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2016年6月

2016年6月16日 (木)

eno caffe寄宮船中泊店 沖縄離島遠征 番外篇@第5寄宮丸

前回の男女群島釣行時に引き続き今回も自家焙煎コーヒーを持って沖縄まで行ってきましたよ。

もちろんミルも持参です。

まずは前泊したホテルの自分の部屋で早朝のモーニングコーヒーをこっそり一人で。早朝目が覚めてしまって、集合時間までたっぷり時間があったのでやっちゃいました。

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今回持っていた豆はコスタリカ・レベンス農場中深煎りとエチオピア・イルガチャフェG2の中煎りと中深煎りの豆二種、コーヒーとしては三種。

ここでは今一番ハマっているコスタリカを堪能。
う〜ん!おいしい。目がさめる。

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船に乗って最初のエノカフェ開店は一泊目の粟国島沖合にて、エノカフェ粟国島店。
雨の降る中夕食後に淹れてみたのはコスタリカ。
苦味とコクで雨のじとじと感を吹き飛ばし、明日に勢いをつけようという目論見でした。 

夕闇の船の上でゴリゴリ豆を挽く姿はなんともおバカな光景でありますが、この後の幸せを思えば気にもならない。

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今回はスタッフを入れて総勢11名の大人数だったので、たくさんコーヒーを落とさなくちゃと、一度にたくさんの粉を入れて落とします。

コーヒー好きのオサムシ君がいるので生半可なコーヒーは淹れられないな、と気合を入れて落としましたよ。

早速テイスティングをオサムシ君に。
と、同時に強いので自分も味見をしてみたら、不味い!
雑味が入ってしまいせっかくのコスタリカの良さが消えてしまっている。

オサムシ君からも雑味が入ってしまいましたね、と的確な指摘。

どうやら一度にたくさん落とそうと落とす時間が長すぎて雑味が入ってしまったようです。

これを反省し、次回からは修正。

二日目の朝、今度はエチオピア中煎りを淹れてモーニングコーヒーにしようというわけです。

早朝午前五時過ぎ!真っ暗な海の上でコーヒー豆をゴリゴリ(バカだ!)

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前回の反省から、早めのテンポでお湯をさしてコーヒーを落としたところ大成功。
適度に酸味のきいたコーヒーが爽やかな朝にぴったり。と思ったのは私だけか?
でも、コーヒー大好きオサムシ君にも評価をいただき満足でしたよ。

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朝から美味しいコーヒーを飲むことができて、いい一日の始まりになりました。
すでに本ブログに書きましたように、コーヒー効果もあってか?この日の夕方にGT大爆釣となったわけです。

そして、最終日の朝。場所的には久米島沖だったのでエノカフェ久米島店を開店。

この日の朝食はパンにレタス、ソーセージ、スクランブルエッッグ、トマトなどを挟むBLTEならぬSLTE(ソーセージ・レタス・トマト・エッグ)だったので、コーヒーにはぴったりのメニュー。

気合を入れてエチオピアの中深煎りを入れましたよ。
昨日の釣りですっかり気分を良くしていたのでこの日も早朝五時過ぎからルンルン気分で淹れちゃいました。

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一口飲んで味見をしたら、昨日のエチオピアとはまったく違う苦味の効いたいいお味。
早速そばにいた船長にあげたら、一口飲んで「苦!」といったと思ったらコーヒーをユーキ君に手渡してしまった。船長ブラックコーヒーは飲みつけないみたい。

今回はブラックはダメというY店長には牛乳を買ってきて、と頼んでおいたので、店長にはカフェラテを。
「おいしい」と言ってくれたけど、本当に美味しかったのかなあ?

他のブラック・コーヒー好きの皆さんには概ね好評だったようで、皆さん釣りをしている時には見せないような優しいニコニコ顔をしていた。

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家で飲むコーヒーもおいしいけれど、船の上で飲むコーヒーの味は格別ですね。
山の上や船の上で食べるカップラーメンがすごく美味しく感じるのと同じ効果で、もともとおいしいコーヒーを外で飲むと本当に幸せな気持ちにさせてくれる。

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おそらく沖縄の船の上でコーヒー豆を挽いた男第一号ではないかと思われるので、いや、沖縄はリゾートだから五番目くらいかもしれないな。それでもいいや。自家焙煎コーヒーを挽いた男となればもう少し順位も上がるかもしれない。

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わざわざそんな道具を持って行ってコーヒー淹れて飲んでバカだなあ、と思われるかもしれません。
バカでいいんです。楽しければ。

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エノカフェは出張本格自家焙煎コーヒー店でございます。
私の行くところに自家焙煎コーヒーあり。

釣り遠征の新機軸を築かんとこれからも秘境リゾートで自家焙煎コーヒー豆を挽いて淹れる男として邁進していく所存であります。

次回はどんな豆を持って行こうか、7月の種子島遠征が次回エノカフェの開店予定でございます。
おいしいコーヒーを飲んでみたいという方は是非種子島までお越しください。お待ち申し上げております。


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2016年6月15日 (水)

最後の爆発! 沖縄離島遠征2016 その九@第5寄宮丸

最終日の朝一、船長が船を走らせたのは昨日大爆発したあのポイントでした。

昨日GTを釣った一同、とりわけ二本釣ってしまった釣り師はまだGTの顔を見ていない方に釣り座を開けて根魚コーナーでタイラバ及びライトジギングです。

私もこちらの根魚コーナーでジギングをします。
始めて早々ヒット。大して大きくはなさそうなのですがライトタックルなので引き味が楽しめます。上がってきたのはカイワリというアジ科のお魚。これで今回アジ科のお魚四目を釣り上げました。
こうなれば後一目なにかを釣って五目達成でグランドスラムだ!と意気込むのでありました。

船の先端、ミヨシでキャスティングを繰り返しているのは昨日すごく、すご〜く悔しかったであろうジギング王。
GTが釣れるまで投げ続ける、といった形相でキャストを続けている。

最初の一流し、GTの期待は高かったものの出ることなく二流し目に。
すると船の後方に別の船がが現れた。
「三号艇ですよ」とユーキ君。
どうやら寄宮丸の三号艇が昨夜の情報を聞きつけて来たらしい。

しばらくその船の様子を見ていたら、船が泊まっているように感じられた。
「あれ?ファイト中かな?」「でも竿持っている一見えませんねえ」と一の姿が豆粒くらいの距離なのでよく分からない。

この流しを終えた我が五号艇が三号艇に近づいていくと、やはりGTが上がっていたようでちょうど写真を撮ってリリースするところだった。
船長がすぐ横を流したので、隣の船に向かって全員で拍手と歓声で祝う。
向こうの船からもそれに答えてみんなが手を振っていた。
お互い知らぬもの同士だがGTを狙う気持ち、辛さ、喜びは共有できるのだなあと感じた。

「移動します」という船長の一声で船は大移動することに。
小一時間走るというのでベッドに横たわりウトウトする。

やがてエンジン音が下がるのに目が覚めると波しぶきの向こうに小さな岩礁帯が見えた。


鳥島という島らしい。
この島は米軍の射爆場で普段は一般の船が近づくことが禁止されているが週末だけ解放されるとのこと。
当然釣り師は入れないので魚は濃いと思われるのだが、不自然な島の岩礁を見ると複雑な気持ちにさせられる。

私が中学生の頃までは沖縄はアメリカだった。正確にはアメリカ軍の占領下にあった。沖縄に行くにはパスポートが要り通貨はドルだった。

当然のことながら身近に沖縄に行ったことのあるものはいなかったし、沖縄がどこにあるのかも正直言ってよくわかっていないバカ中学生だった。

それが翌年日本に変換されると、南沙織さんという沖縄出身の可愛くて綺麗な歌手が登場すると沖縄=南沙織さん、となった。

彼女はあまり日本語が上手ではなかったので沖縄の人たちはみんな日本語が話せないのだとおもたりもした。沖縄についての情報はその程度のものしかなかったのだ。

数年すると沖縄に旅行する若者が増えたが大学時代に知り合った青年は沖縄に旅行に行ったら沖縄の若者に取り囲まれて殴られたという話を聞いた。本土、本土人に対する沖縄の人たちの怒りがそこにはあった。
殴られた本人も沖縄の若者を責めることはしなかった。被害者は彼らだったからだ。

そんな思い出の沖縄に、今釣りを目的にお気楽に旅に来る自分を思うと情けなくなりもするのだが、あれから40年以上経って沖縄も平和になり経済的にも発展して良くなっているのだろうか?となんとなく思っていたのだが、この鳥島の哀れな姿を見たらそんな気持ちはどこかに吹っ飛んで行ってしまった。

今、平和に沖縄の海で釣りができるのも沖縄の犠牲の上にあるのだと思うと心苦しいのでありました。

沖縄の歴史は戦後何も変わっていないのだなあという悲しい気持ちにさせられた。
しかし同船の釣り師たちにこんな昔の話をしても仕方ないので黙って釣りをする。
船長は私と同世代なので一度ゆっくり酒でも飲みながら昔の話を聞いてみたいと思った。そこにはリアルな戦後の沖縄の歴史があるに違いない。


こういう政治的な話を釣りブログに書くことに違和感を感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、僕らはいつ、どこで何をしていても、どんなに楽しく遊んでいる時でも歴史や政治の下にあるのだということを知ってほしい。
そこから逃げることはできないし無視することをしてはいけないと思うのです。

平和でなければ釣りをして遊ぶことなどできないのだから、釣り師はそれを守る努力をする義務があるのではないかとも思うのでありました。


8時半過ぎ釣り開始。
流し始めて間もなくジギング王に待望のヒット!
このヒットにはジギング王本人はもとより昨夜ジギング王の釣ったスマガツオを食べた一同はみなホッとしたに違いない。

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普段ならGTのヒットといえば船上は緊張した空気が走るのもなのだが妙にみんなの表情が優しい。

魚はなかなかのサイズらしく激しく走り始め船はアシストして魚の方向に走り始める。ビデオカメラを持ったハット君がジギング王のファイトを撮影し他の一同もそれを囲んでニコニコしている。
こんなに和やかなファイトシーンも初めてだ。楽しい。
まるでジギング王の釣り番組のロケに来ているみたい。

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五分ほどのファイトでGTは船に寄ってきた。
と、他人おファイトには淡白な表現をするが、五分間全力でファイトすることの辛さは昨日思い知らされている。
船に魚が持ち上げられた時のジギング王の安堵の表情が痛いほどわかる。私も少しずつではあるが釣りの経験を積むことで他の釣り人を気持ちを共有することができるようになってきたことは嬉しい。

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大きな魚体を記念撮影をして重さを測ったら30キロちょうどだった。
昨日自分の釣った魚が本当に40キロ弱もあったのかどうかが不安になるくらいこの魚も大きかった。

