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2016年2月23日 (火)

賞味期限に挑む

タイトルを見たらもうおわかりのように賞味期限切れのものを食そう、いや食したという意地汚いお話です。

賞味期限切れの食品を廃棄するのはもったいないのでなんとか活用を、という話が昨年末あたりフランスで廃棄禁止の法律が出来たことなどから話題になり、最近では横浜市でも取り組みを始め、先日のニュースでは東京都もいわゆるおつとめ品の販促キャンペーンを始めたなどと報じられていますが、こちらは生ものなどに適応される「消費期限切れ」のことで、今回の私の「賞味期限切れ」の話は、比較的長期間保存できる加工食品について適応される、味や品質の保証というものに対しての挑戦なのであります。

ことの発端は、私の通うプールのサウナ内での会話からでありました。
十年ほど前にこのプールに入会した当時から知り合いの素敵なおばさまが何人かいらっしゃるのですが、この内のお一人が
「カップラーメン好きで、ついつい食べちゃうのよ〜」というようなお話から、別なおばさまが
「そういえば災害用に買い置いたカップラーメンがたくさん期限切れしていたわ」という話になった時、すかさず食いついた私。
「それ、釣りに行った時に食べるからください」と切り出した。
「ええ、いいの?大丈夫?」というので
「多少の賞味期限切れなんて全く問題ないですよ。ぜひください」

という経緯でいただく話が成立した。

それから数週間、そんな話を忘れかけていたある日の、またまたサウナでの会話で
「この間のカップ麺、日付を見たら2012年の何月だかが賞味期限なのよ。びっくりしちゃったわよ、そんなに経っていたなんて、去年くらいかと思っていたの。そんな古いの食べないでしょう」とおしゃる。

一瞬頭の中で『4年前は確かに古いなあ、どうしようか?』と思いつつも口では「全然問題ないです、食べますのでください。もちろん食べる前に様子を見ますけれどね」と答えていた。

強がりなのか、意地汚いのか、はたまたアホなのか。
とにかくいただくと言ってしまっていたのであります。
では、明日にでも持ってきますね、という話になり翌日プールに入る受付に行ったら、袋に入った件のカプラーメンらしきものを「これ、Yさんからです」と受付嬢から手渡された。

早速中を見てみると、カップ焼きそば、カップワンタン、カップヌードルカレー味の三種が入っていた。
賞味期限に目をやると、各々2012年9月、2012年9月とあるので、「おお、話どおりだ、怖いかも」と少しカップの底の色が変わりかけている気もするその底を見ていくと、三つ目のカレーはなんと2011年8月となっている。

おお、これはまさしく震災の年のもの。
あれから今年でもう5年、このカップラーメンもあの震災を受けての非常用として買われたものなのだろうなあ、などと震災当時の事を振り返り、電気の点かない薄暗い食卓で不安げに食べた夕食の事などを思い出した。

プールに入ると、いただいたおばさまがいらして「受け取った?」と聞かれたので「受け取りました、2011年と言うのがありましたねえ」と話しかけたら、「ええ?そんなに古いのもあった?2012年にか見なかった」とおっしゃる。

僕からしてみたらその一年に大した差はないので「一応食べる前に様子を見てからいただきます」と笑って返事をしいただいて帰った。

それから数日後、朝食時にスープがなかったので、まずはワンタンからいただいてみる事にした。

私の場合カップ麺を家でいただく時には、お湯をカップに注ぐのではなく、通常のインスタントラーメンのように鍋で煮てしまう、という食べ方をするのであります。

これは、カップのプラスティックを熱した時に出る有害成分への配慮とかいうものではなく、お湯をかけてふやかすだけよりもキッチリ煮込んだほうがおいしいからなのであります。

話はそれますが、この食べ方、特にカップ蕎麦には顕著に有効で、カップ蕎麦に茹でる際についでに冷蔵庫の中の使えそうな具を足して茹で上げると、乾麺の蕎麦と遜色のない程度のものに仕上がります。鶏肉と長ネギなんか足したらしっかりと鴨南蛮風に出来上がりますのでお試しあれ。

てなことで、グラグラと沸いた熱湯にカップからワンタンもスープも一気に投入し茹でること3分。できあがったワンタンスープを器に移し、まずは匂いを嗅いでみた。
特に油が変質しているような悪臭もないので、今度はお箸を突っ込んでひと舐め。
こちらも味に異常は感じないのでスープを恐る恐る一口。

問題なさそうなので具のワンタンを一つ食べてみると、う〜ん、こんな味だったかなあ、ちょっと違う気もするけれど気にならないから食べちゃえ!と一気にいただいてしまいました。

