッシーさん、根魚王Kさん、Y店長、そしてこの方だけ初めてお会いした東京のKさん、の合計8名です。
Kさんが今回3人もいらっしゃるので便宜上根魚王Kさん、ブリ王Kさん、そして東京Kさんと呼ばせていただきましょう。

ちなみに、ブリ王さんは昨年もこのツアーに参加しなんと14.5kgのデカブリを釣り上げていらっしゃる。根魚王さんは本ブログにも何度も登場している方で、全員が青物を狙いキャストししゃくっている時もひたすら根魚を狙いつづけ、必ず結果を残していくというすごいお方。

大阪Sさんは、沖縄船中泊「釣りは罪」の回で罪人(ツミビト)となった罪深いお方。
今回も、会うなり悲しげに両眉をハの字に曲げて「今回もアカンのです」つぶやくのでどうしたのかと聞いた所、年末に柔道か何かの大阪の中学生チャンピオンクラスの子と稽古をした際に、マジになって力を入れてしまい、うっかり右腕の筋を伸ばしてしまい竿を振るのもままならないとか。それでも「楽しみですよ、今回も」と微笑んでおられました。
空港から唐津へ向かう途中、我々一行8名は名物と言われるうどん屋さんで、のんびり食べているとお汁を吸い込んでどんどん増えていくという「恐怖のうどん」を食べて空腹を満たし、唐津第一ホテルに到着したのが10時過ぎ。

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                        肉ごぼう天うどん  この写真を撮っている間に20%くらい増えていました

コンビニで各自思い思いの飲み物など購入し翌日6時過ぎ集合に備え各部屋へと早々に散っていきます。
唯一、大阪Sさんだけが、これから部屋でシステム(ラインの)を組みますので、とズラリ並んだドカット(釣り道具入れ)の中からカスタムペイントされた龍柄のものとハワイのお姉さん柄のものを両手に持ち、右腕が痛むからかそれともドカットの重さに顔が歪むのか、辛そうに部屋に入っていったのでありました。

缶ビールを一本買って部屋に戻ったワタクシはサッカー・アジア杯のニュースと共に胸糞悪くなるイスラム国の身代金ニュースをTVでぼんやり眺めながら、とにかく今は何が何でもヒラマサが釣りたいのだ、と自分に言い聞かせ明日に備えて床に着いたのでありました。


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2015年1月21日 (水)

真冬の玄界灘釣行@サンライズ 呼子

本日から三日間、金曜日まで、佐賀県の呼子港からサンライズ新海さんの船に乗って、玄界灘で釣りをします。
もうこの時間はすでに海の上にいる予定ですよ。

ターゲットは、ヒラマサ、ブリ、クロマグロあたり。

クロマグロはここ数年、乱獲の為か年々釣れなくなっているとのことです。新聞でも絶滅危惧種に指定などと書かれていたので皆さんもご存知でしょう。
聞いた話では、産卵場に集まったクロマグロを一網打尽にしてしまうような漁を行っているとか。もし本当なら悲しい現実ですね、漁に規制はかけられないのでしょうか?

釣り人にもリリース規定を設けるのだって賛成しますよ。
とにかく、いなくなってしまったら元も子もありませんから。

一昨日の情報ではブリが釣れているとか。
この時期のブリは脂が乗って最高に美味しいので大歓迎です。

心配なのはお天気ですね。
予報ではイマイチ。
晴れ男の異名をとるワタクシなので、そこはなんとか踏ん張って乗り越えたいですね。
この時期の玄界灘は最高に釣れるそうなので、釣りさえできればなんとかなるでしょう。

結果は24日以降順次更新しますので、お楽しみに!

2015年1月20日 (火)

シンデレラ@バレエ・アート神奈川2015

シンデレラ姫の話を知らない方はおじさん方でも少ないと思いますが、今回はシンデレラのバレエ公演のお話です。

01

「いいオヤジがシンデレラかよ!」ってお思いでしょう。
どこが面白いの?って思われる方も少なからずいらっしゃるでしょう。

これはですねえ、生で見てみないとわからないんですねぇ。
逆に、生で見ちゃったらもうヤバイですよ。一発でトリコになります。

1月18日の午後遅く、ワタクシは神奈川県民ホール、大ホールのロビーで椅子に腰掛け、ロビーを埋め尽くすお客さんたちの客層をぼんやり眺めておりました。

ざっと見て9割が女性、残り1割の男性の中でもワタクシのようなイイおっさんが一人で来ているであろうという方はほとんど見られず、およそ2500人入るホールをほぼ満員にした客の中でおそらくは片手に満たない数なんじゃないか思われました。

03

それだけ、バレエというのは日本においては女子の世界、お目々の中にお星様がキラキラしているようなヒトたちの世界に限定されてしまっている様子が伺われました。
ワタクシのようなオッサンは自ずと自分の居場所が見当たらなくてちょっと落ち着かない心持ちです。
日頃、ワタクシが出入りするジャズ・クラブあたりの客層とは対極にあるんじゃないでしょうか。

今回のバレエは、日本バレエ協会関東支部神奈川ブロック設立35周年第31回自主公演 バレー・アート・神奈川2015、というとっても長い前置きの公演です。
演目は「シンデレラ」そう!みなさんでも知っている、あのシンデレラ姫のお話。

継母とその二人娘にいじめられていたシンデレラが乞食のお婆さんの魔法でお姫様に変身して王子様をトリコにするも、夜中の12時の時計がなると元の姿に戻ってしまう。片方残されたシンデレラの靴が合う足を持つ女性を王子は探して・・・っていうあれです。

02

今回も、バレエ・ダンサーの寺田恵さんことめぐちゃんが出演するというので見に行きました。
彼女の今回の役どころは、乞食のお婆さんが精霊に変身して、いや違う、精霊がお婆さんに変身していたんだ・・・が、4人の精霊を呼び出し、それぞれがシンデレラに花、衣装、金らんマントやダイヤのティアラを渡してカボチャの馬車に乗せて送り出す、その精霊の一人である冬の精を演じるのであります。

