無料ブログはココログ
フォト

最近のトラックバック

« 2021年12月 | トップページ | 2022年2月 »

2022年1月

2022年1月30日 (日)

真冬の玄界灘を釣る2022④@サンライズ新海

サンライズ新海に乗っての真冬の玄界灘での釣りも最終日の三日目となりました。

 

この日も壱岐泊まりして朝6時半に港の船まで民宿から小雨の降る中を歩いて集合。

朝一のポイントが勝負ということで暗いうちに出船となります。

 

僕は船に乗るとすぐにコーヒーを淹れ始め比較的船の揺れが少ないうちにコーヒーを淹れ切った。

全員分無理して一度に淹れたら少し雑味の混ざったコーヒーになってしまい反省する。

限られた環境なのでやむなしとする。

 

コーヒーを飲み終わる頃にはポイントに到着した。

雨の中でのキャスティングはちょっと抵抗があったが一度デッキに立って投げ始めてしまったら覚悟がつく。

 

この日は雨だけでなく北風も冷たかった。

風を背にして追い風でキャスティングするので、投げてしまえばあとは背中に風を受けるだけでどうということはないのだが、投げようと風上に向き直って船の左舷側に歩くと寒風が頬をついた。

Img_0931

朝一のポイントは気合を入れたにも関わらず魚からの反応はなくポイントを移動する。

 

いつの間にか明るくなっていて濡れて冷えた体を縮こめてキャビンの中でうずくまるようにじっとしていた。

 

何箇所かポイントを変えて釣るがなかなか魚は出ない。

ようやくヒットしたのは午前10時近くなってからの事。

 

トモでキャストしていたジギング王にヒラマサがヒットする。

雨で滑る甲板の上でのファイトに気を使い船長がすぐ横に立って万が一の時の補助ができるようにしていた。

 

しばらくファイトして魚は上がってきた。

10キロオーバーの見事なヒラマサだった。

さすがジギング王、毎回投げ続けているだけのことはある。にわかキャスティングの僕などとは力量が違う。

魚を誘う、掛ける、ファイトする、どれも素晴らしい。

Img_0935_20220130152201

サンライズ新海では最近10キロ以上のヒラマサを釣ると10キロオーバー・シールというシールをくれる。

日にちと船長のサイン入りで釣ったお墨付きのようなものだ。

今回はすでにロックンKさんがもらっていた。

Img_0941

僕もバースデー記念に手に入れたくて雨の中もキャスティングを続けるのだが、下手くそ釣師のルアーには魚は見向きもしない。

 

ジギング王ときたら10キロオーバーのヒラマサを釣った興奮がまだ冷めぬうちにまたまたでかいのを掛ける。

 

僕はミヨシでキャストし続けていたので細かな様子がわからなかったのだが、かなりデカそうなのが船長のあげる声からわかった。

 

そして、あああ〜!というため息とも悲鳴ともつかぬ声とともにファイトは終了し船長がキャビンに戻ってきたので、どうしたのか?と聞いたら

根ズレです。アラ、アラ!と答えた。

0004_20220130152201

アラ(クエ)がきたらしい。それも相当でかいサイズのものがトップに出て船べり近くまで来たところで水深30メートルくらいの根まで一気に走って糸をぶち切ったようだ。

水面からその水深まで一気に走る力の魚と言ったら僕の想像では30キロは軽くある大物なのではないかと、Y店長に聞いたらおそらくそのくらいかそれ以上あったのではないかと返事が帰って来た。

 

日中でもこの日のように雲が重く垂れ込めて光量の少ない時はクエがトップに出るのかと嬉しくなった。

 

切られたジギング王は残念であったが残り3人のキャストしていたメンバーの活性は上がった。

おそらくみんな腹の中では「次は俺だ」と思っていたに違いない。僕もそうだった。


Img_0948

この頃には雨が防寒具の隙間から入り込み腰のあたりがビチョビチョに濡れてだいぶやる気を削がれていたのだがしばらくはジギング王のおかげで投げ続けることができた。

 

しかし無情にも魚は全く出ず、キャストする体も三日間の疲れでキシムように痛む。

次の移動の時、ジギング王が顔色を悪くして椅子にかけたままうつむいていたのを見て心配になった。

大丈夫ですか?と声をかけても力無い返事は何を言ってるのかわからない。

 

どうやら船酔いしたようなのだが、ジギング王が船酔いするのは見たことがなかったのでちょっと心配になった。

海は時化気味で船は揺れるには揺れたがそれほど激しい揺れとは思っていなかったからだ。

 

僕は移動中キャビンの中でワインを飲んで体を温めた。なかなか冷えた体は温まらず、グビグビ飲んでいたらボトル半分くらい飲んでしまった。

 

すっかり酔っ払った僕はジギング王が休んでいる間、僕はトモに移ってキャスティングした。

 

船べりで囲まれたトモの方が手すりだけのミヨシよりも安心してキャスティングができるからだ。

この頃には僕も体力の限界を感じていた上に酔っ払ってしまい半ばヤケクソで投げては引いていた。

 

昼まで壱岐の島周りをやったがその後魚のヒットは無かった。

帰りの時間を考えて船は戻り始める。

その頃にはジギング王も復活していて、港に入る前に最後に流したポイントでは元気にキャスティングを再開していた。

 

結局一時過ぎまでやってみたがこの日のヒットはジギング王の二発のみだった。

Img_0944

最後のポイントであと三投したら終わりにしましょう。と船長がいい、何事も起こらず釣りは終了となった。

 

港に向かって走り始めた船のキャビンに入り込んで一同ビールやらジュースやらを手にお疲れの乾杯をした。

寒い中最後までみんなよく頑張った。

根魚王とシオさんも今回は根魚が渋くてそれぞれハタ一匹ずつしか釣れなかったのに最後まで釣りをやめなかった。


Img_0949

冷たい雨は中に着たTシャツを濡らし気持ちが悪かった。

三日目は厳しい天気だったがそもそもの予報では二日間船が出られればラッキーという予報だったので、三日間釣りができたことに感謝した。

過去にも冬の玄界灘では思い出深い出来事がたくさんあった。

初めて来てイカナブラにルアーを投げて見事大きなぶりをヒットさせたのにバラした事。

マグロのナブラのど真ん中にルアーが入ったのにマグロがルアーの目の前で反転した事。

生まれて初めてヒラマサを釣った事。

僕のオフショアの釣りでの初めての体験の多くがこの海にあった。

今年でこの釣りを始めて8年目になるが、ここ数年漫然と釣りをしていた自分を反省し、今年はもう少しステップアップしようと三日間投げ続けてみた。

 

