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2017年9月

2017年9月30日 (土)

オトナの夜遊びバラムツ釣り@神栄丸 由比港

みなさんはバラムツという魚をご存知でしょうか?

何年か前にも一度本ブログで取り上げたことのあるこのお魚、深海魚で普段は水深数百メートルの深い海に暮らしているのでありますが、夜な夜な美味しいイカなどの餌を求めて浅場に上がってくる習性があるのであります。

この深海魚、ある種の怪魚でもありまして、その理由は夕暮れとともに数百メートルの深海から二百メートルから百メートルくらいの水深に忽然と現れ餌となる魚やイカを食い漁るというだけではない。

この魚、大きなものは体長1.5メートルほどにもなり、体重は30キロを超える上に釣れた時の暴れ方が半端でないのであります。

多くの魚が針にかかった直後は大いに暴れたり走ったりするものの、釣り師と格闘するうちに力尽きて最後はおとなしく上がってくるものなのでありますが、この魚は違う。最後の最後まで抵抗し凶暴なまでに暴れるのであります。

これが釣り師にとってはたまらなく魅力的な釣り味ということになり、大物ハンターの釣り師たちは格闘の練習を兼ねてこの魚を釣りに夜な夜な出かけて行くわけであります。

もう一つ、この怪魚の特徴としてあげられるのが、身がワックス、つまり蝋と同じ成分でできているため、人がこの魚を大量に食べると蝋を消化する機能がないために溶けた蝋が肛門から勝手に出てきてしまうのであります。このような理由でこの魚の売買は法律で禁じられているのでありますが、しかしながら面倒な事にこの怪魚、食すると実に美味しい。

何せ蝋ですから口の中でトロトロ〜ッ!とトロけるような食感があり、これはマグとの大トロなどと比較にならないくらいトロトロなのであります。

したがって、手に入れることのできる漁師の方や釣り師などの中には密かにこのトロトロを楽しむものもおり私自身もその例外ではない。

何年か前にこの魚を学校の先生が生徒に食べさせたとかでニュースになりひと騒ぎあったのでご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、一定量までは食べても別にどうという事はないのでありますが、その一定量が人により様々なところから問題が起こり、またこの魚を食すことから人を遠ざけているのでありましょう。

さて、そろそろ本題の釣りの話に移ってまいりましょう。
今回の釣りもご近所のルアー・ショップ、エブアンドフローさんからのお誘いで出かける事になったのですが、目的はあくまでも釣り、釣ることを楽しみに出かけたのであります。

お昼過ぎにお店に集合した我ら釣り師四名は東名高速を西に走ること130キロあまりでおよそ2時間後に静岡県の由比港に到着。

今回お世話になったのは第八神栄丸さん
明るいうちに到着し少し早めに釣りの準備をします。

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この釣りはバラムツのエサとなるイカも釣れるので中にはバラムツ用のゴツイ竿以外にイカ用の竿一式を用意して、美味しいお土産を狙っちゃおう!という方もいらっしゃる。私も一本それ用の竿を持参し隙あらば美味しいイカちゃんをお土産になんて目論んでいました。


さて船は秋の日が落ちる5時半に港を出て沖に向かいます。
とは言っても、ここ駿河湾は急深な海なので20分も走らないうちにポイントに到着。

このポイントの水深は何メートルあるのかわからないけれど、船長の指示ダナは200メートルから100メートル。深海から上がってくるので初めは深め、時間の経過とともに100メートルくらいまで上がってくるらしい。

そういえば数年前に初めて来た時には船長の言葉を真に受けて300メートル近く迄エサを落としてえらく疲労した覚えがある。

あ、そうそう、エサ、で思い出しました。
この釣りはルアーでも釣れるのですが、我々はジグの針にエサをつけて釣るのであります。なぜルアーでやらないのかって?エサの方が釣れるからというのはもちろんのことですが、この釣りには外道と言ってもバラムツの仲間のサットウ(アブラソコムツ)くらいしかおらず、この盛んもバラムツに負けず劣らない大型ファイターなのでエサ釣りのいいところだけいただいちゃおうというわけなのでありますね。

とはいえ、餌をつけるジグがちょっと特殊な形をしていて、まるで千歳飴のような棒状のものによった太い針金がついている先に針をつけたものを使うのであります。

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この日の最初のエサは冷凍サンマを二枚おろししたもの。
これを半身、大きな針に縫うようにかけて水中に落とします。

あたりはすでに薄暗くなりつつありまして、船上は取り付けれられている強力なライトで煌々と光っている。間も無くすると船の周りにはこの明かりに引き寄せられた魚が様々集まって来ますし、それを狙うサメや海鳥なども真っ暗な中ご出勤なさってくるのであります。


最初は船長の指示ダナである200メートルくらいまで落として、巻きながらあたりを待ったのですが、初めて間も無く私のいた右舷と反対側の方にヒットしたようで、どうやら100メートルくらいで食って来たという。

早速その辺りの水深を攻めてみるとすぐにアタリがあった。
トトンと竿先を叩くようなアタリがあるにもかかわらず針にかからない。
なかなか掛かりませんねえ、と隣で釣っている同行の昆虫大好きさんに話しかけたら、それ、バラムツじゃなくてスミヤキだよ、とおっしゃる。

スミヤキというのは同じく深海に住み夜な夜な浅場に出てくるカマスのような深海魚で、これは大変はが鋭くてうっかりその歯が糸に触れようものなら、どんなに太い糸を使っていてもひとたまりもない。

そこで、糸を切られるのだけはごめんだとタナを30メートルほど下げたら途端にコツン、というアタリがあり竿先に魚の反応がググッと来た。

やった!初バラムツだ!と喜ぶのもつかの間、なんだかあまり引かないので釣りごたえがない。おかしいなあ?と訝しげに糸を巻いて来たらなんと!体長40センチほどしかない赤ちゃんバラムツ。

「こんな小さいのいるんだあ」と声をあげたら、針を外しに来た中乗りのお兄さんも「このサイズは珍しいです」という。いきなり珍しいのを釣ってしまったか。と自分で呆れながらも、魚のいるタナはわかったのですぐ次を投入。

今度は水深140メートル付近から誘ってくると120メートル付近でアタリが‥‥しかしなかなか針にかからない。
こういう時は止めて待つといい、というベテランである昆虫大好きさんのアドバイスに従い止めて待つとアタラなくなってしまった。餌を取られてしまったようです。


次の投入からエサは釣れたバラムツの切り身に変更。
こちらの方が針持ちが良いのでエサを取られにくく釣りやすい。

同じく130メートルあたりから攻めてみると、間も無くコココン!と竿先が振動し、さらに次のあたりを待って合わせたら竿が大きく曲がった。

今度は少しマシなサイズかな?とファイトするも、さほど引かず100メートル少々巻き上げて上がって来たのは4〜5キロ程度と思われる子供バラムツ。これは船にあげずに船べりでリリースしました。

さらに同様のタナ(水深)でもう一匹かけ、これはまずまずのファイトをして楽しませてくれた平均サイズ7〜8キロくらいのもの。

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しかしながら、私の知ってるバラムツは数年前初めて来た時にいきなりエブフロのY店長が釣り上げた30キロほどの大物だったので、どうも満足も納得もいかない。
バラムツってこんなに小さかったでしたっけ?と昆虫大好きさんに聞くとこれがアベレージだそうで。

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この日はバラムツの活性は極めて高かったようで、この頃には船上はダブルヒットやら、誰かしらの竿が曲がっているような状態でありまして、隣の昆虫大好きさんも次々と竿を曲げておりましたし、さらにその向こうで釣っていた同行のロックンローラーKさんなどは大物を連発している。

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               いいサイズのサットウ

Kさんたらこの日ギンバル(ファイティングベルト)を持ってくるのを忘れてしまったために、竿を脇で抱えながら必死のファイト。

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しばらくしてアタリが遠のいたところで船は5分ほど走り違うポイントへ。
ここも同じような水深で、という船長のアナウンスに従い130メートルまで落として誘ったら一発でガツン!と来た!