会場が暗転しいよいよ公演の始まり。意地悪姉妹が登場し喧嘩を始めます。この姉妹の踊りを見て今日は良さそうだぞって思いましたね。演出、振付はコミカルなのだけれど二人の踊りはとてもしなやかで美しい。動きも大きくて躍動している。いぢわる継母は男性が演じていたのだけれど、これもまた良い。

しかし、しばらくしてから本格的に踊るシンデレラはさらに美しかった。
体のしなやかさ、動きのキレが素晴らしい。ジャンプしても着地で足音を立てない。本物だと思いました。
シンデレラ役は樋口ゆりさんというダンサー。
一目でファンになっちゃいましたよ。

すごい人はいるもんだなあって感心しながら見ているうちに、お話はどんどん進んでいぢわるさんたちはお城の舞踏会に出かけてしまい、例の精霊たちの登場シーン。
我らがめぐちゃんの登場です。

春の精霊、夏の精霊、秋の精霊、冬の精霊と順番に精霊の子分を従えて登場し、ひとくだり踊ってからシンデレラに花やらドレスやらを手渡すのですが、めぐちゃんは最後の冬の精霊で登場。

出てきた瞬間舞台がパーッと明るく華やかになる感じがする。頭に巨大ティアラを乗せて登場するその姿は華やかだったなあ。顔小さい、首長いという恵まれた体型からか?この子にはやはり華がある。
踊りもシンデレラに負けず頑張っていましたね。
五人の精霊とその子分に見送られてシンデレラはカボチャの馬車に乗ったところで第一幕は終わり。あっという間に終わった感じ。
あ、そうそう忘れていた。魔法の切れる時間を知らせるシーンで子役が12人登場したんですが、この子たちも鍛えられていて舞台を壊さなかったのは素晴らしい。

休憩を挟んでからの第二幕は王子様とシンデレラが踊ります。
この王子様も良かった、ダイナミック、ジャンプの滞空時間が長い!以前にも書いたけれど、サッカー日本代表に入れてフォワードやらせたらコーナーキックを全部決めてくれそうなくらい空中に浮いている。
やっぱりバレエはこうでなくちゃあ!

同時に良かったのは道化師役。
実はバレエにおいては道化役というのは非常に大事な役目を持っていて、話の進行に大きく関わり出番も多い 、このヒトの踊りがしょぼいと舞台全体がしょぼくなる。
しかし、この道化役は良かった、多分一番空中にいる時間が長かったんじゃないかと思う位よくジャンプしていたし見事でした。
王子様の取り巻きの男子4人組も良かったなあ、個性が引き立っていたし、この辺は演出も素晴らしかった。

このように、二幕まで見たところでもうかなり満足しちゃいましたよ。
音楽は富田実里指揮の 俊友会管弦楽団、曲はプロコフィエフのシンデレラ。
プロコフィエフという作曲家はワタクシの中のクラッシック世界では完全にノーマーク。舞台音楽のヒトくらいの事しか知らず、時代もいつ頃の人なのかも知らないくらいぞんざいな扱いだったのですが、素晴らしいバレエ音楽ですね。

ワタクシの本職、映像制作の世界ですと、作り上げた映像をみながらそれに合わせて音楽を作るんですが、バレエの場合はどうやって作曲するんだろう?って思いましたよ。
だって昔はビデオやフィルムなんていう記録媒体がないわけですから、踊りの振りがあってそこに音楽をつけるのか?それとも物語に合わせて作曲したものに振りを付けていくのか?どちらかだと思うのだけれども(多分後者かな)、実に踊りと音楽が見事に融合している。

映画だったらミュージカル映画のサントラだと思ってください。でも、バレエには台詞やSE(sound effects)がないからその分も全て音楽が役割を担うのですが、それを見事にやってのけている。クラッシックという世界の奥深さを知りましたね。

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」なんかは明らかに曲を作ってそこに振りを当てているのがわかるんですよ。曲だけ聴いても結構楽しめちゃいますから。
でも、プロコフィエフは曲だけ聴くのと踊りと一緒に聴くのでは全く印象が違うのではないかと思う。

さて、バレエの方は第三幕に突入、シンデレラの残した靴に合う足の女性を探して世界と駆け回る王子様が最後にシンデレラのおうちにやって来て、偶然にもシンデレラの懐からもう片方の靴がポロリと落ちて、二人は幸せに。というくだりです。

現実的にはリアリティのかけらもないようなお話なんですが、舞台の上ではこのおとぎ話を完璧に構築している。それも多くのダンサーの素晴らしい踊り、音楽、舞台照明、振り付け、演出、全てが融合されて初めて現実を忘れてその中に入り込めるような世界を作ってくれるんです。映画だってそうでしょう?!
それを、生の舞台でやってくれるんですから、いいオヂサンのワタクシも感動で目がウルウル、瞳にお星様がキラキラしちゃいました。

シンデレラと再会した王子様、二人の踊りはこれまた素晴らしいし、それを盛り立てる精霊たち、とりわけめぐちゃんの踊りも素晴らしかった。舞台全体が華やかで、躍動感に満ち溢れていてドラマチックで。
とりわけ感動的だったのがシンデレラの懐から靴がこぼれ落ちた瞬間、驚きに王子様、継母、姉妹一同が氷のようにフリーズしてシンデレラだけ音もなく後ずさりして行くシーン。一瞬の静寂の中に張り詰めた緊張感を微動だにしないダンサーたちと、唯一動く、しかし音もなく静かにそして美しいシンデレラの身のこなしが見事に表現してくれていました。

エンディングは精霊たちに囲まれる中、シンデレラを抱き上げる王子様がポーズを決めた瞬間天からヒラヒラと舞い落ちる銀の紙吹雪にスポットライトでビシッと決まり感動しました。

客席からは拍手喝采。カーテンコールも三回位行われて10分くらい拍手が続いたんじゃなかろうか。素晴らしい舞台でした。

こういう、素晴らしい総合芸術を、言い方は悪いけれど女子供だけに独占させておくのはもったいないですよ。
踊りというと、いかがわしいイメージしか思いおこさないあなた!そう、あなたのことですよ! 一度、遊ぶお金をちょっとためてバレエを見てみてくださいよ。そこには新たな人生の喜びと楽しみが待っていますよ。人生をより豊かに楽しく !


