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2017年5月11日 (木)

encounter 〜出会い〜 TN ballet 6th concert@大井町きゅりあん大ホール

およそ一年ぶりにバレエのお話です。前回バレエ見に行ったのが今回ご紹介するのと同じ、富永典子さんというバレリイナが主催するTNバレエの演じた「美女と野獣」の公演でした。

前回の公演は確か「ミュージカルを見ているみたいで楽しかった」と書いたような記憶がありますが、今回の公演は「encounter 出会い」と銘打たれたTN バレエ 第六回コンサートです。

本ブログがバレエネタの時の多くはバレリイナの寺田恵さん(以下めぐちゃん)からのお誘いで見に行った公演のお話が多いのですが今回も寺田さんからお話を聞き興味を持ち出かけてまいりました。

なんでも今回の公演はピアノと和太鼓、殺陣の夢のコラボ。ネオクラシック系のオリジナル作品。というような話。和太鼓、殺陣、と聞いただけで「ああ、いわゆるクラッシック・バレエではないんだな」とピンと来たところにネオ(新しい)クラッシックときたら何やら新しい試みなのだろうということは容易に想像でき興味津々、僕がもともと「踊りの世界」に興味を持ったのが1970年代の暗黒舞踏だったので普通のくらっしくバレエよりもむしろそちらの方が好きなくらいなので「前衛、モダン、ネオ」という響きは波長が合うんです。

さて、どんなコンサートになるのかいよいよ開演時間。
幕が上がると3人の殺陣師とその背景に並ぶダンサーたちに上手奥に山台にセットされた和太鼓一式。

緊張感に包まれる中、太鼓の打ち出すリズムとともに始まった殺陣は殺気と見える緊張感とスピードに迫力。
生でこういう殺陣を見るのは初めてでしたが日頃時代劇チャンネルで見ている暴れん坊将軍の殺陣からは想像できなかった迫力。やはり何者も生での迫力にはかなわない。太鼓のリズムの中立ちまわる殺陣の中にやがて後ろのダンサーたちのしなやかな動きが絡み出し、不思議なコラボが生み出されてきたところに左右から薄いブルーの横断幕のような大きな布を持ったダンサーたちが流れ込んできたと思ったらそこに「水の精」役の我らがめぐちゃんの登場。

舞台中央に立ったその表情は、設定が殺陣師とのコラボとあるためか、いつものニコニコ顔ではなくキリッとしたちょっと怖いくらい殺気立った雰囲気。

今回は普段のクラッシックバレエのフリフリ衣装とは違いタイツ姿というシンプルな衣装での演技。
踊り出した瞬間から極限まで鍛えられた肉体と踊りが躍動し圧倒されます。

ダンサーという人たちは踊りの技術を高める努力だけでなく、自分の体も極限まで鍛え上げ維持するためにどれだけ日頃から努力しているのだろうと、僕らのポテチをかじりゴロゴロしながらテレビを見る、などという自堕落な生活などからは想像できないストイックで厳しいものなのではないかと想像させられるほどに美しく鍛え上げられている。

クラッシックバレエとはちょっと違う振り付けながらも、大きくしなやかでキレのあるその踊りに見とれちゃうましたね。踊りのキレが一段と増して感じを受けましたよ。
おそらくトップライト中心のシンプルな照明と振り付けによる効果も大きいと思われるのだけれど、陰影のはっきりした照明の下を踊ると、踊る場所により肉体の表情がまるで光の当て方で変化する能面のように変化してこれが踊りに普段には無い力強さを加えていたように感じました。

