コーヒー浅煎りシリーズ@コロンビア・エスメラルダ
コーヒー浅煎りシリーズ、今回の在庫で最後の品種はコロンビア・エスメラルダでございます。
エスメラルダというのはラテン語でエメラルドのこと、そう!みなさんよ〜くご存知のエメマンですよ。
このお豆は、私が自家焙煎を始めるまではもっぱら贔屓にしていた豆で、それまで二〜三年間、煎った豆はこのエスメラルダしか買っていなかったほど大好きな豆。
その美味しさは苦みの中にある、コク、酸味のバランが素晴らしいことです。
お値段も他の豆に比べると比較的お手頃なのでこの豆を長い間愛飲してきたのですが、この半年間、自家焙煎で安くて美味しい豆をいろいろ試したらエスメラルダだけではすっかり物足らなくなってしまった自分がいるのに気がついた。
世の中広いもので、興味を持って新しいものに挑むと新しい世界がどんどん開けてくるということを堪能しつつ、もともと八方美人な性格の自分を再認識したりして、知らない方が幸せだった世界にどんどん足を深煎り、いや深入りさせているような気もする昨今であります。
さて、今回のエスメラルダでありますが、昨日のホンジュラスで新たな発見というか出会いがあったので、こちらでも期待していますよ。
以前話たように浅煎り豆を「シナモン」と呼ぶらしいので、今回は煎りながらシナモン色になったところで焙煎をストップしてみました。
するとどうでしょう、これまで浅煎りと申し上げてきた他のコーヒー豆の焙煎と比べてもとても色が薄いじゃあありませんか。
↑コスタリカ浅煎り ↑エスメラルダ浅煎り
こんなに浅い焙煎で果たしてコーヒーの味がするのだろうか?
ひょっとして、生豆にかなり近い状態のものなのではないか?
という不安を持ちつつもコーヒーを入れてみました。
例によってミルで挽いてみたら、これまで以上に抵抗が大きくてハンドルが回らない。
ガリン、ゴリン、と半回転ずつ引っかかる感じでミルの歯がかけてしまうのではないかと心配になるほど、もう挽くだけで大変。
そこで、ちょっと不安が増してきたのでいつもの二杯分を入れるのは止めて一杯分だけ試しに入れることにしました。
挽いたこなをドリッパーにいれたら、コーヒーの香りがしない。
なんだか大豆みたいな感じの豆の香りがするだけ、やっぱり焙煎が浅すぎたかなあ。
お湯を足したら一瞬泡立つもののすぐに泡は消えてしまいます。
なんだかやる気のないコーヒーというか、私はコーヒーではありませんよ、と主張しているような雰囲気さえ感じられてきました。
お湯を足すこと二〜三回で泡も立たなくなったのでやめてみると、カップの底の方に一杯分弱のコーヒーがひっそりとありました。
カップを手に取り香りを嗅ぎますが、コーヒーの香りがしない。
ちょっと焦げた感じの何かの粉の香りなんですが、よ〜く嗅いでみるとそれはコーヒーの酸味の香りでした。
なかなか味見するまでに到達しないのですが、いよいよそのお味は!?
口に含んだ時に最初に感じたのは甘みでした。それも芯の無いというか、そもそも味がコーヒーの味では無い。
大豆を挽いていれたらこんな味なのでは無いだろうか?という何かの入った豆の味。
生臭さのようなものも感じます。
同時に焙煎しないコーヒー豆に味がしないということも分かりました。
これは明らかに焙煎の失敗なのでこれでエスメラルダ浅煎りの評価をするわけにはいきません。
そこで、もう少し火を加えて焙煎をしてあげて再挑戦です。
焙煎を加えたエスメラルダ
今度は豆の色も少しだけ茶色を増して、何よりも豆の表面のシワがなくなりツルツルになったのがよく分かります。
早速入れてみたら、いいじゃないですか!泡もしっかり立ち上って、実にコーヒーらしい。
いつもの段取りで一杯分だけ入れて飲んでみましたよ。
まずは香り、先ほどとは打って変わって酸味がぐ〜んと強く感じられます。
かなり酸っぱいのではないかという感じ。
実際口にしてみたらやはり酸っぱい。
さらに冷めると味に芯のようなものが出てきて、中煎りのエスメラルダと共通の骨太な味わいが出てきましたよ。
酸っぱめではありますがいい感じのコーヒーになりました。
中深煎りでは切れる苦味とコク、香りを楽しませてくれるエスメラルダですが、浅煎りではそこに酸味が強くなり前にぐ〜んと主張してくる感じですね。
もう少しだけ火を入れてあげると酸味と全体とのバランスがいいのかもしれませんが、そうするとただの中煎り豆になってしまうので、今回はこのまま浅煎り状態で、この浅煎りシリーズを始める発端となった兎夢さんの「お店でやってくれないくらいの浅煎りが飲みた〜い」という声にお応えして兎夢さんにプレゼントすることにいたしましょう。
さて、これをもちましてひとまずのコーヒー浅煎りシリーズの最終回となります。
