美女と野獣 TNバレエ 5th コンサート@大井町きゅりあんホール
釣り記事を期待してアクセス頂いた釣り師の皆さん!ごめんなさい!
今回はおよそ年一のペースで登場するバレエのお話です。
バレーボールじゃありませんよ。踊る方のバレエです。
でも、ちょっと興味があるなら読んでみて。
バレエ関係の皆さん、バレエ素人が書いている記事なのでそれなりにお願いいたします。
では、本編へ。
ということで、去る5月27日 金曜日 東京大井町駅前にある「大井町きゅりあん」というホールで行われたTNバレエ 5thコンサートと題されたバレエ公演に行ってまいりました。
演目はみなさんディズニーでおなじみの「美女と野獣」でございます。
TNバレエは富田典子さんというダンサーが主催するTNバレエ・スタジオというバレエ集団のことのようであります。
今回の公演はこの富田典子さんを主役に、このTNバレエの専属ピアニストである栗田妙子さんの音楽とのコラボ作品という感じのバレエ。
演目も比較的新しい時代の「美女と野獣」ということで、いわゆる「白鳥の湖」なんかのクラッシックとは少し趣の違う作品ですね。
ストーリーはディズニーでみなさんよくご存知のお話でありますが、これにピアニストの栗田さんがオリジナル曲を作曲し、栗田さんのピアノとクラリネット、フルート、ドラムスというクゥアルテットの演奏する音楽にのって繰り広げられるバレエであります。
一般的にはこの「美女と野獣」は作曲家ラベルの曲を元にしたバレエ曲で演じられることが多いらしいのですが、今回は小編成の言って見ればバンド的音楽にどのようにクラッシック・バレエがコラボされていくのかがとても興味がありました。
踊る方々はたくさんいて紹介しきれないのでこのパンフの写真↓をご参照ください。
主役のベルという娘役に富永典子さん、そして私のお目当は王子様の婚約者役の寺田恵さんことメグちゃん。
正直申しまして私はディズニーが嫌いなので美女と野獣も見たこともないしごく大雑把なストーリーしか知らずにノコノコと出かけて行ったんですよ。
事前に少しお勉強しておこうかとも思ったのですが、なんの予備知識もなしにセリフの無いバレエを見てどのくらい理解できるのかを試してみたいという気持ちがあって、あえてお勉強していかなかったということもあります。
さてさて、会場は暗転して栗田さんの奏でるピアノの音が静かに鳴り響くとバレエの始まり。
幕が開くと舞台はお城の中。
主人公の王子様が登場していきなり滞空時間の長いジャンプを取り混ぜた男子バレエ必殺技三連ちゃん的なすばらしい踊を見せてくれたあとに、群舞の一団が左右にさっと別れ舞台中央に花道ができたと思ったら、後方から颯爽と登場したのは我らがメグちゃん演じるところの王子の婚約者。
え!いきなり出て来ちゃうの?という驚き。
舞台後方のど真ん中に立つその姿はなんとも存在感たっぷり。
さて如何なる踊を見せてくれるのかと思って見ていると、両腕を水平にスーッとあげたと思ったら不思議な腕のくねらせ方をする。
その動きは優雅で摩訶不思議、かつ、しなやか、腕のどの部分をどう動かすとそういう動きになるのかわからない怪しくもうつくしい腕のうねるような動きで一気に惹きつけられましたよ。
彼女は体形的に手足長、首長の西洋人的体形なので、バレエの踊が実に大きく見える。
踊り全体の表現力が増していました。
登場したシーンとしては王子様のプロフィール的なシーンでなので、彼女の前半の出番はここまで、ディズニーモノの十八番である魔女が出てきて王子様を野獣に変えてしまったところで幕が変わるまでの短い出番でありました。
せっかく良い踊をしていたのでもう少しメグちゃんを見たかったなあ、などと思いながらもお話はどんどん進行して、村のシーンに変わります。
ここにいきなり登場する村のモテ男君「ガストン」の踊がすばらしい。
踊の切れがすばらしく、ジャンピの高さ、スピード、力強さ、躍動感、迫力、しなやかさ、ああ、なんてかっこいいんだろうと思って見ていたら次々に町の娘たちにモテまくるじゃあないですか。
う〜む、モテるにはこのくらいの実力がないとダメなんだなあと打ちひしがれた気持ちにさせられかけたところにガストン君のお気に入りの村の娘「ベル」の登場。
富永さんの演じるヒロインであります。
ここからはヒロイン、ベル役の富永さんの独壇場だった。
バレエの本場ロシア仕込みの踊りは素晴らしくしなやかさ、スピード、美しさ、細やかさ、全てを持ち備えた感じ。
