カンパチ祭り@与那国島遠征 その四
与那国島釣り遠征二日目
朝6時半港集合、この日はキャスティング船とジギング船の二手に分かれての釣りでした。
キャスティング船に乗ったのはその名の通りのキャスティング大好きさん、そしてそのお友達Kさん、Kさんはキャスティングも好きですがジギング、インチクなどもこなすマルチな方らしい。
残る四名、こちらもその名の通りのジギング王Tさんに私、Y店長、そして前日、初日の釣りをしてパヤオで入れ食いを味わった怪魚ハンターSさんがジギング船に乗り込みました。
キャスティング組二人の乗るキャスティング船を後に、我々ジギング船は一足先に港を出て外洋へ。
何せ東シナ海の孤島だけあって港を出るとすぐに外洋といった雰囲気の大きな波がうねっている。
この日の波は1.5メートるくらいと思われそこに大きなうねりが加わるので結構な揺れとなりました。
今日は最初のポイントまで一時間半走るから、というのでとりあえず走る船の上で諸々の釣りの準備をすることに。
私が釣り針のチェックをしていたらY店長が、「アシストラインはデビル・ラインがいいですよ。持っていませんでしたっけ?」とおっしゃる。たった今しがた普通の赤いアシストラインを結び終えたところだったので「もうちょっと早く行ってくださいよ〜」と言いながらも、時間はたっぷりあるし、こういうアドバイスは役に立つので素直にいうことを聞いて結びなおしました。
揺れる船の上で手元の細かな作業などすると船酔いをする方も多くいらっしゃるようですが、私はなぜか船酔いをしない、というか経験がないのでアネロン(船酔いの薬)のお世話になる事もなくこういう作業ができるのはまことにありがたい体質なんです。
「ありがたい」といえば、どうも私は世に言う「晴れ男」らしくて、昔、外の仕事が多かった時もあまり天候に泣いた経験がないんですね。
今回の遠征も直前の天気予報では初日、二日は曇りながらも釣りはできるが、三日目は時化でダメらしい、という予報だったのですが、今朝の天気予報を見たら、与那国島の真上に昨日まであった停滞前線が沖縄本島に向かって移動しながら発達した低気圧に引っ張られるような形で北上してくれたおかげで、天気はどんどん良くなっていき、明日三日目もどうやら船が出られそう、という晴れ男ぶりを発揮していたのであります。
お天気といえば、昨年7月の種子島遠征時には我々の着陸する10分前までは視界ゼロの濃霧だったのが、飛行機の降下と共にまるで飛行機のために穴が開いたように雲が退き着陸し、帰りの便では我々の乗った便以降は全て悪天候で欠航、なあんていう事もありました。
そんな話をしているうちに太陽は随分と南寄りに高く上がり、船は最初のポイントに到着しました。
スピードを落とした船はゆっくりと旋回しながら魚探に映る魚の群れを探します。
しばらくして船は止まり船長から「いいよ」という合図がかかると、竿を手に待っていた釣り師一同は素早く自分の釣り座に入りこみジグを落とします。
船長の指示ダナは150メートル。
こんな深いところをジグで釣るのは初めての経験です。
水深が深くなれば使うジグの重さは重くなり、さらに潮の流れの抵抗をよりたくさんうけるので重くなります。そしてさらにジグを回収するにも釣れた魚を引き上げるにも糸を出した分手で巻かなければならないのですから、それはもう大変な重労働。
それでも釣れさえすれば何でもやってしまうのが釣り師のサガというもので、一同黙々と竿をしゃくったりジグを落としたりし続けるのです。
何度か落とし直したところで、船長の「潮が悪いなあ」という声。
確かに潮の流れが早いだけでなく、ジグが落ちていく途中で急に軽くなったりする。
魚が食ったのかと思って合わせるも、何も魚の感触はなくジグは再びスピードを上げて落ちてゆくという感じ。
どうやら潮の流れる方向が途中で変わるいわゆる二枚潮らしい。
何度か流したもののどうも潮が悪いので船長は全員のジグを上げさせて船はさらに30分ほど走り別なポイントに入ったのが丁度午前9時頃。
ここでも「あまり潮が良くないねえ」と船長が入っていたものの、ミヨシ(船首)で釣っていたY店長にヒット!