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2015年1月19日 (月)

STEVE LACY / More Monk

なんだか年明けから、いや年末からか、ポール・デスモンドばかり聴いていたので、ちょっと雰囲気を変えて何かないかな?ってレコードいやCD棚を漁っていたらスティーブ・レイシーのアルバムが目に飛び込んできたので久しぶりに聞いてみました。

何枚かあるうちから選んだのがこれ、↓モア・モンクというアルバムです。

More_monk

STEVE LACY/More Monk

STEVE LACY soprano saxophone

Shuffle Boil
Straight No Chaser
Off Minor
Ruby My Dear
In Walked Bud
Trinkle Tinkle
Comin' On The Hudson
Introspection
Jackie-ing
Crepescule with Nellie
Bye-ya

April 18&19  1989 at Barigozzi Studio, Mirano   SOUL NOTE

ご覧んの通り、「包丁一本サラシにまいてぇ〜」じゃないけれど、ソプラノサックス一本だけでアルバム一枚ぶっ通しで吹きまくっているソロ・アルバムです。

2015年にもなってスティーブ・レイシーを聞いて喜んでいる人なんて、日本にどれくらいいるんだろうか?
発売当時だってマイナーだったもんなあ。
「モア」というタイトルからもうご察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、Only Monkというやはりソプラノいっちょうのアルバムを1985年に出していて、このアルバムはそれの続編ということになりますね。

どちらもイタリアのソウル・ノートというレーベルからのもので、イタリア人ってジャズ好きなのは有名だけれど、フリー・ジャズも結構好きみたい。
でも、ドイツあたりでは自国ミュージシャンによるフリー・ジャズが盛んなのに比べるとイタリアでは、これもやはりスティーブ・レイシーと「森と動物園」(The Forest and The Zoo)で共演しているトランペットのエンリコ・ラバくらいしか思い出せないのはワタクシの薄識からくるところなのか?ちょっと調べてみたらそこそこイタリアにもフリージャズ・ミュージシャンはいるようではありますが、どちらかというとみんなでやるものというよりはアメリカのフリージャズを聴くものといった傾向の方が強いのではないかしらという気がします。

この辺興味があるので、詳しい方がいらっしゃったらコメント下さい。

モンクの曲は和声的に素晴らしいものが多く、平たく言うとコード進行がかっちょいいので、いつの時代もコンテンポラリーという類のジャズをやっている方々には、恰好の素材として多く取り上げられている気がしますが、このアルバムでのスティーブ・レイシーのサックス・ソロはモンクのコード進行を独自に解釈して展開するといういうようなところはあまりみられず、曲のメロディーをモチーフにして新しい自分なりのメロディーを作り出しているように聴こえます。

オーネット・コールマンと違うのは、オーネットのソロはどんどん転調していきながら、そのダイナミズムみたいなところでグルーブするのが特徴だと思うんですけれど、スティーブの場合は曲のキーは変えずに吹ききるところですね。

そこのところだけでも随分と耳あたりはいいので聴きやすいけれど、決して綺麗なメロディーを奏でるというには程遠いスタイルなので、ケニーGファンの奥様方などは間違っても手を出さないほうがよろしいかと。

1980年代の始め頃、当時学生だったワタクシは、池袋の東口、豊島公会堂近くにあった「ムシェット」というジャズ喫茶でよくスティーブ・レイシーを聴きました。

この「ムシェット」というジャズ喫茶はフリー・ジャズのレコード(まだCDは無かった)しかかけない特異なジャズ喫茶で、フリージャズ好きのワタクシには聖地のような場所でした。

当時聴いたスティーブのソプラノ・サックスはとても孤独な響きがあって、ジャズ・ジャーナリズムの中ではただの変わり者的扱いをされていたような気もしますし、ワタクシ自身もちょっと変わったソプラノの音が好きで聴いていたのかもしれません。

このアルバムの音も同様にサックスのメロディはとても孤独な響きです。
狭いスタジオで一人黙々とサックスから乾いたメロディーを絞り出しているスティーブの姿が想像されてくるような、開放感の全く感じられない内向的なサウンドですね。そこがいいんですけど。

ワタクシ自身二年ほど前からソプラノサックスを吹いていますが、ワタクシのスタイルにはスティーブ・レーシーは全く参考になりません(笑)
全くというとちょっと失礼かな、音色とかには参考になるところはありますけど、そういう意味ではこのヒトのサックスはもっぱら聴くのが中心であります。

ちなみに、ワタクシがソプラノ・サックスが吹き始めたなのは、世間的にも一番分かりやすいコルトレーンを聴いてソプラノサックス大好きになっちゃった、というところがそもそもの根っこです。

なんだか、とりとめのない文章になってしまい文字通りの散文になってしまいましたが、スティーブのソロも何かこのような散文的な展開、構成のものが多いような、と比較するのはちょっと失礼でしたね。

スティーブ・レイシーについては書きたいことがたくさんあるので、また別な機会に書かせていただきます。なに?もう書かなくていいって?そんなことおっしゃらずに食べず嫌いはやめて一度聴いてくださいまし。

本アルバムの音はYou-Tubeで見つからないので、モンクの曲をやっている他セッションのものでもご覧ください。トロンボーンのラズウェル・ラッドと一緒にやっているもので、このころのラズウェルとの共演ものには秀作が多いです。
Steve Lacy/Roswell Rudd - MONKSILAND BAND


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2015年1月18日 (日)