投げ続けることで自分の弱点もたくさん見えて来たし、今後やるべきことが明確になった。

 

来年また玄界灘に来られたならば次こそは大きなヒラマサを手にしようと決意を新たにした釣行となったのでありました。

 

 

写真協力:Ebb&Flow、サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2022年1月27日 (木)

真冬の玄界灘を釣る2022③@サンライズ新海

2022年1月22日、サンライズ新海号での玄界灘釣行二日目

この日は壱岐に泊まった宿のご好意で特別に朝6時に朝食を用意していただき釣り師一同素早く食べて出発、船まで荷物を手に船まで5分ほど歩く。

船に着いたらすでに田代船長が昨日の夕方船にしまい込んだ釣り具を出して待ってくれていた。

昨夕釣り具を仕舞うのも僕らに先に風呂入って待っていてと船長一人でやってくれたので大変申し訳ない。

こういう気遣いをしてくれるところがサンライズ田代船長の素晴らしいところで、世間には釣らせる船長として有名なようだがそれだけではないのである。

 

6時半過ぎ出船。

30分ほど走り朝一は壱岐周りのポイントを攻める。

ポイントに着くと今日も昨日と同じメンバーがそれぞれキャスティングとジギングに分かれて釣りを始める。

東の空が紅色に染まり始めていた。ちょうど潮もよく朝まずめのいい時間帯は期待が大きい。

Img_0733

一流し目、いきなりロックンKさんにヒットして来た。

昨日に続きこのヒラマサもいいサイズのようで竿は弓なりになり竿先をグイグイと強く引き込まれる。

朝焼けを背景にしたファイトの姿はカッコよかった。

Img_0705

ヒラマサの走りをかわして魚はタモに収まる。立派なヒラマサだった。

写真を撮ろうとしたらいつの間にかシオさんがワラサを釣り上げていてダブルキャッチとなった。

Img_0730

同じポイントを再び流し直す。

僕は「出ろ!出ろ!」とリトリーブする(竿を引いてルアーを動かす)リズムに合わせて声を出す。

隣のヤッシーさんも臨戦態勢でキャストを繰り返した。

いかにも出そうな、いや、もうすでに一本出ているのだからいつ来てもおかしくはなかったのだがヒラマサは出なかった。

移動するというのでデッキを降りようとしたら、「エノさん」と船長が声をかけてくれて朝焼けをバックに僕の写真を撮ってくれた。

この日は僕の誕生日で、船長もそのことを知っていた。

記念にといい写真を撮ってもらった。

Img_0895_20220127103301

田代船長は次のポイントに悩んでいた。

昨日攻めた場所が今一つだったのでさらにいいポイントはないかといくつかの候補を頭の中に掲げて絞り込んでいた。

「一時間走ります」とキッパリいうと船は速度を上げて走り出した。

 

僕は昨日の疲れが出たのか、緊張が一瞬解けたのか急に体がだるくなり起きていられなくなり、キャビンの奥に入ってへたり込むように横になった。

しばらく寝ていたらしい。気づくと少しスッキリして気力も湧いていた。

海は凪で走る船もあまり揺れなかったのでコーヒーを淹れることにした。

Img_0896

船の揺れの中でコーヒーを淹れるのは大変だけど楽しい。

うまく淹れられたコーヒーの味が格別だからだ。

今回持ってきたコーヒー豆を船長に見せる。コスタリカ、リベンス農場のブラックハニーという豆。サンライズ遠征の時には必ずこの豆を用意することにしていた。それはこの船がエノカフェ発祥の地であり、船長が絵のカフェに対する理解を示してくれているからだ。

やがてコーヒーがはいるとうたた寝しているメンバーを無理やり起こして無理やりコーヒーを飲ませた。

タイミングよくコーヒーを飲み終わる頃にポイントに到着した。

一時間かかると言っていたので、僕は自分がそんなに長く寝ていたことに驚いた。一瞬に感じていたからだ。

 

ポイントに着くコーヒーカップの後片付けも放り出してキャストを始めた。

凪の大海原にルアーを投げるのは実に爽快な気分だ。昨日の疲れで重かった体も動き始めていた。

 

しばらく流すと左舷後方で賑やかな声が上がった。

シオさん、また釣ったな。と思ってミヨシのデッキから覗き込んでみたらいい型のマハタを手にしたシオさんが写真に収まるところだった。

Img_0750

しばらくすると今度は根魚王が不本意ながらワラサを釣り上げた。

この時のルアーは松原グローではなかったので岐阜へ向かっての儀式も無かった。

Img_0756

キャスティング組も気合を入れ一時間ほど何箇所か流してみたもののヒラマサからの反応は薄く船長は再び移動を決意する。

この辺の見切りの早さが素晴らしい。

 

 

船はまた一時間走って昨日のブリ、ヒラマサポイントに向かった。

ちょうどお昼頃に昨日のポイントに着く。

 

お昼ご飯もそぞろに、というよりも昨夜も今朝もコンビニに行く時間を惜しんで釣りをしていたため食べるものが無かったというのが本当のところで、ビールのつまみ用に買った柿ピーわさび味を三袋移動中にお腹にかきこんでおいて釣りを始めた。ばかだ。

 

キャストするがなかなか魚は出ない。

一時間ほどした時、出た出た!ヒットヒット!と船長の声。

トモのジギング王だ。

釣れたヒラマサはルアーを丸呑みしていた。

Img_0767

投げて投げて!まだいるまだいる!と船長が続けて叫んだ。

よおし俺も!と気合を入れてキャストしルアーを動かす。

すると、何回かルアーを引いた後に大きな水しぶきが上がり手元にズシッとした重みと魚の暴れる手応えが伝わった。

出た出た!ヒットヒット!と急いでリールの糸を巻く。

魚は船に向かって走るので糸をたるませたらすぐに外れてしまう。針の返しは魚にダメージを与えずにリリースできるように潰してあるのだ。

 

