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2016年7月 8日 (金)

「フォールでドン!」種子島遠征2016 その五@LIFE Fishing Guide service


「フォールでドーン!」
叫ぶや否や猛烈な勢いでリールから糸が吐きだされていくのを見て、これはヤバイ根ズレで切られると思うと以外と素直に左手がすっと出てドラグを少し閉めた。

少し糸の出が少なくなったところで一瞬魚が止まった瞬間を逃さず一気に糸を巻き上げる。水深はそれほど深くなかったはず、これ以上糸を出されたら切られると思った。

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巻けたな、と思った瞬間再び魚が走り出しドラグの音がなる。
しかし、その音は先ほどの強い走りの時ほど甲高いものではなかった。

ぐんぐんぐん!と竿先が絞り込まると体ごと引き込まれて船べりの手すりまで体を持って行かれる。

すかざず昆虫大好きさんが駆け寄り私の後ろに回り込んで、もしも糸が切れたり外れたりした時に私が転倒しないようにバックアップしてくれた。

そうはいっても、魚とのやりとり一切は私一人で行わなければならない。
腕には魚の重みと引きをどっしりと感じており、先月の沖縄の船中泊でファイトしたGT推定40キロより重く感じられた。

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「これもデカイよ!」という声が飛んで私を励ましてくれる。

沖縄で釣り上げたGTがあくまでも推定での40キロだったので、今回はきちっと計量して40キロオーバーをあげたいという気持ちが先ほどのY店長の釣り上げた実測41キロを見た時にふつふつと湧いていていた。

ファイト中ももしかしたらその目標を達成できるかもしれないという気持ちが力になってのファイトする。

「フォローに入ります!」という声が聞こえ、「ああ、今回は単独ヒットだから船が魚の泳ぐ方向に走って糸を巻きやすくしてくれる」と安堵したら 、すぐに「ちょっと、今フォローできないそうです」という声が聞こえる。何かトラブってるらしい。


「俺にはフォローはいらないぜ!」と冗談半分で叫ぶ余裕がまだあった。

笑い声が聞こえる中耐えていると、「フォロー入れます」と言われホッとする。とは言ってもまだ魚はぐいぐいと引き込むし時折糸を引き出す力が残っているようだ、油断はできない。

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「船が動きます、ちょっとだけ耐えてください」とY店長から声をかけられ糸を巻く手を止めて耐える。
ゆっくりと船はバックし深いところに誘導してくれた。

ある程度の水深が確保されると根ズレの心配は無くなったので後は力の勝負。

船の舳先で左に右へと翻弄されながらも少しづつ糸を巻き取る事が出来魚との間を詰めていく。

リールに巻かれた糸の色を見て残り25メートルを切ったのがわかった。
魚も相当疲れている様子で動きは次第に少なくなっていったが、時折ガッ!と走るので油断ならない。

残り後わずかだなと思ったら「見えた見えた!デカイ!これもデカイ!」と叫ぶ声が聞こえる。

やったーっ!今度こそ正真正銘の40キロ・オーバーのGTをキャッチできるかもしれないと、喜びが湧いてくる。


数回巻くとリーダーが見えて、水中の魚が光るのを見る事ができた。
デカイ!と心の中で叫ぶ。


「後ろに回しこんで」という指示に魚を左舷側に回しこみ後ろにゆっくり移動した時、魚の後ろに黒いもう一匹の影が付いているのが見えた。
「サメだ!」と思った瞬間これまでサメに食われてしまった大物の獲物の事が脳裏をよぎる。こういう事は不思議と一瞬でたくさんの事が脳裏によぎるものだ。

「頼む食いつかないでくれ!」と祈りながら魚を船の後ろ側に回しこむと、黒い影がすっと消えた。

安堵しながらタモを持つ船長の方向に近づいていく。

リーダーを掴んで後はタモにおさめるだけ。とその時「イソンボだ!」という声が聞こえる。
イソンボとはイソマグロの事であります。

「えええ?GTじゃないの?イソンボ?冗談じゃない、何のためにこんなに頑張ったんだよ」と心の中で思ったのが声に出て、「えええ〜?イソンボ〜ッ!」と叫んでいた。

するとすかさずY店長や昆虫大好きさんから「イソンボのほうがいいじゃないですか」「イソンボのほうがずうっと嬉しいですよ」という声が上がる。

「そういうものなのか?わしゃGTのつもりで頑張ったんだよ」と少々落胆していたのだけれどY店長、昆虫氏、ロケット氏
の羨ましがり方を見ているうちにすこし嬉しくなってきた。

貴重な魚だということがわかってきたのだ。


船に引きづりあげられたイソマグロは大きかった。
一昨年に釣り上げた10キロのイソンボとは同じ魚か?と重ほどの迫力。
大きな頭に大きな口、底に映える鋭い牙はまるで猛獣のようだった。

