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2018年7月25日 (水)

熱帯夜のバラムツ釣り@神栄丸 由比港

バラムツと言う魚をご存知だろうか?
何年か前に新聞紙上を賑わせた魚だ。そう!食べると下痢をする魚、正確には下痢ではなくて身の成分が蝋でできているために人の体では消化できずに溶けた蝋を肛門から垂れ流してしまうという魚なのです。少量食べる分には問題ないのですが、味がまたマグロの大トロよりさらにトロトロなのでついつい食べ過ぎてしまうというのが実情。法律で商取引は禁止されているものの自己責任でオムツをつけて食べる分には問題ない。

このバラムツというお魚、深海魚でありまして昼間は数百メートルの深海に潜んでいるのでありますが夜になると浅場に餌を捕食に上がってくる、そいつを釣り上げようというのが今回のお話であります。

誤解のないように申し上げておきますと、バラムツ釣りはトロトロのバラムツが食べたいから釣るわけではないんですよ。バラムツという魚、平均10キロくらいのものが釣れるんですが、釣れた時のファイトが半端じゃない。潜る、走る、首を振るとあらゆる手段でもがき暴れ、しかも最後の最後までそのファイトの手を緩めないところが釣り師としては格好のターゲットとなるわけです。

というわけで、今シーズン始めてのバラムツ釣りに静岡は由比港に出かけてきました。夜釣りなので夕方出船ということでお昼すぎに横浜の釣具店エブアンドフローに集合したのはベルファイヤーさんあらためハイラックスサーフに乗り換えたFさん、ロックンKさんに私とY店長の四名、一路清水港を目指し清水インターで岐阜の帝王と待ち合わせ全員集合。清水港でお腹を満たして由比港に到着。

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明るいうちに出船してもお魚ちゃんはまだ数百メートルの深海で まったりしているはずなので薄暗くなり始めた午後6時半出船。

船は沖に向かってまっしぐら、20分ほど走ったところで船は止まりいよいよ釣り開始。船長のアナウンスで150メートルから200メートルくらいをやって見て、とタナを指示される。

沖に出たら少しは涼しいかと思われたのでありますが、ここ連日の猛暑は沖の船の上も夜だというのに暑かった。
熱中症にならないように水分補給を怠らずに釣り開始です。

浅場、と言っても深海魚にとっての浅場なので200メートルくらいは覚悟せねばならない。千歳飴ともロケット花火とも見える形のバラジグというバラムツ専用のジグに今回はFさんが調達してくださったイカのエサをつけてジグを落とします。

ジグの重さは結構あるというものの200メートル沈めるには時間がかかる、10メートルごとに色の変わる糸とにらめっこしながら出した糸の長さを正確に把握する努力が要求される。

糸の色がが200メートルまで出たところで竿をしゃくりながら魚を誘って行きます。
「潮が全然動かないねえ」という船長のアナウンス。これは魚の活性が低いという意味でありまして、決して喜ばしいことではない。

しかし、そのアナウンスがあって間も無く私の隣で釣っていたロックンKさんにヒット。「150メートル!!!」と叫んで魚のいるタナをみんなに教えてくれる。

竿先が海面に刺さるほどに引き込まれるいいファイト、来たぞバラムツ!こっちにも来い!と150メートル付近を誘っていた私の竿先にトン!というアタリがありすかさず合わせると竿がずっしり重くなった。「150メートル!」と私も叫ぶ。ところが叫んですぐに竿が軽くなってしまった。バレた(魚が外れた)のでありました。

ロックンKさんのファイトを見ていたら、魚は突っ込む、走る、暴れる、と竿先がぐいぐいと絞り込まれて気持ち良さそう。とはいえ150メートルの糸を魚と引っ張りっこしながら巻いてくるのは大変な労力で、楽しい辛い釣りでもあるのであります。

