母島は釣りパラダイス@小笠原母島4
小笠原母島でのカンパチジギング三日目。
この日も前日同様早朝5時半に港の船に集合なのでありました。
集合って言っても宿から3分くらいの道を釣竿を両手にタラタラ歩いていくだけなんですけどね。みんなで。
港ではすでに船長がエンジンを回して我ら釣りバカ5名を待ち受けてくださっている。
一同は素早く乗船し今日も無事出港となるのであります。
この日も朝一船長にお願いしてお湯を沸かしていただいて最初のポイントに入るタイミングでコーヒーを淹れてエノカフェ小笠原母島店を開店させて頂いたのでありました。
早朝の澄んだ空気の中、しかも海の上でいただくコーヒーはこの上なく贅沢で美味しい。
船長にも美味しい、とお墨付きをいただいたのでエノカフェシールを船長い無理やり渡して、船のどこかに貼ってくださいとお願いした。
エノカフェシールというのは僕が勝手に作ったシールで、全国の遊漁船でエノカフェを開店させて頂いた船のみに無理やり船長の意思をも無視して貼りつけるシールなのでありますね。
最初に貼り付けたのは先代のサンライズ新海なのでありますが、その他には沖縄のヨセミヤ丸、種子島のともみ丸、隠岐の島の浜吉丸から北は下北半島尻屋崎の尻屋丸という具合に無理やりを突き通して全国制覇の陰謀を目論んでいるのであります。
まあエノカフェの陰謀はともかくとして、この日もそこそこの風で波があり釣り場が限られていたようなのでありましたが出足好調でいきなりトリプルヒットとなりました。
最初に上がったのが怪魚ハンターのお土産になったチギ、そしてオイラのカンパチ、さらにはジギング王の20キロクラスのイソマグロなのでありました。
朝一いきなりのトリプルヒットでこの釣果!母島の海はなんと豊かなことか!釣り人の夢を限りなく膨らませてくれるのであります。
そしてこれに続いて怪魚ハンターのカンパチをはじめとしたまたまたトリプルヒットで山さん、店長の三人ヒットアンドキャッチであります。
さらにさらに、昨日31キロカンパチをあげた怪魚ハンターは絶好調でさん連続ヒット!今度はナンヨウカイワリの良型をあげたのであります。
このままこの日は突っ走るのか!?と思わされたのでありますが、船長から潮が止まっちゃったね、という悲しいお知らせが。
そこでワタクシから、船長!お土産釣りをやらせてください、と潮止まりを利用してチギ狙いの時間を設けて頂いたのでありました。
ちょこっと移動した水深およそ50メートルのポイントに入ると僕にとっては根魚狙いの定番であるツキジグ220グラムのグローストライプを落とした。
すると、あっという間に魚の反応があってヒット!でも軽い、魚じゃないかな?なんて思いながらあげてきたらおチビのアカハタちゃんだったのでリリース。君ぢゃあないんだよ!おっきいチギ、もしくはアカハタモドキちゃんいらっしゃい!と再びジグを落とすと今度はいい感触。
グググ!!と引いた後ブルブルブルッという手応えがしてそこそこ重い、これだああああ!チギのアタリ!
と思ったらすでに怪魚ハンターが良いサイズのユカタハタを釣り上げているではないか!ユカタハタと聞いても知らない方が多いと思われますが決して浴衣を着たハタが釣れたわけではございません。そういう名前のハタがいるのであります。その由来については詳しくないので言及は避けますが浴衣と聞いただけで洗い髪の美女、とか濡れる黒髪、とか釣りとは関係ないことを連想された方は少し反省をしていただきたいと思うのでありますね。自分を含めてのことではありますが。
とにかくユカタハタが上がって怪魚ハンターの手の中でどうするの?堪忍してね!と行っているところに僕のチギが上がってきたので写真撮影班のY店長は大わらわ!スマホをあっちに向けたりこっちに向けたり忙しい。もちろん引率なので釣りなんてしている暇はないのであります。
そしてここからは私と怪魚ハンターのお土産釣り大会になって行くのでありました。
次の一投でワタクシはまたまたチギを、怪魚ハンターはアカハタを!
さらに次の一投でまたまたワタクシはチギを!さらに続けて四匹目のチギを釣ったあとにはアカハタとカンパチまで連続で釣り上げて良い気になってる。
船長からエノさん、チギ釣り上手ですね!とおだてられてますます良い気になったら次の一投で良い型らしいカンパチにリーダーをブチ切られたところでお土産大会はおしまいとなり、潮が流れ出したのでカンパチ釣りましょう、という船長のアナウンス。
仕方なくカンパチ狙いに移っていったのでありました。
船がカンパチ狙いポイントに入ったらいきなりトリプルヒット!