今度は本物だ、竿は大きく弧を描きドラグを鳴らし糸が出て行く。
こうでなくっちゃいけねえや、と気合を入れてファイトにかかるも30メートルくらい巻いたところでフッと軽くなってしまった。痛恨のバラシであります。

このバラシから調子が崩れてしまったのか、周りは釣れているのに自分だけアタラないし、たまにアタリがあっても乗らない(針がかからない)のであります。

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あと1時間で上がりますよ〜。と船長のアナウンスで焦ってしまう。
この釣り水深が深いところを狙うのでエサを交換するのに上げて下ろすだけで5分くらいかかってしまうんですね。何しろ全部手巻きで一切電気や機械には頼っていないものですから大仕事。

あと何回落とせるだろうか?と焦り始めながらも、時折あるアタリを見逃さんと集中します。

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             バラムツ(上)とサットウ(下)
残り時間が30分を切った頃。
これが最後のエサになるかな?と投入したエサに小さなアタリが。
しかし合わせてもなかなか乗らない。止めてアタリが再び来るのを待っては合わせ方を変えたりすること数度目。小さなアタリにこちらも小さく鋭く合わせたらゴッツン!と来た途端ドラグを鳴らして糸が一気に出て行く。

これは今までのとは違うぞ!走る魚の力も強いし腕に伝わる重さも格段と重い。
巻いては糸を出され、巻いては糸を出される。
残り50メートルのあたりでこっちの息が切れて魚に負けそうになってしまったけれど踏ん張り直してファイトします。

魚は弱ることを知らす、時折激しく首を振るようにガンガンと糸を引く。
その様子を見た中乗りのお兄さんが「サメかも」というので一気に気持ちが萎えて来た。「最後まで、魚を見るまでわかりませんよ」よ慰められて根性を入れ直し残り20メートルくらいでは竿を持つ右腕が突っ張って痛くなって来たのも我慢して何とか巻いて来ましたよ。

船べりに登場するのはサメか?と思ったら薄暗い海に見えて来たのはいいサイズのサットウ(アブラソコムツ)でありました。
船べりでリリースしたのでサイズも重さも正確にはわからなかったけれど、今年釣った魚の中では一番のファイトだったので、おそらく今月半ばに小笠原で釣ったカンパチやシマアジの10キロものよりははるかに大きかったに違いない。

自分の中では力を出し切った満足感と充実感でみたされ、いや、すでに体力を使い果たした感がありここで釣りをやめて残りの時間はカメラを持って釣ってる人の写真をとていた。

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                最後の最後まで諦めない、手を緩めない好敵手

左舷の前方で釣っていた同行の怪魚ハンターさんが大型のサメをかけてものすごいファイトをし怪魚ハンターの名をほしいままにしていたのがすごかった。

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Y店長もいいファイトの魚をかけたので、大型か!?と思わされたのですがまあまあサイズのスレだった。

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ロックンKさんは我らの中ではダントツのサイズをポイント移動後間も無くかけて、昆虫大好きさんのギンバルを借りて無事あげることができた。

と、結果的には大変面白い怪魚釣りとなり一同大いに満足をして船を降りたのでありました。

帰路、夜の11時過ぎ、国道沿いのラーメン屋さんでささやかなる反省会をし、一路横浜へと戻ったのでありました。
ちなみに、お土産のイカはまったく釣れなかったけれどもサットウの切り身を少しだけいただいてきたので、後日密かに食べてみようと思う次第であります。


釣りに関するお問い合わせはルアー・ショップEbb&Flow

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2017年9月21日 (木)

バラハタ三昧@華珍楼 横浜

釣り師をしていると釣った魚を食べるというのは日常的に行われるのでありますが、滅多に釣れないお魚をプロの料理人に調理していただいたものを食べるとなるとかなり非日常的なことになります。

今回は小笠原で釣れたバラハタというお魚、しかも超特大のお魚だったのでこの一匹をプロの料理人に委ねたなら一体どのような料理に仕上がるのであろうか、という一切おまかせ、何が出てきても文句を言わずに食べちゃいます、というものでした。

そもそも、このバラハタというお魚自体、沖縄地方でよく釣れる亜熱帯のハタなのですが、珊瑚の海にいるものはバラハタのエサとなる小魚などに蓄積されたサンゴのシガテラ毒という毒があるので流通できないお魚なのでありますが、サンゴの無い種子島に住むものや小笠原のものは問題なく食されているという訳ありの魚なのであります。

それにしても、小笠原のバラハタはすごかった。現地ではチギと呼ばれるこのお魚、通常は40cmもあればいいサイズなのですが、小笠原のサイズは桁が違う。

下の写真のように70cm近くありそうなのがバンバン釣れてしまう。元々味は美味しいお魚なので当然小笠原ではチギ料理がたくさんあり僕らの釣行時に泊まったペンションの夕食にも出てきました。

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             ヨッシーさんの釣り上げたバラハタ

以前、このバラハタと同じ亜熱帯の高級ハタであるアカジンを目隠しして食べ比べしたところバラハタに軍配があがるほど美味しいお魚なので釣れたからには持ち帰り食べない手はないのであります。

しかしながらこの大きなバラハタの入った発泡スチロールの蓋を我が家の台所で開いた時に、その大きさに圧倒され、たじろぎ、どう料理していいのか困ってしまった。

湯引きに煮付けくらいのアイディアはあるものの、このサイズ、半身ずつ二品の料理にしたら量も多すぎて飽きてしまうであろうということで、ここは一丁プロに任せようと、近所の中華料理屋さんである華珍楼さんのママさんとシェフに相談したら快く引き受けてくださった。

あまりの大きさにお二人も見た時は一瞬驚いていたが、すぐにこの部分はこんな料理で、と説明してくれたので、もう全部お任せしますからお願いします。と文字通りの丸投げしてしまったのでありました。

お魚おあずけた翌日夕刻、事前に声をかけてあったご近所の食いしん坊九名が華珍楼に集まりました。

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今日は何が出るの?と聞かれ、僕もわからないと返事をしたのですが、大半の方々は過去にもここでキジハタの中華蒸しを食して絶句した経験があるので、不安よりも期待にニコニコ顔でお料理が出るのを待ちました。

最初に登場したのは切り身の天ぷら、中華風

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衣をつけて揚げてあるのですが下味と頃にも何か少し味がついているような感じ。
これをトマトケチャップまたは藻塩をつけていただきます。

僕は迷わず藻塩に行きましたよ。
ビールを飲みながらならケチャプより藻塩でしょう。
一口かじってみれば部ある意味がプリプリで旨味がジワーッと染み出してくる。
衣のサクッとした食感と味のプリプリのコラボでのけぞりそうになるくらいお口の中は大変なことになってしまった。

一同、腹が減っていたのか、美味しいの連発をしながらテーブルが一回りしたら天ぷらは完食。

次に出てきたのは野菜との炒め物。

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これはあっさり味の味付けの炒め物なのですが、一度油通しをしてあるようでただ痛めたのとはちょっと食感が違う。
とてもタンンパクな魚の身と野菜の旨味がこれまた素敵なコラボで、先ほどの天ぷらと同じ魚とは思えない印象のお味。

これまた一同、美味しい美味しいといいながらテーブルが二周するかしないかで綺麗に片付いてしまった。

三品目は本日のメイン・イベントとも言える頭の部分の中華蒸し。

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ここのシェフはこの中華虫が得意料理だそうで、東京で働いて時代もこれをやらせたら何本かの指に入ったそうな。

たっぷりのネギは甘く魚から滲み出した旨味とタレとの絶妙のハーモニーに今回も一同絶句。細かく取り置いてはそこにタレをかけて食べるのですがブリブリの身にタレの旨味がたまらない。

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これはご飯がいいですよねえ、と誰かが言ったので白いご飯をいくつか注文してそこにこのタレをかけてお茶漬けにすれば、一口で天にも昇る気分。
ああ、生きていてよかった、と実感できる瞬間でございます。

一品一品の量が半端でないのでこの三品を食べた時点でほとんどの方がお腹いっぱい、といい出したところに四品目を持ってきたお店のママさんが「まだ三つありますよ」というので、一同「え〜!そんなに食べられない〜!」と声をあげたのありましたが・・・