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リリースしたらすぐに釣り再開。
残る時間はおよそ六時間。

まだまだ時間はある。
鳥島を見ながらGT組はキャストを続けます。

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私はアカジン狙い。
ところが、鳥島周辺の根魚はひょっとすると米軍の劣化ウラン弾などの使用で放射能汚染されている可能性もある、と聞かされて根魚がダメなら青物へと方針転換しました。

Imgp7548b                                       毎回形が変わっているという鳥島                                              

それからおよそ三時間、島の周辺を離れたり近づいたりしながら何度も流し直して攻めますがGTは不発。

青物コーナーの私はなんとジグでカスミアジを釣り上げてグランドスラム達成!
ギンガメアジ、オニヒラアジ、ロウニンアジ、カイワリ、カスミアジの五目であります。
美しいカスミアジのコバルト色に輝く魚体に見とれたのでありました。

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午後一時頃、「パヤオをやって帰ろうか」という船長の提案に乗り、一時間かけて走りパヤオ(漁礁)へ移動。

ここでの狙いはマグロです。
最後にでっかいマグロを釣ってお土産に持って帰ろうと目論んだ私は小さめのポッパーを投げることにしました。

一流し目からジギングの人たちは入れ食い。
小さなキメジ(キハダマグロの子供)やカツオが次々と上がってきます。

私のポッパーにも一度だけトン!というあたりがあったのですが魚はかからずじまい。

ふた流し目には糸が絡んでしまって投げられなくなった。ちょうどそこにヨッシーさんのヒット!「おおきいですよ!」とY店長が見ている。

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確かに竿をいい感じで曲がり魚の大きさが想像できる。
キハダだねと誰かが言った。ミヨシを右に左に移動しながらファイトして数分後に上がってきたのは16キロのキハダマグロ。

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あちゃあ!あれが釣りたかったのに。
どうやら食べることを考えて釣りをすると簡単には釣れないようで。

それにしても今回のヨッシーさん、GT二匹にキハダマグロ、その他大数。凄かった。

キャストを諦めジギングを始めた私は、ここでも大物を狙って思いジグを200メートル以上沈めて釣るというのをひとりだけやっていました。
この釣り方だとメバチマグロやビンチョウの大きいのが来るとY店長にさやかれていたのです。

このために持って行った太めのジギング竿でひとりだけヒーヒー言いながら思いジグをまいたり落としたり。

二度ほど回収中にトン!と当たったと思ったら針に海藻が付いてきた。
どうやら針がパヤオに当たったらしくお魚ちゃんではありませんでした。

最後に、今回の釣行ではあまり運がなかったウッチーさんがいい型のメバチマグロをヒット。こういう場所できっちりと釣るところはさすがだなあ。やる時はやります!という感じ。
食いしん坊の私なら絶対キープというところなのですが、心やさしいウッチーさんはリリースしてあげました。ただ、Y店長がカメラを取りに行っている間にリリースしてしまったので勇士の写真は無し。

時計は早くも午後の三時を回り船は帰港することになりました。
キャビンに入り帰りのに自宅などしながら、撮った写真の交換をしたりと、楽しかった遠征の終わりゆくのを惜しみながら時間を過ごします。

今回の遠征は本当にドラマチックでした。
前回男女群島の時のクエといい、今回のGT同時5キャッチといいこのところドラマチックな遠征が二度も続いています。
もうこれで釣り運を使い切っちゃったんじゃないの?なんて意地悪を言う人もいますけれど、今年はまだまだ半年残っている。

次は一体どんなドラマが待ち受けているのか、期待に胸を膨らませるのでありました。

港について三日ぶりに陸に上がった途端、全身が重く感じ疲労感に襲われました。
これまで、遠征の疲れが出るのは三日後くらいというのが多かったので自分でもびっくり。どうやら今回は瞬間的に全身の筋肉を使ったので普段とは違う疲れ方をしたようでした。

港では知らないおじさんに、昨日釣ったのはあんたらかい?と話しかけられました。
すでに昨日の快挙は港に知れ渡っている様子で、なんとなく鼻高々な気分にさせられたのでした。

空港では飛行機を待ちながら全員で食事と乾杯。
祭りの後の寂しさのようなものを感じながらの食事でしたが、話題は昨日の爆発のことで未だに盛り上がっていました。
短い三日間なのに本当にいろいろなことがあったなあ。
こういう時間を共有できる釣り仲間の感謝、感謝。

一足早い便で関西に向かうポメリンとは再会を約束し固い握手で別れました。

来る直前まではお天気と波の心配ばかりしていたのに、終わってみれば記録的な釣果の遠征となった今回の沖縄離島遠征。
本当に楽しい遠征になりました。ツグミ船長、ユーキ君、同行の皆さん、遠征をプロデュースしてくれたY店長、皆さん本当にありがとうございました。

いい仲間がいて、いいスタッフがいて、楽しい遠征ができて本当に自分は幸せ者だなあと感謝しながら疲れた体を引きずり飛行機に乗り込んだのでありました。

写真提供 : プロショップ Ebb&Flow

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2016年6月14日 (火)

消えやらぬ興奮  沖縄離島遠征2016 その八@第5寄宮丸

暗闇の中船が投錨したのは午後8時半頃。
船の周囲には船を取り囲む海以外は何も見えない。

一同はすでに思い思いの飲みのを手に乾杯を繰り返し、私などはアルコールがすっかり回っていい気持ちになっていました。

この日の夕食で最初に出てきたのは昼間ジギング王の釣ったスマガツオ。
関東地方にはほとんど出回らない魚なので馴染みないかと思いますが、このお魚、脂ののったまるでマグロのような味のする美味しいカツオであります。


スマガツオの登場に一同湧き上がるとシャワーを浴びてさっぱりしたジギング王がビールを片手に演説をぶつ。

「GTを釣っていない俺が釣ったスマガツオ、GT釣ったみんな食べるか〜い?」と、悔しそうにかつまた皮肉たっぷりに言うものだから笑いが止まらない。

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そう、何と言ってもジギング王がキャストをやめてシャワーの準備を始めたところに目の前であの大騒ぎが繰り広げられたのだから、さぞや悔しかったに違いない。

この日のジギング王はスマガツオを釣った深場100メートルのポイント以外は、ほとんどGT狙いでキャスティングをしていたのだから、いったい何百投投げたのかわからない。

一方で二匹釣り上げたハット君は朝一の二流し目の一投目、最期の流しの一投目で釣り上げているのだから数十投も投げてないのではないか?

なんという不公平!なんという理不尽!納得できるわけがない!

最年長のジギング王自ら「皆さん年寄りをもう少しいたわりましょうよ」的な発言が出るのも致し方ない。

そんな話をしながら美味しいスマガツオに舌鼓を打ち一同幸せな時間を過ごしたのでありました。

会話の内容は、いまだ興奮が冷めやらぬGT連発の話が終わることなく続き、それぞれに自分に起こった奇跡的な体験を反芻するかのごとく、何度もなんども繰り返し話している。

日中「サービスのイチジルシイ低下」を口にしていたポメリンは「サービス良くなっていますねえ」と180度変わって機嫌が良くなっている。


そんな中、ハット君が私に見せてくれたルアーは凄かった。
針とルアーを接続するリングは楕円形にひしゃげ、ルアーの尻尾の部分は割れて中の芯材がむき出しになり、さらに後ろの針は一本が伸びていた。

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「もう使えないから捨てる」というハット君に「記念になるからとっておけば?」といったら「いらないからお店にでも飾ってもらおうか」、という話になった。

人生初GTをキャチしたオサムシ君のルアーも凄かった。
新品のルアーがまるで何十年も使い古したかのように塗装は剥げ落ち、反対側には
機械で秒でも打ったかのようなGTの歯型が一列にくっきり刻み込まれていた。


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GTという魚の顎の強さは私の想像をはるかに超えていました。
まるでサメか何かにかじられたような跡でした。

あの時、海の中にはいったいどれくらいの数のGTが泳いでいたのだろうか?
数十匹ではあれほどの激しいバイトは想像できないので、おそらく百匹あるいはそれ以上のGTの巨大な群れが水面のルアーを我先に奪わんと襲いかかったのではないか?

などど想像を膨らませれば膨らませるほど、あの一瞬の奇跡的な凄さが再び蘇り、気分は高揚するのでありました。

夕食のメインディッシュはステーキにハンバーグ。
ボリュームたっぷりの食事をとりながらワインをあおるように飲んだ私はすっかり酔っ払ってしまいました。

オサムシ君がコーヒーを飲みたいと言った時も、もう自分で入れるのが面倒くさいので「道具はあるから勝手にいれて!」と言ってしまった。


夕食の宴が終わったのは午後10時近く、一同順番にシャワーを浴びて体の潮を流し疲れた体をベッドに横たわって休めようという時、ふと外を見たら腰にバスタオルを巻いただけの格好で釣りをしている方がいる。


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恐らくは興奮のやり場に困って勢いで釣りをしているか暗闇の中で一人嬉々として釣りをする姿には感動させられるものがありおもわず写真を・・・と思ったらヒット!の声。

いいサイズのギンガメアジを釣り上げている。
これを見て一瞬私もやろうかな、と身を乗り出したのですが体が言うことを聞かなくなっていた。

短時間にあのような筋肉の使い方をしたことはここ十年位上なかったので、珍しく筋肉が痛み肩周りを動かすのが辛くなっていました。

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今日はお先に寝ます。
と一言挨拶してベッドに入リ目を閉じると、また、あの瞬間がまぶたに蘇ってくる。
何度もなんども同じことを繰り返し反芻するのだけれど、その度に心地よさと幸福感に包まれる。

釣りをしていてこんなに幸せに感じたことはあっただろうか?
この幸福感が麻薬のように次の幸福を求めてエスカレートしていくのではないか、そうやって世の大物釣り師と言われる人たちのように自分も変わっていってしまうのだろうか、などととめどなく考えるうちに意識は遠のいていたのでした。

翌朝四時半、目が覚めて起きると珍しく肩の周りが重い感じで疲れている。

まだ暗い中、早速釣竿を手に釣り始めたらすぐにヒット。
鋭い歯のヤマトカマスでした。
何人か起きてきて釣りを始めます。

私にはすぐに二匹目がかかりいい引きを見せてくれる。大きいぞ!と思いながら上げてきたら60センチはありそうな大きなヤマトカマスでした。

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こんなのの歯に糸が当たったらひとたまりもないな、と思いながら三投目を投げるとルアーが落ちて行く途中で一瞬アタリがあったのでアワセルと、なんの抵抗もなくスッと軽くなり、上げてみたらリーダーが鋭利な刃物に触れたように実に綺麗に切れていました。

