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2017年8月10日 (木)

海の砂漠@ステイタス 長崎

海で釣りをする釣り人にとって何よりも嬉しいのは海が荒れていないこと、つまり凪の海なのでありますが、一方で「凪倒れ」という言葉もあり、海が静かすぎて潮は流れなく風も吹かないとなると、魚の活性が下がってしまったり警戒心が高まり釣りにくいという状況になってしまうことがあるのであります。

この日、日本周辺は台風5号や9号に囲まれながらも五島列島周辺は凪も凪、べた凪というさざなみすら立たない鏡のような海が広がっておりました。

夕まずめのチャンスタイムに向けて最高のポイントに入った我ら釣り師の乗ったステイタス号は鏡の海の真っただ中にありました。

船の上からルアーを投げては水面を弱った魚を演出してヒラマサを誘い出そうと、繰り返し鏡のような海に大きな波紋を作りながら投げ続けるのでありました。

魚はたくさんいました。

「二時方向で湧いている!」という船長の声に船の舳先に対して時計の二時方向、つまり右斜め前方を見ると30センチほどと思われる小さなシイラの十匹以上の群れが何かに追われて水面をピョンピョンと次々に跳ねて逃げていく。しばらく追われていった先に大きな波紋や水柱がいくつもたち海がかき乱されたと思うと、先ほどまでの喧騒がそのように鏡の海に戻ってしまう。
シイラを追っていたのはまさしくヒラマサ、それもかなりの大型魚が数匹チームを組んで狩をしているのでした。
その光景はまるでサバンナでライオンがカモシカのを狩するような迫力のある光景で、自然界の厳しい掟を見の前で見せられてただただ驚愕するのでありますが、いつまでも驚いてはいられない。あのヒラマサを釣りに来たのですから。


船長は巧みに船を操りヒラマサの狩をしていた場所に船が流れるように静かに移動し、目には見えない海の流れにエンジンを切った船を乗せて我々釣り師をポイントに誘うのでありました。

「そろそろいい場所ですよ」とスピーカから船長の声が流れると、キャストにもルアーの操作にも緊張感が高まります。
いつ水面が爆発し自分のルアーが水中に引き込まれるかわからない、そうなって欲しいという希望も込めて集中します。

「出た出た!!!」という声に振り返るとジギング王の竿が曲がっている。
やった!出た!魚はいる。やる気もありそうだ。などと思いながらファイトを見ているとやはり上がって来たのは狙い通りのヒラマサでした。

Img_8064


実はこの時、僕はまだ夕まずめには早いだろうと夕まずめ本番に向けて体力を温存しようと根魚を釣っていた。

Img_8059

のんきに根魚を釣って喜んでいる場合じゃない。
ジギング王の釣り上げた一匹とヒラマサのシイラハンティングは僕にとって夕まずめの到来をつけたのでした。

キャスティングロッドに持ち替えジギング王の横に入れていただいてキャスティングを始めます。
相変わらず無風状態の海の上は照りつける太陽の熱にさらされるばかりで、涼やかな風が全くない。
海の上というのは涼しい、というイメージがあったのですが、あれはあくまでも微風でも風があるから海面で冷やされた冷たい空気が体にあたり涼しいのだということを初めて身を以て体験しました。
数頭しただけで汗が吹き出し、風がないので汗は乾かず滴り落ちるだけ、当然涼しさを感じることはない。
傾き始めたとはいえギラつく太陽の光は強く、てっぺんよりもむしろ正面から陽が当たると、つま先から頭の先までまるでオーブンで熱せられているように暑い。

海の上にいながらそれはまるで砂漠の暑さ。
灼熱の太陽のもと風が全くないと、周囲が砂であろうが水であろうが熱いことには変わらない。砂漠の場合は乾燥しているので汗でベトベトする煩わしさはないのですが海の上にはそれが付きまとうので余計にタチが悪いのかもしれないと思わされたのでありました。

Img_8067



熱中症にならないよう水をこまめに摂りながらキャスティングを続けます。

「出た出た!」「あ〜!こっちも出た!」とルアーに反応したヒラマサの波紋が鏡の海を波立てるのですがどうしても針にかからない。
波がないために魚からルアーがはっきりと見えてしまうので、すんでのところでルアーだと気づかれてしまうらしいのです。
そこをうまく騙して食いつかさせるのがルアー釣りの醍醐味なので、一同諦めるものは誰一人としていなく投げ続けます。

ポイントを流し変えるたびに「出た!」「また出た!」と声が上がるほど魚はたくさんおり釣り師の気持ちを逆なでするのであります。


次々と我々の船を取り囲むように魚は湧き上がって狩をするものの、まるで距離を測ったかのようにキャストで届かないところばかりで行われるのでありました。
太陽はすでに真正面にまで傾き、逆光に入ると自分のルアーが見えなくなってしまうのですが、そこに「出た出た!ジギング王のに出ましたよ」などと声がかかる。

悔しさと期待とが入り混じり釣り師の熱気は上がるばかり。炎天下の海上で午前中から投げ続けているというのに誰も投げるのをやめようとはしません。

僕のルアーにも魚の何度か反応があり波紋が上がったのですが、魚の手応えを感じることは一度もありませんでした。

時折遠くに湧き上がるシイラの群れを追うヒラマサの狩を見ては悔しさが沸き上がりながらもどうすることもできません。
釣れないながらもその光景を見ることができただけでも良かったと満足できほどの迫力ある光景に感動するのでありました。

太陽の角度が低くなるにつれて魚からの反応は次第に薄れてゆき、時計は七時を回り太陽もまさに沈まんという時間になったところで、「次の流しで魚の反応がなかったら終わりにしましょう」ということになり、この日の釣りは終わったのでした。

近くの島の港に着いた一同は暑さとヒラマサに弄ばれた疲労感でぐったりしながら重い足を宿に運んだのでありました。

二日目につづく•••

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