小笠原遠征2019 その3@恵丸 小笠原父島
小笠原遠征二日目は小笠原諸島の北部に位置するケータ列島への一泊二日の船中泊の釣りを予定していた。なんでも聞いたところではケータ列島は魚影が濃くバンバン釣れるらしい、さらに大きいのに糸をバチンバチンと切られるらしい、というのでジギングタックル(道具)もPE8号ラインにリーダーはフロロカーボンの100Lbという太いものを用意してきた。あとは行けさえすれば入れ食いが待っているわけであるが、船長の話では海が荒れているのと雷雲が激しく発生していて雷雨の中の船中泊になる可能性もあり、これだけは危険なので避けたいとのこと。
前日まで行けるのかどうかヤキモキしていたが当日になり幾分波が落ちたということで、とりあえず北に向かうということになった。
出発は午前3時半。未明である。
ここで問題になったのが食事をどうするかという問題だった。
朝色、昼食は船長が操船のため作ることができないのであろう。自前で持っていくことになったのであるが、前日の夕方地元のスーパーや生協などを物色したもののカップラーメンくらいしか食事になりそうなものがない。どうしたらいいのか船長に聞いたところ、なんとおにぎり屋さんが3時過ぎからやっているというではないか!
一瞬、なぜおにぎり屋さんが!?それも午前3時過ぎから!?
と思ったが、どうやら島の漁師さん向けに営業しているらしい。どう考えてもその時間におにぎりを買いに来る人など他にはいないのだ。新宿の歌舞伎町あたりならたくさんいそうであるが、ここは東京都内ではあるが南に1000キロも離れた小島なのでキャバクラ帰りの酔っ払いがおにぎりを買いにくる、あるいは従業員たちが疲れ果て空腹を満たすために買いにくる、などということはないのだ。
ということで、我々6人は先に船に荷物を運ぶ隊とおにぎり購入決死隊の3人に分かれて行動に移る。おにぎり屋さんが万んが一閉まっていた時は我々はこの日夕方までお菓子だけで腹を満たし釣りをしなければならないのでそれなりに決死隊だったのだ。
運ぶ隊に入った僕は船にゆき、運んだ荷物を素早く船に積み込み、キャビンにしまっておいた釣竿を出したり道具箱を出したりしていたところに決死隊が到着。無事におにぎりは買えたと言われホッとする。おにぎり屋さんの購買システムが面白く店先に並んだおにぎりを適当に選んだら金額は自分で計算して料金箱に入れて行くというおおらかなものだったという。
午前4時、食料も確保できたので勇んで出船、船は北に向かう。途中二、三箇所波の荒い難所があるらしい。
僕とY店長はキャビンに潜り込んで素早く寝てしまった。僕は昨夜の酒盛りで調子に乗って飲み過ぎてしまい体がだるかったのだ。
夢の中で体が揺れていた。時折気がつくと船のエンジン音と波音が聞こえる。ウトウトすること3時間、体も楽になったのでキャビンから出てみるともうすぐそこに島が近づいていた。嫁島だ。
午前7時過ぎ、釣り開始。
昨日とは打って変わってあっという間に昆虫大好きさんと根魚王にヒット。
昆虫大好きさんは姑息にもライトタックルを持ち込んで根魚を狙っていた。そして狙い通り小笠原らしい3キロはあろうかという大きなバラハタを釣り上げた。
一方の根魚王の方は竿が大きく曲がり魚がなかなか上がってこない。魚の上がった写真が残っていないところを見るとどうやら糸を切られてしまったらしい。
開始早々エキサイティングな展開となり船の上は一気に盛り上がった。
僕も間も無くヒット。大きさは大したことは無い様だが魚の引きが心地よい。上がってきたのは30センチほどのアカハタだった。
今回、僕の主な狙いは大物カンパチであり、タックルもそれに合わせて比較的強いものを4セット持ち込んだ。
最も細いのがベイトリールのPE3号タックルでスピニングはPE5号、PE6号、PE8号で揃えた。しかしながら一方で美味しい根魚も釣って帰るミッションがあった。
あるお祝い事が釣行後にあり釣った魚をいつもの中華料理屋さん華珍楼に持ち込み高級中華宴会を目論んでいたのだ。そのためには是非小笠原特有の巨大バラハタが必要だった。バラハタは沖縄方面ではシガテラ毒があるので敬遠されるがここ小笠原では中毒が出た前例がないことから普通に流通している。僕自身バラハタは何度も食べたが身は美味しく出汁も濃厚ですばらしい魚だ。当然僕もこの魚を狙い大きなジグをしゃくっていたのだが、バラハタを次々にかけたのはプロセレのゴビアスアンセスターというジグをつけた昆虫大好きさんやスパイ5というジグをつけた根魚王。
次々と上げるのを横目に僕にかかるのは小さなアカハタだった。
バラハタが欲しい僕はジグケースの中にアンセスターがないかどうか探してみたら一本だけあったので即ジグをこれに交換する。
そして落としてみたら一発で何かが食ってきた。しかも大きい。リップルフィッシャーの614(竿)は大きく曲がり魚はなかなか上がってこない。やった!でかいバラハタに違いない!とぬか喜びした瞬間、手元がふっと軽くなり糸が切れてしまった。
たった一つしかないあたりジグを失い一瞬戦意喪失したが、そんな場合ではない。周りは船を流し変えると誰かしらの竿が曲がり魚が釣れてくるという入れ食い状態になっていたのだ。今釣らずにいつ釣る!
今度はジグを根魚王の使っていたスパイ5に換える。これも一本だけ入っていたジグだ。
投入して底を取りひとしゃくりするとまたまたヒット。釣り人の使っているジグは釣れる!と思ったら根掛かりだった。色々試してみたが根がきつくこのジグもあえなく失ってしまう。
もう真似っこするジグはないので元の5号タックルに戻してしゃくり始めたらドスン!と重いアタリがありギュルギュルギュル!とドラグが引き出されていった。
<つづく>
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