ああ、またお金が海に消えていった。と落胆するものの、こうなると分かっていながらあそこで止められなかった自分が悪いと気持ちを切り替えます。

とはいえルアーを失ったので、これ以上この釣りを続ける気分にはなれないので、早朝の釣りはやめにし朝食をいただくことに。

今朝はホットドックというのでエノカフェを開店しコーヒーを全員分入れてふるまい、気分をすきりと切り替えて遠征最終日の釣りに臨んだのでありました。


写真提供 : プロショップ Ebb&Flow 他

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2016年6月13日 (月)

GTラッシュ!再び! 沖縄離島遠征2016 その七@第5寄宮丸

先ほどのポイントに再び戻った船がエンジン音を下げて止まると私はためらうことなく素早く竿を構えました。

すでに午後八時近く、南の国の遅い夕刻もすでに終わりかけて闇が迫り掛けていました。

船長の合図とともにフルキャスト。
何故かわからないのだけれども、この時の私には確信めいたものがありました。
必ずGTはまた来ると。


空中を弧を描いて水面に落ちたルアーを見ながらそんな予感に震えながらルアーを丁寧に動かす。

一度、二度

そして、三度目にルアーを引いて止めたところに大きな波紋が広がり先ほどとは比べ物にならないドドン!!!という重さが手元に伝わってきました。

腰から上が引き上げられるようになるのを瞬間的に腰を落としてこらえると糸は激しく出されていきます。

両腕でグリップを支えじっとこらえます。
竿は元から曲がりPE8号の糸を引き出すドラグの音はギリギリギリという感じの重く嫌な音。
後ろから「ヒット!ヒット!」「巻いて!巻いて!」などと複数の声が聞こえてくる。

再び船上は騒然とする。

「投げて!投げて!投げて!」「やばい!やばい!凄すぎる!」「チャンス!チャンス!」
声が飛び交う。
「もうフォローは入れないよ〜!」と船長の声に「ああ、また自力で全てやるんだ」と諦める。

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どうやら、またまた何人かのルアーに同時にヒットしているらしいのですが、今回は脇見をしている余裕がない。
とにかく重い、そして強い引き。これに耐えるのが精一杯なのです。

船長の「前に回って!」という声に促され、トモからミヨシまで糸を緩めないように慎重に足を運びます。


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ミヨシではすでにハット君がGTと闘っていた。
昨日の大物との闘いと朝一のGTキャッチで疲労していた彼もさすがの五匹同時キャッチにはじっとしていられなかったようで、この流しではルアーを投げていたのです。

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チラリと彼を見ただけで後は自分のことで精一杯。
「でかい!エノさんのでかいよ〜!」という声が聞こえた。
なんとか最初の走りを止めることはできたようで、いつの間にか横についていたY店長が竿の向きや手すりに糸が擦れないようアドバイスをくれる。

ハット君がトモに回り込んで魚を取り込みにかかったので、私がミヨシに行くようにとの指示が飛び、フラフラした足取りで一段一段上がってミヨシに立ちました。

船の先端に立つと魚が左右のどちらに回り込んでも対処がしやすいのでそうするのです。

右右右!左左!と言われるがまま、引かれるがままにフラフラと左右に回り込みながらファイトするのですが、竿を握る手の力はもうギリギリの限界まできており、いっその事竿を海に放り投げて楽になってしまいたいと思うくらい。


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この時トモではポメリンにもヒットしトリプルヒットになっていた。
5匹同時キャッチに続きトリプルヒット!
奇跡にも近い入れ食いに船上は再びパニックと化す。

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「後は巻くだけですから大丈夫です」と横に立つY店長は言うのだが、ハンドルを握る左手も力が入らないのか、はたまた力がないのか、糸を巻こうとしてもハンドルが回らない。

「竿を一瞬下げてその瞬間に糸を巻いて」と言われても、竿を下げた瞬間に糸を巻く瞬発力がすでにない。
それでも、今が踏ん張りどきと一回転ずつ糸を巻き上げ、ラインの色を見て「あと十メートル!」と叫んだら、Y店長が「あと三十メートルです」と冷静な口調で言い正す。
なんていうイヂワルなんだ!もうお店に行ってやらないぞ〜!なんて思う余裕もなく、頭の中は目の前の重く強い敵に如何ににして打ち勝つかということに集中していました。 

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「手すりに糸が擦れる、気をつけて!」というから竿を立てれば「竿を立てすぎないで、バレます」というY店長のアドバイスが飛ぶ。
こちらとしては竿を立てないと魚に引きずり込まれそうな感覚なので、思わず強く竿を引いて立ててしまう。

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しばらく魚の引きにこらえながら巻き続けていくと船長がタモを持って近寄ってくる。
あと少しなんだな、と自分に言い聞かせるように最後の力を振り縛り、渾身の力で竿を支えリールのハンドルを回しました。

船長の「見えた!見えた!でかい!でかい!」という声を聞いた途端、先ほどまで石のように重かった体が一瞬だけフッと軽くなったようになり、残りの糸を巻き切ることができました。

「よっしゃ〜〜〜っ!」と船長が叫びタモを三人で持ち上げると、大きなタモいっぱいの魚体が姿を現し驚かされました。

こんなやつと引っ張りっこしていたんだ。
よく頑張った。と自分に言い聞かせながらも、喜びが込み上げてきて声にならない。

トモに回り込み同時にヒットしていたハット君、ポメリンと三人並んで写真を撮ろうとするものの魚が重いのか自分の力がないのか膝の上にすら持ち上げられない。

誰かに助けてもらってようやく膝に乗せたものの立つことはできないのでそのまま写真を撮る。

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あたりはとっぷりと暮れかけており写真もフラッシュをたかないとぶれてしまうので撮る方もてこずている様子。

「早く撮って〜っ!」と重さに耐えかねて叫びながらなんとか写真を撮り終え、魚も無事にリリースすることができました。

今回も三匹同時ヒットのため、魚の命を優先して魚の重さを測ることはせずにリリースしました。
船長の目測では40キロ弱だろうとのこと。

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これまでの人生最大魚であった昨年の19.5キロのカンパチをおよそ二倍の重さで最大魚を更新。
嬉しい反面、自分の体力ではもうこれ以上重い魚は釣り上げられないのではないかという気持ちにもなりました。

そもそも一昨年の寄宮遠征を皮切りに始めたこの大物釣り遠征は、体力がそこそこ残っている今のうちでないともうできなるだろう、ということから始めた釣りなので、自分に残された時間も、体力も、そう多くはないのだということを実感させられた一匹でもありました。

作家の開高健さんの「人生は短い、悠々として急げ!」という言葉いつも胸に釣りをする私でありますが、今回は氏の言葉を少し実践できたような小さな満足感を覚えたのでした。


船長の「終了〜!!!」という声と共にとっぷりと暮れた南の海を船は今夜の投錨地に向かって走り始めました。

わずか二流しでGTを八匹をキャッチするというのは奇跡にも近い出来事ではなかろうか。船長もこんなのは七〜八年ぶりだと申しておりましたので、我々は本当に運がいい。

このような体験はおそらくもう二度とないだろうと誰もが思ったに違いありません。そう思うほどに、この奇跡的体験をしてしまった自分にさら興奮していくのだろうと感じました。


ふと気がつけば、つい先ほどのGT後匹キャッチの興奮にさらに上乗せされた興奮で船上は大にぎわいになっており、この光景を通りすがりの船が見たら、一体あの船は何が起こったのだろう、と不審に思うに違いないな、などと思いながら魚の匂いの付いたシャツとズボンを脱いで甲板でパンツ一丁にになり、そんなおバカな自分の姿を想像し笑ってしまったのでした。


後日談

私は本当の日記を毎日書いていて、遠征時にも船に日記帳を持ち込んで簡単な日記を書き留めているのですが、この日の日記を後日開いてみたところ文字がぐしゃぐしゃで何が書かれているのか解読不能でした。

恐らくは興奮で手元がガタガタ震えて筆が定まらなかったのではないかと思われます。
この日は祭りのあとのように深夜まで船の上の興奮が冷めない状態だったのですが、今更ながらこの興奮を振り返ると様々なものがこみ上げてきます。



写真提供 : プロショップ Ebb&Flow

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2016年6月12日 (日)

奇跡の五連続ヒット!!! 沖縄離島遠征2016 その六@第5寄宮丸

「きた〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」という船長の叫び声を聞き、誰にヒット?と探してみると曲がっているのは泳がせ釣りのユーキ君の竿でした。

なあんだ、またそっちか。
それを見たポメリンはキャストしながら言った。「木片は餌に勝てるか?!」
私自身も「ルアーには来ないのかよ。」と若干ふてくされ気味にさらに一投した瞬間!

「でた!でた!でた!」と再び船長の声、「だれ?」と前を見ればミヨシのヨッシーさんがファイトしている。

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「投げて!投げて!!!」
という船長の声が消えるか否かのタイミングで「またでた!でた〜っ!!!」と叫びヨッシーさんの隣のオサムシ君に出たようだが竿が乗らなかった。

「よおし、こっちも必ず出るぞ!」と投げなおして二回しゃくったところに大きな波紋が水面に広がった。次の瞬間ズシン!!!という思い手応え。
「きた!」と竿に魚の重みが十分伝わり切るのを待ってから竿をしゃくりあげると、ギュギュギュギュ!!!という音を立ててドラグが出て行く。

「でた〜!またでた〜!」「「うしろ!うしろ!」げて!投げて〜!」
「来た〜!またでた〜!」
「これも食った!これも食った!これも食った!」
「でた!でた!またでた〜っ!!!トリプルヒット〜ッ!!!」とデッキの上から船長とハット君のこうした声が聞こえてくる。

見ると隣のHさんもヒット!!!

