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2016年11月13日 (日)

岩見淳三14thリサイタル@かなっくホール 東神奈川

みなさん岩見淳三というジャズギタリストをご存知でありましょうか?
良いう書き出しでジャズギタリスト岩見淳三さんのコンサート・レビューまがいのことを書き始めて今年でもう四回目。

ジャズギタリスト岩見淳三さんは初回にも書かせていただいたのですが、あの日本を代表するビッグ・バンドであるシャープス・アンド・フラッツでギターを弾いていた方なのであります。

現在はシャープス・アンド・フラッツが活動休止状態なので、主にライブハウスで奥様でヴォーカリストのYAYOIさんとのデュオ活動を中心に、自己のトリオや他バンドのゲストとして活躍なさっていらっしゃるギタリストであります。


毎年秋に行われる岩見淳三リサイタルでありますが、毎年様々な趣向で楽しませてくれるので今年も楽しみに出かけました。

今年のリサイタルは「岩見FAMILY With Special Unitと題しており、これまでの岩見さんのギターバンドにゲストプレーヤーをお迎えしての演奏とは少し趣が変わり、ファミリーを前面に出してのリサイタルでありました。

ご存知ない方に少しご説明いたしますと、先に書きましたようにギタリスト岩見淳三の奥様のYAYOIちゃんはヴォーカリスト、さらに長女SHIZUKAちゃん、次女Hanah Spring、長男Daichiくんの三人もボーカリストという音楽一家なのでありまして、それぞれがプロとして音楽活動をしていらっしゃるのでありますが、このリサイタルで一同に会してファミリーでリサイタルをしてしまおうというのが今回のリサイタルなのでありました。

このヴォーカル四人のバックにギターの岩見さん、ピアノの二村希一さん、ベースの小野照彦さんというレギュラーメンバーに加え、今回はドラムスに菅野知明さんという中堅実力派ドラマーを配してのリサイタルとなりました。

さてさて開演のお時間であります。
暗転したステージにメンバーが現れやや緊張した空気の中でギターとベースのチューニングチェックなどが少しあったのち、ギターのイントロと同時にステージは照明に照らされギタークァルテットでの演奏でスタートです。
曲はMenia Moca。

小気味良いボサノバのリズムに乗りの良いギターが次々とメロディを奏でる。
このメンバー、ドラムスを除いては何度も聞いているのですが改めてじっくり聴いてみると素晴らしい。

最初に耳に入ってきたのは始めて聞いたドラムスの菅野さん。
その叩き出すリズムは実にシャープで、細かな音使いや音の強弱、音色、確かなリズムキープどれを取っても素晴らしい。
ああ、まだまだ日本には僕の知らない素晴らしいミュージシャンがたくさんいるのだなあと感心させられてしまいました。

他のメンバーはと言いますと各メンバーソロのメロディを受けてのインタープレーが小気味良くバンドの一体感といいますか、バンドとしてのサウンドが実に素晴らしい。

ピアノの二村さんはオーソドックスなバップ・スタイルながらメロディの組み立てが素晴らしく一音も聞き落とせないアドリブを展開してくれる。

ベースの小野さん太くてしなやかで安定したベースでバックを支える。
プロのミュージシャンを他のミュージシャンに例えるのはご本人に失礼であるとは知るつつも聞いたことのないみなさんにイメージし易くするためにあえて言うならばレイ・ブレウン的な音色に音の太さ、これに独特のしなやかさが加わった素晴らしいベーシストなのであります。

このメンバーでの演奏は実に軽快で小気味良い。
何気ないフォー・バースなどものけぞるくらい気持ち良く決まってあっという間に一曲が終わる。


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岩見さんのMCで曲の紹介と共に観客の笑いを取りつつメンバー紹介がおわると、ヴォーカル陣の四名が舞台袖から登場し二曲目の演奏開始。

曲はルート66、あのナット・キング・コールの有名な曲であります。
YAYOIさんのヴォーカルに三人のコーラスが素晴らしい。
いわゆるスリー・パート・ハーモニーというやつですね。

久しぶりにこの曲を聴いていたら、昔アリゾナの砂漠の中のダム湖で釣りをした時の荒涼とした風景が思い浮かんできた。アメリカの砂漠の乾いた風のようなものが演奏から感じられたのでありました。
三曲目はShizukaさんのヴォーカルをフューチャーしてAlmost Like Being In Love。ミュージカルからのスタンダードナンバーです。


Shizukaさんのヴォーカルは大人のジャズヴォーカルという雰囲気たっぷりで、アップテンポのこの曲では軽快なスキャットが気持ち良い。スキャットとのフォーバースのコラボも素晴らしく楽しさあふれる一曲でありました。
次は岩見さんのギターのみをバックにHanahちゃんのヴォーカルで明日にかける橋。Hanahちゃんの美しいソプラノの声に姉弟のコーラスのハーモニーも美しさに華を添えすばらしい。会場を感動で包まれます。
大地くん、歌うまくなってる。曲の持つ嬉しさを伝えてくれている。まだまだこれからだと思うけれど楽しみ

