クエ鍋をいただく 再び
今年五月に男女群島で釣ったクエでの鍋パーティーの事を本ブログに書きましたが、その時は一生に「一度釣れるか釣れないか=一生に一度食べられるか食べられないか」と書きました。
ところが今回の五島列島の遠征で奇跡的にも人生二匹目のクエを釣り上げてしまったので、人生二度目のクエ鍋を食べることになったのであります。
今回クエを釣った際には、ネットで調べたレシピで作ってみたのですが、肝や皮は大変美味しかったものの、そのあまりの美味しさに身を食べ残すという贅沢な事態を引き起こしてしまったのでありました。
その辺の前回鍋についての疑問点、反省点などグルメでお料理にも詳しい根魚王に相談したところ、クエの皮を剥がさずに身に付けて切ると良い、というアドバイスをいただきました。
さらに頭部などに細かい鱗が残り食味を悪くしたことも思い出し、鱗対策をいろいろ調べてみたら湯引きして氷水にさらすと綺麗に取れる、とあったのでこれも試してみることに。
さてさてクエちゃんをさばき始めます。
頭を落としてワタを取り、これを丁寧に全てざるに出して一度湯にさらしました。
頭の方も熱湯をかけると鱗が起き上がりその部分が白くなってくるので、そこを水でさらし軽くこすると細かな鱗が綺麗に取れるじゃあありませんか。
これはいける!と身の方の鱗も鱗取りや包丁で剥ぐのはやめて熱湯で湯引きしてみることに。
すると、こちらも熱湯のかかったところがモリモリと盛り上がるように鱗が立って白くなり、そこを水にさらすと気持ち良いほど綺麗に鱗が取れてゆく。
全体の鱗が綺麗に取れたので切り身にしてたら、あらもう鍋の具材の出来上がりです。
実はこの日、午前中から水泳の大会があり横浜国際プールにて観衆の前で競泳をするという人生初の体験をし、午前に背泳ぎ50メートル。午後にバタフライと自由形それぞれ50メートルを泳いだ後に、クエ鍋パーティがあるからとそそくさと競技会場を後にして夕方までに帰宅し、一息ついたらクエをさばく、という過密スケジュールというか組み合わせ的に一般的にもありあえない多忙さだったのでありました。
少々疲れ気味に、いや、かなり疲れていたのでクエをさばくのも始める前までは少しうんざりだったのでしたが、この方法でやったら以外とあっさりと簡単にさばけてしまったので一安心でした。
さて、午後7時、宴の開宴です。
前回も場所をお借りしたご近所のお友達の家にクエのバラバラ屍体の入ったビニール袋と刺身の入った小型のトロ箱に箱に入った刺し身包丁を手に住宅街から商店街に向かって歩いていけば、パチンコ屋さんの駐車場のおじさんが胡散臭そうな顔してこちらを見ている。
おじさんもまさかこのビニールの中身が高級魚クエだとは思うまい。いやボサボサのロン毛に黒い顔でビニール袋を下げて歩いていたのでホームレスと勘違いされたのかもしれない。
ホームレスでもなんでもいいよん、勘違いも思う存分しておくれ、こちとら暮れからクエ鍋なんだから。と余裕でお友達のマンションの入り口に至ると、ちょうど住んでいらっしゃる方がマンションに入っていくところだったので、本来外部のものは訪問する部屋の番号を押して解錠してもらうところをスルーして、開いたドアのところを一緒にすっと入っていったらこれまた怪訝な顔で見られてしまった。
しかし、これまた余裕の含み笑いで友人宅を訪ねさあ、クエ鍋パーティの仕込みです。
お刺身三種盛り合わせ さて、なんのお刺身でしょう?
前日にさばいておいた、ヒラマサ、カンパチ、マダイのお刺身三種を手早くお皿に盛り付け、友人婦人の作った美味しい煮付けを合わせてとりあえずビールで乾杯。
ご用意していただいたお料理二種
こういうのは作れないんですよ、私
いやあ、朝っぱらから泳いできたこともあってビールがうまいのなんのって。
鍋の用意をしているところに、三家庭六名ほどのメンバーがやってきて、これまたお刺身で乾杯。
今回ご招待した皆さまは、子育て時代に大変お世話になった方々ばかり。
なんのお礼もしてこなかったのを、このクエ鍋一回で精算してしまおうという魂胆なのであります。
この中で一番若かった保育園園長のご子息がいらしたので、ちょっとからかって、「三種のお刺身の魚の名前を一つでいいから当てたらクエを食べさせてあげる」とクイズを出したところ、難しいので何択かでお願いしますというから、適当に六種類の魚の名を上げて、このうち一つでいいから当ててね、と言ったところ、どうもこの方ロクな刺身体験がないらしく悩みに悩ん上に全部外してくださった!