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さらに、またでた!でた!でた!うしろ全員ヒット!」
「ひゃははは!」「ギャハハ、ヤバイ!ヤバイ!!!」「ヒョ〜ッ!!!」
と次第に船上はパニックになっていく。

「いいぞ!いいサイズに違いない」上の方から「ヒット!ヒット!」と興奮した声が聞こえるのを聞きながら私は両手でガッチリと竿のグリップを握りしめて魚の走りに耐える。
幸運にも魚が横に走ったおかげでその間糸を巻くことができたのだが、縦方向に弾き始めると竿を固定するのが精一杯。

両手で力一杯グリップを握りしめ竿を立て、ギュギュッギュとドラグを鳴らせて出て行く糸を恨めしく見つめるのだが何もできない。
糸を出されてばかりでは海底の岩に糸が擦れて切れてしまうので、隙を見ては巻こうとするのだが出される糸の方が圧倒的に多い。

魚にひきづられるように船のトモの角に立ちファイトをしていると、誰かの声がしたと思った瞬間、自分とトモの隙間を大きく曲がった竿に引きずられるようにものすごいスピードですり抜けていく人がいた。

先ほどまで「サービスの・・・」と遊んでいたポメリンでした。
彼は左舷で釣りをしていたのに私のと反対の右舷側のトモの角まで一瞬で魚にひきずられたと思ったらしゃがみ込んでしまった。

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「ポメリンのデカイ!ヤバイ!」という声が飛ぶ。

あとでこの時のことを聞いたら、腰を落として立っているくらいの体重のかけ方では魚の猛烈な引きに対応できなかったという。

彼の名誉のために書いておくと、三十代後半に指しかかっtばかりのポメリンは週に何度かジムに通い体を鍛えている、今回の船中でも最もムキムキマン的肉体の持ち主。
そんな彼が魚に引きずられるように船を横切ったのには驚かされた。

とは言っても、こちらも反対側の角で腰を落として魚のツッコミに耐えるのが精一杯でリールを巻くことができない。

ハット君、船長、ユーキ君の叫び声がする。
「どうすりゃいいんだ?どうすりゃいいんだ?どうすりゃいいんだ?」
「頑張って!頑張って!きたきた!またきた!でかいでかい!ヒョッホー!!!!」
「すごいことになってるぞ〜!」
「ポメリンやばいよ!!!」
「みんなヒットしてる!みんなヒットしてる!」「やばい!!!やばい!!!」

Y店長は「ギャハハハ!」と笑いっぱなし。

騒然とする船の上、もはや自分のことが精一杯で他人の状況など気にする余裕はないのだがそれでも、叫び声、怒声、悲鳴、ともつかない声が飛び交うので、大変なことが起こっていることだけは理解でした。

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船長が「アシストはないからね〜!!!」と叫ぶ。
通常一人だけのヒットならば魚が走る方向に船を動かし糸を巻き取るのを手伝うことをするのだか、この時点で同時に五人が魚を掛け、魚はそれぞれの方向に走っていたためそれはできないというのです。

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運がいいのか悪いのか?!
こんな時に今まで釣った中で一番大きいであろう魚を掛けてしまうなんて!
とにかく何とかしなくては、と思っていたところにできの上から走り降りてきたハット君がポメリンの横について何かしている。

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ハット君の後の話では、この時ポメリンの目は「助けて」と怯える子猫のような目をして訴えかけていたとか。
「やばい!ポメリンの超デカイ!!!」「やばい!やばい!やばい!」

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ポメリンときたらさっきまで接待釣りみたいなナマクラなことをしていたものだからギンバルも着けずに大物を掛けてしまい困っていたらしい。グリップの先端がポメリンの腹筋に食い込んでいるのがチラリと見えた。
ハット君が自分のギンバルをポメリンの腰に巻きつけようやくファイトに入れたポメリンであったが次の瞬間目が点になった。

あれ?と思ったら竿がまっすぐに空に向かって伸びている。
バレてしまったのです。「抜けた!抜けた〜っ!」
その瞬間力尽きたポメリンは持っていた竿をハット君に手渡すと、ハット君も反射的にルアーを回収しようとリールを巻き始めた。

すると、今度はその回収ルアーに魚が食いついたようで。「うわぁ!!!きたきた!またでた〜っ!!!!」と声を上げてまた竿をポメリンに戻し再びファイトが始まる。

そんな一部始終を横で見ながらもこちらは魚の走りもなんとか止まってじりじりと少しずつ糸を巻き魚との間合いを詰めて行き、船べりまで魚が来たのでハット君が今度はこちらに来てリーダーを掴んでくれた。

そこにスッと大きなタモが入り魚がすくわれる。というのが通常のルーティーンなのでありますが、「タモ!タモ!タモ!」と叫びながらパニックになっているユーキ君、まずは最初にヒットした泳がせにかかったカンパチをすくい上げ、二番手にヨッシーさんのGTを救っているところ。


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まだまだこちらに回ってくる様子はなく、心の中で「お願いだからバレないで!!!!!」と叫んでいる自分がいた。

「ネット!ネット!」「早く早く!」「抜ける抜ける!」「たいへんだ〜!」
狂乱の中なんとか自分のGTがネットに収まった。

耐えること数分、GTが甲板に挙げられ、やっと周囲の状況を見ることができたら大変なことになっている。


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甲板はGTだらけ!
同時多発ヒットはなんとGTだけで五匹!!!!!!
まるで管理釣り場の放流直後のようにGT入れ食い!!!!!
しかもルアーを丸呑みにしているGTが二匹も!!!

泳がせ釣りにかかったカンパチを入れると同時に六匹の魚が船を引っ張っていたことになる。
これまで同時に三匹かかるトリプルヒットと言うのは写真や映像で何度か見ているが同時に五匹というのは見たこともなかったし想像だにしていなかった。

ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!  全部 GT! ネット!ネット!ネット!、早く!早く!早く!ギャハハハ!
船上はさらにパニックと化し誰もが声を張り上げて何かを叫んでいる。
最後の魚が船に挙げられると。ウォォォォォォーッ!!!という海鳴りのような全員の雄叫び!
「GT五本キャ〜ッチ! 」「イェーイ!」と狂騒はとどまるところを知らない。
早く!早く!外して!外して!死んじゃう!死んじゃう!
魚は全て取り込まれたものの針を外すのに手間取っている魚もあり、先に上がった魚が弱らないように一旦全て生簀に入れるよう船長の指示が出た。

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最後の魚の針を外したところで記念撮影をするが、小さいもので7〜8キロ、おおきいもので推定20キロを超えていたのでなかなか全員が魚お持ち上げてポーズをとることができない。

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集合写真をひとしきりとたところで一人一人の写真も撮って順番にリリース。
通常ならば魚の重さを測ってからリリースとなるのだが、五匹もそれをやっていると魚が弱ってしまうので船長の推計でおおよその重さを知らされたらりりーすすることになった。

無事に全ての魚を生きたままリリースできたのだが、船上の興奮は冷めることなく、みな大声で何か勝手なことを叫ぶばかり。

凄い!信じられない!やったーっ!ぎゃおー!ああ〜っ!などという声が船上に響き渡る。

私のGTは推定20キロ以上ということで、抱きかかえないと持ち上げられなかった。
昨年、インドネシアのコモド島まで出かけてGTを狙ったもののここまでのサイズは釣れずにいたのでたまらなく嬉しい。


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人生初めてのGTを釣り上げたオサムシ君はGTの歯型でボロボロになったルアーを手にして歓声を上げていた。
私自身も昨年のコモド島で生まれて初めてのGTを釣り上げたばかりなので、その喜びの大きさは痛いほどよくわかるのでした。

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そんな狂騒の中ひとり静かにその様子を見ていたのはこの日朝から一番投げていたジギング王。
疲れ切って投げるのをやめたジギング王は、すでに片手にビール、シャワーを浴びる準備までしていたのに眼前で繰り広げられる信じがたい光景に呆気にとられていたご様子。さらに泳がせ釣りのカンパチの面倒まで見せられてしまっていた。


騒然とした船の上、興奮した誰かが、「まだまだいますよ、もう一回流しましょう!」と叫ぶと、船長も無言で頷き船は大きく回り込み元の方向に向き変えて走り始めました。

この時、私は右手に祝杯用のオリオンビールを手にしていたのですが、船が流し直すと聞きビールをクーラーボックスに戻しました。

心のどこかに、もう一度くる!
とういう確信とも予感ともつかない何かがあり私に再び竿を握らせていました。
闇の迫る中、船は大きくゆっくりと今流れてきた方向に回り込み戻って行きます。

そしてこの後、またまた凄いことが・・・、祭りはまだ終わっていなかったのです。



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2016年6月11日 (土)

さらなる天国へ! 沖縄離島遠征2016 その五@第5寄宮丸

天国のようなランチタイムを終え午後の釣りが始まります。

島の浅瀬を離れた船は沖に向かい午後一番のポイントに入りました。
ここも海底は水深50メートルほどから25メートルほどに緩やかに駆け上がる地形なのでGTはもちろんアカジンを狙うにもちょうどいい深さ。

船を流し始めて間もなく「でた!でた!でた〜っ!!!」というつぐみ船長の雄叫びが上がります。

え?もう?と思いながらミヨシを見るとヨッシーさんの竿が曲がってる。
やるなあ、ヨッシーさん。一昨年に来た時もでかいGTを一人だけ釣ってる。
なんか持っているんだろうな、こういうよく釣る人は。などど少々恨めしくファイトする後ろ姿を眺めていました。

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GT特有の最初の走りをうまくかわしてからはヨッシーさんが主導権を握りぐんぐん巻き上げます。さほど時間がかからずに上がってきたのはまあまあサイズのGTでした。

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先ほどまでランチタイムのリラックス・ムードだった船内はこの一匹で一気にテンションが上がり盛り上がります。

写真にビデオカメラ二台が回り、勝ち誇っているかのようなヨッシーさんとGTを撮りまくります。

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写真を撮ったら素早くリリース。
船長の「い〜ち、に〜っ、さんっ」の掛け声に合わせて魚を海に返します。
あっという間に青い海に戻っていくGT、次はもっと大きくなってまた楽しませてね。
というのは釣り師の勝手なお願いで、GTにしてみたら二度とつられるものか!と思っていることでしょう。

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さて、テンションが上がり一気に戦闘モードに入った船内ですが、なかなか次が続かない。
今朝の一匹も単発で終わってしまいましたが、どうもまた同じような展開になりそうな気配。
ヨッシーさんの一匹の後は休憩がてらやっていたタイラバに来たベラの仲間やバラハタのみという釣果でした。

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少々体力的に疲れていた私は作戦を立て直しました。


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新しいポイントに入った初めの流しだけGTを狙いキャストし、ダメならライト・タックルで根魚を、とりわけアカジンを狙うことで夕方まで体力を温存させようと考えたのでした。

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今日の海の雰囲気だとまだまだもう一匹くらいは必ず出る、という確信めいたものがあったので、チャンスタイムだけ勝負しようという作戦にしたのです。

船は小さな移動を繰り返し流し直していきますがなかなかGTは出てこず、午後五時を回るとキャスティング組にはさすがに疲労の色が見え始めました。

そういうキャスティング組の努力をあざ笑うかのようにヒットが続いたのは、ムロアジを生き餌にした泳がせ釣りでした。

竿を管理するのはクルーのユーキ君。
ポイントに入るとムロアジのついた仕掛けを素早く海に投入し糸を出していきます。
後は餌に大物が食らいついて糸をリールから引き出すのを待つだけ。
その横で餌をねだる犬のようにじっと座って待つのはポメリン。
ポメリン曰く、これはサービス向上に向けた接待フィッシィングであるとのこと。

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何度かの流しの時、餌のついた糸がドラグを鳴らしてジジジ・・・と出て行った。
「来た!」と短く声を発すると同時に素早く竿をシャクって合わせを入れます。

