隠岐島遠征2022 その4@浜吉丸
隠岐の島遠征、三日目も早朝5時に起きて食事をとり5時半過ぎには船まで歩いて乗り込んだ。
暗いうちに出船。
この日は凪で走る船も揺れが少なかったので船長に頼んでお湯を沸かしていただき、朝一走る船の上でコーヒーを淹れてエノカフェを開店したのでありました。
べた凪の海は明るくなり朝焼けが美しい。東の空が真っ赤に染まるのを見ながらコーヒーを飲んで写真を撮った。
この日は前日のように体調を落とすこともなく、朝一のコーヒーで眠っていた体も血液が回って動き始めたので朝から釣りもできた。
最初のポイントに着くと早速キャスティング組は投げ始めた。
僕はこの日は投げる気分になれなくて夕まずめだけちょこっと投げればあとはいいや、という感じで釣り自体するしないがどうでもよく感じられ、船の上で凪の海を眺めているだけで幸せに感じていた。
とはいえ、釣りばかなので一日中ボーッと海を眺めているようなことはなく、昨日の夕方よく釣れたジギングタックルを手に根魚釣りを楽しんだ。
朝一の海は本当に静かでべた凪。釣りには今ひとつよくない条件で、キャスティングも魚の反応はイマイチだった。
そんな中で開始して間も無く日の出前に梅ちゃんにヒット。
静かだった船の上が急に賑やかになる。
上がったのはヤズクラスのブリだった。
厳しい状況の中で釣れる一匹は嬉しいもので梅ちゃんも満面の笑顔で写真を撮る。
すぐ次が続いて出そうな感じだったが後が続かない。
日が昇ると静かな海の上は暖かくなり上着を脱いで釣りをした。
僕は根魚狙いでアコウを一匹釣り上げて満足した。
昨日も活躍したツキジグスローがこの日も良かった。
帝王もこの日はキャスティングを早々に見切りをつけてジギングに来ておチビカサゴを釣り上げて照れ臭そうにしていたが、すぐに次の落としでアオハタを釣り上げた。
アオハタを釣ったことのない僕はちょっと羨ましく感じながらもアコウを狙う。アコウのほうが美味しいのだよ。
Y店長は潮もあまり動かず凪倒れしているのを感じたらしくキャビンの上のベンチに座って何かやってた。
誰かが釣れると上から覗き込んで写真を撮ったのでこんな俯瞰の写真ばかりになっている。
日が高くなってくると、根魚もキャスティングもさっぱりダメで船長は頭を抱えていたに違いない。
10時前にキャスティングに見切りをつけてジギングポイントに大移動することにした。
30分ほど走って昨日とは違うジギングのポイントに着く。
早速一同ジギングを開始する。
この日は元ジギング王と呼ばれた男も珍しくジギングを始めた。
その姿を見て、僕はすぐ釣るんだろうなあ、と「元」付きに呼び名を変えてしまったもののいざジグをシャクレばジギング王に立ち返ることを知っている。
ところが最初に釣ったのは昨日から好調のアラーキーだった。
いいサイズのマルゴを釣り上げてドヤ顔で写真を撮る。と言っても顔にフェイスガードを被っているので顔の表情は見えないのだが、多分思いっきりドヤ顔になってるに違いない。
昨日同様、この後次々と釣れてくることを期待したのだが、この日はジギングも渋かった。
何度も流しを変え、ポイントも変えるがなかなかアタリが出ない。
早くも12時を回ってお天道様が真上に上がってしまった。
日差しはこの時期にしては強く、すぐに体は暑くなり一同Tシャツ一丁で釣りをした。
ポカポカ陽気の凪の海の上というのは誠に居心地がよろしくシアワセな気分になるのだが、目的は釣りなのでやはり釣れて欲しい。
僕はビールとあたらし家のシンさんが作ってくれたお弁当をいただき、すっかりマッタリとしてしまい甲板に寝転んでジギング王と帝王の釣りをする姿を写真に収めたりしていた。
すると船の前の方が突然賑やかになった。
梅ちゃんに何かでかいのが来たらしい。
竿がグイグイ引き込まれているのが見えた。これはブリかヒラマサか?!ついに来たぞ、後に続けと僕もジグを落とす。
筋骨隆々の梅ちゃんが結構頑張りながらファイトしているのだがなかなか魚が上がってこない。
途中でなんだか引き方がおかしいと船長が言い出し、その予言は当たった。
上がって来たのはいいサイズのメダイ(この地方ではダルマと呼ぶ)だった。
この魚はたいそう美味しいのだが体表がヌルヌルのぬめりがあり触ると手も洋服もヌルヌルになってしまうのが嫌がられる魚なのであります。
案の定梅ちゃんも写真を撮るので持ち上げた時に暴れた魚にシャツが触れてしまいヌルヌルになってしまったと騒いでいた。
その後、そろそろジギングはやめてキャスティングに戻りましょうか、と話していたところで僕にヒット。
久しぶりの魚の手応えに思わず大声でヒット〜〜!と声をあげたのだが、引き方がおかしい。ぶりの引きでないのはすぐに分かったのだがメダイでもなさそう、あまり引かないのだ。
あがってきたのはまあまあサイズのアオハタだった。
生まれて初めて釣ったアオハタは嬉しかったがやっぱりヒラマサかブリがよかったなあ、と思っていると船長から移動しましょうとの声。