オーダー・メイドの偏光グラスを作る@宅配のめがねやさん

釣り用のサングラスというと、偏光グラスが一般的ですね。水面に反射したギラギラを取り除いて水の中が見えるようになるあれです。
上州屋さんあたりに行くと1000円くらいからたくさんの種類が売られていますが、これがサンスイさんあたりに行くと桁が跳ね上がって20000円くらいからになるんですね。

いままで、たかがサングラス程度にそんなにお金をかけられねえよ、ってず〜っと安物を使ってきました。まあ、それで特に困ることはなかったし十分じゃんって思っていたんです。

ところが最近、釣行時に家族から必ずと言っていいほど緑内障にならないようにサングラスはちゃんとかけるようにと言われるようになり、目の大事さを意識するようになったら、本当に安物のサングラスでいいんだろうか?と疑問を持つようになりました。

ちょうどそんなタイミングで、近所の釣具屋(saltwater fhising pro shopとも呼ぶ)Ebb&Flowさんにて、眼鏡屋さんに出張していただきオーダーの偏光グラスの受注会をするというので、とりあえず偏光グラスについてあれこれ相談してみようと思い出かけて行きました。

昨年秋に、竿の試し振り会の時はちょっと様子を見にいってみようかと出かける話をカミさんにしたら、それは竿を買わされる会じゃないの!と本質を突かれ、その通りの結果になてしまったことを反省し、今回はカミさんに話すこともなく、また、意地でも買わないぞ!見るだけ!という姿勢も正し、いいものがあったら買おう!と初めから前向きに出かけて行ったのでありました。

Photo

注文会開始の午後1時ちょい過ぎ、お店に向かう階段を軽いステップでのぼりお店のドアを開けると、店の一番奥になにやらセッティングしていいらっしゃる。

一直線にそちらへ向かい見てみると、大きな箱に並べられたサングラスがたくさん並んでいました。

02

簡単にご挨拶して早速相談開始。
まずは、度付きのサングラスにするか否かを決めます。
ワタクシの目はすでに10年前から老眼が入っており、近視の方は幸い軽めで普段の生活ではメガネなしで生活してるんです。釣りの時は時々遠くのポイントが見えにくいのでメガネが欲しいなって思うことがあるんですが、近視鏡をかけちゃうと手元の作業時にピントが合わずに苦労する。というような実情をお話ししたら、遠近両用のメガネを作ってそれに色のついたものをつけるのがベストとのお返事。

「でも遠近両用ってなんか抵抗あるんですよ〜」って話したら今の遠近両用は一枚のレンズで境目がなく見た目はスマート、これに慣れておくのは早いほうがいいそうなので、進行が進んでからだと慣れることができず、昔からある一枚のレンズの下の方に四角いレンズが組み込まれている、いわゆる年寄り臭いメガネをかけることになってしまうとか。

それで一瞬悩んだんですよ。「今から遠近両用にしたほうがいいのかなあ?」って、でも次の瞬間、「まだいいや、もう少し度が進行したらにしようって」思い直しました。

05

度付きでないのが決まったらレンズ選びです。
タレックスという国産メーカーのものが優れているというので、その中から選ぶことに。

ドピーカン用の色の強いの、曇天用の薄めのなど細かく分けると3種類くらいになるらしいんですが、「とりあえず一枚ということならばこれです」と差し出された薄めのスモークのレンズを手にして窓から外を行く車を見たら驚いた!窓ガラスの反射が取れて仲が良く見える上に物の輪郭がはっきり見える感じがするじゃあありませんか!

ちょっと見ただけでこれまでワタクシの使っていた安物とは待った別物であるということを実感し、ある種の感動すら覚え、これはもう買うしかないなと腹を据えてレンズはこれでいこうと決定。

03

あとはフレームを決めるだけです。
いくつか選んでいただいたものの中で気に入ったのはオークレーのサングラス。
そのままでももうレンズは付いているのですが、このレンズを外して先ほどのタレックスのレンズを入れていただこうということで決定。

01

お値段の方はオークレーのフレームにレンズを入れるくらいですからそこそこしましたが、大事な目をちゃんと守ってくれるということを考えたら決して高いものじゃあない。目を悪くして手術だなんだなんてことになったらとんでもない金額と身体的リスクをを負うわけですから、そういうことを総合的に判断したら安いものです。

06

スムーズに決まって、一安心していたところにPZ3の異名を持つ I さんが登場。
さっきまで東京湾の中の瀬でシーバスを釣っていたといいながら現れるないなやメガネコーナーに直行です。
今使っているのはシマノの15000円くらいしたやつなんですけど、やはり違いますかねえ、なんて言いながらもうフレームに手が入っている。

白のフレームが欲しかったようで、たまたま一つだけあったものをかけたら、なかなか似合うじゃありませんか。でもピンクの方がもっと似合うよ、なんて声もありましたがピンクフレームはなかったので白で決定。

Y店長からは3本買った方がいいですよって勧められたのを「いやいやいや!」とかわしてワタクシと同じ晴れ時々曇り対応のものに若手らしくミラーを入れて決定。

申込用紙に記入が終わった後で、レンズを当ててワタクシと同じように外をみて「お〜〜〜〜!」と雄叫びをあげていなさった。「こんなに良く見える、でも買うの決めてから見る自分ていったい・・・」って。

めでたくお買い上げが決まったところに沖縄船中泊で一緒だったヨッシーさんが現れ、これまた滞りなくお買い上げのご様子。さらに輪島と仙台ツアーで一緒だったWさんが登場し、こちらも滞りなくお買い上げのご様子。

さらに初対面の年配の方も現れてお買い上げ。

四人も一堂に会するのは船の上以外では珍しいので、PZ3さんが珍しく釣りの話をし、勢い音頭をとって今度みんなでシーバス釣りに行きましょう、という話になり盛り上がったのでした。この日は珍しく顔を見せなかったKHKさんも誘って2月に東京湾シーバス大会にしよう、優勝したらお店からロッドを出してもらおう、でも参加費は3万円で、などと話は尽きず、午後の1時に出向いたのに時計はすでに4時半を回っていたのでありました。