うまいこと魚は船近くまで寄せられた。

船長が大きなタモを持ち駆け寄る。

魚は船のすぐ下まで来て後少しでタモに入れられそうだった。

その時、魚は最後の悪あがきと一瞬下に走って糸を出した。

潜られたらヤバイと一瞬焦った僕は竿をファイティングベルトにセットしようとする。竿を立てないで!魚はもう見えてる!と船長から叫ばれる。

またまた慌てて竿をファイティングベルトから外して脇に挟もうとした。

その瞬間に一瞬糸が緩んでしまったらしい。手元がスッと軽くなり魚はバレてしまった。

せっかくのバースデイ・フィッシュをばらしてしまったのだが、まだまだあるある!と声を出し自分を鼓舞する余裕がこの時はまだあった。

 

 

海は活気付いていた。数分後にまたまたジギング王がキャスティングで今度はブリを釣り上げた。

お腹がパンパンのブリだった。

Img_0777-1

次にY店長がジギングで珍しくカンパチを仕留める。

Img_0904

その後も流し帰るたびにY店長はワラサクラスのブリを釣り上げていたが誰も写真を撮らなかったので記録にない。

 

Img_0902

いつもならジグで入れ喰っているのを見るとすぐにジギングを始める僕だがこの日はひたすら投げ続けた。

誕生日のこの日を一日キャストし続けて特別な日にしようと思っていたのだ。


Img_0819_20220127103101

これまで丸一日キャストだけの釣りをした事はなかった。当然の結果としてキャスティングで釣った魚の数も少ない。

そんな自分の釣りをこの気に変えてみようと思った。その為にも一日中投げ続けるとどういう事になるのか、体力的にも精神的にも自分が耐えられるのかやっておきたかったのだ。

Img_0835

 

船はポイントを移動しながら流し直す。

あるポイントでいい型のヒラマサが僕のルアーのすぐ後ろで水しぶきを上げたが針にはかからなかった。

魚に喰わせるまでの技術が僕には欠けているのだ。

その点投げるのはもちろん食わすのも上手いヤッシーさんはブルぶりに太った10キロオーバーのブリを釣り上げ、

ジギング王もいいサイズのヒラマサを釣り上げた。

 

Img_0915

シオさんは嬉しそうに、根魚王が落胆しながらワラサを釣っていた。

 

今回は根魚が渋く、普段なら二桁はアコウを釣る根魚王もワラサばかり釣り上げて青物王に変身していた。

 

僕はキャスティングは次第に慣れて無駄な力は入らなくなって来たものの午後3時を回った頃には肩や胸の筋肉が悲鳴をあげ始めた。

 

ライン・トラブルでシステムを組み直しながら体を休めたり、ビールを飲んで気分転換したりしながら5時近くまで投げたがとうとう釣れなかった。

Img_0826_20220127103101

最後に壱岐周りに移動してやってみましょう、と船は走る。

 

空には怪しい雲が広がり、地震雲だ!と言って写真を撮った。

昨夜、大分県で大きな地震があり被害が出たことを僕らもニュースで知っていたので地震雲に敏感になっていた。

Img_0917

15分ほど走り壱岐の島を目の前に見ながらキャスティングを始めた。

移動後すぐにシオさんがジギングでワラサを挙げたがキャスティングには魚が出なかった。

 

Img_0843

何度か流した後、次、ラストの流しにします。と船長の声がアナウンスされる。

船長はなんとか僕にバースデイ・フィッシュを釣って欲しかったようだった。

ここまでくると昼間バラした一匹の存在は大きい。

夕暮れが迫る中でキャストしながら、なんとか一日を通して投げ切れた事に満足をし、この誕生日に最高の船に最高の船長、最高の釣り仲間と釣りができたことが幸せだと思った。

 

最後の流しも魚は出なかった。

一日が終わった。と思ったら「もう人流しだけします」と船長のアナウンス。

 

気持ちだけでも嬉しかった。これで釣れたら申し分無いのだが、とキャストを始めた。

 

するとどうだろう!ロックンKさんにヒット!

それをみながらすぐさま投げた僕にもヒットする。

夢中でファイトしたので細かいことは覚えていない。

 

魚がタモに入った瞬間、船長が「ハッピー・バースデイ!」と祝福してくれた。

僕はやっと手にしたバースデイ・フィッシュに声をあげて喜んだが、みんなも一緒に喜んでくれているのが分かった。

 

ロックンKさんと2人でダブルヒット写真を撮る間にまたまたシオさんがヒット、さらに連携プレーのごとく根魚王の青物と釣れまくる。

最後の流しは奇跡だった。

Img_0921

港に向かって走り始めた船のキャビンでビールで乾杯しみんなから「ハッピー・バースデイ」と祝福されてたまらないビールの味になった。

バースデイ・フィッシュはブリだった。ヒラマサを釣りたかったのだが自分の腕のヘボさで大事な一匹をバラした。

悔しさはあまりなくこの腕じゃこんなもんだろう、くらいに思った。

それより何よりも誕生日の一日を素晴らしい一日にしてくれたみんなに感謝する気持ちでいっぱいだった。

ありがとう田代船長、ありがとう釣りバカのみんな。

 

 

写真協力:Ebb&Flow、サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2022年1月26日 (水)

真冬の玄界灘を釣る2022②@サンライズ新海

真冬の玄界灘でのルアー釣行初日。

 

午前9時前に始まった入れ食いが止まらなかった。

僕らがミヨシのデッキでドヤ顔で釣った魚の写真を撮っている間に根魚王にもワラサがヒットする。

 

根魚狙い専門の根魚王にとってはブリなどの青物は無駄に体力を消耗するだけの厄介者と日頃からご本人はおっしゃっているがファイトしている顔はなんとなく嬉しそう。

上がってきたのはやはりワラサであった。

釣ったジグはツキジグという僕らエブフロ 隊の間では釣れるジグとして有名なジグなのだが、根魚王が使っていた色は松原グローという名前の、岐阜に住む帝王松原さんが考案した色で、これがまたいやらしいアミアミの目が入ったグローカラーでよく釣れる。

