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2017年10月14日 (土)

THE STRAIGHT HORN OF STEVE LACY

スティーブ・レイシーというソプラノ・サックス吹き、名前は知ってるけどちゃんと聴いたことないよ〜。というジャズファンも多いと思われる、いわばマイナーなミュージシャンなのでありますが、僕は大学生の頃から大好きでジャズ喫茶でリクエストして他の客から嫌な顔をされたりしたものであります。

そんな不人気のレイシーのアルバムは中々手に入らなかったのですが、最近彼の初期のものを手に入れることができました。

改めて聴き直すとみんないいのでご紹介したくなっちゃうんですが、今日はその中からの一枚、「 THE STRAIGHT HORN OF STEVE LACY」というアルバムをご紹介しましょう。

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THE STRAIGHT HORN OF STEVE LACY

1.Luise
2.Introspection
3.Donna Lee
4.Played Twice
5.Air
6.Criss Cross

Steve Kacy      soprano  sax
Charles Davis  baritone sax
John Ore         bass
Roy Haynes     drums

1961年録音のこのアルバムはレイシーの三枚目のアルバムになりますが、ハード・バップの曲をやっているので聴きやすいという事と、コルトレーンがマイ・フェバリット・シングスで初めて自分らしいスタイルのソプラノ・サックスをご披露した年(前年にアヴァンギャルドで吹いているが発表されたのは1966年)と同じ時期当たるので、聴き比べてみると面白いということなどがあって取り上げたのであります。

レイシーの演奏スタイルを言葉で表現するのは難しいのだけれど、簡単に言ってしまうといわゆる「バップ・フレーズ」を吹かない独自にメロディの作り方にあるのではないでしょうか。

これは僕自身がソプラノ・サックスを吹いてみてわかったのだけれど、テナーサックスではサマになるバップ的ツー・ファイブのフレーズやバップ的アルペジオなどをソプラノでそのまま吹くととても古臭い、簡単にいうとダサい音になってしまうんですよ。
おそらくレイシーもそのことを十分承知してアドリブのメロディーの組み立てをしているに違いなく、その組み立て方が当時としてはとても新しいサウンドに聞こえたに違いないと思うのです。

このアルバムではビ・バップの代表曲といってもいい「ドナ・リー」をやっているのですが、共演のバリトンサックスのチャールス・デヴィスがバップ・フレーズの大爆発でノリノリにブローしているのに対してレイシーのソロは音数も少なく、でもホットな新しい解釈のソロを展開している。そのメロディの作り方の違いはコードの解釈の違いにもよるのかもしれない。

レイシーの作るメロディは決してフリーにやっているわけでなく、むしろモンク的なコードの細分化と感覚から来ているように聞こえるんですね。僕が思うにはおそらくこの人はモンクの影響をとても受けているのではないかと思われます。モンクの作品集を何枚も出していることからもそれは伺えますね。

モンクの和声解釈がモダンジャズ・サウンドをもたらしたように、管楽器のサウンドもモンクの解釈を取り入れてビ・バップから抜け出しよりモダンに進化していったように感じるんですね。

それは、モンクのバンドで修行したコルトレーンがコードの細分化とスケール・トーンを多用した新しいスタイルを作り上げていったことも証明していると思われますし、おそらくソプラノサックスでは先輩にあたるレイシーの演奏をコルトレーンが聴いていなかったはずがない。コルトレーンがレイシーのスタイルは俺のやり方じゃないな、と思ったのか二人のスタイルは全く異なるものになりましたが、スタイルこそ違えど、それぞれがモンクの影響を受けたと思われるレイシーとコルトレーンの二人が当時のモダンジャズ・ソプラノ奏者としてジャズ界をリードしていった事実には違いないのと思われます。

まあ、理屈では色々言えるのですが、そういう過程を経て出しているレイシーのサウンドが好きか嫌いか、問うことになると、これはまた別な問題でして、バラバラと流暢に吹きまくるコルトレーンと比較すれば、どこかトツトツとメロディを組み立てていくレイシーのサウンドは地味といえば地味、好みの分かれるところだと思うのですが、僕は好きだなあ。

余談になりますが、このアルバムの後、レイシーはドン・チェリーと共演をするところもコルトレーンと同じ道を辿っているところが面白いのでありますが、ここではコルトレーンがオーネット・コールマンのバンドメンバーそのままにコールマン的フリー・ジャズをやったのに対し二年遅れのレイシーはきっちり自分の音楽に仕上げているあたりも面白い。案外二人は、少なくともレイシーはコルトレーのことを同じソプラノ吹きとしてライバル視していたのかもしれないなあ。

1970年代以降はフリー・ジャズに行ってしまったレイシーなので、フリーは嫌い!とおっしゃる方も多かろうとお思いますが、この時代のレイシーは聴きやすく一聴の価値がありますぞ。

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