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2015年3月19日 (木)

EAST WIND/Masabumi Kikuchi

イースト・ウインド・シリーズの再開でございます。

今回の限定発売の「限定」と言う二文字に反応し、まとめて16枚の大人買いをしてしまいましたが、強く印象に残った最後のアルバムが今回ご紹介する菊池雅章のEAST WINDというアルバムです。

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EAST WIND/Masabumi Kikuchi

personnel
菊池雅章         piano
日野皓正         trumpet
峰厚介            tenorsax
Juni Booth     bass
Eric Gravatt   drums

曲目
EAST WIND
GREEN DANCE

録音は1974年7月、マイルスがデイブ・リーブマンを連れて日本公演をした年であります。電気マイルス絶好調の頃です。

いきなり話は飛びますが、このマイルスの日本公演をNHKの世界の音楽と言う番組でOAしたのを見たのを鮮明に覚えています。特にはっきり覚えているのがリーブマンがソロをとっていて突然フリーになっていくところ。この時は、まだジャズなどという音楽の存在すら知らない、ケツの青い小僧だったワタクシはTVを見ながら、何が行われているのかさっぱり理解できないものの、これは何か凄いことをやっているに違いないと食い入るように見入ったのでありました。

そんな時代でしたので、当時の日本のジャズ界、ジャズの状況などリアルタイムでは知る由もなく、後から見聞きした情報からこのアルバムを紹介しているということをご了承願いたいところであります。

話を戻しますと、本アルバムのメンバーはホーンに日野皓正(tp)、峰厚介(ts)という当時の日本の若手ミュージシャンのトップ二人を擁し、リズム陣はジュニ・ブース(b)、エリック・グラバット(ds)をアメリカから呼んできて参加させるという、当時の日本のジャズ界のトップを張るようなバンドだったんじゃないでしょうか?

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この頃は、来日ミュージシャンとの共演といった企画物以外で、アメリカのミュージシャンと日本人が共演したのはナベサダさんくらいでしたから、かなりとんがったバンドだったんだと思います。

その肝心なサウンドの方は、モードと一発ものの二曲。一曲目のEAST WINDが約20分、二曲目のGREEN DANCEが25分弱という長い演奏です。当時はこんなの当たり前だったんですけど、なんだか最近のジャズはみんな淡白になってソロが短くて小綺麗なだけで物足らない感じ。

一方の本アルバムはコルトレーンの影響を強く受けているスピリチュアルなものなので、自分の思いの丈を全て吐き出すまではソロはやめない!といった気合の入ったジャズなんです。

今でも、ライブになるとこういう演奏は聴けるんでしょうが、スタジオ録音ではめっきり少なくなっちゃいましたね〜。

ここでの日野テルはハンニバル(マービン・ピーターソン)みたいにバリバリに吹きまくっていますし、峰さんもコルトレーンばりのテナーを吹きまくっている、プーさん(菊池雅章)のピアノも鍵盤叩きまくっているし、リズム隊も弾きまくって、あるいは叩きまくって、みんなで100%力を出し切っちゃっているくらい熱い演奏です。

ワタクシがジャズを聴き始めた1975年頃は、まだポスト・コルトレーンの人たちと電気マイルスの申し子たちの台頭、行き場を求めてさまようフリー・ジャズの三つ巴の混沌とした状況で今思えばとても熱い時代だったんですが、その後クロス・オーバー→フュージョンという電気16ビート系音楽が商業的に主流となって収束していったんですね。

毎度ながら私事で恐縮ですが、ワタクシが大学のジャズ研に在籍した4年間も、まさにこのジャズ界の縮図のような状況で、フリー・ジャズ派からクロス・オーバー派の台頭、それに関係なくフォービート・ジャズの人たちが常にいるというかなり音楽性が多様で当時はお互い反駁しあったりすることもありーの、一方で横目でカッコイイなと思ったりしーのと人間関係的にも微妙に影響されたりしたのですが、今思えば楽しい時期だったんじゃないかと思います。

そんな時代に現れたイースト・ウインドというレーベルのスタンスも、ジャズ界の状況をそのまま鏡に映したように多様多彩で、本アルバムのポスト・コルトレーン的なものから、同じ菊池雅章のWISHESというアルバムのように電気マイルス色の強いモノ、冨樫雅彦のフリー・ジャズ、アート・ファーマー、グレート・ジャズ・トリオなどのフォービート・モノというようなライン・ナップになっているところが興味深い。

今回の、限定CD化ではほぼその全容が聴けるようなので、ご興味のあるジャズ・ファンの皆さん、ユー・チューブばっかり見ていないで、たまにはCDを買って聴いてみてくださいね。

ということで、再開したばかりなのにイースト・ウインド・シリーズは今回にて終了。
さあて、明日は何を聞こうか?


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