釣行前にその松原さん本人から僕に連絡があり、今回の釣行で松原グローで魚を釣ったら岐阜に向かって一礼せよ!との指令が降っていた。

そしてその様子を写真に撮って送るようにというのである。

そのことを根魚王は律儀にも魚を持って岐阜の方向と思われる東北の方向に向きれをして写真を撮った。

001_20220126154801

 

玄界灘の海の上まで来て何やってんだか!なのであるが面白ければまあいい。遊びで釣りをしてるのだ。

この入れ食い状況を見たロックンKさんは素早くキャスティングからジギングに移って釣りを始めたが、皮肉にも地合いが過ぎてしまったのかここから全くアタリが途絶えてしまった。

 

僕はキャスティングでヒラマサを釣りたかったのと、ブリを一匹釣って気を良くしたのでキャスティングを続けていた。

 

ポイントを大きく変えたりしながら釣り続けていたらキャストしてルアーを動かしているところに軽い衝撃が手元に伝わった。

ん?魚?と思ったらグググ!と引くじゃあないですか。

お!ヒット!ヒット!と声を出して見たものの軽くて抵抗もしない。

なんだろ?と強引に巻いて来たらペンペンシイラ(小さいシイラをこう呼ぶ)だった。

シイラは温かい水の場所を好むので真冬の玄界灘にいるのはちょっと驚いた。

Img_0577

Y店長が来て写真を撮りながら、この季節にいるんですねえ、と言っていた。

 

ペンペンでも釣れたのがなんとなく嬉しくて再び投げる。

 

次に釣ったのはヤッシーさん。

僕のペンペンシイラの次の流しでいいのをかける。

竿先はグイグイ引き込まれ魚は走った。ヒラマサだ。

Img_0588

いいなあ、と眺めていた僕の顔は他人が見たらさぞや羨ましげな表情だったに違いない。

サイズは10キロオーバーとはいかなかったが立派なヒラマサだった。

 

そこからまたアタリはなくなりジギング組も釣れていなかった。

時刻は昼を周り冬の太陽が雲間から射し始めていた。

少し暖かくなりまったりした空気が船上にただよってきた中、根魚王の竿が大きく曲がる。

竿の動きを見ていると明らかに青物の引きではない。来たか!本命のクエ(アラ)!と船長がキャビンから飛び出して来たが根魚王の顔色は渋かった。

魚のような生命反応が無いというのだ。石でしょう、と船長が言い根魚王はガッカリする。

上がって来たのは、なんと網状に編まれたロープで石が包まれるている。

なんじゃこりゃ?漁師の重りにしても作りが素朴すぎる。古代の釣り具か?海底遺跡か?と冗談半分で盛り上がる。

 

Img_0882_20220126155301

 

なんてもん釣り上げてしまったんだ!とがっかりした根魚王だったが、この後天からないか降って来たように一人釣りまくる。

まずは10分後にアコウ(キジハタ)

 

Img_0884

これを見て僕もキャスティングからジギングに変えて釣りを始めた。

アコウが欲しかったのだ。だって美味しいんだもん。

そんな僕を横目に根魚王はまたまた松原グローでワラサを釣り上げ、もう写真はいいよ!と言っている所に船長が無理やり魚を差し出して写真を撮る。

Img_0885

などとやっている所にジギング王がキャスティングでヒット!

なんだか紛らわしいな、話は変わるが、最近ジギング王はキャスティングをしていることの方が圧倒的に多い。もちろんジギングをすればすぐに釣るのでジギング王なのだが、ジギングポイントでも時としてキャストしていることなどもあり、このままジギング王という名前で本ブログに登場させ続けて良いものなのだろうか?と少し悩んでいるのだ。

 

そんな間にしっかりとファイトしてジキング王はキャスティングでヒラマサをキャッチしていた。ああ紛らわしい。

Img_0653

この段階で魚をキャッチしていないのはロックンKさんのみとなりプレッシャーがかかるかな、と思ったがそれは僕のいらぬ心配だった。

 

すぐにこの後キャスティングでヒットさせる。

それも魚がデカイ。

竿先を海中にひきづり込まれるほどのファイトで上がって来たのは10キロオーバーの見事なヒラマサだった。

ホッとしたのか写真は照れ笑いしてるように見えた。

Img_0631

ここで地合いが来た。

キャスティングではヒラマサ、ジギングではワラサが次々とジグにヒットする。

 

まずは僕のツキジグにワラサが。松原グローではない色を使っていたので拝まずに済んだ。

Img_0681_20220126154801

そしてキャスティングでヤッシーさん。

 


Img_0643

続いてジギング王もキャスティングで。

Img_0607

 

さらにヤッシーさんがキャスティングで釣ったブリは異常なほどにお腹がパンパンに膨れていた。

長さこそ無かったものの重さを測ったら10キロを超えていた。

一体お腹に何が入っているのか見てみたかったくらいだ。

Img_0665

続いて今度はまたまた僕にワラサが。

Img_0888

そのほかにも写真を撮っていない魚が多数。

Y店長、青物は外道扱いの根魚王にもワラサが沢山釣れ、これらの魚はほとんどリリースされて海に帰って行った。

 

この日根魚王は十数本のワラサを釣り上げ、後日岐阜の帝王に青物王と揶揄された。

 

魚ばかりか釣り師の活性も上がって騒いでいたら時の過ぎるのは早い。午後四時を回り夕方になっていた。

 

この後はこの日の宿泊先の壱岐の島周りに移動し僕は再びをキャスティングしたが魚は釣れることなく初日が終わった。

 

 

写真協力:Ebb&Flow、サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2022年1月25日 (火)

真冬の玄界灘を釣る2022①@サンライズ新海

今年二度目の釣りはあの有名船、サンライズ新海号に乗っての玄界灘釣行となりました。

 