ジギング王、ワタクシ、怪魚ハンターの順に魚が上がってきた。
ジギング王はもちろん本命カンパチであることは言うまでもないのでありますが、さっきまでチギ狙いだったワタクシも心を入れ替えてカンパチを釣り上げたのでありました。ところが怪魚ハンターったらこんな所で実力を発揮してアカハタを覚めに食いちぎられているじゃあありませんか。
まあ、ある意味で各自実力を十分に発揮したとも言えるのでありましょうが、怪魚ハンターごほんにんにとっては不本意ということなのでありましょう。
船はさらに移動しポイントを変えて行く。
時刻ははや午前10時近くなっている。
新しいポイントに入ると必ずと言っていいほど魚をかけるのがジギング王なのでありますね。
なんたって、船が止まる前からジグを落とす構えで待ち、船長からの合図があった時にはすでにジグは海の中、と思われるほどに集中して釣りをしているのであります。そしてすぐに魚をかける。実に早い、うまい、という感じでどこかの牛丼屋的に次々と魚をかけてしまうワザ師なのであります。
今回は本命カンパチではなかったものの良型のカッポレ(オニヒラアジ)なのでありました。
すごい!
そんなジギング王に負けまいとそれまで写真屋さんの役割をしていた引率店長も本気を出してカンパチをかける。
次の流しでは今度は本命のカンパチを怪魚ハンターがあげる。
いう具合にポイントを移動して落とせば誰かしらにヒット!という夢のような釣りが展開して言ったのでありました。
お昼を回ってご飯とビールでいい気分になってすっかり中だるみになってしまったワタクシですが、他の皆さんは黙々と釣りをなさっていた。
ジギング王はカンパチを次々と、怪魚ハンターはお土産のアカハタモドキを次々と釣り上げている。
酔っ払ってしばらくはそんな様子を見ていたワタクシでありますが、どれ、わしも少し釣りに参加してみるか。
とジグを落としたらフォールで何かが食ってきた。そいつったら走る走る!これはマグロのおチビちゃんだな、とすぐに分かったのまではいいのだが船底を通り越して反対側の舷に走るのでちょっと厄介になる。
慌ててミヨシから竿を逆の舷に持っていきホッとしたら今度はまたまた船底を潜って反対側の舷に戻る。酔っ払い相手になんてことするんだい!って思いながら必死にファイトしたらようやく10キロあるかないかくらいのメバチマグロが上がってきた。
ホッと一息してまたジグを落としてしゃくり始めたら今度は底近くでヒット。
底から五、六回しゃくったところでドン!ときた。
これがまたカンパチとは違ってやたらと走り回る。ハガツオかスマガツオを期待したのだけれど上がってきたのはまたまたメバチマグロでしかもさっきのより少し太ってる。
そんなワタクシを横目に怪魚ハンターはお土産のアカハタモドキを狙って連チャンであげて行く。
こんな具合で移動すれば釣れて、また移動すれば釣れちゃうのが今回の母島だった。この日はサイズでは昨日に及ばなかったものの数は数え切れないほど釣れて写真にも全ては写っていないほどだった。
午後3時を回ってそろそろこの日の終盤にかかってきた頃になって、この日比較的大人しめだったヤマさんが爆発する。
最後のポイントに入りカンパチを立て続けにヒットさせた。
もちろんこうした状況下ではジギング王も抜け目なくカンパチをキャッチしており、さらにいつの間にか腰の浮き袋を全開にしている怪魚ハンターも入り三つ巴になってダブルヒットを繰り返していた。
このまま続けたらきりがない、というくらい次々とカンパチが釣れたところで午後四時を回り今回の釣りも最後となる。
港に戻る船の上で揺られる僕は幸せだった。一緒にビールを飲んでいたジギング王と怪魚ハンターもその表情を見れば何を言わんとしているのかは容易にわかる。
こうして二日半の母島でのカンパチ釣行は終わって行った。
早めに宿に戻りシャワーを浴びて夕食では乾杯して釣果を喜び合う。
充実した二日半のために費やした移動時間28時間×2=48時間は決して無駄な時間ではなかった。
帰りの船の中で揺られながら、小笠原母島というおそらくは日本で最もアクセスの悪い釣り場であろう釣り場はそのアクセスの悪さ故に魚が保護され豊富にいただけであり、それは僕らが何か保護のために働いたわけではなくアクセスの悪さから偶然に残された危うい豊かさであるものでもあるように思えた。
この豊かな釣り場を残すためにはこれからは釣り師、遊漁船、水産庁、環境庁など民官一体となった努力も必要なのではないだろうかと考えさせられる釣りでもあったのでありました。
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