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その姿を見ているうちに、先ほどまでの落胆は消え一気に嬉しくなってきて気持ちが爆発した。
写真を撮るために腰掛けて膝の上に乗せてもらったのだが、持ち上げてくれた船長がさっきのGTよりも重いかも、とポツリと言った。

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生かしてリリースすることを優先したため計測するのは断念しリリースする事になっり本当の重さは今回もわからないままとなったのだが、直前にY店長が釣った実測40キロのGTと同じかそれ以上の重さだったと智美丸船長は言ってくれたので、推定40キロということにした。

正直言って心の中では測っておきたかったのだが、私のプライドよりも生かしてリリースできたことの方が結果的には自分の気持ちも楽にしてくれた。
あのような巨体の魚を食べもしないのに屍体を目の前に置きながら魚釣りをす続けるのは気分がいいわけがないからであります。


自ら魚の巨体を海に戻すと、魚はゆっくりと海に帰っていった。これでいいのだ。


一同と喜びの拍手を交わすと喜びは大きくなり感動し興奮している自分がわかった。



船は再び先ほど私が魚をかけたところに戻り釣りを再開し始めたが、私には釣りをするエネルギーはもう残っていなかったので、みんなの釣りをぼーっと見ていた。


どのくらいの時間釣りをしたのかもよくわからないうちに船は種子島に戻る事になった。風が出始めて海が荒れる事が予想できたため早めに帰る事になったようだ。


移動でウトウト眠って目を覚ましたら、先ほどの出来事がなんだか夢の中の出来事のような感覚でどうもピンとこない。

どうも、イソンボの大物をついあげたという喜びが体に染み付いてこないのだ。
本当にこの喜びを実感するのはいつのことなのだろうか。

心に感じるものと事実は必ずしも一致しない。ある時は、それがどんな小さなことにでも人は感動しその事で世の中が動いてしまったりすることもあるのだが、自分の心に実感できな出来事というのは、多の人にとってどれほど素晴らしいことでもそれを実感できない自分にとってはたいした出来事ではない。

事実というのは常にのそ受け手の価値観によって捉えられ方が異なるので、同じ事象が必ずしも同じ印象で語られないことが常ではないのだろうか。十人十色で同じ出来事の受け取り方は変わるのだ。

僕らは一つの尺度でしかものを見ないことが往々にあるのだが、社会は一つの事象をそういう様々な尺度や価値観を持った人たちで成り立っている。
価値観の違いが同じ出来事も180度違った受け取られ方によって評価されることが実がとても多いのではないのだろうかと思わされるのでありました。
そして、気持ちが一つ相手側に動いた時には、感動や喜びの共有が出来て、それはそれでとても嬉しいことなんだんなあと思う。

釣りのターゲットというのは極めて主観的なものなのでしばしばこのようなことが起こるのだろう。

GTに自分がそこまで固執するのも不思議だった。実はこの釣りの経験の浅い私にはGTに対する憧れとか思い入れといったものは特にさほどなかったように思う。
ところが先月の推定40キロGTを釣ったことで私の中に何か目標のようなものが具体的になってきて変化が起こったようだ。

経験が次の夢を作りまた夢を失う。  
釣りというのはそんなことの繰り返しをしているような遊びだ。

しかし魚を釣った喜びを共有し合うことで、釣りは楽しくなる。
それまで自分の知らなかった喜びや新世界が広がってくる。心を開いていればそれは常に自分が更新されていくので、少ない経験の中からもそういう経験を得ることで自分の魚釣りの喜びもどんどん広がってきたと思う。

一昨年の初春にEbb&Flowというソルト・ルアーの専門店に出会ってからおよそ二年と数ヶ月。
私の魚釣りはそれまでと激変した。それは釣りの世界が一気に広がり私自身の人生がとても豊かになったことであり、そのことにとても感謝している。



およそ一時間の移動で船は屋久島沖の今朝一番のポイントに入り流すものの魚の反応はなく数回流して種子島に向かった。

種子島沖に着く頃には体力も回復し、再びミヨシに立ってキャスティングした。
隣で投げていたロケット氏にGTらしき魚がいい出方をしたが残念ながら針には乗らなかった。

「GTはいる。自分にも来てくれ」と思いながらキャスティングを続ける。
何度目かの流しで根魚コーナーの三人に連続ヒットでいい型のそれぞれ異なる種類のハタが釣れたのを見て、一瞬「自分も食べられる魚にしようかな」と思ったが、思いとどまり投げ続けた。おそらくGTに未練があったのだと思う。

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数回流して陽も落ちかけたところでこの日の釣りは終了。港に戻ります。

港に帰ると、迎えてくれた船長のお父さんに開口一番「エノスさんイソマグロ釣ったんだって?」と声をかけられ嬉しくなった。どうやら私の釣り上げたイソマグロ、推定40キロは智美丸さんの今の船になって四年間でのイソマグロ新記録だたらしい。

こうして時間がたつに連れてじわじわとイソマグロの喜びが私の中に広がっていった。




写真提供 : プロショップ Ebb&Flow
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