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2016年3月 9日 (水)

コーヒーのいれ方の話

自家焙煎でシャカシャカと色々なコーヒー豆を煎っては楽しんでおりますが、前回のコーヒー自家焙煎ブログに古い友人の方からいたいただいたコメントに「コーヒーを入れるときは熱湯ではなく86度がいい」というお話をいただきました。

なんでも、コーヒー豆販売店の方に「コーヒーは熱湯で入れてはダメ!86度で入れるのが一番美味しい」というらしいんです。

それまで、コーヒーを入れるお湯は熱ければ熱いほどいい!
と固く信じていたワタクシには驚き且つ目から鱗的の新情報でありました。

コーヒーを入れるお湯の温度は熱いほどコーヒーの旨みを抽出するので、イタリアのエスプレッソなどはお湯からさらに温度の高い水蒸気にしてまで熱してコーヒーを入れることで、コーヒーのエッセンスだけ取り出して、小さなカップにほんの少しのエッセンスを飲むではないですか。

ワタクシ自身、イタリアを訪れたおよそ二週間の間、各地で毎日エスプレッソをいただきましたが、これらは皆大変美味しく、それまで比較的焙煎の浅い薄めのコーヒーが好みだったのがすっかり変わって苦めのヨーロピアン・テイストの深煎り豆のコーヒーが好きなっていったという経緯があったこともあり、コーヒーを入れる「お湯の温度は高ければいい信仰」をこのときに確信し、以来自分のコーヒーは熱湯で入れると決めていたのでありました。

そんなところに耳にした「86度」説、
知人曰く、自分でも初めは驚いたのだけれど試してみたら実際にコーヒーが美味しくなった、とおっしゃるのでこれは試してみるしかない。

ということで、早速試してみることにしました。

入れる豆は、前回本ブログでご紹介したコスタリカ・セントタラスSHB中深煎りであります。

さて、いつものようにお湯を沸かしながら豆をゴリゴリ挽いていきます。
二杯分の豆を挽くので一度には挽けないためとりあえずコーヒー・ミルの受け皿がいっぱいになる分だけ挽いておいてお湯の沸くのを待ちます。

二杯分のコーヒー豆はこの作業を3回繰り返すとちょうど挽ききる計算。

さて、お湯は沸きまずはドリップの紙に熱湯を通しついでにその落ちたお湯でカップを温めます。

「86度のお湯というのは熱湯を沸かしたヤカンの蓋を取って1分半待つとちょうど良くなる」ということなので、ここからヤカンの蓋を取った1分半の間に残りの豆を挽き切らなければなりません。

日頃はヤカンを再度火にかけて、お湯を沸騰する蒸気を見ながらチンタラとゴリゴリ挽いているのですが、今回はお湯が86度よりぬるくなってしまっては元も子もないので大急ぎでこれだけは何がなんでみやり切らねばならないのです。

コーヒー二杯分の豆を挽くには、中深煎り豆の場合およそコーヒーミルのハンドルを200回回すと挽き切れるというデータを取ってありましたので、一回分の60回転はすでに済ましてあるので、残りおよそ140回転を1分半、つまり90秒の間にやり切らなくてはならない。

一秒間に二回転弱回さなければならない計算になるので気合が入ります。

さあ、いよいよそのスタートの瞬間。
ヤカンの蓋を外したとほぼ同時に右手はミルのハンドルに素早く移したと思ったときにはもう回転をし始めているほどの早業でコーヒーを挽き始めます。

一心不乱に右手を回転させながら片目でチラチラ腕時計を眺めます。
ミルの受け皿がいっぱいになった二回めの時点で40秒経過、素早くその豆をドリップに移し三たびミルのハンドルを回します。

こんなに物事に急いだことが最近あったろうか?
時間に追われる生活というものから離れて久しいので、一秒の短さを肌で感じながら一方ではそんなこと考えている暇もなく右手をフル回転させることおよそ200回。

豆が挽き切ってハンドルが軽くなりカラカラという感触が伝わってきたところで1分15秒を回っていたので急いで残りの粉をドリップに入れたら、ミルのお皿を元に戻す暇もなく素早くコーヒーカップの中のお湯を捨ててすぐに最初のお湯をドリップに投入したのが1分35秒後。

わずかに間に合わなかったけれど5秒くらい勘弁してください。
お湯の量もそこそこあるのでそんなに急激に湯温が下がるとも思えないし。

ここからは先ほどまでの慌ただしさとは正反対にじっくりコーヒーにお湯をそそいでいきます。

まずは30秒ほど豆を蒸らしながら、泡が立ち上がりきるのをいつもの様にワクワクしながら見つめます。

コーヒーを入れるときに最も幸せな瞬間はここでありますね。
いい豆ほど芳醇な泡が沸き立ち、また同じ豆でも焙煎の仕方によって泡の立ち具合が異なったりするので、この泡の出方や泡の大きさなどからコーヒーの味を連想したりするのが大きな楽しみなのであります。