上から船長の「きた!きた〜っ!」という声が発せられると同時にドラグは大きな音を立てて一気に糸が出て行く。

ユーキ君は素早く竿を隣のポメリンに渡すとファイトの始まりです。
いきなり竿を渡されてまごつくポメリン、何と言っても電動リールの使い方がわからないので糸を巻くこともできない。

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「こっちにレバーを倒すと巻けます!」と言われるままに糸を巻く方向にレバーを倒すと、巻き上げスピードが速すぎて強しまい糸が切れそうになってアタフタしている。

しばらくファイトしたら隣にいたオサムシ君に竿を渡して、今度はオサムシ君が電動の使い方がわからない。

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必死でファイトするオサムシ君を見ながら、ルアーの釣りしかしないとこういうことなのかなあなんて思っていたら、あえなくラインブレイク。

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次の流しでまたまた泳がせ釣りにヒット!
今度はポメリンがガチンコ勝負の様子。

電動に慣れていいファイトをし始めた様子を遠巻きに笑いながら見つつ他の一同は釣りを続けていましたが、いよいよ魚が船べりまで寄せてきたらいったい何がかかっているのかとパラパラと集まってきた。

GTが来たか?というのが一同の一番の関心でしたが上がってきたのは太くて大きなバラフエダイ。

これまでGT釣りの外道としてあちこちで見てきた魚ですがこれほどまでにお腹が太くて立派なのは始めて。



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なんとか魚を取り込んで写真に収まったポメリンですが、大物を釣り上げた感想を聞いてみたら「なんかモヤモヤが残りますねえ」ととぼけている。

本当はキャスティングでGTを釣りたいのはみんな承知の上で遊んでいるので、ニヤニヤしながらその様子を見ています。

さらに、次のポイントで再び泳がせにヒットし、船はキャスティングGT船から泳がせ釣り船にいつの間に変わってしまっていた。

このヒットではY店長に竿が渡されファイトするも散々糸を出された末に「ぷんっ!」と糸が切れてしまった。

「その、ぷん!ていうの嫌でしょう?これはいちぢるしいサービスの低下ですよねえ」とポメリン。またまたユーキ君を困らせている。

そんなこんなで時間は過ぎて行き午後六時を回ろうとしていた。
大きな移動をして入った場所は、なんだか潮の流れも良くおりしも空には雲が広がり始めて怪しい雰囲気に。


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ドピーカンの晴天よりもこういう雲の覆った天気の方が魚が出るのをみんな知ってか、キャストに力が入ります。


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いつGTが出てきてもおかしくないような海の中の魚の気配がムンムンする中、投げてはルアーを動かしながら巻いて来てはまた投げる、という作業を繰り返す釣り師の皆さん。

中には朝の六時過ぎからず〜っと投げている人などもいて、私には気の遠くなるような体力と精神力だなあ、と感心させられます。

そこまでさせる魅力をGTという魚が持っているのです。


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朝一にいいのを一匹あげた余裕のハット君はデッキ上の操舵室の後ろで船長と話しながら、ポイントに入ると投げている一同に声をかけて励まします。


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しかし、出そうで出ない、という流しが何度も続き時計は午後7時を回ろうとしていた時、垂れ込めた雲の隙間から海に落ちる太陽が顔を出し一瞬海を輝かせました。


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この時、その光景を見て無意識に何かありそうな気配を感じた私は、次の流しでキャスティングロッドを手にし、朝から一日投げ続けて疲れ切ってしまったジギング王に入れ替わってトモに入ります。


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デッキの上からハット君の声が飛びます。
「この流し絶対出るよ〜!」

船は風に乗って海底のゆるい駆け上がりを浅い方向にゆっくりと流れて行きます。
ルアーは風に乗ってよく飛ぶ、灰色の海面は潮波が立ち水面下の生き物たちの動きが活発になっている雰囲気がこちらにも肌で伝わってくる。

しばらくして、「あと3回目のキャストで釣れますよ〜!」というハット君の声に「本当に出そうだな」と思ったのは私だけではなかった様子。

「あとさんか〜い」「にか〜い」と投げるたびに声を上げて投げる私。
「あといっか〜い」と叫んで投げたルアーが着水して間もなく。

「きた〜〜〜〜っ!」という大声が船上に鳴り響いた瞬間から、船上はパニックになるのでした。




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2016年6月10日 (金)

GT再び! 沖縄離島遠征2016 その四@第5寄宮丸

6月4日土曜日。
午前四時半、粟国島の断崖絶壁近くに投錨した船の上で物音に目を覚ました私は外に出てみると、クルーのユーキ君が朝食の支度をしていました。


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もうすぐ朝食と知ったら、まだ眠かったものの起きてしまえ、と自分に言い聞かせるように起きる事に。
コーヒーをいれる事にして道具を取り出し、豆をゴリゴリ弾き始めました。

そのうちに一人、また一人と起きて出てくる人でモーニングコーヒーを楽しんでから朝食を食べます。
船の上で食べるご飯は美味しく、朝からお腹いっぱい食べてしまいます。
私は一度遠征に行くと二キロ太るのがいつものパターン。三日間で二キロ太るのですから如何に食べ物が美味しいか、普段より食欲が旺盛になっているのかがお分かりでしょう。

さて、食事が終われば今日の釣の始まり。
朝六時前に動き始めた船は朝まずめのポイントに向かいます。
30分ほど走った船はある島の近くに止まるとキャスティングの開始です。

朝まずめの朝一番、GTが出るベストタイムなので誰もがキャスティングを始めました。

空は薄曇りで潮は適度に流れており魚の出る気配は十分。
誰にいつ出てもおかしくない状況なので、一同真剣にキャストとリトリーブを繰り返します。

一流し目は何も起こらず、船はぐるりと大きく回り込んで先ほど流したコースから少しずらして二流し目に入りました。

船長の「オーケーィ」という声に一同フルキャスト。
次の瞬間、「出た!出た!出たーっ!!!」という船長の声にミヨシの方向見れば、またまたハット君にヒット。

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昨日に続いて二流し目の一投でヒットに持ち込む素晴らしい腕前。
竿の曲がりは十分、いいサイズである事を知らせてくれましたが、釣っているご本人は昨日比べると余裕の表情。

最初の走りをかわしたら難なく上がってきたものの、見てみると良いサイズではないですか。ポッパーを丸呑みにしている。
重量を計測してみれば30キロを超えていた。

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このサイズで余裕、ハット君本人の言葉によれば「昨日のに比べたら楽勝です!」との事。彼のパワーにも驚くが昨日のあのバレてしまった大物のサイズを想像すると、ゾクゾクするほど大きなGTが頭の中に思い浮かんだのでありました。

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それにしても、昨日、今日といずれも二流し目の一投目でGTをヒットさせたハットくん。キャスティング数にしたら二十回も投げていないのではないかしら。
昨日、一日を通して延々と投げまくっていながらヒットのなかった方からはズルイ!という声も聞こえそうなほどの効率の良い、確率の高いヒットなのでありました。

朝一にこんなのを見せられたら他の釣り師はテンションが上がらずにはいられない。
みんな、「次は俺」とばかりに気合を入れて投げ続けるものの、その後はバイトもなく単発で終わってしまいました。

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7時を回って船は少し走って別のポイントへ移動。
空は次第に雲が取れて南国の青空が広がてきました。

GTタイムは終わったと判断した私は、自ら「根魚コーナー」と名付けてしまった、キャスト方向と反対側の船べりでタイラバを落としたりライトジギングをしたりして「アカジン」を狙ったのですが、大した獲物はあがらず。

しばらくすると、昨夜の夜遊びが過ぎたのか朝起きるのが早すぎたのか、恐らくはその両方が原因なのですが、私は体が重くなり、珍しく船の上で釣に集中できなくなってしまい少し休む事にしました。

太陽が頭の上から照りつけていたので、午前中からオリオンビールを一杯ひっかけ、船のキャビン上の二階のデッキに水着になって甲羅干しをしながらウトウトと寝てしまいました。

南国の青い海と空に包まれて、ほろ酔いで眠る気持ちの良さ。
釣に来て釣をしないというのも贅沢な話なのですが、こんな時にしかできない経験なので贅沢昼寝を満喫しました。

小一時間眠ると体のだるさもだいぶ抜けたのですが、あまり釣れている様子もないので一段上から釣をしている皆さんの様子を見物し写真を撮ったりしていました。

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私の他にも釣をしないで寝てばかりだったのがポメリン氏。
水着一丁になり海風に当たりながら世間話に花を咲かせ、時には釣り師を爆笑させたりして楽しませてくれていました。

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十一時を回り、やっと竿を持ってタイラバを始めたポメリンがアカハタをキャッチ。
ポメリンは前回釣って帰ったアカハタを近所のお店に持ち込んで「松笠揚げ」にしてもらったのがたいそう美味しかったので、今回はGTよりもアカハタ狙いで行きます、と宣言していたのですが、どうも釣れてくるのはリリースサイズばかりで納得のいかないご様子。

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ここでもまた、「サービスがイチジルシク低下している」と、クルーのユーキくんに絡んで笑わせてくれます。

水深30メートルくらいのポイントを船は流すのですが、時折海底が見えるほどの透明度、青空が透明な海の青さをさらに演出します。
場所によっては落としたタイラバが海底まで見えて行き魚の影らしきものがそれに向かって動いていうのが見える事もあるほどの美しさ。

あまりの海の青さに感動したオサムシくんは「泳ぎたい!」の連発。
私もその言葉に大きく同意して「泳ぎたいねえ」と釣の事はすっかり忘れて心は釣りを離れてスイマーになってしまっていました。

お昼時になると、船長が気を利かせてくれて船を近くの島の浅瀬に投錨くださった。

「泳いでもいいよ、最初は救命胴衣を着けて流れの様子を見てね」といわれたので早速救命胴衣を着けて船べりからダイブです。

先頭バッターはオサムシくん。
それに続いてポメリンと私。


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飛び込んで水中に潜る時に見える海水の透明度に感動!
海水はちょうどいい温度で気持ちがいい。

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一度船に上がって、次は胴衣を外して二階からダイブ!
もう、プールで遊ぶ子供のように船に上がっては飛び込んで船の周りを泳ぎ回り遊びました。

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沖縄にはもう何度もきたけれど足の立たない所で泳いだのは初めて。
日頃水泳教室に通い泳げるようになっておいてよかった〜、と思うのでした。

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ひとしきり泳いで船に上がり昼食を食べた後も、しばらくは海の青さに見とれて写真を何枚も撮ってしまいました。

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釣りをするのはもちろん楽しいのですが、釣れない時はこういう楽しみ方もしなくちゃ損というものです。こんなこともあろうかと競泳用水着とゴーグルも用意してきました。遊ぶことには貪欲に。とにかく楽しいことはみんなやっちゃおうというのが私の主義ですので。

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ああ、この世の天国か。
夢なら覚めないでおくれ!