その後、お腹の具合を少々気にしてみたもののなにごとも起こらず、少々期待外れな結果に小さな落胆をしつつ、夜になってプールに出かけた際にいただいたおばさまに会ったので、「今日いただきました」と報告した。
「大丈夫?」と心配していただいたので「まだ生きています」と冗談を返し、「次は2011年のにいってみますから」と予告して別れました。

何故にこのような無謀な、かつ無意味な挑戦をするのかというと、自分でもよくわからないのですが、今回のことで少し考えてみたら、食べ物に対してケチ、あるいは意地汚い、ということが自分の中であるようで、よく言えば無差別的な勿体無いという思想なのかもしれません。
とにかく、食べられるものは食べようよ、もちろん体に悪くないならば、という条件付きで、よいう考えのようであります。

外食時などでも、どんなに不味くても自分の注文したものは責任を持って全部食べる、というのを貫いていますし、ラーメンだって立ち食い蕎麦だって必ずお汁を一滴も残さずに食べます。

この食べ残さない、というのも良し悪しで所変われば風習も変わるもので、あれは上海の中国人の友人宅に夕食に招かれた時のこと、テーブルいっぱいに広げられたご馳走を片っぱしから食べ漁った私は、満腹になっても食べ続け、友人家族は食べ終わってテレビなど見ながらくつろいでいるのに、ぐずぐずと一人食べ続けていたら友人に言われた。「enosさん、中国ではご馳走をいただいて満足という時は、食べきるのではなく、もうこれ以上は食べられないくらい満足した、と残すのが礼儀なんですよ」と。

言われてみて、ああ、そういえば聞いたことがあるなあ。本当にそうだったんだ、などとすこしばかり苦い思いをしたことがありました。

このように私が意地汚いのは、昭和30年代前半のまだ戦後の色が残っていた頃、粗末な食べ物しかなかった中で育った食育環境から来たものかもしれませんので、今の若者たちには全く受け入れられないものなのかもしれません。

あの頃はお菓子といえば駄菓子、チョコレートもご馳走で滅多に食べられなかったしコーラなんてまだなかった。缶ジュースは缶の隅に穴を二つ開けて飲みました。これも遠足の時くらいしか飲めなかった。
マクドナルドだってピザだってポテチだってえびせんだってみ〜んななかった。
おせんべいが二枚で10円とかいう値段。
不二家のパラソルチョコレートが憧れでした。

と、まあ古い話はさておいて、それから数日後、いよいよ2011年に立ち向かう時が訪れました。
それはあまりにも突然で心の準備もないままに訪れたのです。
外出先で夕食を済ませて帰った私はウイスキーをロックで一杯やってパソコンなどいじって夜更かしをしていたら小腹がすいてきた。ふと傍を見ると件のカレーヌードル2011年ものがこちらを見て「私がいるわよ、食べていいのよ」とささやくようにしている。

その誘惑にあっさり負けて、明日なら特に予定もないし万が一お腹を壊しても問題ないか、などと考えながら鍋に湯を沸かしてカップラーメンの包装を剥がし蓋の上をペロンと剥がすと、カレーの色が心持ち濃いような気がしたので匂いを嗅いでみると、カレーの匂いがするだけだった。

麺の方は見た感じは特に変色もなく変な匂いもしない、具の肉らしいものも色が濃いような気がしたが気のせいだろうと済ます。

湯が沸いたのでこれらを投入し煮込みながらも、変色、異臭など何か異常はないかしっかりと観察していると、これといった異常はないようで、3分間煮込んでどんぶりに移してさあ食べようと、ここでも一応、前回に習い少しだけスープと麺を味見してみた。

スープの方はカレーヌードルの普通の味で全く問題ないのでありましたが麺の方はなんだかちょっと粉っぽい味がする、不味くて食べられないというほどではないのだけれど美味しくもない。

逡巡している所にかレーのスープの香りが食欲をそそり「大丈夫よ、食べちゃって」と誘いかけてくるじゃあありませんか。
思い切って麺を口にすると口の中いっぱいに広がる味気ない麺の味。
大丈夫かなあ、と思っていると、スープの香りが「ダイジョブダイジョブ」と誘いかけてくるので思い切って一気に食べてしまった。

さあ、後は野となれ山となれ、来るなら来い!という不安よりもむしろ清々しいくらいの達成感。
俺は男になったぞ!というような意味のない高揚感が湧き上がってくるのでありました。

一方で去来するのは、一人たまたま入った場末のスナックで微妙な年頃の女性のお誘いに乗ってしまったような複雑な後味。(そんな経験ないけど)

賞味期限というのは自己責任で挑戦するには別に問題ないことなのでしょうが、結果はなんだか微妙なこの始末。
よく言えば己のストライクゾーンが広がった喜び、悪く言えばただのゲテモノ食いといったところでありましょうか。

決してみなさまにはお勧めいたしませんのでくれぐれも真似などなさらないよう、よろしくお願いする次第でございます。


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