サンライズさんは先月に続き二月連続で、あの日本一予約の取れない船に二ヶ月連続で乗れるだけでも幸せちゅうもんです。

ツアーを企画してくださるルアーショプ、エブ&フローさんに感謝しつつ羽田から福岡に飛んで全員集合。

今回は横浜組6名に浜松のキャスティング王ことヤッシーさんが合流し総勢7名での兆候となります。

 

空港を出ると外は寒かった。

車で糸島にあるビジネスホテルに向かうとミゾレまでぱらついて来た。

釣りは明日からで、今夜は糸島のビジネスホテルに一泊するのであります。というのもいつも利用する唐津第一ホテルが長期滞在者で一杯で予約できないんですね。

やむなくサンライズ号のある呼子港と福岡の中間地点にある糸島というところで一泊し、明朝早く出て呼子港に向かうという算段なのでありました。

ホテルに着いたら8時過ぎ。周辺に食事をするところもないのですぐ隣にある大型スーパーで惣菜やら酒のつまみやらを素早く買い込んで各自部屋でさみしく夕食を素早くとり素早く寝たのであります。

なぜそのように素早くしなければならないかと言いますと、翌朝の出発が午前4時と早いからなのであります。

部屋で「ちょい飲みセット」という惣菜にビールで夕食を終えると即寝。

Img_2921_20220125175801

 

翌朝3時に目を覚ましシャワーを浴びて出かける支度をすると4時前にすでにみんな集まり車に乗り込んでいた。

 

唐津に向かう途中で三日分の飲み物など買い込みサンライズの田代船長と合流し呼子港へ向かいます。

 

まだ暗い呼子港に着いたのは6時頃。

今朝一番に行くポイントと潮の具合であまりのんびり出航していられないとのことで、とりあえずキャスティングとジギングのタックルを一セット準備したら出ます、との船長の掛け声にまたまた素早く仕掛けのセッティングをして出船。

空はなんとなく白み始めていて夜明けは間もないと分かる。

暗いなか船は全速力で走り、そこそこ波のある玄界灘に出るといつものサンライズらしくドン!ドン!と波にぶち当たりながらポイントに向かってまっしぐら。

その間Y店長はキャビン奥で即寝。他のメンバーもキャビンの椅子に腰掛けてウトウト居眠りしていた。

30分も走ると壱岐らしき島が見えてそれを見ながらさらに走る。

最初のポイントに着いたのが8時ちょっと前くらい。

その頃には波もいくらか落ちて来ていて釣りやすくなっていた。

 

早速右舷でのキャスティング組と左舷でのジギング組に分かれて釣り始めた。

 

キャスティングを始めたのは僕を入れて4人、ミヨシからキャスティング王ヤッシーさん、僕、ロックンKさん、そしてトモではいつものジギング王。

Img_05592

 

ジギング組はトモから順にシオさん、根魚王、Y店長の3人、これが今回の遠征メンバーなのであります。

 

本当は最近よく登場するアームス梅ちゃんも参加予定だったのですが諸事情により直前のキャンセル。

 

梅ちゃんの分まで釣るぞ!と意気込んだのであります。

 

開始後およそ30分、何度かポイントを流し変えたところでY店長のジギングロッドが曲がる。

やられたぁ!また引率なのに最初に釣ってる!という非難の嵐の中リールを巻き巻き、なかなかいいサイズのようで竿はいい感じに曲がっていた。

上がって来たのは丸々太ったブリだった。

Img_0875

 

キャスティングをしていた僕はデッキから魚をチラ見して、一瞬とりあえずはジギングで手堅く一本釣ろうか、と早くもココロに迷いが湧き上がる。

いやいや、今回は頑張って投げるんだ!と悪魔の囁きを振り払いキャスティングを続けた。

 

ポイントを少しずつ移動しながら流して行くと、またまたY店長にヒット!さらにシオちゃんにもヒット!ダブルヒットで左舷は盛り上がる。

聞いて聞かないふりしながら投げ続ける僕、悪魔が「ジギングは釣れるよう!」と囁く

左舷ではひときわ声が高く上がり船長も一緒になってはしゃいでいる。

 

後で聞いたらシオちゃんのジグにワラサが二本掛かっていて、2人で同時に三本のワラサを釣り上げたらしい。

Img_0877_20220125175801

またまた左舷ではしゃぐ声を聞かないように集中してキャスティングをしては大きなルアーを水面を引く。

 

僕の隣で投げていたロックンKさんも、想いは僕と同じようで、とりあえずジギングで一本釣っとこうかな、と呟きながらもキャストを繰り返していた。

 

キャスティングの釣りというのはご存知ない方にはどんな釣りなのかイメージが湧かないと思うが、魚の形と綺麗なお魚ちゃんらしい塗装をした大きなルアー(この日は20〜25センチくらい)を渾身の力でフルキャストすると下手クソな僕でも5〜60m先の海面にルアーが落ちる。

 

これを弱った小魚がモダエ苦しむような動きを演出しながら竿を操作して動かし海中の魚を誘い出す釣り方だ。

 

ただ海の中にぽちゃんと落としてしやくり上げるジギングよりも僕的には疲れるし何よりも波に揺られて左右にローリングする船のデッキの上を移動しながらキャス釣るのが怖い。

どうしてこのような釣り方をするのかといえば、魚がルアーに食いつく瞬間が直接見えるので迫力とコーフン度が違うという事、水面で魚をかけるので大きな魚でも根に潜られて糸を切られるリスクが少ないという事、さらにはなぜかキャスティングの方がジギングよりもデカイ魚が食らいついてくる確率が圧倒的に多いということなどがその理由であります。

揺れるデッキの上はけっこう怖いので僕はこのキャスティングがあまり好きではなかったのだけれど、今回はいつもよりキャスティングを中心の釣りにしてみようをいう思いがあった。

 

そんな思いでキャストしているのでいつもならジグで先に釣られると簡単にジギングに行っちゃお!と竿を持ち帰る僕も甘い誘惑に負けずにキャストを続けた。

 

我慢してでかいのを釣っちゃる!と一投一投に気合いを力を込めて投げ続けたのでありました。

 

 

ポイントを変えながら釣り続けること開始からおよそ1時間した頃、突然僕のルアーに重い衝撃が加わったかと思うと波しぶきが水面に立った。

 

ヒット!ヒット!ヒット!と叫びながら糸を素早く巻く。

手元に伝わるズシッとした重み、まあまあの魚だということはすぐにわかったのと同時にこの引き方はヒラマサじゃないな、ということも分かった。

ヒラマサだったらもっと強烈に走って竿を海中に引きずり込むようなファイトをするからだ。

ヒットして嬉しいのとヒラマサじゃなくてガッカリするのが半分半分でファイトしているとミヨシのヤッシーさんにもヒットダブルヒットだ。

どうやら魚の群れが回遊してきたようだ。

 

さらに左舷のジギングY店長にもヒットしてトリプルヒットとなる。

 

船上は一気に活気づいた。

 

やったー!こうでなくっちゃあ!