ほおをつねっても夢は覚めません、現実なのですから。
こういう時間を持てることに感謝しつつ、天国を満喫したのでした。


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2016年6月 9日 (木)

沖縄離島遠征2016 その三@第5寄宮丸

船の速度が落ちた時の小さな衝撃で目をさますと窓の外は灰色に染まっていました。
どうやら雨が降っている様子です。

天気予報では今日の午後沖縄本島周辺を低気圧を伴った前線が通過することになっていたので、どうやらその真っ只中に我々はいるらしかったのです。

外に出てみるとぼんやり霞んで見える小さな島があるだけで水平線は雲に馴染んでしまい分からない。

雨はさほどの降りではないけれど風が強く、風を正面に受けて釣りをするジギングは少々つらかったので、GTを狙ってキャスティングをしてみることにしました。

ルアーはポッパー。
波が高めでポイントの水深も比較的深いのでアピールが強い方が良いとプロショップ・エブ・フロのY店長のアドバイスを聞いてつけたのは、昨年、人生初GTを釣り上げたのと同じカーペンター社製のシー・フロッグというポッパー。

波も朝よりは高くなっている様子でキャストしたルアーが波の向こう側に消えては見え消えてはまた見えというのを繰り返しながら船に近づいてくるのを見ながら、釣れないかなあと言葉を吐きながら思う頭の中は朝一のハット君のファイト・シーン。

あんなの来ないかなあ。でも、来たら困っちゃうかもなあ。などと要らぬことばかり考えて集中しないものだから魚が来るわけがない。

少しずつ流すコースを変えながらポイントを広く探っていくもののGTちゃんの反応は全くなく、雨はしだいに強くなっていきやがて土砂降りになってしまいました。



雨具は着ているものの遮蔽物の全くない大海原のど真ん中の船の上、あっという間に雨具はビショビショ、手入れの行き届いていないゴアテクスは撥水効果もほとんどなく、次第にTシャツやパンツが湿っていくのを感じつつも、ここまで濡れちまったらもう同じだ、と開き直って釣りを続けるから釣り師というのは頭が悪い。

午後四時過ぎに着いたこの海域で投げることおよそ二時間、つまり雨の中で二時間の修行を行ってみたものの何の成果もないのでこの日の釣りは一旦ここで終了ということになり船は今夜の投錨地粟国島(あぐにじま)に向かいました。

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小さな島の一番高い断崖絶壁の真下の浅瀬に投錨して船が固定されると、そこはちょうど風裏で先ほどまでの風波は嘘のように静まり、波音も聞こえない静かな海でした。

以前小雨ながら降り続く雨の中、クルーのユーキ君が独楽のように動き回りテキパキと夕食の支度をしていくのを見ながらオリオンビールで乾杯。

雨は降っているもののさすがは沖縄上半身裸でも寒くなくちょうど良いくらいの気温でビールもうまい。
雨に洗われたおかげで髪の塩も流れ落ちてサラサラと気持ちよく海風にあたり闇に包まれた海を見ながら一日を振り返るのもなかなか良いもので、日常の生活の中で今日一日をじっくり振り返ることなどないよなあ、などと思いながらも飲み物はビールから早くもワインに変わり、体と脳みそは早くもアルコールで心地よく麻痺し始めているのでありました。

やがて夕食が用意され、デッキの屋根の下でテーブルを囲み船上のディナーです。
一日の釣果を語りながら美味しい食事に舌鼓を打つ、と書きたいところなのですが初日の釣果は大したものはなかったしまだ今日の釣りは終わっていない。

そう、むしろ今日の釣りの本番はこれから、夜船の集魚灯に集まる魚の入れ食いを楽しめることこそがこの沖縄離島船中泊の醍醐味の一つなのであります。

一昨年の初遠征では二日目の晩、深夜十二時過ぎまでツミビト氏と二人土砂降りの中を釣り続け10キロオーバーのイソマグロを釣り上げたという経験もあり、夕食後の夜釣りこそ、この遠征の大きな楽しみの一つだったのです。

天気予報では今降っている雨は午後九時には上がるということなので、コーヒーを入れて酔いすぎた体を少し下に修正して時が来るのを待ちました。

小雨がおさまりきらないというのに船の周りでトビウオが何かに追われて飛び始めると、何人かの釣り師が船尾に網を持って立ち飛んできたトビウオをすくい始めました。

そのうちY店長が一番にジギングを始めるとまもなくヒット!
ほぼ同時にオサムシくんにもヒット!

なかなかの型の魚らしくヒョウ!と声を上げながらやりとりしているのを見ていたら、Y店長には良い型のギンガメアジがオサムシくんはイソマグロが上げた。

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そろそろやってみるかな、と見ていたらさらにY店長はギンガメアジ、今度はヨッシーさんもイソマグロと二人でまるで釣り分けているように釣り上げた。

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Y店長、昼間はおおむね船の中で寝ているのに夜になると活性が上がる。
どうもこの方の前世は夜行性動物の類だったようにしか思えません。

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しかし、そんな姿を見ていると私とてジッとして入らなくなり小雨の暗闇の中上半身裸で竿を船べりから出してジグをしゃくり始めました。 しかし竿を手に釣りを始めてると横で見ていたほど簡単に魚はかかってくれないものです。

そんな私をあざ笑うかのようにヨッシーさんが今度はギンガメアジを釣ったところで少しアタリが遠のきパタリと釣れなくなる。

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こういう時は魚の群れが移動していなくなってしまったというパターンと、さらにもっと大きな魚が来たので怯えて食わないという考察が成立するのですが、欲深い釣り師は都合よく後者の説を選択し釣り続ける。

再び雨脚が強まったので一旦中止して雨が上がるまでは一杯飲みながら釣り談義に花を咲かせ、一度雨があげれば釣りの再開、という贅沢な遊びが出来るのも船中泊ならでは。

とにかく寝る、食う以外の時間は好きなだけ釣りが出来るのだから、釣り師にとっては夢の時間を過ごすことができる。


釣り師のあなたは今日一日何をして過ごしましたか?
通勤ラッシュ、仕事、打ち合わせ、接待、何かに悩み、何かに怯え、何かに苦しみ、何かに追われ。

そういったすべてのことから解放され、好きな釣りだけをしていれば良い、他に何も考えることもする必要もない。そんな時間を持ちたいと思ったならば、あなたは船中泊の遠征に行きましょう。

確かにお金はかかります。

しかし、お金では買えない時間と経験がそこにはあります。



などど、説教めいたことを言っているうちに雨は上がり、午後十時を過ぎたというのに釣りの再開。
またまたヨッシーさんがギンガメアジを上げます。


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午後十時半を回ったあたりで今度は私にも運が回ってきたらしくイソマグロ、ギンガメアジ、オニヒラアジ(通称カッポレ)などをコンスタントに釣り上げ大興奮。

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闇に向かって延びる釣り糸が魚に引き出されて見えなくなる様はなかなかミステリアスかつエキサイティングなものです。

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いったいどんな大きさの、どんな魚が、と想像しながら魚とやりとりするだけでワクワク、ドキドキ、おもわず歓喜の声を上げてしまうほどです。

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写真の顔の目がだんだん危なくなっていくのがお分かりでしょうか

午前零時を回って釣り上げたオニヒラアジを最後にアタリが遠のいたので、私は寝ることにし歯を磨いてベッドにもぐりこみました。
キャビンの中はツミビト氏曰く「ペンギン小屋」というほど冷房が効いており毛布をかけて心地よい暖かさ。

ベッドに横たわると背中に左右への揺れを感じ自分が船の上にいることを思い出させてくれました。

目を閉じると窓の外から漏れ聞こえてくる興奮する釣り師たちの子供のような歓声を耳に感じながらも意識はすぐに深く沈んで消えてゆくのでした。

写真提供 : プロショップ Ebb&Flow

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2016年6月 8日 (水)

いきなりGT!! 沖縄離島遠征2016 その二@第5寄宮丸

2016年の沖縄離島船中泊遠征。

伊江島近くのポイントに入った第5寄宮丸はわずか二流し目の第一投でGTがヒット!
つぐみ船長の「キタ!キタ!キタ〜ッ!」という叫び声が沖縄の海に吸い込まれていく。

ミヨシを見ると、すでに全身で魚の走りに耐えるハット君のファイティング姿勢が見える。見た瞬間「これはデカイ!」と誰もが思ったに違いない竿のしなり、糸の出され方。

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他の釣り師一同は素早く自分の竿を上げて船は魚の走る方向に動きアシストに入る。
推進は約30メートル、大型GTならばあっという間に潜ってしまう深さなので、まずはこれを避けるために船を水深の深い方向にうまく動かして魚をそちらに誘導する。

最初の厳しい走りをなんとか耐えしのぎ、船も水深のあるところまで移動することができた。ここからは力と忍耐力の勝負。

かかったGTの力はなかなか弱ることなく、通常ならある程度走りに耐えればその後は重さに耐えて巻くだけなのであるが、相変わらずドラグを鳴らして糸を引き出す。
走る方向も右へ左へと衰えることを知らない。

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いったいどんな大物が今水中でハット君を翻弄しているのか。
早くその姿を見てみたいという期待に一同はミヨシに集まり格闘を見守る。

右舷に回り込み魚の動きが止まったかに見え、これでもう大丈夫か?と思えた瞬間!
あ!という小さな悲鳴のような声とともに糸の緊張が解けてしまった。

糸が切れたか?!と思ったがどうやらルアーは付いているようで、魚が針から外れてしまったらしい。

通常魚が外れる時というのは、糸がなんらかの原因でたるんだ瞬間に針にかかっているテンションが瞬間的に弱まり魚の口から外れるものなのですが、今回は糸はピンと張ったままで突然外れてしまった。

瞬間的に全身の筋肉の力を出し切って格闘していたハット君は、突然の戦いの幕切れが信じられない様子。周りで見ていた我々もどうして外れたのか理解ができないでいたのだが、魚釣りというのは常にこういう理不尽さも含めた現実の連続であり、釣り師は常に不運、幸運、理不尽という現実に向き合っていくしか無いのであります。

数分間の格闘ですっかり憔悴しきった様子のハット君を見て、もしも私にこんな魚が掛かったらいったいどうなるのだろう、と不安になるのでありました。

突然の戦闘開始にフル・アタックし、数分間筋肉を100パーセント使い切る戦いをするというのは想像以上に大変なことで、ボクシングにしろ総合格闘技にしろ多くの格闘技の多くは一ラウンドが3分ということからも、連続して筋力の緊張を維持し続けるというのはヒトの運動能力の限界に挑戦するような事なのではないかと感じるのです。

