ネットワーク・オーディオに手を出してしまった@Teac NT-505+CG−10M
今回はちょっと長いです(^_^;)
って、いつも長いか?
ネットワーク・オーディオといってもオーディオ好きの人以外の方にはピンとこないでありましょう。
知ってるかな?今時の音楽事情はCDだのレコードなどのパッケージされた音楽から、ネットを通じてダウンロードしたりストリーミングで聴いたりする世の中にだいぶ変わりつつあるわけですね。
昨年の緊急事態宣言一号の時に在宅生活に飽きた僕がSpotify(スポティファイ)という配信音楽に手を出して、以来CDを全く買わなくなってしまった話を確か本ブログにも書いたと思うのですが、あれもネットワーク・オーディオの一つで僕にとってはスタートだった。
この一年間はおかげであらゆるジャンルの音楽を聴きまくり、祝辞の準備をする時もカレーの日はインド音楽、パスタを茹でる時はカンツォーネと日常的にも音楽生活は大変充実していたのでありますが、つい先日事件が起こった。
この間、というより、もういつ買ったか忘れてしまうほど使い込んだ安物のDAコンバータが壊れてしまったのだ。
DAコンバータをわかりやすく言うとパソコンのデジタル音楽信号をオーディオ用のアナログ信号に変換する機械なんですね。
こいつが無いと安物だろうがなんだろうがPCの音をオーディオで聴けないと言うわけ。
それで思い立って、この際だからちゃんとオーディオ機器と自慢できるくらいのちょっといいDAコンバータを買ってオーディオをグレードアップしようか?と言う気になったのであります。
さてそれではどんな機器があるんだろう、と早速ネットで検索してみれば、安いのは数千円から高いのは数百万円とピンキリ。もちろん音質とお値段はある程度比例するので、ここで数千円に手を出し後戻りする気はさらさら無いのではありますが、数十万円、となるとちょっと考え込んでしまう。
オーディオ街道一本やり、と言う趣味ならば、えいやっ!と買ってしまうところだろうが、こちとら釣りの遠征だのバイクだのと他にも金がかかるので流石に考え込んでしまった。
お手頃価格でいい音をするものはないものか?と色々さらに探していたら15万円くらいで手に入るものを発見。
音質などのレビューを読み漁れば、まあまあそこそこの音はするらしい。こう言うところの話は宣伝も入っているだろうから話七割くらいに聞いたとしてもまあ、なんとなるかなあ?それより上は30万円んクラスになっちゃうし。
と言うことで 日本のメーカーTEAC(ティアック)さんから出しているNT-505というDAコンバータを買うことにした。
本来ならオーディオショップに出かけて色々視聴してから買うべきものなのだけれど、コロナ禍でそれすらできない。
もう博打とも言えなくないような買い方でとりあえずこれまたネットで買ってしまったのだ。
さて数日後NT-505さんが届き早速荷ほどきしてセッティングしてみる。
前の壊れたDAコンバータはウィンドウズでしか使えなかったが、今度のNT-505はマックにつなげばドライバのインストールもなしに音が出るので取説を読みながら音を聞く前から感度してしまった。
なんたって、我が家のダイナブックの使い勝手の悪さと言ったら、起動してから使えるまで最低10分はかかると言う厄介者で、気の短い僕は毎日のように音楽を聞くためだけに起動するそのウィンドウズPCにニクシミさえ抱いていたのだ。
それが普段から愛用しているMacBook Proに繋いでスポティファイを立ち上げたら、まあ簡単、ぽん!と音が出てきた。
それも、その音が良い!
あら、スポティファイってこんなに音良かったっけ?ってビックリするくらい。
早速CDとどっちがいいか聴き比べてみる。
取り出したCDはヘリゲ・リエン・トリオのスパイラル・サークルというアルバム。
このCD、実に音が良い。ピアノ、ベース、ドラムスのピアノトリオのジャズなのだが、各楽器の粒立ち、繊細さ、アタックなど実に細かいところまで録音されている素晴らしいもので、もちろん演奏もすばらいい。
こいつをまずCDで鳴らして、同じ曲をスポティファイでも流しアンプのスイッチを切り替えて聴き比べる。
さて、どちらが良いか?この判断は難しかった。
ちなみにCDプレーヤーはソニーのCDP−555esDという20年選手の当時15万円くらいしたもの。
CDの方が音のパンチがある。メリハリがあると言い換えてもいい。しかし、音のきめ細かさはネットに分があった。ドラムスのブラッシが太鼓の皮をこする質感、ピアノの細かなタッチ、ベースの弦のうなりからは弾き手が弦を弾く様子が浮かび上がるほどリアルだ。
おお!これはいいぞ!大枚はたいた甲斐があったというもの。これならもう本当にCDともおさらばだ、と思った。
ところがである。数日この音を古い音源やら最新のものやら様々な曲で聴いていたら何かが物足らなくなってきたのだ。
それはアナログレコードのような滑らかな音の質感で、どうもいい音とは言えデジタルの音はザラザラした感じがしてならない。
やっぱりアナログはいいのかなあ。などと思いながらも、なんとかこの問題を解決するスベはないものか?
