男女群島遠征釣行2019 その3@サンライズ 呼子港
サンライズ号での男女群島初日、午後3時を回ったあたりで大きくポイントを移動した。
小一時間走ったか、キャビンの奥の船底で寝ていた僕がのそのそと這い上がってくると島が先ほどよりも大きく見えた。
勇壮なギザギザ山で構成される男女群島をみると改めて、ああまぎれもない男女群島がそこにある。遠くまできたものだ。と感慨ひとしお。と言いたいところなのだけれどそんな心の余裕はない。さあああ、釣るぞう!!!と頭の中は釣りのことばかり。バカなのである。
このポイントではキャスティングでキハダマグロ、ジギングでカンパチ、そしてクエを狙う。
僕はもちろんジギングでデカカンパチを狙った。マグロなんかの相手をしているヒマはないのだ。
しゃくり初めて間も無く底のあたりでゴゴゴ!というアタリがあってヒット。
またしても狙っていたクエのあたりではないかと一瞬ほくそ笑む。糸を巻いてくるとあまりひかずに重いだけ。ふふふ今度こそやっちゃったかも。。。と巻いてきたら時々暴れる。あれえ?これはクエじゃない、ひょっとしてアレか?!と思いながらあげてきたら、そばで見ていたY店長にはすでにお見通しだったらしい。
上がってきたのは「うまい棒」と言われるほど食べるとたいそう美味しいアカヤガラだった。赤くておちょぼ口で長細いその姿はユーモラスなものの潮の流れていない時にかかる魚なので釣り人には歓迎されないが、食べると大変美味しい。

先月のトカラ遠征でもアカヤガラの大きなものが入れ食いになったので何匹か持ち帰り食べてみた。刺身、塩焼き、天ぷらとしてみたがどれも美味しい。特に天ぷらは身がホクホクとして甘みがあり上品な味だった。この魚、出汁も上品なもんがとれるので水揚げされたものは高級料亭などに行ってしまうため魚屋さんでお目にかかれないのだ。トカラの時の船長がいうには1キロ3000円くらいの浜値だというのだから末端価格はいくらになるやら。
アカヤガラが釣れて魚の活性もイマイチかな?と思っていたのを払拭してくれたのはドベさん。
ヒラマサをジグで釣ってご満悦。
さらにキャスティング王ヤッシーさんが同じくヒラマサにキメジ(キハダマグロの子供)を次々とキャスティングで仕留めた。


この人はキャスティングが上手いだけでなく魚を見つけるめが天才的に素晴らしい。
海のはるかかなたでポチャリと何かが跳ねただけで、具にそれを見つけるばかりか魚種まで当ててしまう。

