旧友たちとジャムセッション@法政大学ジャズ研OB会2023
大学時代はジャズ研究会というところに所属していました。
というより、ジャズ研に入りたくて大学受験をしたようなもので、大学の選定をする際にはとにかくジャズ研のある大学から選んだのでありますね。
高校二年生の時にジャズに出会って以来、僕はジャズに夢中になって、当時は今よりたくさんあったラジオのジャズ番組やすくない小遣いを貯めて買ったレコードを磨り減るほど聴いたり、友達と貸し借りしたり、ジャズ喫茶に出入りしたりしてとにかく朝から晩までジャズを聴いていたのですね。
そんな生活をしていたから現役での大学受験を失敗した上に一浪目は予備校に通いながらも予備校の近所のジャズ喫茶やレコード安売り店に出入りしていることの方が多く必然的に二浪コースを辿り、流石に二年目は新聞配達をしながら真面目に勉強してようやく大学に入れたのですが、この時も試験問題に受験勉強中にやったことのあるのと全く同じ問題が出るという大変ラッキーなことがあり運良く大学に入ったという次第。
大学に入ったら入学式も出ずに学校に直行し当時は学生会館という学生の自治会やサークルの入っている建物に向かった記憶があります。
ジャズ研に入った僕はテナーサックス を本格的に始めようとしたのですが、ところが期待を裏切るように先輩たちは酒ばっかり飲んでいてジャズの研究をしていないではありませんか。という風に当時の僕には見えた。
もちろん楽器の上手い先輩たちもいて、そういう人たちは夜に仕事で演奏したりしていてあまりサークルに顔を出さなかったような気もする。
時々練習の仕方を教えてもらったりした覚えもありますが、何と無く見よう見まねで練習をしていたのでなかなか上達しなかった。
本気で楽器をやる仲間はヤマハの音楽スクールに通ったりして腕を上げていったのに僕はそれもできず置いていかれていった上に三年生の時に楽器を盗まれてしまうことなども重なり次第と楽器から離れてしまっていたように思います。
社会人になってから中古のテナーを買い直したものの仕事をしながら練習するというのもままならず、時々ジャズ県時代の仲間と集まって演奏したりもしましたが長続きしませんでした。
そんな中途半端な自分のジャズ人生が変わったのはこの十年くらい前のこと。
病気で仕事に就けなくなり時間がたっぷりできたので楽器の練習を真面目にやるようになったんです。
たまたまその頃にiReal proというジャズの伴奏をしてくれるソフトが登場したのも大きく、一人でバンド練習ができるようになって俄然やる気が出たし、少しずつ上達もしていった。
そしてまた、ちょうどその頃にジャズ研の先輩たちが年に一度集まってジャムセッションをやるOB会というものをやっていることを知ったのでありました。
当時は毎年真夏に長野県は安曇野の松川村という所にある先輩の経営するスペイン料理店パンプローナというお店に夕方集まり、夜の九時頃まで演奏しながら美味しいスペイン料理をいただき酒を喰らうというなかなか素晴らしい企画だったので、ジャズ研の僕の世代としては一人で先輩たちの中に乗り込んでいったのが始まりでありました。
数年前からのコロナ禍で何年かのブランクがあったのですが、今年はようやく再開ということで出かけてきました。
というのが長い前置き。
今年から数年ぶりに再開したOB会は色々訳あって夏から秋に季節を変えての合宿になりました。
10月末の月曜日の夕方集合というので少し早めの午後三時頃に到着したらすでに太鼓とベースの二人がセッティングを終えて音を出していた。
みんな楽しみで仕方ないんだなあ、というのがよくわかる。
僕も楽器や譜面台を取り出してセットしていると三々五々先輩たちが集まってきて久しぶりの再開に声をあげたりしたのでありました。
今回はOB会ではいつもセッションを仕切るプロのギターの方が病欠となりコード楽器がパンプローナの店主一人という大役を背負ってしまったのでありますが、時間になるとお店のユニフォームのままにギターを手に取り演奏の始まり始まり。
最初はみんな出たがらないので目立ちたがり屋の僕がベースとドラムを引っ張り出してまずは一曲。
仲間内のセッションだといつものお店でのセッションのように緊張しないから不意義なものです。
今回はサックスが三人、ベースが三人、ヴォーカル三人、ドラム一人、ギター一人、とベース以外のリズム隊は一人しか居ないので出ずっぱりになってしまうところを、うまく調整して演奏が進みます。
今回のスターはアルトサックスのT先輩。
この方この数年先生についてサックスの練習を重ねただけあって、以前は楽器を持ってきても吹かないで寝てしまうことの方が多かったのに、今回は出ずっぱりの大活躍。
同じアルトでプロはだしのU先輩は最初はTのことをおちょくっていたのに次第にそれも少なくなり最後は共演して終わるという盛り上がった展開となりました。
僕も何曲か吹いたけれど後でビデオにとったのを見たら反省点ばかり。でもそれでいいの。
反省してこその進歩があるっちゅうもんです。
みんな60代後半から70代になろうという言ってみれば老人の集まりなのですが、楽器への想いは熱くまたその演奏を介して旧友と会話し交流することの楽しさをよ〜く解ってらっしゃるんですね。
この晩はお店近くの宿に泊まって翌朝再びお店に合流したところで僕のエノカフェ安曇野店を開店してコーヒーを飲んで記念写真を撮って解散となりました。
この年齢になると残りの人生だってそんなに長くはないし、体調もいつどうなるか分からないので来年の再会を誓う声にも気持ちがこもります。
また来年の秋にもっとたくさんの先輩後輩が集まれたらいいなあ、そしてこの先も末長くやりたいものだと思いながら安曇野を後にしたのでありました。
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