さて、その四品目は甘酢餡かけ。

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これも何か秘伝の下ごしらえをしてあるらしく、身がフワフワの食感でこれまでとは全く違った食べ物の印象。甘酢とのバランスも抜群で箸が進んでしまいます。
同じ魚の切り身でこうもいろいろなバリエーションを作り出せるのだということに感動しつつ食べていけば、先ほど満腹宣言したはずの一同、どんどんお腹に入っていくじゃあありませんか。

そこに追い打ちをかけるように登場したのは五品目の高菜とバラハタの炒め物。

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これは唐辛子を効かせて辛く仕上げた一品で、ご飯にのせたら切りなく進んでしまう。またまた白いご飯を三つばかり注文して取り分ければみるみる胃袋に収まっていく。

先ほど皆さんが口に出した「お腹いっぱい」は嘘だったのか?「美味しいものは別腹」という声も飛び出しましたが、味付けや食感が違うお料理は甘いもののように別腹に収まってしまうから不思議であります。

「もう、今度こそお腹いっぱい。」「もういらない」という声がではじめた中、締めの中華スープが登場。

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西洋料理ではスープは最初に出てきて口を湿らせてくれますが中華では最後の締めがスープです。
分厚い大きな切り身の入った贅沢なスープは濃厚な出汁ながらも口の中をさっぱりさせてくれて、これまで食べたお料理のいろいろな味をを全部口の中から誘い出すように流してくれる。

気がついてみれば、あんなに「満腹!」を連発していたのにスープも綺麗に飲んじゃって、本当に美味しいものは別腹なんですね。

「デザート食べる人!?」と僕が聞いた時にはさすがに全員首を横に振りもう食べられません!という顔をしていたのでこの辺でおひらきということに。

とにかく、一匹のお料理をこれだけの種類、個性的な味と食感に料理してしまうシェフに感激し、また中華料理四千年の奥深さも感じたのでありました。

帰り際にはシェフも顔を出してくれて、一同お礼を言って解散。
とても贅沢なディナーになりました。

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2017年9月20日 (水)

小笠原母島沖でコーヒーを淹れてみた@Eno Cafe 小笠原 母島店

沖の釣り船の上で挽きたて自家焙煎コーヒーを淹れては船長を始め釣り師一同に無理やり飲ませるEno Cafe でありますが、今回は遠くまで出かけてきましたよ。と言っても都内なのですが、東京でこれほど遠いところはない。

なんたって芝浦の竹芝桟橋から船に揺られて丸一日二十四時間かけないと行くことのできない小笠原諸島の父島からさらに南に50キロ、東京都内で人の住んでる最南端である母島まで出かけてコーヒを淹れてまいりました。

もちろん釣りに行くついでにコーヒー用具一式持って、船の上でコーヒー豆をゴリゴリやってきたわけですが、今や私にとっては船の上でのEno Cafe の開店は釣りと同等の重要な、いわばライフワークとなりつつあります。

おそらくこのような間抜けな釣り師は日本には私くらいしかいないと想われるので、最近では船上コーヒー店の第一人者として日本のコーヒー史に名を残さんとすることまで企み始めた。否、ギネスに申請することもありなのではと思い始めるほど。まあ冗談にしろ、自家焙煎コーヒーを船の上で淹れて飲むことへの情熱は誰にも負けないと自負するのであります。

このような気概と情熱をもっと他のことに費やせばさぞや世の中の役に立つことと思われなくもないのでありますが、無駄なことに情熱を注ぐのが粋というものじゃあありませんか。違うか。

ともかくも、昨年、今回の小笠原遠征釣行が決定した時に私は小躍りして喜びましたよ。言い方は悪いが日本一の僻地、小笠原にまで出かけてコーヒーが淹れられるなんて!
何よりも他人のやらないところでコーヒーを淹れることを本分とするEno Cafe にとってこれ以上の場所はあろうか!なんという幸せ!

小笠原諸島の海域で豆を挽いてコーヒーを淹れるなんてひょっとしたらペリー提督の乗った黒船の船内レストラン(あるのか)以来の歴史的大事かもしれない。

ということで、普段に増して気合の入った今回、ご用意しましたコーヒー豆は三種。タンザニア、コロンビア・エスメラルダにペルー産のチャンチャマイヨであります。
タンザニアはいわゆるキリマンジャロと呼ばれている豆ですね。

酸味が特徴。このところ苦めの焙煎に凝っていたので今回はちょっと酸っぱめの豆をその酸味を生かしたミディアム・ローストにいたしました。
コクと苦味、酸味の素晴らしいエスメラルダはハイローストでコクを強調。
チャンチャマイヨは軽い酸味が特徴のコーヒー豆なのでありますが、今回はあえてその酸味をハイローストにすることで押さえてみました。果たしてどんな味になるやら。

豆も三種揃ったところで小笠原行きのおがさわら丸に乗ること二十四時間、当然乗船中に船上で朝を迎えるタイミングがあるわけであります。そうなればここでコーヒーを淹れない手はない。

早朝5時過ぎ。
自動販売機コーナーに併設されている給湯室のお湯を使ってコーヒーを淹れることにしました。まだ、朝も早いというのに意外と人が来ては出てゆきまた入ってくる、そんな給湯器の横でコーヒー豆をゴリゴリ挽いていたら物珍しいんでしょうねえ、けっこう声をかけられる。


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「本格的ですね」などとニヤニヤしながら声かけられるのにお答えしつつエスメラルダを淹れました。最後の人絞りのところでちょうど入って来た年配のご婦人がカップを手にしていたので、コーヒーはいかがですか?と声をかけたら、あら、ありがとう、というのでお裾分けしてみたりして旅ではこんな出会いもありというものです。給湯室の近くのベンチで待ち受ける我が釣り師同志のところまでコーヒーを運び朝のコーヒータイムです。

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まあ、正直言って二十四時間も船の上にいたらこんなことでもしないと間が持たない。それでも朝の美味しいコーヒーは一日の始まりをフレッシュにしてくれる、早朝から釣りもしないのに起きてみんなでコーヒー飲むだけなのになんだかいい日の始まる予感がするから不思議です。

てな訳で、行きのおがさわら丸の船上Eno Cafeを開店してその日の11時に船は小笠原父島に到着。母島から迎えに来てくれた第八日喜丸さんに乗り換えて、父島の滞在時間はほんの数分で島を離れ母島へ。そのまま母島周りで釣りをしてその日はおしまい。

翌日、いよいよ母島でのEno Cafe開店と意気込んで船に乗り、船長に早速お湯を沸かしてくれとお願いして、コーヒーをゴリゴリ。至福の時間が訪れるはずだったのに、なんとドリップのペーパーを持てくるのを忘れてしまった。なんたる失態。店主失格。先頭にお詫びしてお湯沸かしを中止していただきその日はおしまい。

釣行最後の三日目、今日こそは、とペーパーのチェックも怠らず満を辞して船に乗り込み、船が走り始めれば海はべた凪。ここでコーヒーを淹れない手はない。

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早速お湯を船長にお願いし豆をゴリゴリします。この日のチョイスはタンザニア。昨日の苦い失敗をコーヒーの酸っぱさでごまかそうという作戦です。

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朝日が水平線の彼方から上がるのを見ながらコーヒー豆をゴリゴリしてみれば気分は恍惚となり、もう何も怖いものなどない、デカイのつるぞ!とどんどん気持ちが大きくなってゆくじゃあありませんか。


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スプーンでコーヒーの粉を混ぜ混ぜするいつものEno Cafe方式で入魂のコーヒーを淹れます。船の上だからといって面倒なことも手を抜くことは一切しないのがEno Cafe流でもあります。

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気持ちのこもったコーヒーをみなさんに配れば、もうすでに達成感に満ち溢れてくるから不思議なもの。

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そこへ持ってきてお世辞でもなんでも「うまい」と言ってくださるその一言からいただく充実感。ああ、とうとう私もここまで来たのだ!というさらなる達成感。

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船長の話では自分の助手時代も含めて船の上でコーヒー豆を挽いて淹れたのは初めて見た!という嬉しいお言葉。やはりペリー提督の黒船以来となるのか?

