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2015年6月20日 (土)

巨大GT!? 沖縄離島遠征2015 その四@よせみや丸

午前9時半を回ったころ、船後方部で私とHさんはGTを狙ってキャストを続けていた。

Hさんはこの日すでにGTを1匹キャッチしただけでなく、ビッグ・バイトも何度かあった。その中の一匹がHさんのルアーに残した歯型を見て、その意味のわかる人達は一様に驚いていた。歯と歯の間隔が異常に広いのである、それはそのGTが桁外れにでかいということを意味していた。

そんなHさんが竿をライトなものに持ち替えて「この竿は柔らかいから振りかぶらなくてもホラッ!」と軽く手首を返してキャストし始めたのを、隣で釣りながら何気なく見ながらも自分の釣りに集中していた。

突然「ヒット!ヒット!GTだ!デカイ!デカイ!」という叫び声を聞いてHさんの方を見ると、すでに竿は大きく曲がりドラグを鳴らしてラインが引き出されている。

Img_0138

「フォローいれるよ」と船長の声が飛び、他の釣り人は一斉に釣りを止め船はバックし始めた。船が後ろにさがった分だけ糸を巻き取り魚を寄せていこうという作戦だ。
「巻いて巻いて、どんどん巻いて」と、Hさんの横にY店長が張り付き指示を出す。

しかしラインは巻けども巻けども、船がバックするスピードを落とした瞬間に一気に巻いた分が出されていく。
釣りを止めた全員が船尾に集まりファイトの行方を固唾を飲みながら見守る。
「バイトの瞬間見ましたよ、GTです、デカかった、ヤバイ」とクルーのNくんがビデオを回しながら興奮気味に声を出す。

Img_0140

船は少しずつバックしながら間を詰めるのだが一向に糸は巻かれていかない、竿は大きくしなったまま動かない。5分が過ぎ疲れが見え始めたHさんが巻く手を休めると「魚も休んじゃうから休まないで」とY店長の鬼のうような激励が飛ぶ。デカイデカイ!がんばれがんばれ!絶対40キロオーバーだな、出た瞬間にデカイとわかりました、などと取り囲む一同も興奮気味に思い思いに声を出す。

Imgp5121

張り詰め切った糸がジリジリとドラグを鳴らしながら出て行くたびに歓声が上がる。

さらに5分ほど続いた時、ググン!という衝撃が竿を振動させた。「フックが一本外れたかも」とY店長、一同緊張の度合いがさらに高まる。

ところが、この後、魚は動くのをやめてしまったようで、ただ重いだけの塊のようになったとHさんは感じていたらしい。膝を曲げて全体重を後ろにかけて竿を起こし、戻す瞬間糸を一瞬で巻く。重く引かれる力に両手で竿のグリップの先を支えているだけで体力が奪われどんどん消耗していくのがわかる。

Imgp5118

「水をください」というHさんに誰かが水を飲ませた。もちろん手は使えないのでペットボトルを口に持って行き逆さにしての給水である。
まるでテレビの釣り番組を見ているかのような光景に、「本物の大物が見られる」とワクワクしている自分がいた。

ファイトが15分を超えたあたりで、体格のいいHさんではあったが「もうダメ、誰か変わって」と弱音を吐き始めた。最初は半分冗談なのだろうと見ていたが、次第に腰が落ちてきて立っていられなくなってきた。そんな姿を見て、これはダメだと思ったらしいY店長が二人がかりで竿を慎重に受け渡してファイトを代わった。

交代した店長も竿を握った瞬間魚の重さに驚いたようだ。思わず「これデカイ」と言った。
糸は巻いては出、巻いては出というのを繰り返し、一向にリールのスプールに巻いてある糸の量は増えていかない。

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こういうこともあるのだな、とよほどの大物なんだろう、いったいどんな化け物が上がってくるのか。船上は期待と興奮のボルテージが上がっていった。
交代して数分後、「重いだけ」と店長は何か異変を感じたらしい。
周囲もその雰囲気を察し、「確かにGTがバイトするのを見た」と再確認する、それならば魚が横になってしまい凧揚げの凧のような状態になり水の抵抗を受けて重いのか?と店長は言う。