30秒が経過する頃には泡立ちもひと段落し、今度は少しづつお湯を注いでコーヒーを落とします。
このときの集中量が実はとても大切で、ないか他のことをしながらお湯をそそいだり、他のことを考えながらそそいだりしたときのコーヒーはだいたいうまく入らない、というのがコーヒー人生40年のワタクシの定石となっておりますので、今回は一際集中力を高めて、お湯の落ち方、豆の泡の出具合などつぶさに観察しながらお湯を注ぐのでありました。

やがて、コーヒーがカップの規定量まで達したところでお湯お注ぐのをやめて、コーヒーの出来上がり。

さあ、どんな美味しいコーヒーになってるのか?これまで味わたことのない美味しいコーヒーを想像しながらいよいよ感動の瞬間が訪れます。

その場で一口試してみたくなるのを我慢し、テーブルまでコーヒーカップを運んで椅子に座り、背筋を軽く深呼吸をして気持ちを落ち着け身を正してからいただいてみました。

まずは一口、ちびりと舐めてみたところ、予想していた味とは大違い。

いつもはまずは口の中に苦味が広がりそれを追いかける様に深いコクが口いっぱいに広がるのですが、まずはその第一弾の苦味が感じられないのです。

あれえ?と首を傾げながら今度はもう少し口に含んでじっくりと味わってみました。

すると、コーヒー本来のコクが感じられ、うっすらと酸味も感じられます。
全体的には苦味が抑えられて酸味を感じるようになり、その分味の角が取れてマイルドになり全体のバランス良くなっている、という感じなのです。

いつもの同じ豆とはとても思えないほどのマイルドさ。

しかし、これはワタクシにとっては薄くてぬるい、刺激の少ないコーヒーに感じて物足らない味だったんですよ。

このあと、じっくりと残りのコーヒーを味わってみたもののその印象は変わらず、最後に少し残ったコーヒーが冷めたものを口にした時に後味にコーヒーのコクや旨味がじんわり口に広がるという奥深しさを感じることはできましたが、満足のいく味ではありませんでした。

これはきっと86度でちゃんと入れなかったからに違いないと、再度挑戦して入れ直して飲むことにし、先ほどと同じ工程を繰り返して再び口にコーヒーを運んだ時、新たな感動が現れるのかとも行きや、結果は前回と同じでした。

どうやら、ぬる目のお湯でコーヒーを入れるというのは、豆の刺激的な要素を抑えめにして全体のバランスを整えた味にしてくれるようなのですが、ワタクシにとってはどうも物足りない味で、お湯の味を舌に感じてしまい、某コーヒーチェーン店のお湯臭いコーヒーに共通する不味さになってしまうようでした。
例えて言うと、この入れ方は、おすましした京都料理のような薄味の中に本当の出汁の味や素材の味を楽しみ感じるような印象ですね。

しかし、苦味も甘みもコクも全面に押し出してくる主張の強い味が好みのワタクシには合いませんでした。

コーヒー業界ではこの86度方というのが常識なようなのですが、ワタクシなりに考察するに、この入れ方は中炒り豆の比較的焙煎の浅い豆をバランス入れるのには適しているのではないかと思うのですね。

ドトール、スタバ以前の関東地方の喫茶店のコーヒーは、概ねこの中煎り豆のコーヒーが主流でありましたので、その時分の確立されたのがこの86度方なのではないでしょうか?

それをそのまま深め焙煎の豆に応用すると今回のワタクシのようなことに、いや、某コーヒーチェーン店のコーヒなんかも同じ味だった、ということになっているのではないでしょうか?

コーヒーのプロの方、その辺如何なのでしょうか?

ということで、ワタクシ自身よく他人から「常識がない」と言われる身ではありますが、今回もどうやらそういう傾向の結末に至ってしまったようであります。

しかしながら、仮にワタクシの味の好みや入れ方が正統的なコーヒーの入れ方から逸脱した亜流であるならば、それはそれで甘んじて受け入れましょう。

明日からは、いや、口直しに次回からは確信犯的に熱湯で苦味たっぷりでキレまくったコーヒーを入れていこう、いずれはそれが新しいコーヒーの入れ方の流れになるかもしれないいう予感もするのでとにかく自分なりの方法でいこう!と固く決意したのであります。


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コメント

なぁるほど〜。
好みにもよるので一概にそれがベストで正解!ってわけでもないんですね。
ちなみに私は、エスプレッソと炭焼きが苦手というか嫌いで
豆は手挽きだけどフレンチプレスで飲んでます。

雑味も油も丸ごとドンとこい!のフレンチプレスなので
沸騰したお湯そのままだと煮切る感じで
苦臭いのばかり強調されるみたい。
それであんまり美味しくないのでフレンチプレスやめようかと思った時に
焙煎屋のオヤジさんからの85度アドバイス受けて試してみたら
ガラっと美味しくなったので今でもフレンチプレスです。

でも、フレンチプレスでコーヒを淹れるって、
通の方々には眉ひそめもんみたい?で、
うちの近所に二件ある焙煎屋さんのオヤジさん達二人とも、
「え、フレンチプレスで飲んでるの?!」って
ちょっとガッカリモードな表情を浮かべたのを
アタシは見逃さなかったですよ(笑)

んで、さっき
焙煎屋のオヤジさんに以前ドサっ!と渡された
コーヒーに関する知識の資料を見直してたら

湯温:高温/90度以上→苦味が主体
湯温:中温/90~80度位→酸味&苦味
湯温:低温/75度以下→酸味が主体

って書いてありました。
enosさんの実験どおりだね!


