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2020年4月15日 (水)

PUT IN TUNE / KAZUO YASHIRO TRIO Featuring KAZUMI WATANABE

新型コロナウィルスの感染拡大もいよいよ身近に迫った感じがするので、無駄な外出はしないことにした。

特に仕事もない僕は出かけることと言ったらほとんど不要不急なので家に居続けることは物理的には問題ないのだが、毎日家の中で暮らすというのもヒマなものだ。

そこで、この時間を利用して二十年ぶりに部屋の模様替えを思い切ってすることにしてみた。いらないものは片っ端型捨てて、クソ重いオーディオのアンプを移動して配置をスッキリさせてみたら、必然的にアンプとスピーカの距離が変わったので昔むかし僕がオーディオ店で働いて居た頃に手に入れたルーカス線という高級スピーカーケーブルに変えてみたところオーディオの音が一変して良くなった。

そこで今度はこれまで成り行きで棚にぶち込んでいたレコードを整理して、よく聴くもの、聴かないものなどを分けたり、楽器やジャンル別に並べてみたり整理してみた。

およそ500枚くらいあるレコードを引っ張り出して並び替えたので部屋はゴチャゴチャになり、一時はいったい収拾がつくのだろうか、と心配になるくらい部屋は散らかったのだが、根気よく並べ替えて行ったらなんとか収まる分だけは収まった。というのは絶対的なレコードだなの不足で50枚くらいは捨てないと入りきらないのだ。

とはいえ、棚の収容量に合わせてレコードを捨てる気にもならないので、棚になりそうなものを新たに購入することにしたのだが、今回の本題はそちらではなく、一度引っ張り出したレコードの中からこんなの持っていたっけ?というものや、改めてクリーニングし直して聴くと素晴らしいものなどが出てきたので、その中から一日一枚ブログにでも書いて紹介し、家ごもり生活の時間を潰そうというわけである。

ということで、今日からシリーズでお送りする(今の所そのつもり)レコード紹介の最初の一枚は、いろいろ悩んだ末これに決定。

 

八城一夫トリオ・フューチャリング渡辺香津美 PUT IN TUNEというアルバムなのであります。

録音は1975年11月27.28日 レコードを製作発売したのはオフビート・レコード(Offbeat Record)という今はなきマイナーレーベルであります。したがっておそらくこのレコードはCD化もされていないと思われるので、ご紹介してもレコードを探して聴くしかないのでありまして、では、いったい何のために紹介するんだよ!という声が聞こえてきそうなので言い訳しますと、こういうレコードが1975年に作られていたという日本ジャズ界の小さな歴史を書き残しておきたい、ということから書いているのであります。

 

Img_3660

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、このレコードのパーソネルと曲名を書いておきましょう。

personnel  

八城一夫 ピアノ

渡辺香津美 ギター

原田長政 ベース

side1

1.I never knew

2.Body and soul

side2

1.I'm beginning to see the light

2.You stepped out of a dream

3.Sweet and lovely

ここでフューチャーされている渡辺香津美は、1971年に17歳でデビューしているので1975年当時は21歳ということになる。大人びた演奏、端々に飛び出す素晴らしいテクニック。僕は当時高校生でちょうどジャズに夢中になり始めていた頃だったが、まだこの頃は初心者であり、ブルーノートや、プレステッジなどの有名盤を小遣いを貯めては聴くのが精一杯で日本のプレーヤまで手が回っていなかった。

Img_3661

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで当時のことを知りたく、ネットで渡辺香津美のオフィシャルサイトでバイオグラフィーを見てみたところ、1975年の主な活動にはオマ鈴ことベースの鈴木勲とののライブ録音などスリーブラインドマイスでの活動が書かれているが、この八城一夫との共演については全く書かれていない。ご本人も忘れてしまったのかそれとも語りたくないのかは謎だが、世の中的には忘れ去られてしまっているレコードといえよう。

 

さらに当時のことをよく知っている大学時代からの友人に尋ねてみたところ、75年当時の香津美さんはピットインの朝の部に毎日のように出ていたらしい。フルアコのギターを持ってスタンダードなジャズから新しいものにまで貪欲にプレーしていたという。共演者にはバイブの初山博やサック会うの高橋和巳など様々なミュージシャンとセッションを繰り返し腕を磨いていたらしい。そんな多忙かつ複雑なミュージシャン関係の中で録音された本アルバムはいかにも当時の日本のジャズの状況を切り取った断片として興味深い。

音楽的状況としては当時すでにクロスオーバーの波が迫ってきており、ピアニストは一様にエレキピアノを弾きだしたころである。そんな中でアコースティックにこだわるミュージシャンもいた中の一人がこのアルバムのリーダー八城一夫といえよう。他にも僕の知るところでは、当時は若手の山本剛、御大世良譲などもアコースティックにこだわっていた。

ジャズを聴き始めたばかりの僕も、自分自身がハードバップ命だった時代なので、ジャズピアノはナマピだろ!と当時はエレピ反対派だったのを覚えている。

そんな1975年という時代が垣間見ることのできる一枚なのでありました。

 

 

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