このような場合の一番の危惧はサメである。
ルアーに食いつきファイトして弱った魚に食いつくサメがいるのだ。
私自身もかつて相模湾で推定30キロオーバーのキハダマグロにサメが食いつき胴体から頭しか上がらなかった経験がある。

ファイトは20分、30分と経過し、Y店長も疲れがではじめたので、この大物ファイトを経験したい人が順番に交代していくことになった。

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根魚王Kさんの後に次いで代わった私、重い!巻けない!両手で竿を支えるだけで手一杯!と言う印象だった。糸を巻こうとしてもハンドルが重くて巻けないのである。竿をあおろうとすると、それ以上立てると竿が折れると言う声が飛ぶ。まるで象か何か巨大な生き物都綱引きをしているようだった。どうにもすることができず数分が過ぎ次の方に交代する。

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Hさんの名誉のためにここに書こう、この魚は一人で上げるのは無理であると。
たった数分で体に危険を感じてしまうほどの重さ、パワー、これを相手に十数分も奮闘したHさんの戦いぶりは見事であった。

船はこの間もバックしてフォローするが一進一退が続くだけ、何度かファイトを交代するもさすがに一時間を超えたあたりから、「これはGTではないな」とみんなが思うようになった。

とにかくドラグを締めていこうということで、少しづつドラグを締めていく。それでも糸は出て行くので切れるのを覚悟でドラグを締めきってしまった。糸はPE5号、これほどの緊張によくぞ耐えていると一同が感心するほど切れなかった。

やがて一人でファイトすることが困難になり三人がかりで糸を巻くことになる。
二人が竿を抑え、船がバックして魚を引っ張った瞬間、ハンドルは重くて巻けないので、スプールを回して巻く、という作戦に転じた。
少し体力を回復したHさんが、再びスタンバイする。最後の決着は自分でつけようというのだ。

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船で魚を引っ張り、スプールを回して糸を巻く、という以上な光景が繰り広げられる。
ファイト開始からおよそ一時間半、何かが水中に姿を現した。それは透明な海の奥の方からぼんやりと浮かび上がってきたのだが、GTのシルエットでもサメのシルエットでもなかった。誰かが「サメだサメだ、尾ひれが見えた」と叫ぶ。私にはマンタのように見えたが、それを言うと、マンタはこんなに引かない、とマンタ経験者が返してきた。

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再び海中に消えたシルエットは何度かうっすらとその正体を見せたものの、確信的に何、と断定するには至らない。

船は前進しては魚を引き止まって糸を巻く。
こんな釣りは前代未聞だ。誰もがそう思ったに違いない。同時に誰もが疲れを感じていたであろう。硬直状態に緊張はすでにピークを越えていた。

「あ!まずいまずい、切れる!」という叫びが聞こえた瞬間、バチン!という大きな音がした。誰もが竿が折れたかと思った。

一時間半以上の間曲がり続けていた竿がまっすぐに伸びているのが見えた。
糸が切れたのである。どうやら船底に糸が擦れてしまったらしい。

緊張が一気に解かれ、謎の大魚について一同ため息を混ぜながら推測する。
概ねの合意した意見は、もともとかなり大きなGTがかかっていたところに、これもまたかなり大きなサメが食いつき、食いついた状態で二匹が繋がったままになってしまっていたのではないか、ということにおさまった。
サメにしてもこの重さは尋常ではないという。200キロのサメとファイトの経験のあるY店長は、300キロはあったのではないかと推測していた。

魚の大きさ、重さ、ファイト時間、糸・竿の強度、全てがこれまで私が経験したことのないものだった。
一同の意見はおさまっても、魚を掛けた本人の心は恐らく治まらなかったに違いない。
消耗しきった体はこの日一日復活し切れないほどのものだったようだ。体と同様心もまた消耗したに違いない。しかし釣り師の魂は逃した魚が大きければ大きいほど再び燃え上がるのである。

この海はその魂に十分応えるだけのポテンシャルを持っていた。
緊張が解けきった船は次のポイントに向かいゆっくりと走り始めた。
そしてこの後、再び大変なことが起こってしまうのであるが、この時それを測るものは誰もいなかった。


写真提供:Ebb&Flow

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