ジギングは見切りをつけて早めに夕まずめの準備をしましょうとキャスティングポイントに移動することにした。
またまた30分ほど走って昨日までとは違うキャスティングポイントに入る。
移動後すぐに誰かがヤズをキャスティングで仕留めたのだが、これも後が続かない。渋いのだ。
どうも今回ヒラマサが釣れないのは、魚がいるのに渋いというより魚自体が居ないという印象だったのは僕だけではなかったようで、船長もいろいろな情報を駆使してヒラマサの居そうな場所を探して船を走らせていた。
僕、ネコさん、帝王がジギングをしていた。
僕は朝一よく釣れていたツキジグを根掛かりで失ってしまいちょっと困ってしまったのだが、今回家を出る直前にふっと手にしたタチウオ用のジグがタックルボックスにあったのを思い出してこれを試してみることにした。
なんとなく釣れるんじゃないか、という気持ちがして持って来たのだ。
そしていざそのジグを落としてみたらなんと好反応でアコウがすぐに釣れてしまったばかりでなく立て続けに三匹釣れてしまい、予想が当たった僕は笑いが止まらなかった。
ネコさんはここまでアコウを狙うもなかなか手にすることができず焦っている様子で、お土産つらなくちゃと呟きながらジグをシャクっていた。
午後3時頃に流したポイントでネコさんに重そうなアタリがあり竿が大きくしなった。
ををを!念願のアコウがついに来た!と僕が騒ぎ立ててネコさんはバラすまいとファイトする。
上がって来たアコウは今回一番のサイズで1キロ半は軽くありそうに見えた。
とうとうやりましたね!と声をかけるとネコさんもニッコリ。嬉しかったのだ。
そのアコウを見てか今度は帝王が怪しいインチクを持ち出して釣り始めると次々と魚をかけ始めた。
なんでもインチク本体はずいぶん昔に発売していたものでいまは中古を探して手に入れ、タコベイトは自作しているものらしいのだが、これが実によく釣れた。
おかげで僕のアタリがなくなってしまったんじゃないのかと愚痴りたくなるくらいよく釣れた。
そしてそのインチクにも大物がかかる。
竿は根魚とは思えないほど大きく曲がり引くこまれた。
隣で釣っていた僕は青物か来たかと一瞬思ったほどの引き具合だった。
重そうに且つ嬉しそうにファイトする帝王の元に上がってきた魚は先ほどのネコさんのものを上回る大きさのアコウだった。
こんなデカいアコウは僕も見たことはない。50センチは超えているだろう。重さを計ったらなんと2.1キロも有った。
帝王は狙い通りの釣りで自己最大のアコウを手にしてご満悦。そりゃあ、こんなの釣ったら誰だって嬉しいよ。
そんな様子をミヨシの方で釣りをしていた梅ちゃんはどう思っていたのか知らないが、少ししてサクッとアコウを釣り上げる。
ジグを見たら僕のと同じような色のを付けてる。真似したなあ、と心の中で囁く。
でも釣れてるジグを真似するのは釣るための常套手段だし僕もいつもやってるから悪い気はしない。
その後またまたこの日の最後のポイントへと向かう。初日にジギング王が18キロを釣った場所だ。
今回の釣りの最後のポイント、夕まずめの絶好の時間とあり僕もキャスティングをした。
太陽が山の稜線に近付き始めた頃、ジグをしゃくっていた梅ちゃんにヒラマサがヒットする。
ヒラマサいるじゃないか。
今日も最後にドラマが起こるかもしれないという予感がした。
日が落ちるか落ちないか空が薄暗くなり始めた時にジギング王にきた。
静かな海面が波紋でかき乱されて夕日に光美しかった。
ファイトまで持ち込んだジギング王だったが残念ながら船の手前でバレてしまった。
どうも魚の食いが浅いようで、このようなバラシが今回の遠征ではまま見られた。
魚は居る。船長は日がくれるギリギリまで粘ってくれたが、ドラマは起こらなかった。
結局僕はアコウ以外は大した青物を釣れなかったが美しい夕焼けを見て満足していた。
今回ほど釣りに来られたこと自体が幸せに感じた釣行はこれまでなかったように思う。
天候に恵まれたことも大きな要因だが、メンバーも船長も宿も全て恵まれたことも幸せに感じたことの大きな要因だった。
竿は一本折ってしまったけれど、自分のミスからだったので特に悔しくもなかった。
本来ならもう一日釣りの予定だったが、天候が急変する予報で下手をすると島から出られなくなる可能性もあったので、最終日の釣りはやめて朝一のフェリーで島をさることになった。
最終日も早く目が覚めてしまった僕は一人階下に降りて朝食の支度を急ぐシンさんにコーヒーを淹れて飲みだがら色々話をした。
7時になると梅林船長が宿に迎えにきてくれて持ち帰る魚の処理を漁況ですませ、その間に発送する荷物を残った仲間が宅急便に持ってゆきと、手際よく事が進んで9時過ぎのフェリーに無事に乗り込み、お見送りに来てくださったシンさんと梅林船長と何度も握手して再会を誓い島を後にした。
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