釣りはスポーツでは無い!という意見をよく耳にしますが、誰の支えも借りる事はできず、竿は自らの手で握りしめる事しか許されず、竿を船べりに固定する事はもちろん、体を椅子に固定する事すら許されないこの釣りのなんとストイックな事。これをスポーツと言わずしてなんと例えたら良いのでしょうか。

魚釣りというのはとても多様なもので、一言で全てをくくる事は不可能な事で、対象魚の大きさだけの問題だけでなく、同じ魚でも釣り方によって様々に細分化されていくのであります。

それぞれに、その釣り上げるまでのプロセスに快楽的な楽しみが潜んでいるために、それぞれの釣り方が様々な釣り師によって支持され楽しまれているのではないかと思うのであります。

これは、ある意味「世界中の異なる文化」と同じようなもので、個々の文化に良し悪しはなく、そこにあるのは多様性であり、それぞれが素晴らしい個性を持つという事を認め合う事で初めて世界が成り立つのではないかと。
少々話を大きく広げすぎてしまったかなあ、などと感じながらも想うのでありました。



さて、そんな理屈なんか想っている暇はないんです。
海の上に出たら釣り師は釣りをする以外する事はないのですから、他人が魚をバラした余韻に浸っている場合じゃあない。次は俺だ!と誰もが思うんです。

その証拠に次の流しからキャスティングをしている方々の目つきが危なくなっている。
投げる竿を握る力の入り方も自ずと変わってくるというものです。

船は同じポイント周辺を丁寧に流し直し、釣り師はあるものは水面を逃げる魚を、あるものは水面で騒ぐ魚を、あるものは水中を逃げ惑う魚を、それぞれ演出しつつGTがそれに食らいつく瞬間をイメージしながら釣り続けたのでありますが、そのご爆発する事はなく一時間あまりの時間が過ぎたのでありました。



釣り師一同、思い思いに弁当食べたりしている中、何か不満そうな話ぶりをしている方がいたので聞いてみると、移動中の会話の中で犬好きである事からニックネームがツミビトからポメリンに変更された大阪S氏が弁当のご飯にかかっているゴマの量が昨年より少なくなっていると不満を漏らしている、さらにはフリー・ドリンクの中に今年はマンゴー・プリンが入っていないとかで、これはサービスの著しい低下であると氏は訴えるのでありました。

予想外のセコイく執拗なポメリンの指摘に当惑するクルーのユーキ君の様子を他のイヂワル釣り師一同は楽しみながらも、沖縄海上の昼下がりは釣りへのテンションが下がり気味になっていったのでありました。

そんな中で、会話のやりとりにニヤニヤしながらもジグをシャクってニジョウサバというあまり聞きなれない魚を釣り上げたのがヨッシーさん。

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ジグを見たら「つちのこ」こと、ゴビアス・アンセスターがついている。
この方、大魚専門かと思いきやどうやら根魚を狙っていた様子で、こういう技もなかなか鋭い。


少しして、 GTとの戦いの疲労からやや回復したハット君が出していた竿が曲がる。
きたーっ!とテンションが上がるかと思いきや、今度の魚は引く気配すら見せず嫌な予感。

上がってきたのは朝一と同じヤガラちゃん。

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この一匹で潮止まりと判断したのか、船は大きく移動することになりました。
一時間ほど走る、というので私はキャビンのベッドに横たわり目を閉じました。
エンジン音と波の音が次第に意識から薄れていくのを感じながら眠りについてしまったのでした。


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2016年6月 7日 (火)

沖縄離島遠征2016 その一@第5寄宮丸

一昨年5月、初めての釣り遠征であった沖縄離島船中泊遠征も昨年、今年と続けて三度目の参加となりました。

2016年6月2日木曜日、夕方早めの便で羽田を発った関東組釣り師一同8名は無事に梅雨入りしてどんより曇る那覇空港に無事到着。
8時前にはホテルに到着し唯一の関西から参加のツミビトS氏と合流していつもの沖縄料理店に出かけ良き釣行を祈願して乾杯。

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                                                      ツミビトS氏と私

話題は天候と行き先となるのでありますが、つい三日までの波予報では沖縄近海のこの週末は梅雨前線と通過する低気圧の通過に伴い雲り時々雨、波高も高めで出船が危ぶまれるほどでありました。


Dsc04741b                                   初参加のオサムシ君(中央)とエブ・フロのY店長(右)

しかし、毎回強運の強い我々エブ・フロ軍団(プロショップ・エブ・アンド・フロー主催の釣り遠征)のこと、天気予報は日に日に好転し前日のこの日には出船は決定しており、話題はもっぱら行き先は何処?というところに集約されつつも結論は船長が知るのみ、同じ話が堂々巡りするだけなのでありました。

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                                                  こちらは大魚主義者の集まり

昨年訪れた離島では、二日目の43バイトという信じがたいGTのバイト集中があったため、一同の多くはそちら方面への再訪を願っているようなのでありましたが、私は正直言って他の島にも行ってみたかった。

なぜなら、その島は本当からの距離があるので移動時間が長く釣りをする時間が短くなるのが一番の理由でした。
他にも近くにいいポイントがあるのならばそちらも行ってみたいという思いが強かったのです。

翌朝7時、ホテルを出発!スーパーで飲料、お菓子など思い思いに購入し寄せ宮丸のある那覇港へ。
昨年も一緒だったクルーのユーキくんが私の名前を覚えていてくれて声をかけてくれたのが嬉しかった。

港に着けば寄せ宮丸5号艇が我々を待っている。
初めてこの船を見たときは船中泊船というものが物珍しく色々と観察してしまったものだけれど、三度目ともなるともうお馴染みさんという気分で、また帰ってきましたというような気持ちにさせられるものです。

船に乗り込みおもむろに釣りの支度を始める一同。

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初参加で勝手のわからない三名も右へ習えでつつがなく準備を始め、と思ったところに「ロッドのグリップを忘れた!」という声。

そちらを振り向けば一昨年長崎のステイタスさんで同行したGT大好きH氏が数本のロッドを手に所在無げにしている表情で立っている。

こういう時はツアー主催のY店長あたりが「僕の竿を・・・」となるのでありますが、今回は総勢九名の上にキャスティング好きが多いという理由で、Y店長はキャスティング・タックルを持ってきていなかった。

そんな事情を知っていたのは私だけだったことと、体力的にどうせたいしてキャストはしないけどとりあえずGT用に二本持っていこうと持ってきたことなどから、「僕のを一本どうぞ」ということになり私の竿をGT大好きH氏に竿を貸すことになりました。

これにて一件落着、となると船上は再び準備しなくちゃ、準備しなくちゃという方向に回転を始め、船長のつぐみさんにGTタックルのドラグを調整してもらったりしている。

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午前八時半過ぎ、全員のドラグが決まったところで船はエンジン音を上げて離岸しく。
一同海風に髪をたなびかせ寝不足ながらも清々しい表情で出港とこれからの釣行への期待に胸を膨らませている様子でありました。

私と言えば、二週間前の男女群島遠征が終わり、郵送が間に合わなくなることを恐れてリール以外の釣り具一式を唐津のサンライズ号から直接那覇の寄せ宮号に送ったため、リールのライン・システムが全くできておらずポイントへ着くまでにはなんとかこの作業を終わらせねばと手元の釣り糸を凝視しながらの出港となり、なんだか気ぜわしいは、老眼の目に細かな作業はキツイはで旅立ちの感慨に耽る暇もなかった。

今回の遠征メンバーは釣り師総勢九名。
寄せ宮丸の常連であるジギング王、ハットくん、Y店長にGT大好きのヨッシーさん、H氏、厚木のウッチー氏、最年少で遠征二度目の若手ホープであるオサムシくん、関西のツミビトS氏、そして私の九名。これにつぐみ船長にクルーのユーキくんを合わせて合計十名で二泊三日の船中泊の旅となります。

天候は曇り、重苦しく雲が垂れ込め風もやや強い、波はさほど高くはないものの多少のうねりがある様子。

まずは伊江島へ、ということになり船は那覇港から北に向かってスピードを上げます。
リール六個分のライン・システムを組み直し終えた私はベッドに入ってウトウトしました。昨夜はなぜかあまり眠れず寝不足だったのです。

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                                     船のあげる飛沫に濡れるステラ、ステラ、ステラ!

気がつくとエンジン音は下がり、キャビンから外に出て着れば伊江島の象徴となる、ディズニー・ランドのお山のような形のとんがった姿が遠くに見えました。

時計を見れば午前十時半を回ったところ。

早速釣り開始となりましたが、これまでの二回、どうもこの島周辺でいい思いをしたことがない私は、体力温存も兼ねてまずはライト・ジギングで根魚でもと、今回参加できなかった常連の根魚王の次の座を狙わんと、海底にジグを落としてネチネチ探ることからスタートすることにしました。

お隣には、重いGTルアーを投げる気なんて全くありません、という雰囲気満々のツミビト氏がインチクにワームをつけるというインチキをやってる。


今回の遠征での私のテーマはGTとアカジン。
GTは運があったら釣れればいいくらいの想いですが、アカジン(スジアラ)は何が何でも釣って帰りたい。なんたって美味しさ抜群の高級ハタなので、釣り上げたアカツキには近所の中華料理屋「華珍楼」に持ち込んで高級中華パーティをやろうという目論見なんです。

まあ、多くの場合こういう下心を持って釣りに臨んだ時には良い結果が出ないのではありますが、知恵よりの欲が勝る私のオツムはこれに抗しきれない。


少し霞気味に見える伊江島のとんがり山、地元ではグスク(城)山と呼ぶその山を見ながら世間話をしながらしゃくっているといきなり一投でツミビト氏にヒット!

さすが沖縄、魚が濃い!相模湾のライトジギングのサバだってこんなに簡単には釣れないぞ、と思って見ていると竿がちっとも叩かれない、「引きません」と言いながらさえない表情でリールを巻くツミビト氏、上がってきたのは、なんと一発目から潮の動かな時に釣れるので嫌がられるヤガラが上がってきた。

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「なあんだ、ヤガラか。こりゃ釣れないかな?」なんて思いながら、ジグを底付近でネチネチしていた私にもヒット!
しかもこっちはちゃんとお魚ちゃんの引く手応えがある。
「アカジン来い来い」と沖縄の底物魚で最も美味なアカジン(スジアラ)を期待してテンションも上がり巻き巻きしていくと、おお!赤い魚体が見えてきた!
いきなりやってしまったか?とほくそ笑んだら、あら、体型がチト違うのでガッカリ。

沖縄遠征一匹目はひと月ほど前築地の市場に出回ってマスコミが騒いだ、シガテラという毒を持っているバラハタというお魚。

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このお魚、そうは言うけど全てが毒を持っているわけではなく、沖縄ではちゃんとチョイスされて流通しているらしい。
私自身も昨年7月の種子島遠征では、ここではシガテラ毒を持たないというので、釣れたバラハタを持ち帰り様々なお料理を作りましたがそれはもう美味しゅうございました。

とはいえ、あえてリスクを冒して食べる気はしないのでリリース。
なんだか、まったりとスタートした遠征の始まりでした。

ところが!

