コモド島GTツアー その2@遠い道のり
バリ島二日目、 朝は早い。
7時過ぎにバリ島からフローレス島に向かう国内便に乗るためには、少なくとも一時間前には空港に着いていなければなりません。ホテルからの移動を余裕を持ってみて組まれたスケジュールは、午前5時にホテルロビーに集合、すぐに空港に向かいます。
ということは起きるのは遅くとも4時半。前日12時過ぎに寝たので4時間程度の睡眠での移動になりました。
朝5時、ホテルロビーに集まった面々は清々しい顔をしているわけもなく、早くも旅の疲れがにじみ出始めているご様子です。
荷物を積んで空港着、順調に手荷物を預けて搭乗手続きをして出発ロビーへ。
出発ロビーでサンドイッチの朝食をとり出発を待ちます。
我々の乗るフローレス島行きの飛行機は双発のプロペラ機でした。
空港では一度地面まで降りて飛行機まで歩きます。このローカルさ加減もかつて20年ほど前に中国湖南省の長沙という都市を訪れた時以来だったのでなんだか懐かしく、妙にウキウキしながら美しい翼断面のプロペラの写真を撮ったりしながら飛行機に乗り込みました。
飛行機は滑走路に向かい、ジェットに引けを取らないような加速で滑走路を駆け抜けて空に舞い上がりました。この時、朝食時にコーヒーをガブ飲みしたワタクシはトイレに行きたくなり始めて、飛行機が水平飛行に入りシートベルト着用サインが消えるのを待っていました。
飛行機はぐんぐん高度を上げていく、かと思いきや意外に低いところを飛ぶのが眼下の景色から分かったので、国内線の航路はこんなものなのかと思ったその時、機長からのアナウンスが聞こえてきました。
なんとなく聞いていると「very big accident」「go back to Bali」という単語が聞こえたので、おや?と思ったのですがあまり深刻にとらえずに窓から見える山の写真などをとりつつ、早くトイレに行きたいなあ、とおもっていたのです。
ところがその後飛行機は一向に高度を上げないばかりか旋回を繰り返し始めました。この辺りでなんか変だぞ、と思い始めつつもそろそろトイレの限界が見えてきたのでキャビン・アテンダントにトイレ行っっちゃダメ?って聞いたら「間も無く着陸するので我慢してくださいとのこと」着陸ってまだ30分も飛んでないじゃないですか、ここに来てさすがに異常に気付き、まさかと思っていたら飛行機は元のバリ島デンパサール空港に着陸し戻ってきてしまいました。
ああ、さっきの機長のアナウンスは聞き間違いじゃなかったんだ。とやっと事態を把握しこの先どうなるのやらと、飛行機から一度降りて再び出発ロビーに戻りました。
航空会社の説明ではエンジントラブルなので二時間後に飛び直しとのこと。
この日の我々のスケジュールでは8時半過ぎにフローレス島につきホテルに入った後早速海に出て午後から7時間釣りをするというもの。
二時間釣りする時間が短くなったらフローレス島から一時間以上走るコモド島のいいポイントまで移動する時間がなくなっちゃう。なんてその時は考えていたのですが甘かった。
再出発の予定時間10時を過ぎても出発ゲートが開く気配は全くなく、そのうちにさらに2時間遅れますとのアナウンス。
この辺りで、本日の釣りは絶望となり、後はなんとか今日中に移動しなんとか明日の朝一からは釣りができるようにと祈るばかりです。
時計がさらに二時間周り12時を過ぎようという頃、出発案内のサインを見たY店長が「便がキャンセルになりました」とおっしゃる。フローレス島行きの飛行機がキャンセルになる事などは日常茶飯事で過去にも経験があるとY店長から聞かされて他ので、「あ~あ」今日の釣りはダメ、明日も半日つぶれるのかとガッカリしたのでした。
もうこの時点で朝起きてからすでに8時間が経過、一度飛行機を降ろされてからも4時間以上が経過、気持ちはぐったり、このまま荷物を持ってホテルに戻るのかと思っていたら、便がキャンセルされたものの違う便名で14時半過ぎに出発することになり、新しいチケットが発行されました。
おまけで、お詫びに300000ルピア(3000円くらい)銀行で返金しますという紙切れをもらって書類にサインさせられ、これでまあなんとか今日中には移動できそうな希望が湧いてきました。
ボーディング・カードと上の紙を持って銀行に行けばお金がもらえるというのだが
秘境への旅ですから、羽田から大阪に飛ぶみたいに簡単にいかないことは重々覚悟はできていました。
同じロビーに5時間以上ももいると、小さな飛行機なので客の顔もなんとなく覚えてしまい、一同一様に疲労と苛立ちの色が表情に表れていくのが分かるもんです。もちろん我々とて同じこと。
幸い空港のWiFiが時々切れながらも使えたので、退屈しのぎをすることができましたが、Y店長が見ていたFace Bookで「クリスマス諸島まで24時間かけてようやく到着」という投稿があった話を聞いた時には、我々は昨日成田を発ってからもう28時間経っているのに着く見通しすらないのだぞ、と嘆いたのでありました。
新しい便の出発時間2時半を回っても何もアナウンスがないと、もうすでに二度も時間を引き伸ばされているので何を言われても信用できなくなっている周囲の客たちに苛立ちが顕著になり、出発ゲートの係員に詰め寄る人がポツリポツリとでてきました。
ゲートに10人ほどの客が固まり、いよいよ暴動か?と緊迫したところでようやくボーディングのサインが掲示され飛行に案内されることに、しかし、ここでもまだ信用ができず、とりあえず飛行機に乗せてそこで待たせようというのでは?などと勘ぐりながらゲートを通過したのでした。
ゲートを抜けたすぐ先の階段を降りるとそこにはバスが止まっており客が乗り込んでいました。どうやら朝の飛行機とは違う機に変更になったようです。
バスは空港内を小移動し、止まったところには朝乗ったのと同じATR72-600という機種のプロペラ機が止まっていました。
どうやら代替機が見つかったようです。
ようやく少し安心して飛行機に乗り込むとすぐに飛行機は動き出し滑走路へ。
離陸した飛行機は先ほどとは違い高度をぐんぐん上げていくので一安心、やっとフローレス島に向かって飛ぶことができました。
時間はすでに3時を回り、今日の釣りはもちろんキャンセルになってしまいましたが、今日中に着ければ明日から二日半の釣りができる、それに何よりも、エンジンの調子が悪いまま飛び続けて落ちたりでもしたら釣りどころの話ではなくなるので、ある意味ラッキーと気持ちを切り替えました。
1時間半ほどのフライトで高度を下げた飛行機の眼下には無数の小島の点在する素晴らしい釣りのフィールドが広がっておりました。

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いよいよやってきたぞ、という人間と意気込みを胸に飛行機はさらに高度を下げて行ったのでした。
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