 

と先にタモ取りしていただいた僕のブリはお腹パンパンで先ほどのジギング隊の振りを凌いでいた。

Img_0878

どーだあ!これがキャスティングの醍醐味だあ!と顔に出たまま写真を撮られる。

 

後から上げてきた2人の魚も一緒にトリプルヒット写真を撮った。

Img_0880

さああ、時間はまだ朝の9時だ、釣りは始まったばかり!これからが本当の勝負だぞ!と一同顔も引き締まる中船はゆっくりと次の流しに移動していったのでありました。

 

 

写真協力:Ebb&Flow、サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2022年1月19日 (水)

2022年の初釣りは師匠について基本からやり直し

2022年の初釣りに出かけました。

釣り物は餌タチウオ。

 

実は去年秋に2度ほど餌タチウオに行きながら二度連続のボウズという悲惨な目にあっており、あまりの悲しみに本ブログに書く気にもなれず、結果的に内緒になっていたのでありました。

そんな不甲斐ない僕を見ていたH夫妻が釣り名人のマミさんにお願いしてくれて、彼女のレクチャーでなんとか僕のボウズ脱出目指す釣り会的な初釣りとなったのでありました。

そんなわけで1月17日に金沢八景の弁天屋さんに早朝から出撃。

オオトモの釣り座を狙って早く出たのに着いてみると既に一人分だけ釣り座が取られていた。早っ!

 

仕方ないのでその隣から僕、マミ名人、H妻、H夫と並んで釣ることになった。

 

出船前に名人に仕掛けの作り方から聞く。

この天秤(ストレート天秤)とこの天秤のどっちがいいですか?

と聞くと、「どっちもイマイチ」の返事。

 

やっぱりなあ、と思っていると名人はバッカンから天秤を取り出して、これを使って、と一つ分けてくれた。

どこが違うのかと見てみたらアームの長さが違う。

この天秤は市販の物を参考に名人自ら作ったそうで、それを一つくださるという。

さらに仕掛けも出してきて、これを使って!と指示された。

その仕掛けも強化チューブやらフラッシャーやらが着いているところは僕のと同じなのだが太さや色が違う。

これならタチウオに針を飲まれても糸が切れないから、と言って何個か出してくださった。

 

ありがたや、ありがたや、と遠慮なく受け取れば、もう名人と同じ仕掛けになっただけで釣れたも同然的に大きな気持ちになっていたのだがまだ早い。

次に誘い方とアタリの取り方をご教授いただく。

誘い方については何種類かある誘い方を僕は知っていたが、その使い分け方がよくわからないので聞いてみた。

魚の活性に合わせるのとその日のパターン、その日の中でのあたりパターンを手持ちの誘いの中からいかに早く見つけるかが大切と説かれる。

フムフムなるほど、と聞いて次にアワセ方を聞いた。

ここのところが最大の僕の弱点で、あたりが出ても魚がかからないのであれこれやってみるのだがどうしてもダメだったのだ。

 

師匠に聞くと(もはやマミ名人ではなく僕は勝手に弟子入りして師匠と呼ばさせていただく)、夏のパターンと冬のパターンは全く違うのでそこがわからないとダメ、ということで冬の誘いからアワセまでのパターンを竿の操作、それに伴うエサの動き方、そしてそのエサにタチウオがどのように反応していくのかを身振り手振りで分かりやすく説明していただく。

 

師匠の釣りへの憧憬は深く釣りに対する熱意、洞察力、観察力など話を聞いていて感心するばかりだった。

話してくれる時にはとても理論的にかつわかりやすく噛み砕いて説明してくれるのでなんの疑問も抱かずに納得出来るばかりなのであった。

 

もうここまで聞いたらすっかり釣れた気分になっていて気分は上昇していったところで出船となった。

 

P1174240

 

ポイントまで30分。

猿島沖でちょこっとやってからすぐに移動し走水沖で釣り開始の時間を待つ。

この海域では8時釣り開始という取り決めがあるらしい。

既に大船団が出来上がっていて、船もポイントにがっちりつけた状態で自船の位置をキープしつつ他船との間合いを計りながら緊張した雰囲気の中で待つこと5分余、はいどうぞ!という船長のアナウンスが8時同時に各船から聞こえてきていざ釣り開始となる。

 

P1174254

 

さあ釣るぞ!ともう自信満々で船長の指示ダナをしたから探っていくと、早くもアタリがあった。

しかしアタッた瞬間竿を持つ手を止めてしまう。

これは普段メインにやってるルアー釣りでは、アタッたら即アワセ!もしくはそれでダメなら一瞬止めてみる、というのがあってこれが僕の体に染み付いてしまってるらしい。

 

「止めちゃダメ!」と半分叫ばれて師匠にお叱りを受け、「はい」と小さく頷くも次のアタリでもまた手を止めてしまった。

「ダメじゃん!」というお叱りを受けながら誘い直す。

 

自分に手を止めちゃダメ、止めちゃダメ、止めちゃダメ、と言い聞かせるようにブツブツ言いながら誘ってくるとまたアタッた!

