さらなる天国へ! 沖縄離島遠征2016 その五@第5寄宮丸
天国のようなランチタイムを終え午後の釣りが始まります。
島の浅瀬を離れた船は沖に向かい午後一番のポイントに入りました。
ここも海底は水深50メートルほどから25メートルほどに緩やかに駆け上がる地形なのでGTはもちろんアカジンを狙うにもちょうどいい深さ。
船を流し始めて間もなく「でた!でた!でた〜っ!!!」というつぐみ船長の雄叫びが上がります。
え?もう?と思いながらミヨシを見るとヨッシーさんの竿が曲がってる。
やるなあ、ヨッシーさん。一昨年に来た時もでかいGTを一人だけ釣ってる。
なんか持っているんだろうな、こういうよく釣る人は。などど少々恨めしくファイトする後ろ姿を眺めていました。
GT特有の最初の走りをうまくかわしてからはヨッシーさんが主導権を握りぐんぐん巻き上げます。さほど時間がかからずに上がってきたのはまあまあサイズのGTでした。
先ほどまでランチタイムのリラックス・ムードだった船内はこの一匹で一気にテンションが上がり盛り上がります。
写真にビデオカメラ二台が回り、勝ち誇っているかのようなヨッシーさんとGTを撮りまくります。
写真を撮ったら素早くリリース。
船長の「い〜ち、に〜っ、さんっ」の掛け声に合わせて魚を海に返します。
あっという間に青い海に戻っていくGT、次はもっと大きくなってまた楽しませてね。
というのは釣り師の勝手なお願いで、GTにしてみたら二度とつられるものか!と思っていることでしょう。
さて、テンションが上がり一気に戦闘モードに入った船内ですが、なかなか次が続かない。
今朝の一匹も単発で終わってしまいましたが、どうもまた同じような展開になりそうな気配。
ヨッシーさんの一匹の後は休憩がてらやっていたタイラバに来たベラの仲間やバラハタのみという釣果でした。
少々体力的に疲れていた私は作戦を立て直しました。
新しいポイントに入った初めの流しだけGTを狙いキャストし、ダメならライト・タックルで根魚を、とりわけアカジンを狙うことで夕方まで体力を温存させようと考えたのでした。
今日の海の雰囲気だとまだまだもう一匹くらいは必ず出る、という確信めいたものがあったので、チャンスタイムだけ勝負しようという作戦にしたのです。
船は小さな移動を繰り返し流し直していきますがなかなかGTは出てこず、午後五時を回るとキャスティング組にはさすがに疲労の色が見え始めました。
そういうキャスティング組の努力をあざ笑うかのようにヒットが続いたのは、ムロアジを生き餌にした泳がせ釣りでした。
竿を管理するのはクルーのユーキ君。
ポイントに入るとムロアジのついた仕掛けを素早く海に投入し糸を出していきます。
後は餌に大物が食らいついて糸をリールから引き出すのを待つだけ。
その横で餌をねだる犬のようにじっと座って待つのはポメリン。
ポメリン曰く、これはサービス向上に向けた接待フィッシィングであるとのこと。
何度かの流しの時、餌のついた糸がドラグを鳴らしてジジジ・・・と出て行った。
「来た!」と短く声を発すると同時に素早く竿をシャクって合わせを入れます。
上から船長の「きた!きた〜っ!」という声が発せられると同時にドラグは大きな音を立てて一気に糸が出て行く。
ユーキ君は素早く竿を隣のポメリンに渡すとファイトの始まりです。
いきなり竿を渡されてまごつくポメリン、何と言っても電動リールの使い方がわからないので糸を巻くこともできない。
「こっちにレバーを倒すと巻けます!」と言われるままに糸を巻く方向にレバーを倒すと、巻き上げスピードが速すぎて強しまい糸が切れそうになってアタフタしている。
しばらくファイトしたら隣にいたオサムシ君に竿を渡して、今度はオサムシ君が電動の使い方がわからない。
必死でファイトするオサムシ君を見ながら、ルアーの釣りしかしないとこういうことなのかなあなんて思っていたら、あえなくラインブレイク。
今度はポメリンがガチンコ勝負の様子。
電動に慣れていいファイトをし始めた様子を遠巻きに笑いながら見つつ他の一同は釣りを続けていましたが、いよいよ魚が船べりまで寄せてきたらいったい何がかかっているのかとパラパラと集まってきた。
GTが来たか?というのが一同の一番の関心でしたが上がってきたのは太くて大きなバラフエダイ。
これまでGT釣りの外道としてあちこちで見てきた魚ですがこれほどまでにお腹が太くて立派なのは始めて。

なんとか魚を取り込んで写真に収まったポメリンですが、大物を釣り上げた感想を聞いてみたら「なんかモヤモヤが残りますねえ」ととぼけている。
本当はキャスティングでGTを釣りたいのはみんな承知の上で遊んでいるので、ニヤニヤしながらその様子を見ています。
さらに、次のポイントで再び泳がせにヒットし、船はキャスティングGT船から泳がせ釣り船にいつの間に変わってしまっていた。
このヒットではY店長に竿が渡されファイトするも散々糸を出された末に「ぷんっ!」と糸が切れてしまった。
「その、ぷん!ていうの嫌でしょう?これはいちぢるしいサービスの低下ですよねえ」とポメリン。またまたユーキ君を困らせている。
そんなこんなで時間は過ぎて行き午後六時を回ろうとしていた。
大きな移動をして入った場所は、なんだか潮の流れも良くおりしも空には雲が広がり始めて怪しい雰囲気に。
ドピーカンの晴天よりもこういう雲の覆った天気の方が魚が出るのをみんな知ってか、キャストに力が入ります。
いつGTが出てきてもおかしくないような海の中の魚の気配がムンムンする中、投げてはルアーを動かしながら巻いて来てはまた投げる、という作業を繰り返す釣り師の皆さん。
中には朝の六時過ぎからず〜っと投げている人などもいて、私には気の遠くなるような体力と精神力だなあ、と感心させられます。
そこまでさせる魅力をGTという魚が持っているのです。
朝一にいいのを一匹あげた余裕のハット君はデッキ上の操舵室の後ろで船長と話しながら、ポイントに入ると投げている一同に声をかけて励まします。
しかし、出そうで出ない、という流しが何度も続き時計は午後7時を回ろうとしていた時、垂れ込めた雲の隙間から海に落ちる太陽が顔を出し一瞬海を輝かせました。
この時、その光景を見て無意識に何かありそうな気配を感じた私は、次の流しでキャスティングロッドを手にし、朝から一日投げ続けて疲れ切ってしまったジギング王に入れ替わってトモに入ります。
デッキの上からハット君の声が飛びます。
「この流し絶対出るよ〜!」
船は風に乗って海底のゆるい駆け上がりを浅い方向にゆっくりと流れて行きます。
ルアーは風に乗ってよく飛ぶ、灰色の海面は潮波が立ち水面下の生き物たちの動きが活発になっている雰囲気がこちらにも肌で伝わってくる。
しばらくして、「あと3回目のキャストで釣れますよ〜!」というハット君の声に「本当に出そうだな」と思ったのは私だけではなかった様子。
「あとさんか〜い」「にか〜い」と投げるたびに声を上げて投げる私。
「あといっか〜い」と叫んで投げたルアーが着水して間もなく。
「きた〜〜〜〜っ!」という大声が船上に鳴り響いた瞬間から、船上はパニックになるのでした。
写真提供 : プロショップ Ebb&Flow
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