種子島GT遠征④@Life fishing guide service
種子島GT遠征三日目
この日の朝も二日目同様に5時半に宿を出てコンビニで食料を買い込み6時半頃出船となった。
出港した船が目指すのは、昨日の朝一で入れ喰いになったポイントだ。
30分ほど走り船は減速してポイントに着く。
昨日はこの時間ですでに潮が流れていたが、今日は流れ出すタイミングが少し遅れる。
釣りを開始した時点での潮の流れは0.7ノットだった。

昨日はこの時点で2ノットで潮が流れていたので、もう少し魚の活性が上がるまでに時間がかかるのかもしれない。
昨日までの疲れで、右肩の痛みがどこまでいけるのか心配していたが、意外と痛みはなかった。
おそらく今日も朝の潮がチャンスだと思うので、そこのタイミングだけは全力でキャストしようと覚悟を決めた。

投げていると次第に潮波が立ち始め、潮の流れが少しづつだが速くなっているのがなんとなく分かる。
チャンスはいつ来るのか、こればかりは投げ続ける以外に見つける方法はない。
引率のY店長を除く5名は黙って投げ続けていた。
海は凪で風の音も聞こえない。
キャストした時に竿が空を切る音とルアーの着水音、そしてリトリーブでルアーが発する支部気温だけの世界だった。
30分ほどしてか、ミヨシのデッキから、出た!と声が上がる。
トモ側で投げていた僕がミヨシの方をみるとすでにヨッシーさんがファイトに入っていた。
昨日苦労したヨッシーさんが最初のヒット。釣りばかりは何が起こるかわからない。人生と同じく、投げ続けている人だけに運命の神様は微笑む。
ファイトを見ていると良い引きをしていたが、船のフォローも入り浅場から水深を確保できるところまで移動した船の上で、ヨッシーさんは余裕のファイトをしているように見えた。

それほど長くないファイトの末に上がってきたGTは20キロ。
昨日のアベレージサイズだった。

この一本が潮の流れ出すタイミングより意外に早かったので、釣り師一同キャスティングにはいっそうの気合が入る。
僕もキャストを続けながら、次の日としゃくりで出ろ!と心の中で呟きながらリトリーブを繰り返す。
右隣では、昨日三本のGTを仕留めたジギング王が真剣に投げている。
しばらくして、そろそろ出そうだな、と思った頃に再びミヨシで声が上がった。
ルアーをリトリーブしながら見ると、またしても出たのはヨッシーさんだった。
どうやら昨日苦労した分神様からのご褒美があったようだ。

船はゆっくり水深のある場所に移動する。
船長から、巻いて巻いて!と声が飛ぶが、ヨッシーさんは竿を支えるのに必死でリールを巻くことが出来ないでいる。
これはデカイかもしれない、と思いながら見ていた。
先ほどの一匹目より長い時間のファイトをしながらも魚がタモに収まる瞬間をトモから見ていたら、一匹目より一回りくらい大きく見えた。
デカイみたいですよ、とジギング王に声をかけて見ていると、タモがトモまで移動してきて魚を船に上げようとした。
ところが船長一人ではとてもではないが上がらない。
誰か手伝って、という声に素早くHさんがタモを持ったが二人でも持ち上がらない。
Y店長も入り三人で持ち上げるとようやくタモが船の中に入ってきた。
そしてその中に収められているGTはデカかった。

GTを蘇生させるための生簀入れたところ、ちょうど頭から尻尾までがきっちり収まった。
昨日は20キロのGTが三匹入った生簀なのに、一匹でいっぱい、これはデカイとその見事な体躯を見つめていた。
やがて魚が元気を取り戻したところで重さを計測したところ、なんと50キロあった。
太っていたら60キロはありますねえ、とY店長がいうほど長さのある立派なGTだった。
50キロのGT見るのは生まれて初めてだ。釣り上げたヨッシーさんも初めてだと言って笑みがこぼれていた。
写真を撮ってリリースすると魚は元気に海に戻って行く。
今度はもっと大きくなって俺に掛かれよな、と心の中で呟く。

ヨッシーさんに続けと、一同さらに気合が入りキャストを繰り返す。
潮の流れも一番良くなってきた時間、いつ誰に出るかわからないので気は抜けない。
僕も集中して投げていた。するとまたまたミヨシの方から出た!という声が聞こえる。
またしてもヨッシーさんに出たらしい。しかし今度は乗らなかったようだ。
今日はヨッシー・デイだなあ、と僕はつぶやいたものの次は自分だ!とキャスティングを続ける。
しかしルアーを変えて色々試すが、昨日のようにあっさり魚は出てこなかった。
太陽がすっかり高く上がった頃に動きがあった。
今度もミヨシから声が上がる。
またまたヨッシーさんか?!と思ってそちらを見たら今度はHさんだった。
素早く船がフォローに入りファイトも慣れたものだった。
難なくGTは上がってきた。

上がったGTは20キロ、アベレージ・サイズだったがHさんはこれで今回二本目のGT、しかも船中丁度10匹目のGTだったので船上は活気付く。
ところがそこから先は、たまに出るもののなかなか掛からない。
昼過ぎまで投げ続けたが一度も魚の反応はなく、潮も止まりかけていたので少し休んでいた。
そんな時にミヨシでKHKさんに代わって投げていたY店長にヒット。
やっぱりこういう時に釣るんだよなあ、と半分呆れてカメラを持って写真を撮りに行ったら、あれえ、なんか違う。
GTじゃないですよう、とY店長が困り顔でファイトしていた。
すぐに上がってきたのがコレ。
写真を撮りましょう、と僕がいうと手が臭くなるから嫌だ、と拒むY店長に無理やり魚を持っていただきカメラに収めた。

この1匹で僕の中の朝からの緊張感は途切れた。
夕方までもう出ないだろう、と少し体を休めることにする。
この日も水着いっちょうになって日向ぼっこした。
さらに持て余したのでコーヒーを淹れることにした。
船の移動のいいタイミングを見て船長にお湯を沸かしていただき、クーラーボックスの中の氷を割ってアイスコーヒーを淹れた。
この日のために、いや、実は訳あってアイスコーヒー用の豆を焙煎して持ってきていたのだ。
エノカフェ初のアイスコーヒーだった。
投げ続けていた一同にも移動の時間を見てアイスコーヒーを振る舞う。
南国の大海原の上で贅沢な時間が流れた。

ゆったりした時間が過ぎた。潮も緩み船は島の北に向かい大きく移動した。
まだ潮が動いている場所があるかもしれないという船長の判断だった。
しかし、移動後のポイントでは上塩は動いているものの底潮が動かない二枚潮だった。
沈むルアーも投げて見てください、と言われ、この日絶好調のヨッシーさんがパンドラを投げて見たものの魚の反応はなかった。
再び船は南に大きく移動して夕まずめのいい時間を朝と逆方向から流していったが、ヒットはとうとう無く午後6時にストップ・フィッシングとなった。
もう一匹釣りたかったな、と僕は思っていた。ここまできて思うと、昨日バラした一匹が大きい。
魚との出会いは一期一会だ。それを逃してしまっては釣りは成就しない。
少し悔しい思いで夕焼けの海を見ながら走る船の上で冷たいビールを飲んでいた。
写真提供:Ebb&Flow
釣りに関するお問い合わせはEbb&Flowへどうぞ
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