そこで、前々回にちょっと書きました、浅煎りほど酸味が増すので、コーヒーの生豆をそのまま入れてきたら酸っぱいのではないか?という話について触れておきたいと思います。
生豆のままコーヒーを入れた人など聞いたことがないので、やってみて第一人者になっちゃおうか?などと浅はかな野心に燃えたのでありますが、一応コーヒーの生豆というものについてネットでいろいろ調べてみました。
それによると、コーヒーの生豆には味も香りもなく、煎ることにより豆が炭化することで味めて味が出るということらしく、酸味もコクも苦みも煎ってはじめて出てくる味らしいのですね。
本来生豆は酸っぱくて、そのまま入れたら酸っぱいコーヒーになるのではないか、という私の仮説は全く間違っていたことを知りましたし、事実、今回のエスメラルダの超浅煎り豆で生臭くてコーヒーの味も酸味もしないという体験もしました。
おそらくは生豆に熱を加えて最初に顔を出すのが酸味ということなのでしょうね。
ネットにも酸味を味わうコーヒー豆は浅煎りがよく合う、と書かれていました。
今回の一連の豆のかなでも、エチオピアの豆は独特の酸味だったのでその通りなのでしょう。
私の今回の五種類の豆を浅煎りで飲んだ感想としては、本来最も酸味の強いエチオピアの豆は酸っぱくなりすぎちゃってちょっと毎日飲みたいと思うコーヒーではなかったというのが正直な感想で、むしろ本来中深煎りで苦み、コク、酸味のバランスの良いコスタリカやホンジュラスの方が浅煎りにした時も酸味を中心にした中での苦み、コクのバランスがすばらしく感じました。
う〜ん、やはり私自身が酸っぱいコーヒーより苦いコーヒーの方が好き!ということに落ち着いたような気もしますね。
これらは、毎度申し上げているように、あくまでも個人の舌の味覚と感想なので参考程度にしておいていただきたいのですが、煎り方による大まかな味の変化の傾向というのは実証できたと思うので満足している次第であります。
それでは、次回は浅煎りでしか試していないホンジュラスの中深煎りを試してみましょう。
この豆、浅煎りでも美味しかったので期待大です。
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コメント
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コーヒー豆シリーズ一気に読みました。
詳しくないのでよく分かりませんが、焙煎というのは普通にフライパンとかにいれて熱っするんでしょうか??
豆を自分で引いてどれも美味しそうですね。インスタントコーヒーばかり飲んでるので飲んでみたいですね!
釣りの方はいくことができて初のキャスティングでしたがヒラマサ釣ることができました!キャスティングの面白さにはまってしまいそうです。
投稿: 未来 | 2016年4月27日 (水) 17時04分
キャーーーー!

このシリーズ面白かったです
そして、、、、
ニゲロー!
あんまり酸っぱいのはイラナイですー
ーーーー
投稿: 兎夢 | 2016年4月27日 (水) 19時05分
未来さん
やっとネットのつながるところに帰ってきました。
豆はフライパンでもいいみたいなんですけれど、私はアラレなどを煎る蓋と取っ手のついたザルでやってます。
ちょっとした入り加減で全く違う豆の味になるのが楽しいんですよ。
商売だったら同じものを毎回作らなければならないのでしょうが、
こちらは試行錯誤で自分の好みの味を追求しています。
毎度、意外な発見があるので当分やめられそうにありません。
何よりも、コーヒーは生豆で買うと1キロで700円くらいから買えて、しかも二三年は常温で保存できるので、経済的にもとってもお得。もうお店で煎った豆を買うことはないのではないかと思います。
それに、コーヒーショップのコーヒーが飲めなくなるくらい美味しいコーヒーが日常的に飲める幸せ。
ハマりますよ〜。
投稿: enos | 2016年5月 6日 (金) 01時41分
兎夢さん
面白かったですか〜?
やっていても面白かったから、それはよかった。
でも酸っぱいのもう手渡しちゃいましたね。
あんまり酸っぱかったら適当に煎ってください。
5分も煎れば別な豆に生まれ変わります。
お好みの豆に出会えますように。
投稿: enos | 2016年5月 6日 (金) 01時43分
未来さんに追伸です
来週、能登の輪島にキャスティング、ジギングでブリを狙いに行きます。
結果をお楽しみに。
ちなみに今週初めのジギングは明日から更新しますのでこちらも楽しみに。
投稿: enos | 2016年5月 6日 (金) 01時46分