5分ほどだろうか、ファイトの末に上がって来たのはバラムツではなく、同じ仲間のアブラソコムツ(通称サットウ)という魚でありました。この魚むしろバラムツよりもいいファイトをしてくれるので釣りのターゲット的には最高に面白いので大歓迎。ただし食べても大して美味しくない。

150メートル付近を中心に100メートルくらいの間を糸を巻いては誘い、また少し巻く、というのを繰り返す。相手はいつくるかわからないので気は抜けない、緊張感のある時間が続きます。

あたりはすでに闇に包まれ、船が照らすライトで船の周りだけが煌々と照らされている。
次に来たのはまたまたロックンkさん。今度は「200メートル」と叫んだ。先ほどよりさらに魚は沈んでいるようで釣り師的には労力のいる釣りになるのですが、その分ファイトもたっぷり楽しめる。ロックンkさん、早くも二匹目のサットウを釣り上げ、と言っても船べりで針を外しリリースするのですが、早くも少々お疲れの様子、余裕もあってか一休みしている。

次に来たのはミヨシで釣っていたハイラックスFさん。ガタイのいいFさん、見ていると余裕でファイトしている感じ。これも上がって来たのはサットウでありました。

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私に最初の一匹が来たのは一時間ほど経過した7時半頃。
やはり200メートル付近でクンクンクン!とアタッタところを一気に合わせたらドシン!!!と思い感触が伝わり今度こそはバラすまいと慎重にファイトします。
とにかくこの魚グイグイと竿先を曲げたかと思うと今度はドラグを鳴らして走り糸を引き出す。200メートルの糸を手で巻くだけでも大変なのにこんなヤツを相手にしながら巻き取るのだから、折しも猛暑の中の夜、一気に汗が全身から吹き出してくる。

残り50メートルくらいまで巻いたところで再び魚は大いに暴れ出し、走るは突っ込むはで、せっかく苦労して巻いた糸をいとも簡単に10メートル、20メートルと引き出してくださる。

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おそらく想像するに、深海の暗闇の中でもわずかな光をキャッチして生活している魚の目にとって水深が浅くなり船の強烈なライトを感じると眩しく感じて暴れる、もしくは身の危険を感じて暴れるのではなかろうかと。

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ライトが反射して光るサットウの目はまるで反射板のよう

残り20メートルまで巻いたところで再び10メートル真横には知られ、一瞬糸が船べりに擦れて切れるかと思わされたりヒヤヒヤしながらもなんとか最後まで上げることができたのは10キロほどのサットウでした。一匹釣ってほっと一息です。

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この心地よい疲労感、充実感に満たされながらも水を飲んで体力を充填し再び釣り始めます。

このあと、落としている途中130メートルくらいでヒットするもバラし、さらに200メートル付近でかけたのもすぐにバレてしまった。
潮は相変わらず動かず、どうもその辺が魚の食いを悪くしているようで、針の掛かりが浅いためバレてしまうのでありました。

全員が釣りあげていい雰囲気になっている中、絶好調なのはロックンkさん。既に3匹か4匹釣り上げて、休み休みしながら余裕で釣りをしている。体はバテバテなんだろうけれど。

岐阜の帝王にとってはバラムツは「幻の魚」でありました。
過去二度挑戦するも共にボウズで終わり、まだその魚を自ら手にしたことがない。
この日は満身創痍で来たのか早々と一匹かけて幻が現実になった、とはいえ釣れたのはサットウだったので依然としてバラムツは幻の魚として彼の中にあった。

そんな帝王がジグを回収中に大きなサメに襲われる。襲われたのは帝王ではなくジグですね。サメの力というのは半端じゃない、私も先月男女群島で1メートルほどのおチビちゃんとやりあいましたが、ずっしり重く動じない引きをするのがサメ。帝王にかかったのは二、三メートルもあるサメだったのでファイトは強力だったようだ。危険なのでサメを上げることはできないので姿を見たところで糸を切らねばならないため自ずとジグも失う。体力も大切なジグも失った帝王は焦燥し切っていた。