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酸味のきいたコーヒーをチビチビやりながらの話題は今日の釣果への期待が満ち溢れている。そう!こういうポジティブさを呼び起こしてくれる力がコーヒーにはあると信じておるのであります。

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近代日本の夜明け前、日本に向かうペリー提督も見たかもしれない小笠原沖での朝日と同じ太陽を見ながら歴史に思いを馳せつつ挽きたて、入れたてのコーヒーを飲む。なんと位贅沢でしょう。

おそらくどんな高級コーヒーショップの一杯よりも美味しく感じるはず。
実際の味だってそこそこ自信を持っておりますよ。何しろEno Cafe体験者の多くの方々から他のコーヒーが飲めなくなった、と言う声をいただいていますので。

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これでも、小笠原の海の上、早朝飲むならこのテイスト、などとコーヒー焙煎時から飲む状況を考えてローストの具合を決めて味を調整したりと見えないところで努力もしているんですから。
Eno Cafe を始めて一年と四ヶ月、日頃の努力が実を結び、支持してくださる釣り師の皆さんも増えてまいりまして、ご支援も賜るようになれました。


何かこの小笠原母島での開店はEno Cafeにとって何か大きなターニングポイントになるような予感すら覚えるほどの充実感。これからも誰に何を言われようともEno Cafeを続けていく所存でございます。


釣り船の上でコーヒーを挽いてる親父を見かけたら是非声をかけてください。喜んで渾身のコーヒーを提供させていただきます。もちろん、お金なんていただきませんよ。面白いからやっているだけですので。

あ、それから、帰りのおがさわら丸でも早朝Eno Cafeをやりましたよ。
お隣に座っていらした方に少しおすそ分けしたことから話はコーヒーから小笠原での旅の話へと広がり楽しいひと時を過ごせたのでありました。


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2017年9月19日 (火)

小笠原母島遠征釣行 その六

小笠原母島遠征釣行三日目。
この日も朝5時出船。最終日は深場の大物カンパチとホウキハタを狙おうということになり船は南に走った。

昨日ドリップ用ペーパーを忘れてEno Cafe ができないという失態を犯した僕はこの日は抜かりなく準備万端。朝日の昇る前から船上でコーヒー豆をゴリゴリやってみんなにコーヒーを振る舞いましたよ。一同、コーヒーを飲みながら今日一日の作戦を話し合ったりしている。船長さんも喜んでくれてよかった。


やがて東の海に日が昇り最終日一日しゃくりまくるぞ!とテンションは上がるし気合が入る。

朝一は水深100mくらいから始めた。
使うジグは重めということでスキルガンマの280g。
魚探には反応が写っているにもかかわらずアタリが全くない。

小移動しながら海底の起伏のあるところを流していくのでありますが、反応に反してどうもアタらない。潮が悪いのか?ジグがあっていないのか?

そんな中最も南に位置するポイントでY店長がカンパチをキャッチ。

魚はいるのだ。何かが合っていないだけなのだがその何かがわからない。

次のポイントでは僕は何か網か何か動くものに根掛かりしてしまい、外すのに随分と長い時間を使ってしまいみなさんに迷惑をかけてしまった。

リールを巻くと糸が巻けるし船で引っ張っても糸は切れずに根がかった何かが動いてくる様子。最後はぽろっと外れてことなきを得たのでありますが、糸は伸びきってしまったので大きい魚がかかったら切れる可能性が高いので別のリールを使った方が良いと店長からアドバイスを受ける。

日もだいぶ高くなった九時前に根魚王が釣り上げたカンパチに店長はこの日の攻略のヒントをつかんだようだ。

 

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さあこれからだぞ、というところだったのに、この辺りからさらにアタリは遠のき海は沈黙してしまった。
船は母島のカンパチの大物有名ポイントを次々に移動しながら攻めたのだがことごとく釣れない。魚影も薄かった。

そんな中、朝、僕が根掛かりをしたポイントに入った他船から無線が入りカンパチしか釣れない!入れ食いだ!という。なんとも皮肉な話だ。自然相手にはこんなこともある。運も必要なのであります。


一同がちょっと気落ちしている中で根魚王が狙い通りに高級魚のホウキハタ釣る。
ホウキハタは水深100mくらいの深場にいるのを知っていて狙いすまして仕留めるところはさすがであります。

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根魚王によればハタ類で美味しい順番は、クエ、アコウ、ホウキハタ、だそうで銅メダルのいいサイズを釣り上げてまた一つ目標を達成したようだ。

ホウキハタ以外にもポツリポツリではあるけれど根魚王はカンパチを釣り上げていきます。

根魚王がコンスタントにカンパチをかけていたのを見て、長さの短いシルバー系のジグがいいのでは?とY店長は考えた。
それまで使っていたシルエットの長いスキル・ガンマ280gから少し短めのアンチョビット・シャープ300gプロトにしたらすぐに立て続けに二本あげてしまった。

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やはり短めのシルエットがいいのか?

そんな様子を見て僕がKYだ、と冗談を飛ばしたら店長はプロトの300gを貸してくれるというので遠慮なく使わせていただいたところ、すぐにカンパチとホウキハタの大物を釣ってしまった。ホウキハタはなかなかのサイズで高級魚のキャッチに顔もほころぶ。

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次はジギング王に貸すからと言われてプロトを取り上げられてしまった僕は、スロー系のショートジグに変えてみたところカンパチを一匹追加することができた。

さらにホウキハタらしき匹のいいサイズをバラす。


短めのシルバーが良い、というのを実証するかのような流れの中で根魚王はまたまたいいサイズのカンパチをキャッチ。店長の言うように短めのジグが良かったのかもしれない。

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その後この島一番のカンパチポイントという場所に行くも撃沈。さらに朝一の根掛かりポイントにも戻って見たがすでにカンパチの群れはいなくなってしまったようでこちらも撃沈。

30度を越す暑さの中で一同流石に疲れも見えてきた。
僕は竿のグリップがしゃくった時に脇の下に当たるところが三日間のしゃくり詰めでヒリヒリと痛くなり始めてしまい、グリップの太い竿で釣るのが嫌になってしまった。

左手で竿を持つスロージグを使っての釣りは左手首が腱鞘炎で痛んでいたために二匹かけたところでやめて、仕方なく朝一の根掛かりタックルで釣ることにしたのであります。


午後二時半を過ぎて、そろそろ午後の高活性タイムの始まりか?という時間が到来しようとする時間に、「待ってました」とばかりに根魚王がアカハタモドキを釣り上げた。
使っていたのはこれまた短めのプロセレのプロトジグ、ゴビアスアンセスター300g。

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その後もこのプロトで何匹かかけていたのを横目で見ながら、僕の方はちょっと長めだけれど潮のゆるい時に有効なアンチョビット・シャープの180gでアカハタモドキをキャッチ。

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根魚王の勢いは止まるところを知らずまたまたカンパチをヒットする。

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その後もポツリポツリと釣れるもののどうも今ひとつなので船長は大きく移動を決意した。
30分ほど走って入ったポイントでジギング王と根魚王の王様ダブルヒット。
それぞれ狙い通りにカンパチとアカハタモドキを釣り分けるところはさすがであります。

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しかしながらどうも型が狙っているサイズじゃなあない。
もっと大物のいるポイントをと島を回り込んで移動したポイントに入った時にはすでに午後五時を過ぎていた。

水深150mと聞き一同重めのジグを使って早く沈めていたのでありますが、船長が「潮がゆるい」と一言言ったのを耳にした僕はあえてこのポイントには軽いけれど潮の緩い時に有効なアンチョビット・シャープ180gを選んで投入。

なかなか底が取れないので隣を見ていると、ミヨシで重いジグを使い早くもしゃくり初めていた店長が、「あ、アタッた!、バレた!あ、またアタッた!」と言っている。

魚はいるぞ、なんとバイトしてくれ!とやっと着底したのでしゃくり始めたら、底から数しゃくり目でドン!という久しぶりの衝撃。

根ズレ、という言葉が頭をよぎり最初は少し強引に巻いたものの、底を切りきったところからはギンバルを使わずに丁寧にファイトすることにした。なぜならこのタックル朝の根掛かりタックルなのでありました。強引に引っ張ったら簡単に切れそうな気がしてドラグも反射的に緩めてファイトを続けると、隣のヨッシーさんもヒット、さらにその奥の根魚王にもヒットしている。