みなさまも、目は大切です。良いサングラスをお勧めしますよ。
迷ったときは「宅配のめがねやさん」をお勧めします。
あちこちで出張販売会をやっているようですよ。
その場で検眼してメガネも作れますのでとても便利ですし、何よりも眼鏡屋さん代表の重宗さん自身がGTをはじめとした釣りをやるというので話が早いというか信頼できるというか、とにかく安心してお任せできるので宣伝しちゃいますね。
HPもあるのでご参考に

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2015年1月17日 (土)

アラスカでキングサーモン・フィッシング・・・に行きたい 続編

アラスカのキングサーモン、続編です。

昨日、本ブログの更新後もアラスカキングへの迷いは消えずモヤモヤとしておりました。
実は、5月と6月にも釣り遠征が既に決まっており、これに7月のアラスカが加わると3ヶ月連チャン、経済的にも精神的にも周囲との軋轢的にも厳しいものがあるのではないかというのが一つの大きな壁になっているのでした。

一人で悩んでいてもラチがあかないと感じた私はソルトウォーター・プロ・ショップ、Ebb&Flowに出かけて行きました。連チャンツアーの仕掛け人であり釣りのプロのご意見を聞きたかったのです。

ラーメン屋の二階にある(ついこの間まではコンビニの二階だった)お店に入るなり、アラスカにキング釣りに行こうと思うんですが、竿とかウェーダーとか取り寄せられますか?と行く気満々の姿勢で切り出しました。

Y店長は「取り寄せられますよ」と返事をしながらもなんとなく浮かない表情。
じつは、とこれまでの経緯を一通り話して、ワールドシャウラ2833も取り寄せられます?なあんて聞いたらできるけれど、あの竿はグリップが短いからリップルあたりでもいい竿がありますよ、なんて実に頼りになる的確なアドバイスをしてくださるじゃあありませんか !

Y店長から見たらワタクシの目の輝きが普段にも増して異常だと感じていたに違いありません。「キングは当たり外れが大きいんですよ」と一言。
このことは、このお店に初めて来た時にも話していたので、キングの遡上のタイミングに釣りを合わせる難しさは散々聞いており、本日のワタクシはそれに動じることなく「スプーンなんかも取り寄せられますか?」とさらに続ける。

このように一通りやる気を見せておいた上で、実はちょっと迷っているという話を切り出しました。

店長は商売柄たくさんのキング釣り師も知っており、これまで色々話を聞いてきたことから総合すると、キングは一回で結果を出すのは難しいということ、行ってきて「よかった!」という話をあまり聞かないことなどを諭すように聞かせてくれました。
目が異常になっている私は「釣れなくてもアラスカというところに一度行ってみたい。開高さんと同じ地に立って釣りをしてみたい」というようなロマン主義的意見を一通り展開した上で、どうしようかなあ?って投げかけました。

すると店長の「いつまでに決めなくちゃならないんですか?」いう具体的な質問をされたので「来週初めのサンライズ遠征前までには」と答えたら、「そんなに急がなくても大丈夫ですよ。そういうツアーは簡単には埋まりませんから」とおっしゃる。
なるほど !と少し目の前が開けて明るく成りかけたところに「2月のコモド島から帰ってから決めても遅くないんじゃあないんですか?」と畳みかけられました。

実は、内緒にしてたんですが、ワタクシ2月にはインドネシアのコモド島周辺にGT釣りに行くことが決まっているんですよ。すみません、遊んでばかりで。

話を戻すと、この一言で目の前が明るく大きく開けた気がしました。
確かに、コモド島でGTを釣ったら自分の釣り観が変わるかもしれないじゃありませんんか、その時なってにアラスカは止めておくんだった、なんて後悔する可能性だってありうる話です。

そう思えるようになったら気持ちが一気に楽になって、アラスカは先送り、それでダメなら来年行けばいい。と思えるようになったんです。
気持ちの整理がつきスッキリしたワタクシは、店長にコンサルのお礼を言い足取りも軽やかになってお店を出たのでありました。

ということで、アラスカでキングサーモン釣りについてはちょっとお休み。結論先送りであります。少し気持ちに余裕を持って進めていくことにしました。
期待していた方には申し訳ございませんが、とりあえず来週、サンライズ号の玄界灘で3日間、マグロ、ヒラマサ、ブリ、カンパチあたりを狙ってきますので、その報告でご勘弁を・・・。

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2015年1月16日 (金)

アラスカでキングサーモン・フィッシング・・・に行きたい

釣りはクチボソ、タナゴといった小物からマグロまで釣れるものならなんでも釣るぞ !

というのがワタクシの釣りに対する基本姿勢なのでありますが、一つだけ自分にとって特別な釣りがあります。
それは、アラスカでのキングサーモン・フィッシング。

それは、ワタクシが大ファンである開高健氏がアラスカでキングを釣る「河は眠らない」というビデオ作品や「オーパ」のアラスカ編に大きな影響を受けたことからきています。

そこにあるのは、大物釣りの醍醐味だけでなく大自然への敬意、驚き、美しさ、美味しさ、釣り師として、男としての人生への思索など様々なものが描かれており、ワタクシの人生観に大きなインパクトを与えてくれました。

「アラスカでキングサーモンを釣る」ということがいつの間にかワタクシの人生の目標になっているような気がします。

一昨年の春先、ニュージーランドへの単独釣行を計画しながらも断念したのは、一つには同じお金を使うのだったら「アラスカ」というのが頭をよぎったこともあるんです。

この一年弱、オフ・ショアでの大物釣りの世界に足を踏み入れ夢中になっていますが、これはたまたま出会ったお店がソルト・ウォーターの大物釣りツアーを企画してくれるお店だったためで、もしこのお店がアラスカのサーモンもやるよん、と言ってたら真っ先にそちらに行っていたでしょう。
しかし、現実には「ソルト」にどっぷり。
実は来週も20日から23日まで玄界灘のサンライズさんという船への遠征が待っているんです。