まさかの大外しに、本気でクエ鍋はおあずけにしてやろか、とも思ったのですが大人気ないので笑って済ませたのですが、マダイの刺身くらいは当ててよ!
一同、お刺身に舌鼓を打ち「美味しい」と喜んでいただけたので、今のうちにお腹いっぱいお刺身をどうぞ、と冗談など交わしながらクエ鍋はキッチンのコンロの鍋の中で着々と火が通っていきます。
刺身も片付き頃合いのいいところでお鍋の登場。
最初は肝だけの肝鍋。
これが美味しいんですね。
今回は大分の大学後輩からいただいた手作り柚子胡椒と旭ポン酢でいただいたのですが、これがうまかった。
トロトロの肝は限りなく口当たりよく、そして口の中に広がるふくよかで濃厚な旨味。
一緒に入れたのは長ネギだけなのですが、ネギの甘みも絶妙に効いて白濁しとろりとした濃厚なスープは異次元の世界に誘ってくれます。
それでも、まだこの辺りではみなさんニコニコしながら「美味しい」という言葉を発していた。
身も綺麗に食べきって最後の楽しみは雑炊であります。
これを待っていた。
何と言ってもクエの骨や身から出る濃厚なスープが全てここに凝縮されて雑炊となるわけでありますから、これまで食べていた鍋の具などというものはいわば出がらしのカスを食べていたようなものなのであります。
ご飯を入れて数分間軽く煮立てたら溶き卵を落としてきざんだ三つ葉をふれば雑炊の出来上がり。
私の手で皆さまに取り分けて多部始めたら、先程までの美味しいだのなんだのという言葉はたちどころに消えて、一同黙ってしまった。
言葉もなく雑炊に集中する
本当に美味しいものを口にした時、人は声が出なくなるものなんだなあ、とまたまた実感した次第であります。
昔、ある作家が「筆舌にし難い美味しさ」と表現したのを、後年作家の開高健氏が「言葉に表現できないのは作家としての敗北である。作家であるならばあらゆる言葉を駆使して言葉で表現すべきだ」と何かに書かれておりましたが、確かに「まいう〜」何て言われるのは癪にさわるものの、それでも私なんかのシロートはあっさりと敗北してしまいますね。
さて、雑炊を口に運んでみれば、先程の鍋の旨味がさらに凝縮されさらに最も上品な部分だけを抽出したような、口当たりの良い、それでいて存在感の強い上質な旨味が口いっぱいに広がります。
口の中に残る旨味を堪能しながらもすぐまた口に運びたくなる衝動にかられるほどの快感的美味しさ。
あっという間に鍋いっぱいにあった雑炊は空になり、締めは美味しいコーヒーで、ということになり、さらにそこに手土産で持ってきたいただいた逗子の日影茶屋さんの期間限定おはぎをいただくこといなりました。
おはぎはアンコときな粉のに種類。
わたくし、こう見えても大の甘党なんです。でもきな粉のおはぎはきな粉が口の中にへばりつくのが嫌でいまいち好きじゃあない。
クエ鍋で満腹状態の一同が手を出さないのをいいことに、甘いものは別腹、とおはぎに手を出したら、これがまた上品な甘さを抑えたアンコで実に美味しい。コーヒーとも違和感なく合っていくらでも食べられちゃいそう。
あまりの美味しさに調子に乗って三個も一人で平らげてしまったのでありました。
美味しい三時間はあっという間に次去ってしまったのですが、クエのそしておはぎの味はしっかりと記憶に刻まれ消え去ることはないでしょう。
さて、一生に二度と無いと言っていたクエ鍋がたったの数ヶ月に二度も食べられる幸運に出会ったのでありますが、さすがに三度目はないでしょうねえ。
いや待てよ、二度あることは三度あるとも言うし。
どうせなら次はもう少し大きいのがいいなあ、なんて欲望は尽き無いのでありました。
今回ご招待できなかった皆さん、ごめんなさい!次に期待して!
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