「水の精」に続いて赤く燃え上がるような照明が照らされると舞台背景から登場したのが「炎の精」役の並木まりかさんの登場。

炎の精の踊りはとてもしなやかで力強く感動させられました。
殺陣との絡みも素晴らしくクラッシック・バレエとは違った緊張感もたっぷり。


ここでのストーリーはクラッシックバレエ的な物語ではなく「痛み」「不安」「孤独」を象徴する三人の殺陣師が表現する「自己との戦い」に「水の精」「炎の精」そしてたくさんの「精霊」たちが彼らを包み込んでやがて「痛み・不安・孤独」を乗り越えていくというものだったのですが、大まかな流れだけしか頭に入れていなかった僕でもダンスの表現はとても良く理解できたし何よりも生の和太鼓のリズムとそれに合わせた緊張感ある踊りが素晴らしかった。

バレエ素人の私が思うには、日頃の曲のメロディのはっきりしたクラッシック音楽を聴きながら踊るのと、リズムと音色、強弱だけを頼りに踊るのでは全く違う難しさがあるのではないかと思うのでありますが、その難しさがいい緊張感を演出すていたのかもしれないなどと感じたのであります。
最後は精霊たちの踊りに包まれた「痛み」「不安」「孤独」を象徴する三人の殺陣がそれぞれから解放されて舞台を降りて客席側に降りて去っていくという演出も良かった。

惜しかったのは刀だけかな。刀がよければ迫力も緊張感も数倍高かったように感じたのが唯一残念に感じたところでした。


さて、一旦幕は閉じて上がると今度は舞台奥、下手にコンサートピアノがおかれており一部後半の始まり。

後半は有名な北風と太陽が旅人の服を脱がせるのを競い、力ずくで衣服を剥ぎ取ろうとした北風に対して暖かさを与えることで服を脱がせる、というお話なのですが、ここでは北風と太陽が力ずくの勝負をして太陽が勝つ、というのではなく、最後は北風も太陽も一緒に力を合わせて心地よく旅人を解放してあげるというようなストーリーになっていました。

ピアノは作曲もなさった栗田妙子さん、この人の優しく力強いピアノのメロディとリズムに合わせて踊るソリストもその他の方々も素晴らしかった。ある時は力強く、ある時は優しく、それでいて全体に優雅で美しくバレエの醍醐味を見せられた感じ。

音楽が生のピアノ一発、しかもここではマイクを通さずに生のピアノの音で大きなホールに鳴り響かせていたのが良かった。
ピアノの生み出す細かなニュアンスが踊りに反映しとてもキメの細かい舞台に感じられました。
休憩を挟んで第二部の始まり始まり。

幕が上がると何の飾り付けもないくらい舞台にたくさんのダンサーが横たわってるのが照明に当てられ浮かび上がってる。
縦に四人づつ横に六列、合計二十四人の人体がピクリとも動かず横たわる姿は屍体が並べられているようで一瞬ギョッとしてしまった。

太鼓のリズムとピアノの音色に呼び起こされるように、静かに少しずつ踊りは始まり、やがて舞台の上を波がうねるように動いていくのはなかなか感動的でドラマチック。釣り師だからそう感じるのかもしれないけれど、大海原の中で大きな波に包まれて翻弄されている自分を感じることができた。

やがてその中から三人が立ち上がり舞台は展開していく。
三人だけの踊りがあったのち、いよいよ男性ダンサーの登場。

これまで女性ばかり見ていた目にいきなり現れた男性の肉体はあまりにも大きく引き締まった筋肉からはパワーがみなぎり一瞬圧倒されてしまった。

「出会い」と題されたこのパートでは三組六名の男女のダンサーが次々と踊りを繰り広げていくのでありますが、バックの音楽がある時は太鼓のリズムをメインに、ある時はピアノの美しい柔な、そして力強いメロディを織り交ぜて次々と表情を変えながら進行していくので全く飽きさせられることがない。

それぞれのダンサーの踊りも素晴らしく、ある時はしなやかに繊細に、ある時は力強く逞しく、踊りの魅力を満遍なく発揮してくれそこから溢れ出るパワーを見ている僕らに与えてくれる素晴らしいものでした。