なかなかのサイズらしく竿は大きくしなりドラグが時々引き出されて行きます。
魚がかかった深さも150メートル以上あったので巻いてくるだけでも大変。でも不思議なもので魚が付いていると巻いていても楽しいものなんです。
「引率の方が先に釣っちゃってまずいですねえ」などという声も上がる中余裕のファイトであげられたのは、ぱっと見で10キロは軽く超えていそうな良型カンパチ。
移動後の一投目でこのサイズを釣ってしまうところがさすがプロの釣り師というものです。
こういう魚がいるということもすごいことなんですが。
それから数流し後、今度はY店長の隣で釣っていた怪魚氏にヒット!
こちらはドラグが出るサイズではありませんでしたが、それでも良く引く。
上がってきたのはヒレナガカンパチ。
さらに続いてまたまたY店長にヒット!
船の前の二人が釣りまくる。
店長の今度の獲物は先ほどまでのサイズはなく小ぶりなヒレナガカンパチ。
でも、なんにも釣れない私から見たら羨ましいぞ!
こういう時に自分だけが釣れないのでは、というネガティブな思考にハマってしまうと負の連鎖が起きるので、なんとかこれを断ち切ろうと頑張ってしゃくっていたら、そこから20メートルほどしゃくってジグを落としたところにアタリがありヒット!
腕に伝わるこの重量感!そして生き物の躍動する生命感!
でもドラグが出ていくサイズじゃあないみたい、なんて贅沢なことを言いながらファイトしていたら上がってきたのは私だけみんなと違うイソンボ(イソマグロ)ちゃん。
あれえ?なんか自分だけ違う釣れ方している。何かまずいことしてるんだろか?
この後、もっとデカイのがいる所へと一時間ほど船を走らせ入ったポイントがすごかった。
流し始めた第一投目でいきなりジギング王、怪魚氏、私 のトリプルヒット!
ところが!一番最後に魚をかけた私が一番早く魚が上がってきちゃう。これって魚がちっちゃいって事?なんて思うまでもなく、私以外の二人はせっかく巻いた糸をジジジジ!!!と出されながら迫力あるファイトをなさっている。
200メートル弱出ていた糸を巻いては出されまた巻く、というのを繰り返し上がってきた魚はやはりデカかった!
怪魚氏、ジギング王の魚はどう見ても10キロ越えは間違いない。
魚体の太さがすごく重量感がありひょっとすると15キロ近くあるのではないかと思われるほどの大物!
後日、血抜きした後の重量計測では12キロだったので、釣れたばかりのこの時点ではもう少しあったと思われます。
それにひきかえ私のだけがなんでこんなおチビちゃん?
一人だけ重そうにしていないじゃあありませんか!!
とはいえ船上は大物カンパチの連チャンで大盛り上がり。まるでカンパチ祭り!
そういえば、メンバーの中に本物の神主さんがいた!こりゃあ祭りが盛り上がらないはずがない。
さて、一人だけ10キロ・オーバーが釣れず取り残されてしまった私。
次こそわしもデカイの釣っちゃる!と水深170メートルをしゃくり続ける事20分、今度は船長の「上げて〜!」という合図に糸を巻いてるところに来ました!
またまたこれも大した引きじゃない。
期待もしなかったのですが、痛い思いをしているお魚ちゃんには失礼なので一生懸命巻き上げました。
上がってきたのは昨日に引き続きまたまたしっぽの黄色いツムブリちゃん。
虹色の魚体が美しいのではありますが、今私が欲しいのはこれではない。
どうも一人乗り切れない私。何かが悪いのか?
ところがこの後そんな迷いも吹き飛ぶような大物の連発が我々を待っていたのでありました。
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