とあちこちとネットを探し回ったら、出てきましたよ怪しいものが。
それはマスタークロックジェネレーター、という聞きなれない下を噛みそうな名前の機械だ。
一体このジェネレーターは何をしてくれるのかとネット記事を読み漁れば、デジタル信号の「ゆらぎ」のようなものを修正してくれるらしい。
理屈はよくわからないのだが、高級ネットワーク・オーディオに繋いでも一定の効果は出る、というか間違いなく音は変わるらしい。音の繊細さが増すとも書いてあった。
ただしその音が良いか悪いかは聴き手の好みによるところが大きい、的な記事を読み腕を組んで悩む。
お値段はというとDAコンバータと同じティアックからやはり値段もDAコンバータと同じくらいの価格で出ている。
なんだ、これを買うなら最初から30万円のDAコンバータを買えばよかったんじゃん!とも思ったが、今もうすでに手の内にあるNT-505をお嫁に出して新たに30万円の投資を行うほど潤沢なフトコロ事情ではない。
そこで思い切ってこのなんちゃらジェネレーターを買うことにした。これもまた、オーディオショップで視聴をすることも無い博打買い。
ネットでポチって買ってしまう。
泥沼にすでに両足がハマった感覚だった。
そして、さらにこのジェネレーターとDAコンバータを接続するケーブルがいくつか必要だということも後から気づく。
これらのケーブルときたら、なんで電線一本なり二本なりのものがこんなに高いんだよ!というくらい、これまたピンキリのお値段である。
過ぎたるは及ばざるが如し、何事も中庸が良し、という孔子さんだっけ、の教えを思い出し中庸をとったが、線4本で10万円近くかかった。
そしてさらに、今度はCDプレーヤーもアンプへ直接つなぐのではなく、CDプレーヤー→DAコンバータと繋いで音の変化を見た。
まずはそのなんとかジェネレーターCG-10Mというやつの実力なのだが。
これまた微妙。確かに音は繊細で音の雑味が消える。クリアになるということですね。一方で音質が全体に柔らかい感じになるのだ。
これはまさしく好みの問題で、良い悪いでは無い。したがって好きな方を選ぶ。僕の場合は固く締まった音を捨てて繊細さを選んだ。
NT-505とCG-10Mをつなぐと、実にきめの細かい質感のしっかりした密度の高い音になる。
パソコンから線一本で出てるとは思えない音質。
CDと比較しても明らかにこちらの方が音の密度が高い。専門的なことを言うとNT-505は信号をアップコンバートする機能があるので、これで元はショボめのPCからのデータを無理やりいい音にしているとうわけだ。
しかしそれは、すっぴんはその辺にいる小娘に化粧をしていい女に仕立てると言うものではなく、むしろその小娘の持つ良き美人性的なものだけ残して、他の余分なものは削ぎ落としてしまうというかんじ。本来娘のも強いところをうまく引き出していい女にすると言うと分かりやすいか。
こう言うものの例えは今日びのジェンダー問題に微妙ではあるが、この程度の表現しかできないのでご勘弁いただきたい。
話を戻そう、DAコンバータ+ジェネレータのおかげでPC音源は素晴らしくいい音になった。古いレコードと比較しても音の厚みだけは勝てないが、その分レコードでは味わえない繊細さやノイズのなさを体験できる。
これでいいじゃないか!と思った。
そして次なる問題はDAコンバータ+ジェネレータに繋いだCDの音である。
これもスイッチを切り替えて聴き比べたが、音の繊細さでDA+ジェネのコンビに軍配が上がった。
と言うより、これだけ金かけて音悪かったらたまんねえよ!という気持ちも自分の中にあってどこかで贔屓しているのかもしれないが。
さあて、ここで話は終わらない。
世の中にはハイレゾ音源なるものがある。
デジタル録音の最高の音質、スタジオでマイクから拾った音を目一杯の濃度のデータで録音した酒で言えば原酒のような物。
これが今やオーディオ界では普通に手に入る。
ただしこれらの多くはまだ一度NASと呼ばれるサーバのようなものにダウンロードしたデータを再生するのが主で、ストリーミングでは一部アマゾンHDあたりがすでに行なっているらしい。
これに飛びつかない手はないのであるが、とりあえず視聴したかったので、e-onkyoというハイレゾを提供しているサイトにアクセスして、せこく使用のボタンで曲の一部を短く再生して色々聞いてみたら、なんと、その音質ったらどこかで聴いた事がある。
そうだ!これテレビの仕事をしていた時代にスタジオで散々聴いていた音じゃん。
よくよく考えたら、今僕の部屋にあるスピーカーJBL4315もアムクロンのパワー・アンプもある録音スタジオで使われていたものと同じものだ。
どうりで聴き覚えのある音だ。でもこれが好きかと言われたら、嫌いじゃないけど、そんな音質になんだか昔の仕事の嫌な思い出とか思い出さされそうで、そんなものが自分の部屋に入ってきて、せっかくクツロギの時間を過ごす僕を包み込むのかあ、と思ったらちょっと興ざめしてしまった。
とは言え、いい音なんだよねえ、ハイレゾ。
次のステップはここだな、と思うのであったが、さらに!
ネットで色々みているうちにRoonという配信音楽サービスが素晴らしいという記事があちこちに出ている。
今回購入したDAコンバータNT-505にもRoon対応、と書かれている。
という事で、今しばらく現状の音を色々試しつつ聴いた次のステップはRoonへと行くことに決めた。
なんだか長くて申し訳ない。以上、数年ぶりにオーディオのスイッチがオンになったというご報告でありました。
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