クラッシック・バレエのドラマチックな流れとは全く違うけれど、生のミュージシャンとダンサーが対話しながら踊るのはとても緊張感があり、録音音楽に合わせて踊るものとは全くの別世界、踊りの間には緊張感のあるピアノと太鼓の掛け合いもあり、この辺りはかなりアドリブっぽくやりとりしている緊張感がよかったなあ。

前回の公演の時も書いたけれども栗田さんというピアニストはかなりジャズっぽい音を使う方なのでジャズ屋の僕にとっては大好きなタイプのサウンドが響き渡るのでとても楽しむことができました。

和太鼓のレナード衛藤さんという方は元「鼓童」にいた方で独立後は超有名ロック・ミュージシャンともなさっているらしくピアノとのコラボがとても素晴らしかった。
お互いの音楽を理解していないとああいうパフォーマンスはできないので、僕は見るのは初めてだったのでその場ではかなりの方とお見受けいたしましたが、その通りのお方だったようで。

ソリストとして再登場しためぐちゃんの踊りも素晴らしかったし、最後全員での踊りも華やかで美しかった。

ということで随分端折った内容の文章になってしまったけれどもとても様々な表情を楽しめる素敵な舞台でした。

なんだか少し疲れ気味だった僕はパワーをいただいて帰ることができました。
出演の皆さん、スタッフの皆さんありがとうございました。
ところで大きなホールの割には観客が少ない感じがしたのは僕だけだったろうか?クラッシックの有名作品に比べるとこういう新しいものへの一般的な方の興味はまだまだ薄いのかな?
僕はこういう方が好きなんですけれどね。

バレエに興味のない方も機会があったらこういうのを見たらいいと思うんですけれどね。釣り師の方で興味がある方は僕に言っていただけたら次回はお誘いしますよ。特にナベテツさんとか。


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コメント

わわっ!
見たかった、これ
和太鼓が大好きです。
よさこいか和太鼓かすごく悩んだんですよ!
ご近所で通えたのがよさこいだったからよさこいになったけど。
ネオ和太鼓(違っw)にも興味津々!
生で見るバレエも好きです。
次回もこんな感じだったらお誘いください。(^o^/

兎夢さん
確かにこういうの好きそうですね。
今回は自分でも見るまではどんな舞台なのか全く想像も
していなかったのでお誘いすることもできませんでした。

次回からバレエの時はとりあえずお声かけしますね。

太鼓だけのステージとかコンサートなら
太鼓を毎週叩いている人がいるので、
近所のイベントの時は情報流しましょう。


榎本さま、ありがとうございます。
鍼治療の宮本先生より、このブログのお話を伺い、遅ればせながら、去年のものと合わせて拝見いたしました。心から、感謝申し上げます。
私は、常々どうしたらバレエのファンを増やせるか考え、微力ながら、このようなコンサートを開催するようになりました。私など一個人ができることなどスズメの涙にも満たないですが、私の経験の全てを若いダンサーたちに継承し、バレエに興味のなかったお客様にも、ふんわりとした楽しい時間を過ごしていただけたら、こんな嬉しいことはありません。
また次回も観たいと思っていただける空気感を大切に舞台を演出しておりますが、なかなか観客の動員はままならず、頭を悩ませております。
榎本さまのブログは、そんな私の気持ちを後押ししてくださいました。ありがとうございます。

富永様

コメント及び感謝の言葉までいただきましてありがとうございます。
恐縮です。

僕は単なる好奇心から多趣味と言われるくらいいろいろと楽しんでいますが
その楽しみをこのブログを読む人に伝えられたらいいな。と思いながら
常々書いてる次第です。

バレエ、というと一般の人には遠い世界、というのが現状でしょうね。
そういう中での富永先生の取り組みは素晴らしいと思います。
今後もできる範囲内で、わずかな力しかありませんが、先生の活動に
お役に立てたらと思います。
よろしくお願いいたします。

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