ところで、豆を挽くときあんまり高速だと
熱をもって風味落ちる、とかないのかな?(^.^;
ほら、そばの実挽く時みたいに。。。

兎夢さん
どうも。
ただいま、熱湯で淹れたキレキレのコーヒーをいただきながらこのコメントを書いております。

フレンチプレスでいれてんの?って僕も眉をひそめちゃいましたよ〜。
僕の経験では、あれって名前はフレンチプレスっていうけど、
30年前、フランスに一月近くいた時にはフランスでは一度もお目にかからず、
その直後イギリスに渡ったら、ホテルの朝食のコーヒーがみんなあれで
まっずいの!コーヒーが!笑

あれって、イギリス人が紅茶を入れる道具でコーヒーをいれちゃったのかと
思いましたよ。
紅茶文化の国なのでコーヒーなんて所詮この程度の扱いで十分だろ!って。笑

兎夢さんのおっしゃるとおり、フレンチプレスの一番良くないのは
豆の粉っぽい味まで出て来ちゃうことなんじゃないでしょうか?
とにかく雑味が多くてコーヒー本来の味とは程遠い気がするんですね。

でも86度方でいれたら美味しくなったのであれば、一つの正解なのかも
しれませんね。

私は紙ドリップ→サイホン→布ドリップ→フレンチプレス→紙ドリップという過程を踏んで
今の紙ドリップに落ち着きました。

機会がありましたら紙ドリップで淹れたまろやかでふくよかなコーヒーもお試しください。

あと、粉を挽く時の熱ですけれど、電動のミルのスピードに比べたら手動のスピードは
カメさんみたいなものなので、あまり熱は気にしなくても良いのではと思います。笑

次は中煎りのコーヒー豆で86度方を試してみますね。
結果はまたブログでご報告します。お楽しみに。

 昔、若いころ....喫茶店のマスター(ママ?)をやってたことあるんですよ。
 (お湯の温度の事はすっかり忘れてたけどw)
 ログハウスの喫茶店でオサレなの。
 紙ドリップで、毎日毎日来る日も来る日も淹れてましたよ。

 飽きるほど飲んだので、その後日本茶党になって
 ついでに茶葉繋がりで紅茶党にもなって。。。
 と、すっかりコーヒー離れしてたんだけど
 去年近所に珈琲館ができて時々立ち寄ってたら、
 コーヒーも美味しいな、、、と思い出し
 すごく久しぶりにまた飲み始めたの。

 でも、紙ドリップは飽きてたので(笑)
 最近流行りだしたフレンチプレスを試してみたわけ。
 (都内のケーキショップではよく使ってますよ)

 紙ドリップで淹れたのと同じ味を求めると
 「全然美味しくない!」となってしまうけど
 別物、と認識するとなかなか面白い味なのです。
 なんか、味が太い...んだよね。
 コーヒー丸ごと飲むとこんな味なんだ〜!
 コーヒー本来の味ってこっちが本当じゃない?
 紙ドリップはこれをもっと洗練していったものだよね。


 それと、まだ網羅してないのでいろいろ変化が起こって
 珍しくて楽しい♪
 自分が知っている本当においしいコーヒーの味に足りない味を
 「興味」という味と、「新鮮味」という味が補ってるんだよね。
 まぁ今年いっぱいはまだ楽しめそう。
 
 でも時々珈琲館に行くと「これは旨いっ!」って唸ってる(笑)
 (スタバのコーヒーは飲めない)

若い頃喫茶店のマスターやってたって、なんとなく聞いたことあったような。
そういうわけでフレンチプレスなんですね。

確かにおっしゃるように味が太いかもしれないし
コーヒー本来の味なのかもしれませんね。

こういう話を聞くと、自分もフレンチプレスで色々試したくなってくるから不思議。
あれも、湯温やお湯につける時間などでいくらでも味が変化しそう。

そういえば、僕はマスターじゃないけど喫茶店のバイトが長くて
そこのお店はサイホン派だったため、自分でもサイホンで入れていましたね。
サイホンは味の純度はますけれど、まろやかさがなくなる印象でした。
味が細いという感じ。

色々参考になるコメントをいただいたので、まとめてブログに書いてみようかと思います。
どうもありがとうございました。

まだまだ、コーヒー豆シリーズは続きますよ。書きたいことがいっぱい!笑

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