止めちゃダメ!と自分に言い聞かせ竿を誘い続けると、今度はしばらくしてググ!という手応え。

お!釣れたか?と思ったが引かない。でも何と無く重いのであげてきたら、なんと三十センチのモノサシくらいの長さで幅はその半分くらいのピラピラした太刀魚の赤ちゃんが掛かってきた。

 

おお!これでも一匹は一匹!とりあえずボウズは脱出!と師匠に向かって笑顔。実際に自分でもこの一匹で気持ちが楽になった。

次からは同じように、止めない止めないと言いながらしゃくるとまたまたアタリがある。

今度も手を止めずしゃくり続けることができた。タチウオはエサの端っこから段々とハリのある所にハムハムと食いついている様子で、ひたすらその監査そう手を休まずにいるとグググン!と今度は重い手応えがきた。

すかさず合わせて針にかけるとタチウオ特有のグググ!という強い引き込みを感じる。

ここで気をぬくとバラすので丁寧に糸を巻き上げるとまあまあサイズのタチウオが上がってきた。

やりました師匠!とばかりに隣の師匠に見せると、やりましたね!と師匠も喜んでくださる。

 

そこから先は魚の活性もよく食いが活発だったので立て続けに釣り上げることができた。

 

アタリが出たらそのタナを57m、55mなどど隣同士で情報共有しながら無駄なく攻めていけるので効率も良かった。

師匠は自分も釣りながら時おり手を休めては僕の釣る様子を眺めていて細かなアドバイスをしてくれるので、その都度に自分の悪いところを修正できる。ありがたい。

調子よく釣り上げて行くとなんだかすっかり上手くなった気分になった。

 

しかし釣りというのはそう甘いものではなく、いつ今自分のやっている釣れるパターンが変わるかは分からない。

一人で釣りをしていたらその釣れなくなった時にどれだけ対応できるのか?といえば、それはシロート同然、いやシロートなのでまだまだ対応力はないのだ。

自分の引き出しを増やす意味でも違った時にまた師匠と釣りをしてみたいと思うのであった。

 

師匠のくれた仕掛けは完璧で、時折あるフォールでのアタリで針を飲み込まれた時も師匠の仕掛けに装着されていた強化チューブのおかげでハリスを切られることなく魚をキャッチすることができた。

僕は釣れた数など数えずに釣りに集中する。

 

地合いは昼近くまで続き自分ではかなり納得のいく数のタチウオを釣ることができた。

師匠は普段は機械のように釣りまくるお方なのだが、この日は僕らの面倒を見ながら時折手を休めてのんびりつっていた、ように見えた。

 

昼近くなり地合いが去って船が移動、という時に数を数えて見て、と師匠に言われて数えると18匹もいるではないか!

自分ではツ抜けした(10本釣った)くらいかなあと思っていたので嬉しい。

 

残りあと二匹釣って20にしましょうと師匠に言われ気合いを入れ直す。

 

ポイントを変えて地合いも去ろうとしていたが間も無く一匹追加できた。

 

さあもう一匹!と思ったらそこからがなかなか釣れない。

小さくなったあたりを我慢して我慢してようやく一匹かけたものの船べりでバラしてしまった。

あああ。。。あと一匹

 

と残り30分ほど必死に誘うのだがアタリが出ない、でても乗らない(針にかからない)。

そんな中でH夫がシレッと一匹いいのを釣り上げる。

相変わらず上手いなあ。とチラ見しながら竿を持つ手が攣りながらも最後までしゃくったが19で終わってしまった。

P1174264

まあいいか、ボウズ覚悟できたのがこれだけ釣れたんだから。

師匠も僕が思いのほか釣れたので喜んでくださりながら自分の魚の数を数えている。

 

今日はまったりモードだったからいくらも釣れてないわ、と言いながら数えるのを見ていたら20匹いるじゃあありませんか。

P1174262

僕必死、師匠まったりでも一匹さをつけられてしまうこの凄さ、と思っていたら、あ!もう一匹いた21だ!とクーラーボックスに手を突っ込みながら師匠が言う。

 

途中師匠がバラすのを何匹も見ていて、「今日は釣りが雑だわ!」と笑いながら釣っている師匠の姿を見ていたので、マジでやってたら30は軽く行ってそう、と思った。

 

船長から釣り終了のアナウンスがあり、中乗りの方が各人の釣果を聞き回ったところ、この日の釣果は21匹が二人で竿ガシラ。

まったり釣りをしていても竿ガシラを取ってしまうこの余裕。

素晴らしい方に師匠になっていただけたので僕は嬉しかった。

 

 

港に戻る船で師匠に今日のお礼を言っているところにオオトモで釣っていた方が、マミさん!と声をかけた。

あああ!なんでいるの〜?と師匠。

トモに近寄ってきてなんで黙ってたのよ〜!と話が始まる。

 

実は僕は出船前にオオトモの方とお話しした時に知り合いだと知らされていたのだが、内緒にしておいて、と言われていたので黙っていたのだ。

なあんで教えてくれないのよ〜と笑いながら話しは夏の相模湾のキハダ釣りにと代わり盛り上がる。

 

オオトモの方は今年大型の木肌を三本もあげたというキハダ名人で今日のタチウオをかなりの数を釣っていた名人だったのだった。

話は弾みあっという間に帰港。

 

師匠に一日のお礼を言って別れた。

 

ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

 

 

 

 

2022年1月 2日 (日)

オーディオ博物館というところに行った話@裏磐梯桧原湖

もう2ヶ月以上前の話になりますが、以前ツーリングの話で書いた裏磐梯の桧原湖を訪れた際にオーディオ博物館というところに行った。

 

というより、このオーディオ博物館に行くために桧原湖を訪れたというのが本当のところかな。

このオーディオ博物館というのを知った経緯から話すと、その時のツーリングでは福島の郡山の友人を訪ねて一泊し翌日は帰りついでに日光に寄り道して行く予定だった。

ところが、郡山の友人と行ったバーでそこのマスターと友人家族などとオーディオの話で盛り上がった時に、桧原湖にオーディオ博物館というのがあるのでオーディオ好きなら絶対行ったほうがいい、と断言されて行くのを決めた。

なぜその気になったのかというと、そこのオーディオ博物館にはウエスタン・オーディオという戦前のアメリカの劇場用スピーカーを始めオディオ機器全般を発明した元祖メーカーの巨大スピーカーがものすごい良い音で鳴っていると聞かされたからだ。