9時半近くなったところで当たりが遠のいてしまったため船は大きく移動し、浅場の方向に向かって走ること10分ほど。ここ駿河湾は日本でも最も急深かになっている海なので浅場といっても水深は数百メートルあるのでありましょう。我々のリールに巻いてある糸の量では海底までジグを落とすことなど到底できない。


移動後間も無くでありました。Kさんが「180メートル」と苦しそうに叫ぶ。見たら竿先は海面に刺さる勢いで引き込まれ、リールのドラグが音を立てて糸を出されている。竿を抑えるだけで必死の形相、糸を巻くにも締め切ったドラグが音を立てているのだから手の出しようがない。
船長がフォロー(船を魚の引く方向に動かす)するからみんな上げて!というので自分の仕掛けをあげた私はKさんの横に行った。

Kさんはすでに竿を握る力も限界に達しているかの様子で苦痛に顔が歪んでいる。船長から「誰か助けてあげて」と声がかかったので横から竿を支えて海に引きずり込まれないようにするも、竿先ははまっすぐ海に向かってに吸い込まれる勢いは変わらず、糸も出されつづけていった。

リールに残る糸がどんどん少なくなっていき、このままでは出切ってしまい糸が切れてしまう!と思われたその時、フッ!と竿先が上がり糸が切れてしまった。Kさん曰く、5号のPEラインが1号に見えるくらい糸を伸ばされていたと。
残念!どうすることもできなかったKさんは疲れ切った顔をしながらも悔しそう。我々もあの魚がどんなシロモノなのか姿を見たかった。こんな化け物みたいに引き込む魚がうろうろしているとお思うと期待を通り越して恐怖すら感じる。

残り一時間を切ってからの私は絶好調!
ロックンKさんからエサはイカのゲソがいいと教えてもらい付け替えたところ180メートルですぐに来た。しかし苦しみと喜びのファイトで残り20メートルまで巻き上げて来たところでなぜかバレてしまう。

少々辛くなって来た体にムチ打ってゲソを落とすとまたまた間も無くヒット!
今度は合わせもガッツリ決めて再び180メートルのファイト。上がって来たのはやはり10キロクラスのサットウ。このサイズでこんなに引く魚は他にいないだろうと思われる、全身汗でグショグショ、腕もパンパンになり少し体を休める。

腕をマッサージしたりストレッチして伸ばしたりして疲れをごまかし再びKさんが選りすぐってくれた目のついてるゲソを付けて200メートル落とす。
180メートルくらいまで巻いて来たところで用心していると竿先がクン!と曲がった。

慌てて合わせず次のアタリを待つとククン!ククン!と続けざまに竿先が引き込まれたところで思い切り合わせるとズッシリとした重さが全身に伝わる。
スカさづ巻き上げる。グイグイと竿先を引き込むいい感触も流石に疲れているので、引き込まれるたびに肩の筋肉が悲鳴をあげそうになる。
150メートル、100メートルと自分を奮い立たせながら糸を巻く。この魚も残り30メートルくらいになったところで大暴れ。せっかく巻いた糸を20メートル出されたときには心が折れそうになる。
私の横には中乗りの青年がきて上がった魚の針を外す準備をしているのだが、なかなか魚が見えてこない。巻いては出されと一進一退を繰り返した後ようやく魚の姿が見えてきた。これもまた10キロクラスのサットウか。青年がジグを掴んだところで私のファイトは終了。全身の筋肉の緊張が一気に弛緩する。

針を外したところで船長からこの辺で上がります。とのアナウンスがありこの魚が最後の一匹となりました。

おそらくまだ時間があっても、もう釣りする元気はなかったろうな、と思うほどの疲労感。やるだけやった!という達成感。熱帯夜の釣りは全力投球で幕を閉じたのでありました。

同行の皆さん、船長、中乗りのスタッフ、皆さんお世話になりました。



写真:ロックンKさん

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