魚の活性は高くなっている様子。
でも今はとにかく目の前のファイト中の魚に集中して上げようと、ビデオカメラを回して僕にチャチャを入れてくるY店長の攻撃をかわしつつ糸を巻いてくるとリーダーに入り魚が見えてきた。

なんだろう?カンパチじゃない?と思った途端ビデオを撮っていた店長が「おおお!!!シマアジだ!シマアジ〜!!!」と大声をあげて興奮をしている。

初めて見るシマアジにこれがシマアジ?カッポレみたいだけど違うの?とシロート丸出しの僕はキョトンとしていたが、周りは大騒ぎ。

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シマアジの口を見たら針のかかっていたところが大きな穴になっている、もう少し強引にやっていたら、あるいはポンピングして糸を緩めていたら外れていたかもしれない、と思うと朝の根掛かりがいい方向に作用して釣り上げることができた一匹なんだとしみじみ運命のようなものを感じたのでありました。

船上ではシマアジ、シマアジとみんな呪文のように口にしている。
写真を撮って次、最後の流し、ということになると一同頭の中はシマアジしか無くなってしまったようで、根魚をヒットさせた根魚王も「シマアジきたー!」と叫んでいる。

僕も欲を出してもう一匹!と最後の力を振り絞ってしゃくって見たものの、シマアジはおろか何もヒットすることなく三日間の釣行は終了したのでありました。

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最後の最後で大逆転のシマアジ、翌日港で測ると10キロもあったのでびっくり。6〜7キロかと思っていたのに。
なんだかんだ言ってお天気も釣りも運とツキだけで押し切ってしまった釣行となりましたが、僕としてはシロートの釣りなんてこんなもんだろ、と思うところなのであります。

三日間を振り返ってみれば全体に渋かったとはいえたくさんの魚に会うことができたし、良き船長にも出会えてとても良かった。「旅とは出会いである」と日頃から思っている僕にとっては良き出会いの良き遠征釣行となったのでありました。



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2017年9月18日 (月)

小笠原母島遠征釣行 その五

小笠原遠征釣行二日目の午後、一時を回ったところでY店長がまたまたカンパチをヒットさせて午後の部のスタートを切ります。サイズ的には満足いかないらしく水中でリリースしてすぐ次のポイントへ。

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その後は後が続かず船の上は午後のマッタリとしたひと時的な雰囲気が流れていたのでありますが、二時を回ったら潮が動き出したのか魚の活性が急に上がり始めます。

まずは驚異の集中力で底をジグを這わせるように探っていた根魚王にカンパチがヒット。
「カンパチは根魚」と根魚王が言うようにカンパチは底付近でのバイトが多く、この日に限らず底を攻める根魚王はたくさんのカンパチをヒットさせておりました。

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根魚王に続いてすぐにヨッシーさんにもカンパチがヒット。

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それまでお昼に飲んだビールでいい気分になっていた僕は人の釣りをのんびり眺めたり風景の写真を撮ったりしていたのですが、この連続ヒットで急にやる気が蘇った。

しゃくり初めて間も無くヨッシーさんと仲良くダブルヒット。
小さいながらもこの一匹で酔いも吹っ飛びやる気全開になります。

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少し移動したポイントではY店長がまたまたヒット。
カンパチをあげて絶好調。

この辺りのポイントは反応が今ひとつということで少し船を走らせて移動することになりました。
午後三時を回り太陽も真上から少し傾き始めてぼちぼち夕まずめの入り口か、という時間帯。この時間に合わせて船長はいいポイントを探し出し船を流してくれます。

流し始めるとすぐに根魚王にバラハタがヒット。

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ほぼ同時に僕にはカンパチがヒット。
これもサイズ的には大したものではなかったのですが、カンパチがジグに食いつく前にフワフワとジグか糸を触るような感触があったので、ジグを瞬間的に止めてフォールさせたらガツンときたので、自分で狙って釣ったという満足感の得られた一匹であり大変嬉しいものとなりました。

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船長はポイントをどんどん移動していきます。
ここの海は粘って同じと場所を長くやってもあまりいい結果が出ないそうで、ポイントも豊富なことからこのようにラン&ガン的に移動しては打つ、というのを繰り返していきました。

移動後最初に釣ったのはまたまた根魚王。
釣れたのはバラハタ、このバラハタはでかかった。

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バラハタは沖縄ではシガテラ毒があるというので流通の制限などがあるようですが、ここ小笠原のバラハタが食べている餌の違いで種子島同様食べられるバラハタで、現地では「チギ」という名前で親しまれている魚です。以前アカジンとバラハタの食べ比べをしたことがありますが、バラハタの方が美味しかった。今回は宿でもバラハタの揚げ物が出てきて僕らの舌を楽しませてくれました。ある意味バラハタは小笠原を代表する魚なのかもしれません。

さて根魚王に並び絶好調のヨッシーさんも続いてカンパチをヒット。
リリース後ポイントを移動します。

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太陽がだいぶ傾いてきていよいよ夕まずめの爆釣か、と思われたのですが昨日のように流せば誰かがヒットさせる、というほどには釣れず、少々忍耐の釣りになりました。

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午後四時半を回ったあたりで僕にヒット。
カンパチかな?と思ったもののなんとなく引き方が違う。
なんだろう?とワクワクしながら糸を巻いてきたら何やら黒っぽい魚がついている。
形はカスミアジやGTのようなアジ科の魚の形なのにこんな黒いのは初めて見た。

船長から「クロオニヒラアジ」ですよ。と教えていただき、なるほど以前沖縄で釣ったオニヒラアジ(カッポレ)に形はそっくりだ、でも真っ黒。こんな魚もいるんだなあ、と感心しつつ、朝一のカスミアジといいこのクロオニヒラアジといいなんだかアジ科の魚に好かれているなあと思うのでありました。この時はまだ他のアジ科の魚を釣ろうとは思いもしなかったのでありますが。

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クロオニヒラアジを釣ってちょっぴり満足して休憩していたらジギング王にヒット。
いかにもカンパチらしい弾き方をしていたのですが、突然グン!と竿が大きくしなり重くなったかに見えたら次の瞬間、今度はする、っと軽くなった感じで糸を巻き始めた。

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何が起こったのだろうか?とビデオを回しながら見ていたら、上がってきたのはカンパチの頭だけ。
サメにやられてしまったようです。頭だけ残してバクバクとカンパチに噛み付くサメの姿を想像しただけで恐ろしくなってしまうのですが、サメが針に掛からなかっただけでも運が良かったと言うべきか。

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サメがいては釣りにならないと船は少し走ってこの日最後のポイントに。
今日ももう終わり、と最後の力を振り絞って竿をしゃくり続けるのですがなかなか魚からの反応はありません。

太陽が西の海に沈みかけた五時半頃、隣で釣っていたヨッシーさんにヒット。次の瞬間ドラグが鳴り糸がどんどん引き出されていく。
糸を巻こうとしても魚の力が強いようで一向に巻けない。
このポイント根があるので、そこに魚が潜り込んだら一発で終わってしまうのでヨッシーさんも必死に魚の走りに耐え、隙を見て糸を巻いていく。
一進一退の攻防がしばらく続くと、どうやら根ズレの心配はないところまで魚は浮いてきたようなのですが、竿は満月にしなり魚の大きさを物語っていた。

ようやく魚が見えてきたら、僕は思わず「でかい!」と声を上げてしまった。
甲板に引き上げられると10キロはゆうに、いや15キロはあるだろう、もっとあるかもしれないと思うほどお腹のでっぷりした太いカンパチでした。

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ヨッシーさんも思わず「やったーっ!」と声を上げます。10キロ以上のカンパチは彼の自己記録更新でした。喜びと熱気に包まれながらも日没となりこの日の釣りは終了です。

母島に向かって走る船の上から見る真っ赤に染まる西の空は明日も好天になることを知らせてくれていました。

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三日間続けて晴天で海は凪、これだけでもとても幸運なことなのに、超ビッグサイズこそ出ないものの、そこそこ魚は釣れました。
ここの記事であげていない魚も多数ありました。
豊かな自然に感謝しつつ、明日こそは大物を!と思いながらも二日間の釣りですっかり疲労し重くなった体を引きずるように宿に向かう階段を上っていったのでありました。

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2017年9月17日 (日)

