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2017年1月 7日 (土)

HOME SAFELY @HAN BENNINK CURTIS CLARK ERNST GLERUM

年末にひょんなことから出会ったジャズ・アルバムがとても気に入ってしまったのでご紹介しようと思う。

実はこの二年ほどジャズを聴くのがあまり楽しくなっていて、新譜のアルバムを探したりすることもなく、また最近のミュージシャンにも興味が行かなくなってしまっていたのでリスナー的にはサボっていた期間が続いていたのでありました。

ところが、最近本が読めるようになったことにも起因するのか新しいモノにすこし興味が湧いてきた。ちょうどそんな時にHMVのオンライン・ショップでやっていた輸入盤特価セールで見つけたのがこのアルバム。

Dsc00004b

HOME SAFELYというアルバムでメンバーは

ハン・ベニンク (ds)
カーティス・クラーク(p)
 エルンスト・グレールム(bs)

によるピアノトリオです。

Dsc00002b

最初目に入ったのはドラムスのハン・ベニンクの名前でした。
この人についてはエリック・ドルフィーの「ラスト・デイト」というアルバムのドラムスで70年代後半から80年代にはサックスのペーター・ブロッツマンと激しいフリー・ジャズをやっていたというくらいの知識しかなかったので、ピアノトリオのドラムスでこの名前を見た時に期待と不安が同時に湧き上がりました。

期待、というのはひょっとしてフリー・ジャズではないフォービートを叩いているのかもしれないということ。不安というのはこのアルバムがフリージャズのアルバムであること。

誤解のないように付け加えますと、ぼくはハン・ベニンクの演奏するフリージャズが大好きで先出のブロッツマンとのデュオなど何枚か保有しており時々引っ張り出しては大音量でならしご近所さんに多大な迷惑をかけつつも気分はクリエイティブ的に高揚する、ということをこれまでしてまいりました。しかしながら今回、このタイミンでははフリージャズを聴く気分ではなかったのでこう書いた次第でございます。

ジャケットのモノクロ写真がチープな感じもしたのでマイナーレーベルから出ているフリーモノかなあと思いつつも800円しないお値段が付いていたので好奇心に負けて買っちゃいました。

さて、数日後到着したので早速聞いてみたところ、結果は期待どおりのいい方に転んでくれていてフォー・ビートのジャズだったんですね。

1994年1月アムステルダムで録音、 オランダのFAVORITEというレーベルから2004年に発売されていたもので収録されている12曲は全てピアノのカーティス・クラーク(CURTIS CLARK)のオリジナル 。

このカーティス・クラークさん、最初は新人のヨーロッパ人かと思ったのですが、アルバムの写真を見たらいかにもアメリカの黒人ジャズのおっさんという風貌だったのでちょっとググってみた。

しかしながら、出てくるのは同名のアメリカ人映画監督の情報ばかり。そんな中に混じって出てきた幾つかの情報を集めてみると、名門スピリチュアル・レーベルNIMBUSの看板ピアニスト(ディスクユニオンCD紹介より)と書かれていたのでスピリチュアル・レーベルって何じゃいな?と調べたら、ストラタ・イーストやブラック・ジャズといった僕的には魂のこもった濃いジャズのアルバムを多く出すレーベルということらしいのでなんとなく雰囲気が伝わってきた。ピアノトリオ以外にはジョン・チカイ(as)との共演アルバムなどもあることからこのレーベルでは濃い演奏をしておるのだろうなと勝手に推測してみました。間違っていたらごめんなさいね。

ところがこのアルバムでは、そういうアメリカの中でもスピリチュアルなジャズをやっている方のピアノ演奏とは全く信じられないくらいの、端正で、洒落た、美しいピアノを弾かれていらっしゃる。

まだ僕自身が聴き込んでいないので断片的な印象でしか語れないのですが、ある時はローランド・ハナ、ある時はリッチー・バイラーク、ある時はアーマッド・ジャマル、そしてある時はハンク・ジョーンズ、というある時の人の集合体のような感じでしか語れないのですが、美しく繊細なタッチに今風ヨーロリアンジャズ的ハーモニーを聞かせてくれ、そのピアノ・スタイルとドラムス、ベースとの相性が抜群に良いのでアルバムとしてのクウォリティーを高くなっている感じがします。

ぼくがこのアルバムを気に入ったのは、ピアノもさることながらバックの二人が良い!

ハン・ベニンクのドラムスはフリー時代の凶暴なドラム・ワークは影を潜めスネアを中心にした抑えたドラムスでピアノを盛り立てるのですが、そのブラッシュ・ワークが素晴らしく、また細かい音の使い方など実にうまい。フリージャズで培ったと思われる変則的小技も地味ながら随所に織り交ぜているところもなかなかです。

正直言ってぼくのこの人のドラムスとしての評価はそれほど高くなかったのですがこのアルバムを聴いて変わりました。
思えばぼくが生まれて初めて買ったレコードはエリック・ドルフィーの「ラスト・デイト」だったのでハン・ベニンクさんとはその時からのお付き合いにもかかわらず四十数年間あなたのことを誤解し続けていました。ハン・ベニンクさんごめんなさい。長い間大変失礼いたしました。

そして、もう一人のメンバーであるベースのエルンスト・グレールムがまた良い。
名前から察するにドイツ系の方と思われますが、ヨーロッパのベーシスト特有の音色の澄んだ音色に音程の良いベースに音使いも洒落ており、アルバムジャケットの写真ではまだうら若き青年という風貌なのですがなかなか熟練したベースでピアノをサポートしている。

トータルではとても質の良い美しくスウィングするピアノトリオ作品に仕上がっておりまして、800円足らずで手にしてしまったぼくは正月からすごく得をした気分になってしまったという訳なのであります。

カーティス・クラークのピアノスタイルについて先に書いたところで誰々的サウンドと列挙しましたが、ある面このような印象でこの方のピアノが捉えられてしまうところが、このアルバムの良さでもあり、逆に個性が弱いと捉えられてしまうのかもしれませんが。

そういう意味ではこのトリオのアルバムをもう一枚買うか?と聞かれたらちょっと悩んでしまう。そういうタイプのアルバムなのでありました。


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