そんな、塩(ソルト)漬けになっているワタクシの頭が一瞬アラスカに切り替わる出来事がありました。
たまたま見ていたネットでの釣りツアーにアラスカのキングサーモンツアーというのがあったので、軽い気持ちで幾らくらいかかるのかしらん。と見積もりを送っていただいたんです。
朝イチにメールした「見積もり希望」に返事が来たのは午前中の中頃、スケジュールと値段が書かれているのを見た瞬間!一気に心が動いてしまいました。
このくらいなら出せそう !って。

そう思ったら、頭の中はキングサーモンがどんどん増殖して行って、さっきまでぎっしり詰まっていたヒラマサやクロマグロなどの青物はどこへやら、キングサーモンで真っ赤っかになってしまいました。キングサーモンのオスは川を遡上すると婚姻色で真っ赤になるんです。
こうなると、火のつきやすいワタクシの性格では居ても立ってもいられず、You-Tubeでキングサーモン釣りの映像を探しまくったり、以前釣りビジョンでOAされた村田基先生のキング釣りの映像を探してみたりと大忙し。

そして勿論、具体化すべくスケジュールの検討に入りました。
キングの遡上は7月後半から8月前半あたりだそうなのですが、一番良さそうな時期を選ぶならそのど真ん中がいいと思われるのですが、その時期はこのところジャズ関係のイベントがあるのでそちらを無視することができないんですね。

熟慮の結果無理をすれば行けなくはない、という結論に達しつつあるのですが今ひとす思い切れなない何かがあるんです。
なんとなくはその何かが分かっているのでありますが現時点でそれを解決することができない問題なのでちょっと悩んでいるのです。
二三日中に結論を出さないと旅行会社の方にも迷惑をかけてしまいそうなので、結論を出さなければならないのですが、さて、はたしてアラスカのキングサーモン・フィッシングは実現するのでしょうか?

次回のブログ更新をお楽しみに !


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2015年1月13日 (火)

ジャム・セッション初め@スタジオNOAH 新宿&歌舞伎町

今年のバンド活動第一弾は、大学のジャズ研後輩Tが九州は大分からハルバル上京してくるという話が発端。
じゃあ、新年だし酒でも飲んで騒ぐか?という話から、酒飲むだけじゃあ芸がないんじゃねえの?せっかく楽器いじれるんだからジャム・セッションでもやらない?なに?九州から仕事で上京するのにテナー・サックスはでかすぎる?じゃあ、最近すっかりソプラノ吹きになってしまったおいらのテナーを貸してやろじゃないの!

といういきさつで新宿のスタジオNOAHを抑えてジャム・セッション。
そのあとの飲み会(当然やります)はこれまた後輩Fに仕切りを任せて歌舞伎町あたりで一杯やろうや。ということに落ち着きました。

08


ジャム・セッションのメンバーはフロントが大分Tのテナー・サックス、逗子Tのアルト・サックス、ワタクシのソプラノ・サックスの三人。
ギターがいつもの先輩Hさんと後輩A。
ピアノには年末に池袋でピアニカ・デビューしたSさん。
タイコ(ドラムス)は先輩Mさん。
ベースは最初は池袋の若手君にお願いしてたのだけれど急遽仕事が入ってしまい、これまた年末ベースでデビューした先輩&元ジャーマネ(マネージャ)のSがやることに落ち着きました。

色々と落ち着いたところでいよいよ当日。
テナーと楽譜や譜面台の入ったカバンを肩にぶら下げ、手にはソプラノのケースを持ってエイヤコラと横浜の田舎から新宿に上京。

この体制だと電車の自動改札機を通る時に狭くて楽器が当たるんですよ。
だから、改札通る時は身をよじって通るかソプラノを脇に抱え込んで通るかしなければならないのだけれども、けっこうこれが負担ですね。だいたい改札機の並んだ一番端っこのあたりに幅の広いところが一つ設けてあるのだけれども、ここにはこれまただいたい人が立ち止まって駅員さんと何か話していたりするので通れない。改札機の幅があと5cmくらい広ければなんとかなりそうな気もするんだけえれど、お相撲さんとかどうしているんだろうか?

そういえば、大昔阿佐ヶ谷の花籠部屋の前に止まっていたハイヤーを覗き込んだら、魁傑関が後部座席一杯に埋まるようにして座ってたっけ。でかいお相撲さんは車移動だから電車は乗らないのか?
もう一つお相撲さんネタ、知人の元パイロットの話によると、乗客にお相撲さんがいるときに彼らがトイレ移動などすると操縦していて飛行機のバランスが崩れるのが分かるって言ってたっけ。

ええと、話が脱線した。
こうして新宿のスタジオに開始30分前に到着。
ギターの先輩Hさんが既に来ており(時間間違えたって言ってた)続いてアルトT、ギターAと次々にやってきたのだが、肝心の大分Tが来ない。仕事は1時には終わっちまうって言ってたのでどこで間を潰してるんだろ?なんて話していたところにTの登場。

数年ぶりに見る姿はあまり変わらなかったのだが、なんかニヤニヤしてハッピーな感じなので怪しんでいると「時間があったのでしょんべん横丁で一杯いや二杯やってきた」と自ら暴露した。昔と変わらぬ佇まいに思わず吸い込まれてしまったとか。

昼酒一杯ひっかけてからセッションなんてジャズっぽくていいじゃないか、おいらもビール一杯ひっかけてやりたいな、なんて思っているうちにメンバーが揃い時間もきたのでビールはおあずけにしておとなしくスタジオに入りました。

大分Tがサックスを吹くのを見るのは、彼が大学現役時代の今から30余年前以来のこと、彼は卒業後も真面目にサックスと向き合ってきたというので、実に巧みに演奏してくれましたよ。
スタイル的にはグロスマン、ジェリー・バーガンジなどのタイプのゴリゴリテナー。
この手のスタイルは私も大好きなので、テナーを吹くときには自分んもこういうことをしたいなあと思うのだけれども、こちとらは卒業後30余年テナーをほぼ放置状態にしていたので吹けるわけもなく。