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この曲は、僕らの世代にとっては青春の名曲なので聞くたびに様々な思い出が去来するのでありますが、そういう自分の思い出とも重なって思わずグッときてしまうようなすばらしさでありました。


さらに続いてはDaichくんのヴォーカルをフューチャーして「君住む街かど」というミュジカル「マイ・フェア・レディ」からの一曲。どうやら岩見家の子供たちが順番にフューチャーされていくという思考のようであります。

Daichiくんは今年の6月頃に初の自己のライブを開いた若い男性ヴォーカリストなのですが、若さというのはすばらしいと感じたのは、そのファースト・ライブの時に比べてグンと上手くなっている。
以前はいっぱいいっぱいで全力で歌う姿が新人らしくて微笑ましい、といった印象だったのがグンと実力がついてきて聴かせるヴォーカルになっていた。
伸びしろのある若者に還暦間近の私としては少々羨ましさを感じさせられたのでありました。

続いてはお母様のYAYOIさんの登場で「ララバイ・オブ・バードランド」
ここにきて曲名の表記が英語とカタカナ、和訳ごちゃ混ぜになりつつありますが、分かりやすさを優先させていきましょう。

ベースとDaichiくんのリフにコーラスが絡むという小洒落た出だしで始まったこの曲。続いて入る御大YAYOIさんのヴォーカルを子供たち三人のコーラスで盛り上げるというスタイル。
スキャットはそれぞれのヴォーカルに受け渡しながらさらにそれを受けたバックのサポートが素晴らしく実に小気味良くスウィングした一曲なのでありました。


ここでYAYOIさんのMCで、熊本の大震災の時に丁度九州を巡業中で震災を自ら体験した話に続き、熊本の方々を励ます意味で、と「五木の子守唄」を岩見さんのアコースティック・ギターをバックにしっとりと歌い上げ会場の感動を誘います、さらにそのまま「サマータイム」に移行し小野さんのベースも加わりサウンドに重みが加わります。静かながら会場全体も緊張したように静まり返るほどの感動的な演奏なのでありました。
さて、早くも第一部最後の曲となります。曲は「サヴォイでストンプ」
ハナ、ギターに美しい声に両親の才能をそのまま受け継いでいる、細かな声の使い方が素晴らしく感情をそのまま伝えてくれるヴォーカル



大地 進歩が著しい 今年6月のファーストライブの時よりも格段上手になっている
三人の繰り出すスリー・パート・ハーモニーが素晴らしく、ヤヨイちゃんのヴォーカルを引き立てる
のメロを拾って次のメロディを紡ぎ出す、フレーズを羅列するのではなく曲・音楽を作り上げていく素晴らしさ
ギターソロ、小さな箱のような楽器の中にオーケストラが存在する、といった大音楽家の言葉通り、美しいメロディー、リズム、様々な音色を同時に奏でる素晴らしさ

ヤヨイ、軽妙なMCでバンドを引っ張る。
舞台から降りて客席からステージに向かってマイクなしで歌う気持ちの入ったヤヨイの歌に心を打たれる
五木の子守唄 日本的メロディにジャズ的ハーモニーのコラボが美しい。水を打ったように会場は静まり、ギターの音色と歌声が空気に染み渡るように響く。これに続いてベースが入りインテンポになると「サマータイム」に移っていく。

ワンコーラス歌った後にギターとベースのデュオが静まり返った会場に響きわたる。
この曲は様々なミュージシャンが様々なアレンジでやっているけれど、こういうシンプルでスローでしっとり聴かせるのもいいなあ。

第一部の最後の曲は「サボイでストンプ」
「サーボ〜イ」というコーラスの合間を縫うようにYAYOIさんのヴォーカルが入ったかと思うとサビの部分はDaichiくんHanahちゃん、Shizukaちゃんとバトンタッチして再びAメロに、ワンコーラス終わったところでハイテンポになり、軽快なノリノリスキャットに変わります。

ヴォーカルというのはそれぞれ自分の「キー」というのを持っているので、こういう曲の歌い方というのはかなりの力量が必要なのではないかと思うのですが難なくスウィングしたかと思うと再びテンポを落としてエンディングのテーマに。
バックの息もぴったりに小気味良く最後は「サ〜ボ〜イ」のコーラスで決まりました。

第一部だけでも色々盛りだくさんで楽しかったので第二部が楽しみ。
一部のエンディングはCジャム・ブルースのコーラスをバックにMCで盛り上げて終了。

ファミリー・コンサートの名にふさわしい楽しいステージ前半でありました。

第二部に続く・・・


写真提供:350club



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