小笠原母島遠征釣行 その四

小笠原母島遠征釣行二日目。
早朝五時、港に集合し出発。南に船を走らせます。
二日目は母島の南側に点在する姉島、妹島、姪島などの周辺の水深50mから100mくらいのところを中心にカンパチと根魚を中心に狙うことになりました。


姉、妹、姪と母島を中心に女系の島で構成されているのに対し、父島周辺は兄島、弟島と男で構成されているところが面白い。
島周辺の水面にはもやが立ち幻想的な景色が広がる。

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船の上から、あれは何島?姉島?妹島?妾島とかはないの?なんだかそんなの有ったら
釣れそうだけれど、こんな話したら島の人に叱られそうだな、などとバチ当たりなな冗談を言いながら最初のポイントに向かったのでありました。


海は今日も凪。昨日少しあったうねりも取れて穏やかな海が広がっています。三日前くらいの天気予報では雨マークも付いていたのになんという天気運の良さ。

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ポイントまで30〜40分走る、というのでEnoCafeをやろうと船長にお湯を頼んで支度を始めたら、ドリップのペーパーを宿に忘れてきたことに気づき即中止。なんだか朝っぱらからせっかく上がりきっていたテンションが下がってしまった。


しかし最初のポイントに入りジグを投入したら間も無くヒット!
まずは根魚王がアカハタをヒット、ほぼ同時に僕にもカンパチらしき魚がヒット。
ファイト中の僕の前で根魚王のアカハタちゃんの写真を撮ったりして朝から楽しい。

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僕にヒットしたのはやはりカンパチで、なかなかの引きを楽しませてくれました。
ちょうど食べ頃サイズなのでキープ。コーヒーで下がったテンションもこれですっかり取り戻して気分も上々。

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次の流しでまたまたダブルヒット!
今度は僕がアカハタで根魚王は巨大バラハタ。

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さらに次の流しではシロブチハタを釣り上げ根魚王絶好調。
根魚三連発で王様の名前を欲しいままにしておりました。

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少し移動で走った次のポイントではヨッシーさんにヒット。
グイグイ引き込むがカンパチではなさそう。
かなり竿が曲がっているのでいいサイズの魚が予想されたのですが、上がってきてみればなんと巨大なバラハタ。ここの海域のバラハタのサイズは他とは一銭も二線も画している。3キロ4キロは当たり前、6キロクラスも上がってくる。

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ヨッシーさんのバラハタを横目で見ながらしゃくっていたら、底から二、三しゃくりしたところで僕にもゴン!とヒット!
グイグイ引き込むのでいいサイズのカンパチかな?ときたい大きくファイトしてあげて見たらなんだか見えてきた魚の形が平べったい。
なんだろう?とあげて見たらなんといいサイズのカスミアジじゃあありませんか。

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エノさん、カスミアジに縁がありますねえ。とY店長に言われたので過去の釣行を振り返れば、確かにキャスティングで三匹、ジギングでもこれで二匹目と縁がある。別に狙っているわけではないのだけれど、そんな腕もないし、なぜか釣れちゃうんですよ。コバルト色の斑点が美しいこの魚は大好きなので釣れると嬉しいし何かいいことがある予感さえしてしまう。

この日何故かアタリが少なく苦しんでいたようにも見えていたジギング王にもようやくヒット。かなりの大物のようで竿は大きくしなり全身でファイトしている。
しかしながら、この魚は惜しくもバレてしまったようでジギング王もがっかり。

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小移動をして入ったポイントではいきなりY店長、ヨッシーさん、僕のトリプルヒット。上がってきたのは大小のバラハタ。Y店長の魚も手にした僕はバスプロの優勝ポーズのように両手持ちしてハイポーズ。

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根魚王も黙っちゃいない。南大東島で初めて釣ったというアカハタモドキをキャッチ。この魚アカハタよりも食べると美味しいそうなので、モドキ、と付けるのはかわいそうなどと話しながら釣りをします。

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九時を回ったらアタリが減り始めたので船長は当たらないポイントはどんどん移動し新しいポイントへ入り直していきます。それだけポイントが豊富なのもこの海域の特徴のようです。

今日は朝から運のなかったジギング王もようやく魚をキャッチしますが、王様の狙う大型青物とは程遠いヒメダイちゃんにクールなジギング王も苦笑。

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十時を過ぎたらアタリが遠のいてきた上に太陽が厳しく照りつけ暑さも厳しくなってきた。釣りにも少し疲れた僕は少し休もうとビールを飲んで他の方々が釣る魚の写真でも取ろうということにしました。

入れ替わるように、ここまでは写真撮影に追われて満足に釣りができなかった店長が本気を発揮します。

まずはカンパチをヨッシーさんとダブルヒット。
食べ頃サイズのカンパチちゃんでした。

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さらに今度はもう少し言い方のカンパチをヒット。
やはりこの方本気で釣りを始めるとうまい。

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他の人はあまり当たらなくなってきている中で次々とカンパチやバラハタを釣り上げているのを見たヨッシーさんから店長KYですねえ、とポツリと言われた。
確かに空気読めてないよなあ、引率の方がこんなに次々と一人で釣り上げちゃあなあ、あ、でも店長のイニシャルってKYじゃん!と気づいた酔っ払いの僕が今度からブログに書くときにはKY店長って書こうかなあ、とからかいながら船は姉島周辺を流して行ったのでありました。

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姉島の奇妙な地形を見つつ、青い海、青い空に囲まれビールの葉が心地よく体に回りながら午前の釣りは終わろうとしていました。
このあと少し走るから、というタイミングで一同はお弁当を食べ腹ごしらえをし、午後の釣りに向かい気持ちの立て直しを図っていったのでありました。

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2017年9月16日 (土)

小笠原 母島遠征釣行 その三

初日は午後から半日の釣りとなった小笠原母島遠征釣行はいきなり入れ食いでパラダイスとなったのでありました。


トリプル・ヒットでは三人それぞれ異なる魚種が釣れるところが魚種の豊かさを物語っている。
根魚王には美しいウメイロモドキが。

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僕のカンパチはステイ6キロくらいのちょうど食べ頃サイズのおいしそうな魚だったのに水中でサメに先に囓られてしまった。サメはどこの海に行ってもこの様に釣られて身動きの不自由になった魚を狙って襲うのですが、小笠原の海も例外ではないようでした。

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ヨッシーさんにはヒメダイというお魚。
この魚は小笠原で初めて見たのだけれども、後日ペンションの食卓に上がったフライはなかなかの美味なものでした。

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魚は濃いのだけれどサメもいるということで、ここのポイントを少し移動して釣り始めると、またまたトリプル・ヒット!

今度は根魚王に大きなアカハタ。

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ヨッシーさんにはカンパチ。

カンパチはヒットするとよく引いてファイトする魚のでこのくらいの魚でもファイト中は6キロくらいあるのではないかと思わさられるものであります。
これがさらに10キロを越すとなるとそのファイトは強烈で、走る、突っ込む、首を振るとあらゆる手段で釣り師に挑み、最後の最後、もう大丈夫だろうと油断した頃に再び突然日こむこともあり、釣り師にとっては釣りごたえのある良きファイターなのですね。

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ジギング王はなんと根魚であるバラハタ、しかも巨大なサイズを釣り上げた。

どうも前回の仙台釣行での巨大アイナメといい、このバラハタといい最近のジギング王は根魚に好かれているご様子。
ご本人は巨大青物にしか興味がないようなのでこのサイズの魚にも笑み一つ浮かべないクールなジギング王なのでした。

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ジギング王のバラハタの後、ヒットが途絶えたのですぐに移動。
今度は船を走らせ大きく移動しました。

今回の船長は比較的ポイントの見切りが早く、何匹か釣れるとすぐに次に移動し粘るということをしないタイプでした。それはそれだけポイントが豊富だということの証でもあり、よほどの豊かな海でないとこういう釣り方はできないと感じさせられたのであります。

移動すると一投目で根魚王がアカハタモドキを釣り上げます。
この魚、南大東島にもいるお魚で、アカハタに似ているけれどもヒレの色など微妙に異なるのでした。根魚王の話ではアカハタよりも美味だとか。釣り上げる顔も緩むわけであります。