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この日のセッションは、事前にやりたい曲をメールで回しておいたりしたのだけれど、結局は最近ベースを始めたSができる曲を選んでやっていくと言う形になり出だしはクール・ストラッティンから。

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セッションの最初の一曲目というものは、どことなく緊張するものでその日のコンディションを含め様子見的な要素がありとりあえずブルースあたりの無難なところで、というのが多いのだけれど、クール・ストラッティンはあまりやらないんですよ。
なんかソニー・クラークのあのアルバムの音が染み付いちゃっているのでやりにくいというか・・・
よーく思い出してみると、このブルースを真面目に演奏したことって一度もなかった。
まあFのブルースだからなんとかなろう、と始めたもののテーマが終わってソロに入りアルト、テナーと回って自分の番に回ってくる。

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ブルースに限らないのだけれども、アドリブのソロをとるときは漫然と音を出すわけではなく、一応自分なりにプランというかこんな感じで吹こうというイメージを前もって考えておいた上で、そこまでの他人のソロやバッキングの流れにある程度あわせて吹くのだけれど、今回は予想だにしていなかったクール・ストラッティンという選曲に動揺し、何も考えずにいるまま自分のソロが回ってきてしまった。
前の二人がおのおの自分のスタイルできっちり吹いてきたのに対し、もともとスタイルなんてない上にノープランでソロに突入してしまい見事玉砕。途中で曲の頭を見失ってしまうという失態まで犯していきなりぶち壊してしまったのでした。

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二曲目以降もベースSができる曲という曲で「黒いオルフェ」「サニー」「ソウル・アイズ」「シュガー」と進むもフロント二人の出来の良さに圧倒されるままに音を出すのが精一杯。音程が悪い上にメロディはヨレヨレ。どうにもならん。さらにベースSが後はどうせできんからなんでっも来い!と開き直ったため「ラウンド・ミッドナイト」「夜は千の目をもつ」をやる羽目に至り泥沼化はさらに進行し、今年第一回目のセッションでの演奏は最後まで這い上がることなくボロボロに終わっていったのでありました。

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これに比して、最近練習に気合を入れているらしいアルトTと日頃からライブなどもしているテナーTの演奏は良かった。
フレーズも切れていたし、ノリも良かったよ。
自分のテナー・サックスの鳴る音を聞くことというのは滅多にないのだけれど、図太くちょっと枯れた音でいい感じだった。こんな風に音が出るんだと思いながらも、昨年自分が吹いた時のヨレヨレ録音を思い出すと、同じ楽器でもこんなに違うもんなのか!と愕然としてしまうのだけれど、この30余年をどう過ごしたのかということの結果として出てくる音なので一朝一夕ではこうはならないのだ。
これをいい機会に反省してもっと練習しよう。


とりあえず飲んで反省しようということでスタジオをでてそのまま歩いて歌舞伎町へ。
区役所前通りの居酒屋の個室を陣取り、ここにさらに加わった飲み会隊5名ほどの後輩たちを加えて2時間ポッキリの飲みホで日本酒を頼みまくってやけ酒。

01


音楽の反省話はまったく出ず、学生時代の与太話を中心に品は落ちていく一方。
やっと自分のペースになってきた感じです。

さらに、2件目はすっかり変貌してしまった歌舞伎町奥部へ進行中に発見した古い中華料理屋に客がいないのを発見し突入し貸切に。「バンドの人がよく来るんですよ」というおばちゃんはもうこの地で50年お店をやっているというレトロ食堂はなかなかのいい味出していて、わしら親父にピッタリ。
ここで一時間ほどビールを飲んでさらに盛り上がりとりあえず解散。

横浜方面4人組は横浜で降りて3件目の安酒場にてさらに飲酒。
ワタクシは前半の日本酒で飛ばし過ぎてしまったので、ここでは珍しくコーラ飲んで酔い覚ましをしていましたよ。

三軒もハシゴした割には終電にきちっと乗って帰宅したのでありました。

それにしても、ひどい演奏をしちまったなあ。
ちょっと落ち込みそうだけれど、この歳になってそんな暇はない。
次のセッションに向けて基礎からやり直すぞ。


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2015年1月 5日 (月)

Workin' Out / BOBBY TIMMONS with Johnny Lytle

正月にひいた風邪がぐずぐずとなかなか治らないので釣りに行くこともできず、そんな時にすることといったら家の中でジャズを聴くことくらいしかないので(サックス吹くのもだるい感じ)、自ずとブログのネタもジャズになってしまいます。

たしか大橋巨泉大先生が言ってったんだと思うけれど「人生を楽しく過ごしたかったら、アウト・ドアとイン・ドアに二つづつ趣味を持ちなさい」とか。

大先生の場合は、前者は釣りにゴルフ、後者はジャズともう一つはなんだろ?テレビに出ることか?あれは仕事だから趣味じゃないな、本を書くのも趣味じゃあないし、ジャズを聴くのとピアノを弾くので二つってことかしら?

私も負けないぞ ! アウト・ドアは釣りにスキー、イン・ドアはジャズの聴く、やる、水泳にブログ書くこと、ええいそば打ちも入れてしまえなあんて遊び自慢している場合じゃあない。

実はこの間、ある方から面白いCDを貸していただいたんです。

このCD、レコードからCDに焼いたもの。これを売買したりすると違法コピーということになるんですが借りて聴くだけなら問題ないでしょ。


それが、今回のタイトルになっている 「Workin' Out /BOBBY TIMMONS with Johnny Lytle」というアルバムなんです。
Workin' Out
BOBBY TIMMONS with Johnny Lytle
1965年録音   PRESTIGE

00

personel
BOBBY TIMMONS (p)
JOHNNY LYTLE(vibes)
RETER BETTS (bs)
WILLIAM 'PEPPY'HINNANT(ds)

曲目
・LELA
・TRICK HIPS
・PEOPLE
・BAG'S GROOVE
・THIS IS ALL I ASK


このアルバム、ボビー・ティモンズ以外は初めて聞く名前ばかりだったのでちょっと調べてみたら、ヴィヴラホーンのジョニー・ライトルという方は結構たくさんレコード、CDを出しているじゃあありませんか !

