男女群島遠征釣行2019 その4@サンライズ 呼子港
夜、雨音と船の揺れで眼が覚めた。天気予報では夜のうち雨が降り朝までには上がるという予報だったので、雨音と船底に当たるポチャポチャという波音を聞きながらウトウトしているうちにまた寝てしまった。
二日目の朝、目がさめると頭痛がしていた。頭痛持ちの僕としては軽い頭痛だったのでそのまま頭痛薬も飲まずにいた。
外に出ると空は暗く風も強い。小雨も時折ぱらつく中ではを磨きペットボトルの水を手に取り顔を洗った。
まだ他のみんなは寝静まっていたが船長が起きて朝食の支度を始めるとその音でそのうちちらほら起きてくる。
天気が悪いので様子を見ながらとりあえず朝食をとることになった。朝食はトーストやその他のパンに野菜いっぱいのサラダ、ウインナソーセージ、目玉焼きにヨーグルト。船の上で食べる朝食としては豪勢だ。ここでエノカフェをやって美味しいコーヒーが飲めればいうことないのだが、頭痛の僕はその元気が無くパンとサラダで満腹になるとなんだかぐったりしてしまった。頭痛は起きた時よりも酷くなっている気がしたので偏頭痛の薬を飲んだ。
船はゆっくり走り始め、僕はなんとなく体がだるく感じたが、薬が効いてきたのだろうとそのまま釣りの準備をした。
しばらく走って速度を緩めると黒い波が船体を大きく揺らし北風がビュービュー吹いている。長袖Tシャツにウインドブレーカーがわりのレインウェアで寒いくらいの冷たい風だった。
船長が「あ、飛んだ飛んだ!落ちる落ちる!あ〜食われた〜!」と声を上げるので何事かと思ったらトビウオが姿を波の中に隠す大魚に追われて逃げまどっているらしい。船は止まり「キハダマグロでしょう。右投げ左しゃくりでお願いします」と興奮気味にアナウンスがあると、ほぼ全員が投げる方、つまりキャスティングに向かう。
それはそうだ、表層近くにトビウオを追い回す大魚がウロウロしているのだ。しかもトビウオの飛び跳ねる頻度と数からいって相当大きな群れに違いない。こんな時にトップウォーター(水に浮く)のルアーを投げずしていつ投げる!といった状況だった。
僕も今回初めてキャスティングの竿を手にミヨシのキャスティングデッキに向かい投げ始めた。
前で四人後ろで二人、引率のY店長以外全員がキャスティングを始めた。
しかし僕はキャスティングを数投して投げるのをやめた。
体が重く揺れる船の上でバランスをとるのにも必死で釣りにならないと判断したからだ。そしてそのままキャビンの奥に行って横になってしまった。
横になって間も無く、頭の上、ちょうどミヨシのデッキの方から、出た!ヒット、ヒット!の声が甲板を通して聞こえた。
その時ミヨシではキャスティング王の竿が大きく曲がり魚の大きさを示していたらしい。キハダマグロか?!とY店長は思ったらしいがその鋭い引きはヒラマサのものだった。
さらに続けて声が上がり、甲板の上は大賑わし始めたところで僕は寝てしまった。
ウトウトする中で時折歓声が聞こえ、ドタンドタン!と甲板で魚が暴れる音がしたり、またしばらくすると誰かの馬鹿笑いする声が聞こえたり、夢の中でそんな喧騒が現れたり消えたりした。
その時船上ではヒラマサとキハダマグロが入れ食いだったようだ。
その様子は後で写真で見せられながら話を聞いて知ったのだが凄まじいものだったらしい。
ジギング王はこれまでの釣り歴で3匹しか釣っていない10キロオーバーのヒラマサを一時間あまりで3本あげてしまい、信じられないと行っていたらしい。
トップが15キロクラス、13キロ、12キロなど含む10キロオーバーが20本近く釣れたというのだから凄まじい。
こんなにすごい男女群島は初めて!とY店長が言っていたのもうなずけた。こんな状況が午前8時頃から11時頃まで続いたと言うのだからたまらない。
そんな釣り師にとって人生で一度あるかないかの夢のような瞬間を呑気に夢の中で過ごしていた。
二時間ほどウトウトした僕は喧騒に目覚めデッキに上がるとミヨシで三人が同時にヒットしているところだった。
船の周りには相変わらず逃げ惑うトビウオが飛び交い、船の上に飛び込んでくるものも数匹いた。
ヒラマサ、キハダマグロ、スマガツオと流し変えて投げ始めたら誰かにヒットする、というほど良く釣れた。
そんな凄まじい爆釣風景を見ながらも自分で投げる気力がこの時の僕にはなかった。
体はまだだるく羨ましいという気持ちにもなれずただただその有様を傍観するだけだった。
しばらくして薬の効きが和らぎ少し元気が出てきたので僕もキャスティングに加わった時には地合いが去ってしまったようで、海は沈黙してしまった。
地合いが去り船はポイントを移動することになった。
次のポイントではやっとジグをシャぐる元気が出てきた僕はカンパチを一本手にした。
空は雨が降り続き地合いも去り潮も流れなくなったので船を風裏に移動して昼食をとることになった。
ようやくこの頃になって少し回復してきた僕はお昼ご飯の後にコーヒーを入れる元気も出てきてエノカフェを男女群島にて開く。
コーヒーを飲んだらすっかり体調が戻り午後の釣りに期待して釣りに臨んだのだった。
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