初春の男女群島遠征2022その三@サンライズ新海
遠征三日目、朝5時にメガ覚めたら波はなく静かな朝を迎えていた。
静かなのは海だけでなく船内も夕べ遅くまで、いや、つい数時間前まで飲んで騒いでいたからまだみんな寝静まっていたのでありました。
5時半頃までじっとしていたのだけれど、近くに停泊していた瀬渡し船がエンジンをかけて出て行く音を聞いたら寝ていられなくなって、他の人を起こさないようにそっと外に出た。
外はまだ暗く月明かりが海に反射して綺麗だった。
昨日までの風も波はなく海は凪いでいた。
すぐに何人か起きてきて歯を磨いたりしているところにエンジンがかかる。
船長が起きたのだ、夕べ遅くまで飲酒に付き合ってくれていたのにご苦労さん、と思いながら釣りの支度を始める。
船が動き出したらすぐにポイントに向かう、今日は最終日、男女群島から唐津の呼子まで5時間かけて帰らなければならないので釣りをする時間はそう長くない。
錨をあげるとすぐに船は動き出してポイントに向かって走り出した。
朝日が上がってきて船を照らす。
凪の海のさざ波が光美しい。
これだけでも幸せな気分なのだが、でかい魚を釣ってさらに幸せになりたいのだ。
釣りの準備をしてポイント到着を待つ。
最初のポイントは島の近く。昨日やった場所のうように思えた。
朝まずめの爆発に期待して僕はキャスティングを始めた。
ひと流ししたがバイトもチェイスも無かった。今日も男女群島は渋いようだ。
そこで船長は昨日の爆超ポイントへの大移動を決断した。
一気に一時間近く走って移動する。
昨日の入れ食いポイントに入った。
海はべた凪。
キャスティングには不利な条件だったが昨日の入れ食いがあまりにも凄まじかったので、夢をもう一度と投げた。
ところが凪の海の海面が爆発することはなく静かなままだった。
コースを流し変えたところで僕はキャスティングを捨てた。
この凪ではなかなか魚は出ないだろうと判断し水中を探るジギングに変えたのであります。
この作戦が見事当たって、何度目か流し変えたところで僕がしゃくる竿にズズン!と重みが伝わりいきなりドラグが出された。
カンパチだ!でかい!
このままドラグを出されたら根ズレで糸を切られてしまう、なんとか止めなければとドラグを締めたら、締め過ぎは危ない、糸の強さに合わせて!と船長がアドバイスしてくれた。
運良く一瞬ドラグが出るのが止まった隙に巻いたら巻けた。
よし、なんとかなりそうだ。とバラさないように竿を小さくしゃくっては少しずつ糸を巻く。
しかし、またまたドラグが鳴って糸が出てしまう。
心が折れそうになるのだがこのやりとりこそ釣りの醍醐味じゃあないか!と奮起する。
再びジリジリと糸を巻いて間を詰めたらなんとか底を切り、魚も少し弱った様子。
時折暴れるが巻けない程度の引きだった。
あとは重いのを根性で50メートル巻くだけ。と気合いを入れる。
釣りをしない方は、電動リールじゃないの?とおっしゃるでしょうが、僕らの釣りは電動は使わないし竿を固定もしない。
自分の腕で竿を支え、自分の腕でリールを巻く。こうして上げないとゲームフィッシングの記録には認定されないのであります。
記録の問題だけでなく、こうして自力で苦労して上げたときの喜びは電動に頼っって上げたときよりも苦しんだ分だけヨロコビも大きいというわけで、まあ、なんと申しましょうか、ストイックな釣りなんですね。
そんな気分にしたる余裕もなくデカカンパチとの闘いは続く。
残り30メートルくらいまで来て、もう大丈夫だろうと一瞬油断したらまたまた糸を出されてカンパチのしぶとさに驚く。
それでも久しぶりのデカカンパチとの闘いは楽しかった。
もうここまで来たら大丈夫!と気合いで残りを巻く。
魚の姿が見えたらやはりデカかった。
船長が巨大タモで魚をすくってくれた瞬間思わず声を上げてしまった。
嬉しかったのだ。
久しぶりの大型カンパチは美しかった。13キロちょっとあった。
昨日ナベさんが上げたカンパチよりは一回り小さく見えたけれど満足できた。
写真を撮ってリリースする。
もうこれで今回の釣りは満足できた。
釣りをする時間も残り少なくなっていた。
船長は昨日男女群島に来て最初にやったジギングポイントをやってから帰りましょう、と少しだけ移動した。
水深100メートルのジギングポイント。
名残惜しく二度流したが、僕がボッコを釣ったくらいで大した釣果はなく今回の釣りは終了した。
酒を飲むメンバーはビールを開けてお疲れの乾杯をした。
凪の海の上を滑るように船は走った。
ビールを飲み終えると、思い思いに釣具の片付けをする。
港に着く時間が飛行機の時間にギリギリになりそうなので、船上で片付けをすることにしたのだ。
お天気も良く昨日までの寒さが嘘のように暖かく春の陽気だった。
ビールの酔いに浸りながら自分の道具を片付けるとキャビンの奥に行って横になる。
今回はキャスティングをメインに釣れそうなところだけジギングで狙ったが思い通りの展開になったのでとても満足していた。
唯一、初日に上げられなかったヒラマサだけが心残りだったが、また釣りに来ればチャンスはある。
いつものように同行のメンバーも最高だった。
一人女性だったナカちゃんも釣りを堪能できたようでよかったなと思った。
そんな僕らの過ごす時間にもウクライナでは地獄の戦争状態だったのだが、だからこそ平和は大切、これを守るのも自分たちの義務だろうと思った。
地球上に暮らしているからにはただ楽しいだけでは済まされない。好む、好まずにかかわらず様々な問題を僕らはいつも抱え込まなければならない。
安心して釣りを楽しむためにも僕は平和を願うし守る努力をしよう、などと思いながらいつの間にか寝てしまったのでありました。
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