無料ブログはココログ
フォト

最近のトラックバック

« 「耳なし芳一」坂田明、青木裕子、よしむら欅@テアトルフォンテ | トップページ | 佐渡島初遠征① »

2021年9月 2日 (木)

クロマグロの釣りによる捕獲禁止条例について考えてみた

今日はちょっと固いお話をします。
何かと言うと、つい先月下旬に水産省から発令された「遊漁者によるクロマグロの捕獲禁止」令について、釣り師としてどうも納得がいかないのでそんな話を。
釣りに関係ない方も皆さんの大好きなクロマグロ(本マグロ)のお刺身の話だと思って読んでみてください。
これを読んでの皆さんの感想やご意見も是非お聞きしたいんです。
さて、本題に入りますね。
クロマグロ(正確には太平洋クロマグロ)は個体数の減少が著しく絶滅の危機にあることが知られており、その漁獲規制の重要性が叫ばれていますが、日本の水産省はつい数年前までこの規制に消極的でした。
しかしながら海外からの規制せよとの圧力が高まり、ここ数年、いや、一昨年あたりからクロマグロ採捕の規制に乗り出したんですね。
その規制の一番の目玉は30kg以下の小型クロマグロは一切採捕してはならぬ、というもので、これは漁業者、遊漁者ともに公平に規制が行われました。
こういう条例が出た背景には、これまでのクロマグロの大量捕獲は、大手水産会社及びその系列などによる巻き網という、クロマグロの群れをぐるりと取り囲んで根こそぎ捕まえてしまう漁法が問題になっており、しかも、それを6〜7月の産卵期に集まってきて大きな群れを作るクロマグロに対しておこなうものですからクロマグロは文字通り一網打尽となって大きいのも小さいのも根こそぎ取られていたんです。
6〜7月になるとスーパーで「マグロ祭り」的な広告のもとに行われるマグロの安売りはこのマグロ達なんですね。
もちろんそれを食べているのは皆さん達です。
このような漁法に対しては釣り人からも規制せよとの声が数年前から上がっており、水産省と大手水産会社に対してデモ行進を行うことも数年間続けられてきました。
このような経緯の中で30kg以下のマグロはとってはならぬという規制ができたのは大きな進歩でありましたが、一方で事件も起こりました。
それは大量の30キロ以下のクロマグロの死体が海上に漂流するというもので、この事件の犯人は特定されることもなく、また、この手の事件にはマスコミは食いつきが悪く、報道もされないまま闇に葬り去られてしまいました。
懸命な読者の皆さんならば、大量のクロマグロ、というだけで犯人は誰なのか、大体のことはお察しできると思いますが。
そんなこともあった中、今年の夏突然水産省から発せられたのが下のような「おふれ書き」でした。
Photo_20210902074105
水産省のホームページ上にこのような規制の「おふれ」が突然出たので遊漁関係者はビックリ。
内容を見ると、30キロ以上のクロマグロも採捕は禁止!でも釣りしてリリースするならいいよ、という内容です。
下記がその正式な文面。


40
そして、遊漁者のある団体には下のような書類が送られてきた。

Photo_20210902074103
ことがここに至るまでは、実は僕も知らなかたんですが、水産省から遊漁者に対して、捕獲したマグロの報告義務というのが発せられていて、正直者の釣り師は自分たちの釣ったクロマグロの重さと数をせっせと水産省に報告していたらしい。
それをまとめたものが下の表です。

Photo_20210902074201
この表から読み取れるのは、釣り師達がこの間釣ったマグロの総数が476匹で重さにして約20トン弱、というものです。
そこで再度、前出の釣り人団体に送られてきた今回の規制の通達文を見てみますと、
この間の捕獲数調査への協力への感謝を述べた上で、釣り人の捕獲数が自分たち(水産省)の想定以上の数で、
Photo_20210902083501
上記のように、今後このまま遊漁によるくろまぐろ(大型魚)の採捕が高水準で推移すれば、漁獲可能量制度に基づく現在の枠組みにおける適切な警鐘が困難となり、遊漁によるくろまぐろの一斉採捕停止等、更なる規制処置の導入を検討せざるを得ない状況にあります。
と書かれています。
確かに年間20トンはバカにならない量ではあるので、この規制もやむなしなのかなあ?と思う一方で
じゃあ漁業によるクロマグロの捕獲規制はどうなってるんだろうと、調べてみたのが以下です。

まずは件の「巻き網漁法」に対する漁獲量規制ですが下の資料をご覧ください。

Photo_20210902075502
これは僕の解釈ですと、今年1月から12月までのクロマグロの漁獲可能な量が全体で3315トンで、すでに9月末までに採捕されるマグロの漁獲量の見込みが2778トン!1日あたりなんと11トン!
なので、残りの10〜12月までの3ヶ月弱の間で3315-2778=537ということで、まだあと537トンもとっていいですよ、という内容になっているじゃあありませんか。
釣り師の釣った総漁獲量20トンに対して2778トンですよ。この数字は釣り師の釣ったクロマグロの数は巻き網漁のおよそ0.7%にあたりますね。
これは単純に比較できませんが、経済的な話は抜きにして、マグロの資源保護という観点から見たときに、巻き網漁の1%にも満たない20トンは多すぎるけど、2778トンはまだ537トンも捕れるということになり、この辺が釣り師的に僕には納得いかないんですね。
そもそも年間漁獲総量の3315トンという数字が科学的にクロマグロの資源保護に対してどのような数字かもよくわからないし、本来資源管理をするならばたくさん捕る方の管理を厳しくした方が結果はすぐに出ることは中学生でもわかるでしょう。
このように資料を見ているうちに、大手水産会社を中心とする漁業には甘く、釣り人には厳しくという漁業規制の姿が浮かび上がってきたので、釣り師の僕にとっては実に腹立たしい。
資源保護をうたうならば、漁業者に対して保証金を払ってでもいいから数年間は全面的な捕獲禁止をする(地中海マグロではこれをやって成果を上げています)とか、アメリカの様に一漁船あたりの採捕重量と数を決めて厳しい監視のもとに規制する(これも大きな成果を上げています)とか、もう少し科学的な視点を持って実効性かつ公平性のある規制をすべきだと強く思ったのでありました。
さらに資源保護は自然保護でもあるのでこの問題は環境省も関わるべきだと思いますが、日本の縦割り行政と縄張り争いでもあるのでしょうか、環境省からのこの件に関するコメント等は聞いたことがありません(もしあったらごめんなさい)
これを読んだ皆さんのご意見もお聞きしたいので、コメントなりメールなりぜひお寄せいただきたいです。
僕個人の間違った資料の解釈があればそれも訂正したいですし。よろしくお願いいたします。
参考に巻き網漁以外の量についての漁獲割当量も出されているので下記に資料として添付いたします。
たったこれだけ?という程少ない割当量です。つまり、これは日本のクロマグロの大半は巻き網によって捕獲されていることを意味するんですね。
じゃあ、資源保護の近道はどうしたらいいのか?問題はここです。皆さんならどんな答えを出されますか?


Photo_20210902075501
※ 資料は全て水産省ホームページから引用いたしました

« 「耳なし芳一」坂田明、青木裕子、よしむら欅@テアトルフォンテ | トップページ | 佐渡島初遠征① »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「耳なし芳一」坂田明、青木裕子、よしむら欅@テアトルフォンテ | トップページ | 佐渡島初遠征① »

2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31