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一方、絶好調のヨッシーさんはまたまたカンパチをキャッチ。
本当に一流しすると必ず誰かの竿が曲がるという夢のような釣りが続くのでありました。

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日もだいぶ低く落ちてきてもうそろそろ今日の釣りは終わりかなという頃。
移動したポイントでしゃくっていた僕にアタリがありました。しかしドン!と何かがアタッた 瞬間フワッと軽くなってしまった。

あらら、またまたカマスサワラかなと糸を巻き上げると最初と同じように鋭い刃物で切られたように見事な切り口でリーダーが切れている。

ここまでのヒット・ルアーだったスキル・ガンマ280gのシルバー・グローを失い仕方ないので同じスキル・ガンマ280gの似たような色で手持ちだったシルバーを選択。糸を結びなおしていると、先ほどまで写真撮影に必死だったY店長がマジで釣りをしている後ろ姿が見えた。

糸を縛りおえて店長の方をチラ見すると何やら魚がかかったようでファイトしている。そのファイトの様子を見ると、ドラグが音を立てて糸を引き出している。どうやら大物らしい。

魚がいるとわかったら自分も釣りたいので新しく結んだジグを投入すると、底から10メートルくらいしゃくってきたところでヒット。瞬間的にすごい力で引き込まれ、思わずデカイ!と思った瞬間、再びフッと軽くなってしまい先ほど同様に糸を切られてしまった。

二度連続で糸を切られ少々意気消沈してしまったので店長のファイトを見ることにした。
大物らしき魚は右に左に下にと引き込むのを巧みに体を使いいなしている。
ギンバル(ファイティング・ベルト)もあえて使わずに竿を脇に挟んで丁寧にファイトする姿は店長のいつもの姿で、こういうファイトをしている時に上がってくる魚は往々にして大物のことが多い。

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魚はなかなかファイトの手を緩めず闘い続けている。巻いたかと思うとそのぶん糸を引き出されるような攻防が続く。
巧みな竿さばきでようやく魚が見えてきた、魚を見た瞬間僕は思わず「デカイ!」と叫んでしまった。魚は大きなイソマグロだった。最後までファイトを続けるその闘いぶりも見事だった。

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ようやく船に引き上げられた魚を見て20キロはあるか?と思い声にしたら、「いやあ、そこまではないでしょう」と店長の謙虚なお言葉。
ルアーのフックはイソマグロの下顎を捉えて突き刺さっていた。この魚の歯はカミソリのように鋭く切れそれもワニのように口いっぱい並んで生えている。
僕の糸を切ったのもこれだな、と思った。

しかし糸を切られてしまう自分と見事に顎にかけてあげてしまう店長との腕の差に、まだまだダメだなあと思い知らされたのでありました。

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写真を撮るので持ち上げようとした店長、思わず「重い!」と一言発する。
持ち上げられないのである。それでも一度持ち上げた店長、「これ結構重いですね、20キロくらいあるかも」と僕の目測と同じ重さを口にした。
一旦は座って横に持ち上げようとしたのを断念して縦に尻尾を掴んだ状態で写真をパチリ。

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イソマグロはこのイカツイ風体の割には一度船にあげると弱るのが早い魚なので素早く写真をとリリースしたのでした。

おそらくこのサイズのイソマグロの群れが僕らの船の周りにいたと思うと、自分の糸を切ったのもこのサイズだったのだろうか、などと思うと糸を切られて終わってしまった自分が不甲斐ないやら悔しいやらで、半日の爆釣で浮かれていた心にパンチを食らわされたような気分でこの日、母島初日の釣りは終わったのでした。

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2017年9月15日 (金)

小笠原母島遠征釣行 その二

父島で釣り船に乗り換えておよそ2時間弱走ります。
三日前の天気予報では、この日の天気は曇り時々雨だったのですが、秋雨前線の南下は小笠原諸島にまで至らなかったようで空は快晴。海は軽いウネリはあるものの凪の海でした。

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今回の小笠原でのターゲットは、一番が巨大カンパチにイソマグロ。根魚的には幻の魚ツチホゼリやホウキハタなどの高級魚。さらには銀座でお寿司にしたら一巻でいくら取られるかわからないという高級魚のシマアジあたりでありました。

イソマグロは100キロくらいの化け物もいるらしいし、カンパチも30キロくらいのが上がるらしい。

そんな話を走る船の上ですれば期待ばかりが膨らむというもの。
東京から母島までは27時間近い時間を要するので釣り人は少なく魚が濃いのは容易に想像できるのでありました。

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船は母島の沖で速度を緩めました。

母島の西側沖から釣りを始めました。水深はおよそ100メートル。

母島での釣り、第一投目というものは期待に胸が膨らむものですが、何が起こるかわからないぞ!なんでも来い!と勇ましくジグを投入。
ジグは波紋を立てるとひらひらと木の葉が舞うように水中に消えていくのがしばらく見えます。水の透明度が高いのです。
ジグが見えなくなると今度は出ていく糸の色を見ながら何メートル糸が出ているのかを見ていきながら期待はどんどん膨れ上がりワクワクしながら頭の中で何メートル糸が出たのかを数えていた。ところが50メートルほど糸が出たところでジグが落ちなくなってしまった。

この異変にすぐに気づき糸を巻き始めると手元に重さが伝わり魚の感触。なんとしょっぱなから、しかも糸が落ちきる前に魚が食いついてきた。すかさずファイト体制に入り糸を巻き始めると、数回巻いたところでフッと軽くなってしまった。「あれえ、バレちゃったかな」と糸を巻くとジグの重さも感じられないじゃあないですか。糸を巻き切ってみると、糸の先は鋭利な刃物で切られたようにスパッと切れており、その周りには一つも傷がないことからナイフのような鋭い刃を持つカマスサワラあたりに切られたらしい。
やられた、いきなり最初の一投でライン・ブレイク。なんと不吉な。

しかし魚はいる、すぐに別の竿に持ち替えてジグを落とす。
今度は海底までしっかり落ち何度がしゃくったものの魚の反応はなく、船長から「あげてください」と指示が出たので糸を巻き取ります。糸を50メートルほど巻いてきたところでいきなりドン!という感触が手に伝わり竿がしなる。かかった魚は走りリールのドラグも時折ならす。

キハダマグロの子供かな?などと先ほどのライン・ブレイク地獄から一転してファイト天国に変わり気分良くファイトにはいれば、魚もなかなかいい感じで闘ってくれて釣り師を楽しませてくれる。
やがて糸は残り数メートルになると透明な海の深い青の中にキラリと魚体が見えてくる。この一緒んがたまらない。さあ、何がかかっているのか?キハダかそれとも他の魚か?
一瞬キハダマグロに見えたけれどどうも色が違うし胸ビレも短い。
船に引き上げようと構えていた船長の「スマですね」という声に驚いた。こんなに思いスマガツオは釣ったことがない。あげてみれば5キロはありそうな丸々と太った魚体。今年七月の長崎のステイタス釣行時にY店長が大きなスマガツオを釣り上げ驚いたがさらにうわまるのではないかという大きさ。ううむ、さすが小笠原母島、どうやらスケールが違うらしい。

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少しポイントを移動して投入すると今度はジギング王にヒット。
竿の曲がり方、特有のファイトからしてこれはカンパチに違いない。しかもサイズは良さそうだ。早くも本命キャッチか!と見ていると10キロクラスの丸々太ったカンパチが上がってきた。


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ジギング王のヒットにお祭りを避けるために船長からの「あげて」の声に糸を巻き巻していたら僕にもまたまたひったくるようなヒット!今度も先ほどくらい、いやそれ以上によく引く。

どうやらスマガツオではないようだ。釣り始めていきなり三連続ヒットにニヤニヤしながら糸を巻き上げてくれば、今度はやはり5~6キロクラスのキハダマグロの子供キメジでした。すぐにリリースしてポイントを移動。船長はどうやら僕らが狙うカンパチはいないと判断した模様なのでありました。

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少し走ってポイントを変えて投入すると、船の後方で釣っていた根魚王にヒット。
根魚にしてはグイグイよく引くと思いながら見ていたらカンパチが上がってきた。
船長がカンパチのポイントを的確に狙ってくれている証拠だ。
それにしてもポイントを変えるたびに次々と魚が釣れるなんてまるで夢のような海なのであります。