その10分後。船の流しなおした間も無くまだエンジン音が止まるか止まらないかというタイミングで「でたーっ!!!!」というデッキ上の操縦席から轟く船長の声。

ミヨシを見ればハット君が両足を広げ腰を落としてガッチリと踏ん張りファイトしているじゃありませんか?!!!

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「ヒット!ヒット!ヒット!!!」船長は叫び船のエンジンが唸り、魚を深場に誘導するアシストをする体制がすでにできている。船長がこういう素早い判断をする時の魚はデカイ。
二流し目で早くもクライマックスか!?

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2016年6月 6日 (月)

緊急速報!沖縄離島遠征@寄せ宮5号

enos日記はじまって以来の緊急速報です!


先週末、6月3日から5日にかけての沖縄離島船中泊遠征二日目、大変なことが起こりました。

夕まずめの一流しで、なんと6同時ヒット!!!!!

中には超大型もいたのですが、数分のファイト後にフックアウトしてしまったものの、そのルアーを回収中にまたまたヒットしたというものもあり、いったいバイト数はいくつだったのかは不明。

船上はおよそ10分余りに渡り興奮の坩堝、阿鼻叫喚の大混乱に陥った後、写真のように全員目線がどこかに飛んでしまったような状況に。

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しかしこれだけでは終わらなかった!

さらに流し直してキャストすると、今度は三人同時ヒット!

最大魚40キロ弱(推定)をはじめとするGTをキャッチ!

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たったの二流しで合計8本のGTをキャッチ!という人生史上未経験、だれもが想像すらしなかった出来事が身に降りかかった一同は興奮のあまり叫ぶもの、笑うものなど大混乱!

しかし、これだけではお祭りは終わらなかった。

詳しくは、明日から少しづつご紹介いたしますのでお楽しみに。

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2016年6月 1日 (水)

クエ鍋をいただく

二泊三日の濃〜い遠征から戻り、現実に引き戻されてそのギャップからカタルシスに浸りながらも、そんな悠長なことを言っている暇はない。

なぜなら、今回は一生に一度つれるか釣れないか=一生に一度食べられるか食べられないか、というクエというお魚がいるからです。

日曜日の夕方佐賀県は呼子港そばの売店からクール宅急便で発送したクエちゃん。
月曜の朝に「荷物追跡」をPCでしてみたら、「その伝票番号は登録されていません」的な表示が出てきたので大慌て。

営業所の開きそうな時間を見計らって電話をすると「調べて折り返し電話します」とのこと。

およそ一時間、そわそわしながらブログなど書いて待っていると地元営業所のおばちゃんらしき声の電話があり、「荷物は今朝受け付けました。予定通りの日にちに必ずお届けします」との声に動揺していた心がやっと静まった。こういう時は声の主のおばちゃんがとてもいい人に思えてくるから不思議である。

というような事があって、翌日火曜日の昼過ぎ、無事にクエちゃんは家に届いた。

今回このクエちゃんを食べるに当たっては慎重かつ冷静にその食べ方の作戦を練っていたのであります。

その作戦一は、以前キジハタを持ち込んで超絶品清蒸を調理してくれた近所の中華料理店「華珍楼」さんに持ち込んで高級中華料理三昧をする。というもの。

作戦二は、ここはシンプルにクエの食べ方としては最もおいしいとされるクエ鍋を、ご近所のお宅に親しい仲間を呼んでクエ鍋パーティをするというもの。

結果はすでにフェイスブックにアップしているのでご存知の方も多いかと思われますが、鍋で行く事になりました。

華珍楼さんに持ち込んで見ていただいたら、大きすぎて料理に時間がかかりすぎるのでたのお客さんの料理ができなくなり、営業に支障をきたす、というのがそうなった大きな理由なのですが、私の心はシンプルな鍋で本道を行くか、それとも超絶品中華を堪能するかで大きく揺れ動いていたのを、華珍楼さんのこの一言がふんぎりをつけてくれた。

さあ、鍋にすると決まったら仕込みはすべて自分お手で行うので、早速ネットでレシピなどを検索。
ところが、クエという魚があまりにも高級すぎて一般の方が調理する機会も少ないらしく調理例がとても少ない。というよりほとんどないに等しい。

いつもお世話になってるクックパッドに一例と他のサイトに一例のみ。
それも魚のさばき方から各部位の処理まで細かく書かれているものはないので、双方のサイトと写真など見ながら想像力も働かせてさばきました。

1

これまでさばいた大型青物との決定的な違いは皮と骨の硬さ。

実はこのあたりがクエの美味しさの素らしく、骨から出るコクと皮と身の間のプルプルが実においしいらしいという事も分かってきました。

小一時間で以外とあっさりとさばき切り用意は万端。
メンバーの集まる夕方を待ちます。

会場をお貸ししていただいた、ご近所のお友達Kさん宅に早めに乗り込んで、まずはカンパチの刺身をお皿に盛り付け、これを食べていただく間に鍋を仕上げていこうという作戦です。

メンバーの皆さんは一様に時間より早めに到着。
全員がクエを食べた事などないクエ鍋処女であります。
中には私が電話で「クエ」という名前を出しても「なんなのそれ?」みたいな方もいらしたがその後予習をなさったようで、集合時にはクエ鍋を食べられる事の貴重さにテンションは上がっていらした。

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鍋用に盛り付けた切り身とネギと一諸にクエの頭を添えて盛り付けて見栄えを演出したところ、一番に到着した画伯がクエの迫力に感動したらしくやおらバッグから水彩絵の具一式を取り出して絵を描き始めた。

画伯がいい子に絵を描いている間、一同はカンパチの刺身で乾杯。

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こちらも日頃スーパーで売っているものなどとは比べ物にならない美味しさなので、すでに美味しい!という言葉が飛び交う。

そんな中、前日から水でお出汁をとっておいたスープを沸騰させて、湯通しした内臓類を鍋に入れて煮込む。

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野菜類はネギだけで行くのが一番うまい!とサンライズの田代船長及び根魚王のグルメ二人からアドバイスを受けていたのでその通りにシンプルに行きます。

豆腐類、キノコ類なども一切入れず、クエと長ネギだけのシンプルお鍋。

出てきたアクを丁寧にすくい取り、肝に続いてヒレなどのアラも投入。
これだけで鍋が溢れそうになったので、まずはこれをポン酢でいただこうということにしました。


この鍋のためにポン酢も一本700円する高級品を使用。
せっかくのクエをポン酢で汚したくはなかった。

カンパチのお刺身がなくなり、画伯の絵も完成したところでお鍋パーティの開始です。

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さあて、円卓の中心に鍋が運ばれると一同の目はそこに釘付け。

最初の一箸は釣られたご本人が、ということで物をつまんでポン酢につけて口の中に放り込む。
噛んでみるとプルプルの歯ざわりとともに濃厚なお汁旨味が口いっぱいに広がり、口の中をとろりと一周駆け巡った後、ちらりと上品なコクを残して喉の奥に消えてゆく。

何という快楽。
これまでに味わったことのない新たな快楽を体験してしまった罪悪感のようなものすら覚える。

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私に続き鍋に箸を進めた一同もそれぞれに恍惚とした表情を浮かべていらっしゃる。
少し間を置いてから、「美味しい」「うまい」「絶品」などの声が次々と飛び出し感動を共有する。

うまい鍋にはうまい酒、画伯ともう一名の持ち込まれた日本酒二本がそれぞれの個性で鍋の旨味を引き立ててくれ、酒もどんどん進んでしまう。

内臓はエラも含めて全て湯通しして投入をしたが、臭みなどは全く感じす実にまろやかで上品な味を満喫させてくれました。

鍋に隙間ができたので今度は中央に頭を入れてその周囲に贅沢に分厚く切った切り身を投入。
この身の部分、華珍楼のシェフからはなるべく薄く切って!とアドバイスされたにもかかわらず、分厚い身の歯ごたえを味わいたい欲望に勝てずあえて分厚く切っちゃいました。

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あまり火を通しすぎると上手くないというのでさらっと火が通ったくらいで食べてみると、想像通りふっくらとした身のモチモチの歯ごたえ。旨味は内臓ほどないものの、これまたあっさり目上品な白身の旨味が歯茎にまでしみてくる。

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先ほどのモツ類がボンド・ガールのようなブリブリのグラマーの超絶美人だとしたら、こちらは和服の似合うしっとりとした日本的超美人というところか。

同じ魚の中で全く異なる味わいを堪能し、頭の周りに残されたボンド・ガールも一通りやっつけたら、いよいよ本日のメイン・イベント!雑炊であります。

これまで美味しいと食べていた鍋の具などというものは、所詮この雑炊の出しをとった後のカスのようなものであり、クエという魚の全ての旨味・だしを凝縮したのが雑炊なのであります。

ご飯を投入し簡単に味付けしたら少々蓋をして吹きこぼれないように様子を見ながら待つのですが、待ちきれない酔っ払い達はあれこれとうるさいことを言う。

そのような戯言下ネタは全て無視して雑炊の仕上がりに全神経を集中し、最後に溶き卵を入れて半熟に固まれば雑炊の完成。

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一同、生涯最初で最後のクエ鍋の雑炊となるのではないかと写真を撮りまくります。
たかが雑炊にこれだけ熱い想いをぶつける集団もなかなかいないのではないかというほどのカメラを構えた一同の放列をみて思わずその写真を撮っちゃいましたよ。

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しかし、人を情熱的にするだけの味がこの雑炊にはあった。

まずは、ここはひとつ最年長者からと、この会のメンバーの縁を取り持ってく下さったご婦人によそって感想を聞く。

確信的な「おいしい」という一言をいただき全員に配膳し食べ始めると、全員が押し黙ってしまい一瞬先ほどまでの宴が嘘のように静まりかえった。
次の瞬間「うまい」「おいしい」「すごい」「すばらしい」など賛辞の連発。

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濃厚で上品なコクと旨味、食べた後に口の中に残り続ける独特のふくよかな味わい。
これまで様々なおいしい雑炊を食べてきたけれどもこれだけ強烈な印象の旨さはなかった。

それまで遠慮がちに鍋をつついていた一同、遠慮という言葉を忘れるほどの勢いで雑炊をペロリと鍋いっぱい綺麗に食べきってしまった。

一同の表情には恍惚ともため息ともつかぬものが漂い、不思議な余韻を作り出していました。

珍しく妙に味わいながら雑炊を食していた画伯がお代わりをしようとした時には時すでに遅し。鍋の中には米粒ひとつ残っておらず、人生最初にして最後になりそうなクエ鍋は終了したのでした。


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