オーディオ大好きの僕といえどもウエスタンの名前は知っていたけれどもそのスピーカーの音は聴いたことはない。というのもこの世にほとんど存在していないからだ。

なぜ桧原湖にそのような博物館があるのかという謎はともかく、とにかくその音を聞いてみたく鳴ったのだ。いや、聴かずに死ねるか!的精神状態になったのである。

そして翌朝早く、前日初雪が降った磐梯山をぐるりと回り込んで桧原湖に向かった。

ところが朝早く着いてしまいまだ博物館は空いていないだろうと湖を一周して間をつぶし11時過ぎに博物館の近くに到着した。

しかし、地図上ではすぐそばにあるはずの博物館のそれらしい建物が見当たらない。

予め調べておいた博物館の電話番号を探して電話するとおばちゃんの声が出た。

 

あれ?と思いながらオーディオ博物館ですか?と聞いたら、あ、ちょっとお待ちください。と言われて待つこと30秒。今度はオヂサンの声で、はい、今から開けますよ。とおっしゃる。

今から開ける、ということは普段は相手いないんだな。と思いつつ場所もよくわからないので聞いたらすぐそばの古いホテル跡のような建物が博物館だった。

入り口につながる急坂を登ると広い駐車場があり車が一台ぽつんと一台停まってる。

本当にここなの?とバイクを降りたところに先ほどの電話のおばちゃんらしき方が出てきて、さっきの電話の人ね、こっちへどうぞ、と案内してくれた。

建物の裏側にある裏口風のドアには床まで下がるビニールの暖簾がありそれをくぐると何か骨董屋さんのような空気が漂っていた。

 

さらにもう一つドアを開けて入るとなかはホテルの一階をぶち抜いたような広さのフロアーに所狭しと機械や部品が置いてあり、奥を覗いたら巨大なスピーカーが2セット、それぞれ壁の別な面を使って置かれている、というより聳え立っているという方が正しいくらいの大きさ。

僕と同じくらいの年齢のオヂサンが来て挨拶する。この方が館長さんだった。

というよりも、ここは博物館と言いながら現実には工場で、その一部が巨大なオーディオセットになっていてウェスタンのスピーカーの音を聴かせてくれる場所だということがわかった。

スピーカーのある方に案内されると古いソファーがあり座るように促される。

入場券などというものはなくいきなり座らされてお茶が出て来て、どうしてここを知ったのですか?と聞かれた。

 

壁際にセットされているスピーカーの1セットは片チャンネル(一本)が横5メートルくらいはあるのか?6畳間のには入らない感じの大きさ。高さも3メートルくらいあり、低音部も高音部もすべてホーン型のスピーカーだった。(写真参照)

Dsc09085

もう一つは縦長の巨大ホーン型スピーカーがなぜか3台あり異様な雰囲気を醸し出していた。(こちらも写真参照)

Dsc09090

館長さんによるとこちらの縦長は現在調整中で聴けないので横長の方をどうぞというので早速聞かせていただく。

 

好きな音楽のジャンルはなあに?と聞かれたのでジャズです。と答えたらCDを取り出してかけてくれた。

 

レコードプレーヤーが置いてあったのでレコードのアナログの音を期待していた僕は、なんだCDか、とちょっとガッカリしたのだが音が出て来て一発で吹っ飛んだ。

Dsc09092

 

かかったCDはデイブ・ブルーベックのテイクファイブ。ピアノのイントロからあ、と思ってたところにポール・デスモンドのサックスが飛び出す。

それはまるでそこでライブをしているように聞こえた。

なんと生々しい音、今まで多くのスピーカーを聴いてきたがこんなに生々しい音を聞くのは初めての経験だった。

このレコードの録音は確か1960年頃で、音質的には80年頃のハイ・ファイオーディオに比べたら大した事ないはずなのに。。。

 

館長曰く、ウェスターンのスピーカーというのはアメリカでムービーができた時に女優さんの声を以下に生々しく再現するかを目的に作られたスピーカーでその後のアルテックやJBLといったスピーカーのお手本になってるスピーカーであること。

日本でこのスピーカーが残っているのはここと埼玉の所沢にあるラボの二箇所しか知らないという事などだった。

 

かけたCDがジャズオタクの僕にはいまいち物足らなかったのが表情に出たのを館長は察したのか、その辺にあるのから好きなのを選んでかけていいですよとおっしゃる。

ただしアナログプレーヤーは調整中なので今日はCDで勘弁してください、と。

Dsc09091

無造作に山積みになっているCDを見たら最初に飛び込んできたのがジャズではなくクラッシックのCDだった。

僕の大好きなアルバンベルク四重奏団の演奏するベートーベンの四重奏曲のCDで、最近ベートーベンがやっと理解できるようになった僕はそれに手を伸ばし、今年はちょうどベートーベンの没後100年だから、と言いながらワディアの高級CDプレーヤーに入れて再生する。

 

音が出るとこれまたビックリ。先ほどのデスモンドより録音が良い分だけに生々しさはさらに増して、本当にアルバンベルクのライブを聴いているようで、僕はソファーに座り込んで目を閉じてじっくり聴き始めた。

各楽器の粒立ち、表情など申し分なく体全体がベートーベンの音楽に包まれる。幸せだ。

 

館長から話しかけてきて、このCDを選んだのはあなたが初めてです。僕もこのCDが大好きでいつも作業をしながら聴いているんです。とおっしゃる。

 

何か急に意気投合して話が弾み、音楽のことやウェスタンオーディオのことなどたくさん話を聞いたのだが、専門的な難しい話も多く半分くらいしか僕には理解できなかった。

Dsc09086

 

CD一枚分、約一時間近くゆったりと時を過ごさせていただき、会話も弾みいい時間が過ごせた。

帰り際に館長に今度いらっしゃる時はあらかじめ電話をした上でお好きなレコードでもCDでもお持ちください、と言われすっかり気持ちよくなって館、いや、工場かな、をでていい気分で帰ってきたのでありました。

また行こうっと。

 

ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

 

 

 

 

 

 

« 2021年12月 | トップページ | 2022年2月 »

2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30