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ここ母島ではポイントに入って最初の一投で魚の反応がないと大体ダメで、釣れても二流し目以降はあまり釣れることがないというので、次々とポイントを移動して釣っていきます。

次のポイントは船長によれば通称カンパチ山と呼ばれている小さな岬のような山の沖で、名前を聞いただけでテンションが上がってくる。水深は急に崖が立ち上がるように浅くなっている場所なので、かけた後に糸をそこの根にこすって切られないよう、大胆かつ慎重にファイトしなければならない。

ここでも一投目で誰かにヒット。
おお!さすがカンパチ山の名に恥じない、なんて思いながらしゃくっていたら僕の竿にもガツンと強い衝撃。

根ズレしないよう一気に巻こうとするものの敵もさるものジリジリとドラグを鳴らし海に引き込もうとする。最初の20メートルくらいが根ズレとの勝負所、ここをなんとかクリアすればと魚の引きに耐えながら糸を巻くとドラグが鳴り巻いたぶんだけまた糸を出される。

腕は伸びっぱなしで手前に引き込めないほどの強い力になんとか踏ん張って少しずつ糸を巻いて行くとなんとか最初の根ズレは乗り切れました。
そこからもしばらく一進一退の攻防が続きつつものこりすメートルまで巻いてくると魚の姿が見えてくる。デカイ!と思った。先ほどのカンパチよりはるかに大きい。あげてみると10キロクラスの堂々たる風格のあるカンパチ。

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さらに次のポイントでは三人同時にヒット。トリプル・ヒットです。

カメラマンのY店長は釣りをしているどころではない。船の上を前に後ろに走り回りながら次々と釣れる様子をカメラに収めている。

 

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釣行初日の小一時間でこんなのが釣れちゃうなんて、なんというフィールドなのだ。さすが世界世界自然遺産と驚かされるばかり、魚の濃さが桁外れに違うのでありました。はるばる24時間船に揺られてきただけの価値のあるパラダイスなのでありました。

まだまだ初日の釣りは激しくつづく・・・

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2017年9月14日 (木)

小笠原母島遠征釣行 その一

2017年9月8日 午後、僕は小笠原父島に向かうおがさわら丸の上におりました。
例によって釣り旅であります。釣りバカも高じてとうとう世界自然遺産の小笠原諸島の母島まで釣りに出かけることになったのであります。

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小笠原諸島は東京都でありながら東京都心から1000キロあまりも南にあり、ここに行くにはおがさわら丸という船で24時間揺られる以外一切の交通手段がない。
飛行機でもいけなければ東京以外からの航路も存在しないので、とにかく小笠原に行きたければこの船に24時間揺られるしかないのであります。しかも、この船は週に1往復しかしていていないので、一度小笠原に行ったら4~5日は帰ることもできないという、おそらく日本国内で最もアクセスの悪い場所なのではないのかと思うわけです。いや国内に関わらず、今時は南米ブラジルあたりにだって飛行機を乗り継げば1日で行けちゃったりするわけで、時間的精神的距離はかなりのものでハードルの高い旅行と言えるでしょう。

一昨年にこの釣りツアーが企画されたと聞いた時には、これは一生ものの旅になるだろうとためらわず手を上げて参加を表明。あれから一年半あまり、やっと旅は現実となり僕は竹芝桟橋からおがさわら丸に乗り込んだというわけであります。

船はゆっくりと東京湾を走り、近くにいた九州や大阪からいらした観光客の方々に東京湾の景色の説明などしながら普段は小さな釣り船からしか見たことのない東京湾の風景を展望デッキより見下ろしこれから始まる旅に期待が高まるのでありました。

とはいえ、24時間船の中に缶詰にされてどうやって過ごすのか?というのも大きな課題でありまして、普段ならネットを使って色々と時間つぶしもできるところが船内にはWiFiがなくネット環境に頼れない、ということで事前に行くつかの暇つぶしのための準備をしておいたのであります。

暇つぶし作戦その一は、パソコンにDTM(音楽制作ソフト)をダウンロードし、シロートながら作曲でもしながら暇をつぶすというもの。事前に全体のイメージを作っておいて細部を仕上げて行くという作業をすることにしたのであります。

作戦その二は、昨年種子島での遠征釣行時に撮影されたビデオ映像を編集するというもの。これはこのツアーの主催者、ルアー・ショップ・Ebb&FlowのY店長からの要望で、確かに今まで収録素材を受け取りながら一年以上放置してしまった自分に反省しつつ、スマンスマンということでやることになりました。

今回の遠征メンバーは5名
毎度おなじみジギング王に根魚王、ヨッシーさんに僕と店長というこのところよく一緒に出かけているお互い気心知れたメンバーなのでありました。

一同、船の中ではビールを飲むもの、麻雀ゲームをするもの、ひたすら日頃の睡眠不足を解消するもの、船内探検に命をかけるものなど思い思いに行動しておりました。

24時間の工程をざっくりご紹介いたしますと、午前11時に竹芝桟橋を出港。
1時間半ほどで東京湾を南下し太平洋に出るとスピードを上げて一気に南下。
この間はとりあえずビールを飲んでくつろぎ船内の様子を歩き回ったり、お昼ご飯にカップラーメンをすすったりして比較的やることもあるのですが、伊豆大島を通過する頃になるとすることがなくなり各自自分の世界に履いて行きました。

午後4時過ぎに三宅島沖を通過。島の景色でも見てみ

ようかと展望デッキに出てびっくり。

500ミリはあろうかという巨大望遠レンズにニコンの高級カメラを太い三脚に固定し海に向かう方列ができている。



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目の前には御蔵島が見えているものの写真を撮っている様子はなく、なんだか異様な雰囲気。一体何を撮影するためにこんなにたくさんのカメラマンがいるのか理解できなかったのですが、どうやら船の周りを飛ぶ鳥を狙っていらっしゃるらしい。

僕は手持ちのミラーレスで御蔵島をパチリ。

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                 御蔵島


船の後方に回ったら根魚王とヨッシーさんがいたのでテーブルを囲んで世間話をすること小一時間。陽も落ち始め体が潮風でべたつき始めたので船室に入ります。

僕らの部屋は二等の二段ベッドがはす向かいに合計四人で仕切られ一区画になったもので、ベッドは思っていたより広く、手荷物を横に置いて寝ても十分て足を伸ばせる快適なものでした。

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陽が落ち外も暗くなりすることがなくなったので僕はビデオの編集に着手。
7時半の夕食まで作業し、一同揃ってレストランへ向かいます。
定番のカレーライスや麺類のほか小笠原特有のメニューなどもありましたが僕は天丼に生ビールを選択。お味とお値段の方はこの手の競合他社のいない場所での高めの設定にそれなりのお味でありましたが満腹になれば心も満たされ、早寝の僕は9時過ぎには就寝となりました。


翌朝は4時過ぎに目が覚め、シャワーを浴びさっぱりします。
その後朝日が昇るのをカメラに収めんとデッキに出るも、ちょうど秋雨前線を通過中のようで日の出は拝めず。

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5時過ぎには給湯室のお湯でEno Cafe おがさわら丸店を開店して目を覚し朝食はカップラーメンで済ませて軽く二度寝したらもう午前9時近くになっている。
外に出てみたら小笠原諸島の島々がすでに見えていて、いやあ、思っていたより早く着いてしまった感じ。


幸い海は穏やかで船の揺れも少なかったためちょっと不安だった船酔いになることも全くなく快適な船旅で定刻午前11時に小笠原父島の港に降り立ったのでありました。

船を出ると南国らしく湿度のあるムッとした空気に包まれながら、我々の目的地母島から迎えに来てくれていた船長に挨拶すると素早く釣り船に移動し乗り込めば、父島をわずか数分で離れると、ここでスイッチは観光モードから釣りモードに一瞬で切り替わり早くも釣りの支度となるのであります。

1時間半ほど走りますという船長の声に、一同船首デッキで釣りの支度を始めたのでありました。
船は母島沖のポイントに向かいまっしぐら、さてさてここから三日間の釣行、いかなるドラマが待ち受けているやら。釣竿のガイドに糸を通しながら僕の胸は期待で高鳴るのでありました。

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