こんなにたくさん出しているのにジャズを聴いて40年間ノーマークだった。
知らないのは僕だけ?って思わず周りをキョロキョロ見回しちゃいたい気分。

演奏スタイルはバップやモダン・ジャズの流れとはちょっと違う、ブルースに近いというか昔のファンクというか、え〜っとこういうのなんて言ったっけ、カテゴリーはちゃんと有るんだけれど忘れちゃった。松戸のSよこれを読んでいたら教えてください。

プレスティッジ(プレステージと入力するとAVが出てくる。 笑)というレーベル自体、実はジャズ・レーベルというよりこのようなジャズよりもう少し大衆的な匂いのジャンルの音楽やゴスペルなどのレーベルとしての評価が本家アメリカではあるようなのですが、日本ではスウィング・ジャーナルをはじめとするジャズ・ジャーナリズムが知らなかったのか商売にならないと見て無視したのかほとんど紹介されてこなかったような気がする。
以前ジャズ批評社から出た「プレスティッジ」特集あたりには書かれていたのかもしれないけれど、手元にないので細かいことが書けないんです。すんません。


さて、このアルバムについてでありますが、ここが一番大事なところなんでしたね。
ボビー・ティモンズっていうと今までは和音の三連打だけで勝負するヒトだと思っていたのが、このアルバムでは シングルトーンをメインにして三連打はほぼ禁じ手として使っておらず、非常にメロディアスで美しいいんですよ。
ボビー・ティモンズへの認識が変わった一枚であります。

それと、私にとって初耳のジョニー・ライトルのバイブもいいですよ。
ミルト・ジャクソンでもライオネル・ハンプトンでもボビ・ハチでもゲイリー・バートンでもないサウンド。新しいスタイルではないけれどとても新鮮です。
ネットで探すと15ユーロくらいで売っているようですが、とりあえずの方は
You-Tubeで何曲か聴けますので↓聴いてみてください。
LEALA https://www.youtube.com/watch?v=u58QYljKcf4


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2015年1月 2日 (金)

PAUL DESMOND QUALTET / EDMONTON JAZZ FESTIVAL '76

大晦日に安酒を飲みながら夜中までウダウダしていたのが悪かったようで、年明け早々喉が痛くて頭痛もする。
どうやら風邪をひいてしまったようです。
おかげで親戚に出かけて一杯やろうという目論みももろくも崩れ去り、仕方ないので実家でジャズでも聴いておとなしくしているくらいしかやる事がない。なあんて思っていたところに暮れの30日にAmazonでポチってしまったCDがゆうパックで届い当たので、これ幸いにと早速聴いたのでありました。

そのCDとはポール・デスモンドのラスト・アルバムになった1976年4月、カナダのエドモントン・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音PAUL DESMOND QUALTET / EDMONTON JAZZ FESTIVAL '76というもの。

年末にジャズ喫茶バンカに行った話を本ブログに書く際にアルバムデータを調べていたら出てきたので、晩年のデスモンドのライブと聞いて買わずにはいられないと即買いしてしまいました。

002

PAUL DESMOND QUALTET
EDMONTON JAZZ FESTIVAL '76

Paul Desmond (as)
Ed Bickert (gt)
Don Thompson(bs)
Jerry Fuller(ds)

・Just Squeeze Me
・Darn That Dream
・Wave
・Someday My Prince Will Come
・Wendy
・Take Five


早速聴いてみると、いつものデスモンド節ではあるのだけれど、なんだかちょっといつもと雰囲気が違うのに気付きました。
アドリブのメロディが単調というか指使いが重いというか音を探しすぎているというか。
他のアルバムのデスモンドならここで2-5のメロを軽くカマしてと言った軽快さが今ひとつ無いし、フレーズに一瞬のきらめきといったものが感じられないんですよ。
何となく重苦しいソロになってる。

それに曲のオリジナル・キーじゃないキーに転調して演奏している曲が数曲。
これは、アルトサックスで一番奇麗な音の出る音域を選んで演奏しているかと思われるので、音にこだわるプロフェッショナルなやり方だなあと感心させられるところではありますが。
他のアルバムではどうなんだろう?と思って、手元にあった同メンバーでのライブアルバム、AUDREY Live In Tronto 1975を見てみたら、一曲だけジェリー・マリガンのライン・フォー・ライオンズをオリジナルと違うキーでやっていた。
ジェリー・マリガンの曲だからアルトとバリトン・サックスは同じE♭の楽器なのにわざわざ違うキーでやるところなんかは、かなり音色にこだわっているんだなあ。と感心させられちゃいました。

それにしても、このアルバムでのソロの重さは何?と引っかかるので、この辺の疑問を晴らしたく、普段は絶対に読まない(というか英語なので読むのがめんどくさい)付属のリーフレットにコンサート後のインタビューが書かれていたので斜め読みしてみたところ。
今のメンバーとの音楽性についてや自分の音楽への姿勢、デイブ・ブルーベックとの事など歴史的な話、カナダで演奏している事についての生活環境など、本アルバムのサウンドについての内容は見当たらないものの、このメンバーでの前向きな演奏には満足しているような事が書かれておりました。

どうもすっきりしない。そのときふと気がついたんですよ。

ポール・デスモンドがこのアルバムを録音して一年と半月後に、53歳という若さにして肺ガンで亡くなっている事に。

若いヒトのガンの進行は速いとき来ますが、なんぼなんでも死の一年前と言ったらポール自身、何らかの体の変調とか有ったんじゃないのかなあって思うんですね。
そんな気がするだけなんですけれど、このアルバム録音後はチェット・ベイカーと仕事しただけで後は録音も無いらしいので、何となくそんな気がするんだなあ。

と思いながらあらためてこのアルバムを聞き返すと、ジャズマンの生き様というようなものを強く感じて心打たれるのでありました。

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