その目の良さは若い頃にカツオ漁船に乗っていたと聞かされたことがあるのだが、なぜカツオ漁船に乗っていたのか、どういう経緯でそうなったのかなどは本人は語らないので謎なのである。
我ら釣り師仲間の間にはもう一つの謎がある。
それは、怪魚ハンターがなぜかサメを釣る、もしくはつった獲物をサメにやられる、ということだった。
先月のトカラ遠征釣行では一体何匹のサメに獲物のキハダマグロを持って行かれただろうか。
今回もその才能を思う存分余すことなく発揮した。
まずはジギングで掛けたヒラマサをやられた。
一部始終をすぐ横で見ていたが、かかったヒラマサはかなりいいサイズのようで、船べりを移動しながら魚とのいいファイトをしていたのだがあるところで突然異常な魚の動きがあった、と思った途端に急に魚が軽くなり、先ほどまで一巻きするのも苦労していたのがスイスイと巻けるようになってしまった。
そして上がってきたのが下の写真である。
ヒラマサのその姿は魚というよりもすでに肉塊とかしておりサメの一撃の恐ろしさを十分に語っていた。
怪魚ハンター氏自身もなぜ自分にこのようにサメがついて回るのか謎なのだろうが、このような謎は誰も持ちたくはない。
なぜかいつも若いお姉さまに付きまとわれて仕方がない、というような謎などならぜひ一つくらい持っていたいところなのだが世の中そうは都合よくできていないところが悔しい。
サメの出現に船長は素早くその場を去りしばし走ってポイントを変えて流し変えた。
そのポイントが凄かった!最初に船のオオトモ(一番後ろ)でしゃくっていたジギング王にヒット!
すぐにその隣にいた怪魚ハンターにヒット!順番からすると次は俺だ!としゃくっていたらちゃんと順番通りに僕にもヒット!そしてミヨシに向かって順々に全員ヒットとなった。
グイグイといい引きでファイトするのはカンパチ。
オオトモのジギング王から順番にカンパチが上げられていく。
ところが一人だけあまり竿がぐぐ引き込まれるようなファイトをしていない人がいた。最後に魚をかけたドベさんである。
一番でかいカンパチを釣りたいと思っていたであろうドベさんの魚の引き方は、ああ先ほどまで二度僕が裏切られたクエ(アラ)の引きではないか!それも十分に重そうだ。
カンパチを甲板にあげた一同が注目していると上がってきたのはやはりクエだった。
「なんで俺だけクエなの?」とカンパチを狙っていたドベさんは不満そうなのであるが、他の全員が羨ましそうにその手に持ったクエを見つめていた。
この後も場所を変えながらポツリポツリと拾い釣りのように釣っていったが、時折ダブルヒットなどあり船上は賑わった。
僕はこれまではベイトロッドでの思いジグのジギングは苦手で、あまりしなかったのだけれど、今回は右肩が痛くて左ハンドルで右竿のスピニングロッドでの釣りがちょっとシンドかった為、右手ハンドルの左手竿のベイトロッドを多用した。使うジグもいつものアンチョビットシャープやスキルガンマなどと変えて、根魚王がよくベイトで使っているスパイファイブというジグを使ってみたところ、普段あまり釣れない魚がいくつか釣れてきた。
下の写真のメダイもその中の一匹。
メダイは昨年夏に初島沖の水深240mで小さいのを釣ったのが初めてだったが、今回はその三倍はあろうかという大型だった。さすが男女群島。
メダイは表面がヌルヌルの液体で覆われているので触りたくなかったのだけれど、船長や店長が食べたら美味しい、というのでキープして持ち帰ることにした。
実際帰ってから刺身と塩焼きで食べてみたが上品な白身にほのかな甘みがあって美味しい魚だった。
さて、僕が外道を釣ってヨダレを垂らしている間に、他の方々はカツオやらブリやらヒラマサやらの本命青物を次々とキャッチしていた。

中でも絶好調だったのはクエを釣ったドベさん。大きなぶりに良型のヒラマサと投げてしゃくって大活躍。

外道寄りになっていた僕も6時半をすぎてこの日3匹目のカンパチが来た。小さいながらも嬉しい一匹となり初日の釣りは終わった。
船を島影の浅瀬に止めてこの夜は船中泊となる。
船長が仕込んでくれた肉で焼肉をしたら、キャビンの中が煙で覆われて大変なことになる。
焼肉は美味しいし、腹も減っているので釣りし一同は気にせずばくばくと肉に食らいついていたのだが、船長は「もう中ではやりません」と
後悔の様子。
船が闇に包まれると、船が照らす光に様々な魚たちが集まってくる。
ヤッシーさんが悪ガキに戻ったように嬉々として小魚をすくっていた。それらの魚はモジャコと呼ばれるぶりなどの青物の稚魚がたくさんいた。
中には何者かに尻尾をかじり取られたブリの稚魚がおり、大自然の中で生き抜く厳しさを目の当たりにさせられた。
船の周りには、プランクトン→モジャコなどの稚魚→イカやトビウオなどの小型魚と食物連鎖の縮図があった。
その中にあって、ひときわ美しかったのはトビウオの稚魚。
黄色と黒の縞模様の魚体といい、まるで鳥の翼のような胸びれと尻びれ。
船長がすくって、初めて見た!と興奮気味に写真を撮ったものだが、実に神秘的な美しい魚だった。
この一匹を見られただけでも男女群島まで来た甲斐があったというもの。
いやいや、これで満足しては釣り師の名が廃る。明日は頑張って釣るぞ!と午後9時過ぎ早々にベッドに入ったのでありました。
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