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2015年3月14日 (土)

Yesterday's Thought/ART FARMER

イースト・ウインド・シリーズ第三弾はアート・ファーマーのイエスタデイズ・ソウツです。

このアルバムは、発売直後にジャズ喫茶で聞いて飛びつくように買いました。
演奏もいいのだけれど録音もいいんですね。

004

YESTERDAY'S THOUGHTS/ART FARMER

personnel
Art Farmer       Flh
Ceder Walton  Piano
Sam Jones       Bass
Billy Higgins     Drums

曲目
What are you doing the rest of your life
How insensitive
Namely you
Alone together
Yesterday's thoughts
Firm roots

当時の日本のレーベルの良い音の録音とされていたのが、スリー・ブラインド・マイスというレーベルだったんですね。ここの録音の特徴というのはそこで鳴っている音をありのままにないも色づけせずそのまま録音してレコードにするというもの。

この方向はオーディオ的には全く間違っていないのですが、音楽をどう表現するのか?という時には、必ずしも正解ではないとおもうのです。

ブルー・ノートにしてもプレステッジにしてもルディ・ヴァン・ゲルダーが録音した音は彼の音、つまり彼のイメージするジャズの音になっているので、必ずしもピュアに録音された生音ではないのですが、ジャズらしい響きを持っており今だに万人にすかれていますよね。
ブルー・ノートの録音、つまりヴァン・ゲルダーのマスタリングした音は、私が感ずるところではドラムスについては素晴らしく良い音ですが、ピアノの音について言えばダメダメな音だと思っています。なんであんなにレンジの狭いカタマリのような音作りをしたのか全く理解できません。

同じ時代、西海岸のコンテンポラリー・レーベルの録音の良さに比べたら一目瞭然。
ヴァン・ゲルダーのあの音は確信犯の音なんですね。

もっとわかりやすい意図的録音をしているのが、クリード・テーラー先生のCTIレーベル。あれなんか音を丸くしてエコーをビンビンにかけちゃっているのですが、なんとも言えない良い味を出していらっしゃる。

何を言いたいかと言いますと、レコード会社にはそのレーベルのサウンドと言うのがあるということを言いたいんですよ。

話をイースト・ウインドに戻しますと、当時のスリー・ブラインド・マイスと同じ音作りではイカンと思ったのでしょうか、それとも偶然なのでしょうか、このアート・ファーマーの録音はアートのフユーゲル・ホーンの味を引き立たせるためにわざと少しマイルドに仕上げているんですよ。

具体的に言うと低域と高域を少し抑えているんです。これがバンドのサウンドに実にマッチしていて、生々しさと叙情的な良さのちょうど良いところにあるサウンドなんです。

ここまで書いて他のイースト・ウインドのアルバムの音と比べてみると、昨日、一昨日の二作は生々しさ丸出し録音のような印象を受けるので、アート・ファーマーについてだけこのエンジニアのこの録音にしたのかもしれませんね。

ちなみにイースト・ウインドのレコーディング・エンジニアはこのころはほとんどが鈴木良博さんという日本の大御所エンジニアがやってらしゃるんですが、本アルバムを含むアート・ファーマーもでは主にNYのヴァンガードスタジオのお抱えでもあったエンジニアのデヴィッド・ベイカーがレコーディングをして、ミキシング・エンジニアを鈴木良博さんがやる形になっていますので、デヴィッドサウンド色が強くなっているのかも。

えーと、少し音楽の話もしましょう。
このアルバムがヒットしたのでこの後イースト・ウインドからはライブも含めて数枚のアート・ファーマーのアルバムが出ていますが、出来栄えはこのアルバムが一番のような気がしますね。

この後のSUMMER KNOWSはもちょっと甘ったるい感じなんですが、このアルバムにはそれがなく毅然とジャズをやっているところが良い。
選曲もいいですね。
スローで始まりイン・テンポにになってミディアム・テンポでドラマチックに展開していく1曲目。
小気味良いボサ・ノバの2曲目。
軽快なミディアム・ハイの3曲目
テンポだけでなく選曲が練りこまれている感じがしますね。
4曲目はバックの三人が素晴らしい。
5曲目でスロー・バラードをじっくり聞かせて最後はシダー・ウォルトンのオリジナルのアップ・テンポで締めくくりという構成。

いわゆる、スタンダードの名曲をやってみました、という安易な作りになっていないところが素晴らしい。
この辺はプロデューサーの腕なんだろうな。

先ほども書きましたが、サイドを固めるシダー・ウォルトン・トリオがこれまた良い
ピアノも、ベースも、タイコも絶妙。

6曲どれも素晴らしいですよ、一番好きなのはアローン・トゥゲザーかな。
一曲目もいいなあ、最後のシダーのオリジナルもいいぞ!ってみんないいんじゃん。
そうです、聞き応えがあるんです。
あのアルバムはこの曲だけね、っていうのとはちょっと違うんですね。

そういう意味でも、イースト・ウインドのアート・ファーマーを買うんだったら、まずはこれっていう感じがしますね。
もちろん他作品も駄作はないのでオススメしますが。

話は飛びますが、晩年のアート・ファーマーはヨーロッパの古城を買って住んでいたとか。日本とヨーロッパで受けちゃってジャズメンには珍しくお金持ちになれたようです。もっとジャズがお金になる時代が来ればいいんですけれどねえ。


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