彼女が男どもに片手で持ち上げら天を仰ぐポーズを見ただけで思わず涙ぐんでしまうほど感動的に美しい。
心情表現もすばらしく、ヒロインの心の動きまでが踊を通じてしっかり伝わってきます。
セリフがないのでバレエ的には見せ所が難しい役回りだったと思うのだが、力強さと哀愁の漂う表現力で見事に野獣を演じていた。
もっとも感動したのはモテ男ガストンに銃に撃たれて伏したところ。
本当に死んでしまったのではないかと思うほど体から力が抜けきっていて見ていて不安になったくらい。なかなかああいう演技は出来るものじゃあない。
一方で私的には今回の公演の一番の見所、というか楽しみどころはクラッシックバレエとジャズ的な音楽のコラボでした。
ガーシュインあたりを随分聞き込んでいるんだろうな、なんてちょっと栗田さんのことをググってみたらかなりジャズ的な活動もされているようで。
この音楽のおかげで踊の躍動感も増し、踊はクラシカルなのに見え方はよりポップな感じになり、セリフのないジャズ・ミュージカルといった感じ。
クラッシックバレエとジャズのコラボ(あえて言い切ってしまいますが)と言うのは初めての経験だったのでとても新鮮で楽しく見ることができました。
多分、セリフを入れたらブロードウェイ。ミュージカルのような世界になっちゃうんだろうな。
ミュージシャンも良かった。フルートとクラリネットは時にアドルリブではないかと思うくらい情熱的に発声していたし良かったよ。
お話は死に損なった野獣が人の心を取り戻して王子に戻ってヒロイン「ベル」と美しい踊を繰り広げてフィナーレへ。
彼女の体系は西洋スケールだと思うので日本人に囲まれるとどうしても大きく見えすぎちゃう感じ。もっと世界で活躍できたらいいんだけど、って思いました。
エンディングは群舞とソリストの息もぴったりあって最後は華やかで美しいフィナーレとなりました。
なあんだストーリーなんてロクに知らなくたって十分楽しめちゃったじゃないの。
今回のようなジャズ的音楽とクラッシック・バレエのコラボというのがどの程度珍しいのか、素人の私にはよくわからないのだけれど、堅苦しい感じのオーソドックスなクラッシック・バレエとは違った気軽な雰囲気で楽しめる感じがしてとても新鮮な印象でした。
バレエの公演というと、観客は9割が女性、男性の8割くらいがおっさん、という感じで、バレエ関係者、元バレエダンサー、バレエを習ってる子供の親子という雰囲気の人たちがとても多く感じられ、純粋にバレエを見るのが好き!という人はどのくらいいるのだろう、といつも考えてしまうのだけれども、今回のような気軽に楽しめる親しみやすい感じのバレエならもっともっと色々な人に興味を持ってもらって楽しんでもらえるのではないかと思ったのでありました。
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美女と野獣公演へのお越しありがとうございました!
楽しんでいただけたみたいで嬉しいです。
ライブにも是非いつでもフラりといらしてくださいね。
投稿: 栗田 | 2016年5月31日 (火) 11時56分
栗田さん
コメントありがとうございます。
ご本人からコメント頂けるなんてビックリ!
下手なこと書けないです〜(笑)
今回は本当に良かったですよ。
こういうバレエもあるんだ!おもしろい!というのが素直な感想です。
フル・オーケストラの音楽だけがバレエじゃないんだなって、目から鱗が落ちました。
私自身もジャズ(サックス)をやるので色々な意味でとても感激しましたよ。
クラとフルートのお二人もとても良かったです。
お伝えください。
ライブも伺いますのでよろしくお願い致します。
投稿: enos | 2016年5月31日 (火) 15時26分
バレエもジャズもやりかたは様々、可能性は無限大ですよね~!今後ともよろしくお願いいたします。サックスも楽しそうですね~♪
投稿: 栗田 | 2016年6月 1日 (水) 01時17分
栗田さん
コメント、ありがとうございます。
僕は割と形にとらわれずになんでも面白がる方なので、なんでも来い!という感じで
音楽もバレエも楽しんでいます。
スタイルにこだわってしまうと表現の手段も限定されてしまうし、
表現の幅も狭くなってしまうような気がして。もちろん楽しみ方も。
そんなわけで、いずれ出没させていただきますのでよろしくお願い致します。
投稿: enos | 2016年6月 1日 (水) 08時25分