無料ブログはココログ
フォト

最近のトラックバック

« 2024年3月 | トップページ | 2024年6月 »

2024年5月

2024年5月31日 (金)

男女群島遠征2024春③@サンライズ新海

サンライズ新海で行く男女群島遠征三日目です。

この日も朝7時にコーヒーを淹れて寝ていた皆さんを起こし無理やり飲ませる絵のカフェを開店しました。

寝起きの皆さんの表情は様々ですが全体的に微妙な感じ。

Img_3092

この後朝食をとってから三日目の釣りが始まりました。

この日もお天気は薄曇りで暑くも寒くもなく海は凪で絶好の釣り日和。

ところが最初に入ったポイントは魚の反応がいまいちで船は移動をして昨日よかったあたりに移動します。

ここではカンパチジギングとキハダのキャスティングを始めました。

 

ジギング組では昨日からコスモKと改名した元Kさんがカンパチをヒット。

鉄ジグのイチゴミルクカラーに来ました。

Img_0439

すると間も無くキャスティングをしていた怪魚ハンターにキハダがヒット。

なかなかの引きで竿先をグイグイと引き込んで楽しそう。

僕は横目でそんなファイトをチラ見しながらもっぱらアラ(クエ)を狙っていましたがアタリもなく。

 

5分ほどのファイトで上がって来たのは20キロくらいのキハダマグロでした。

以前いただきものの男女群島を食べたことがあったのですが、これが大変美味しかったのでそんな話もしていたことからかキハダはキープしました。

Img_0440

コースを変えながら流していくと今度は昨日一日船酔いでダウンしていた中洲さんが復活ヒット。またまたキハダです。

この日の朝、一日ぶりにベッドから起き上がれてキャビンに登場した中洲さんですが誰かが「二日間大丈夫でしたかあ?もう今日帰りますよう」などとからかったらご本人も一瞬本気にして「えええ?そんなに死んでました?」みたいな反応をしたのが可笑しかった。

 

元気を取り戻した中洲さんはキハダとのファイトもソツ無くこなし5分ほどのファイトで先ほどとほぼ同サイズのキハダが上がって来ました。

Img_0039

僕はここで方針を転換して、アラ狙いはやめてでかいカンパチ一本に的を絞り込みスピニングロッドに持ち替えてしゃくる事にしました。

 

一時間ほどこれといったアタリもなくしゃくり続けましたが、山形Nさんにいいサイズのヒラマサがヒット。

朝一のコスモKと山形Nさんは今回が初の男女群島遠征なのですが、こうしてどんどんカンパチを釣り上げ大活躍でありました。

Img_0058

そのほかは昼頃までに泳がせ釣りをしていた根魚王がでかいカンパチを日本あげたくらいでこの日の出だしはスローな感じのスタートでありました。

Img_0060_20240531053701

お昼によく冷えた素麺を腹一杯いただき午後の部の開始です。

男女群島の海の上で冷えひえそうめんが食べられるなんて、なんという贅沢か。

 

Img_0069

サンライズの場合、釣りに対するホスピタリティだけでなく食事が旅館並みに美味しいし充実しているところが素晴らしい。

さらについでに書くと、ベッドに使っているマットが良いせいか深く眠ることができて、普段不眠症で睡眠薬を飲んでも六時間で目が覚めてしまう僕でも八時間きっちりと眠れて疲れが取れたのは大変ありがたかった。帰宅してからこのマットの購入を真剣に考えているくらいなのでありました。

 

さて午後の釣りが始まると早速ヒットさせたのは怪魚ハンター。

良いサイズらしい魚がかかったのですが惜しくもバラしてしまい、ほぼ同時にヒットさせた山形Nさんが今度はブリをキャッチ。

Img_0449

ようやく魚の活性が上がってきた感じでそのすぐ後にサワさんも同サイズのブリをキャッチしリリースします。

カンパチ狙いの僕は底から20〜30メートルを黙々としゃくっていたのですが、着底とともについにヒット。

グン!と重い感触が腕に伝わりいい感じ。まあまあサイズのカンパチだな、と思いながら根を切るためにいとをゴリ巻きしていくと、あれ?急に魚が引かなくなった。と思ったところにせーいち船長がニヤニヤしながら近づいてきて、やりましたねえ、と声をかけてくれたので、僕もようやく、ああそういうことかあ、と気付いたんです。

 

Img_0090

魚はカンパチではなくアラなのでありました。狙うのをやめた途端に釣れるなんてなんとも皮肉なものなんですが、釣りではよくあることで、結果的にはアラが釣れて僕だって大喜び、しかもサイズもまあまあデカくて10キロくらいありそうじゃあないですかあ。

ようやく三日目で狙っていたアラが釣れてこれで嬉しいのと同時に今年のノルマも達成したかと一安心。ここ数年は毎年最低一本はアラを釣るのがノルマ的になっていてそれなりのプレッシャーがあったんですよ。

 

そこからしばらくはあたりが遠のいた後小さな移動をしたところで魚が湧いてトップで投げる人とジギング組に分かれて釣りをします。

 

そんな中でまたまた絶好調の山形Nさんとサワさんがいいサイズのブリをキャッチ。

Img_0449
Img_0450_20240531054701

さらにほぼ同時に怪魚ハンターがカンパチをジグでキャッチと一瞬入れ食い状態になりました。

僕にもカンパチらしきアタリがあったのですが惜しくもバラシ。

Img_0125

我らの船の周りを見渡すとキャスティングでは届かない距離には必ずと言っていいほどマグロのあげる飛沫が上がりその上をカツオドリが垂直に海面に突っ込む姿が見らていたたのでありました。

Img_0132

そんな中で元気が出てきて好調の中洲さんがカンパチを立て続けにヒットさせて機能とは別人の笑みを浮かべておりました。

Img_0148
Img_0151

30分後くらいにまたまた地合いが来て僕にはカンパチが、怪魚ハンターにはヒラマサがヒット。

僕の使っていたジグはアンチョビットシャープ330gのイチゴミルクカラー。この日はイチゴミルクが良かったですねえ。

サイズ的には満足のいくものでは無かったもの釣れれば嬉しいもんです。

Img_0153

そしてさらに昨日の船酔いによるタイムロスを取り戻さんと本日絶好調のまたまた中洲さんがヒット。

今度はカンパチではなくアラの引き方。船長がすぐに気づいておめでとうございますと声をかける。

上がって来たのは船長の予告通り見事なサイズのアラでありました。

そしてさらにさらに中洲さんにカンパチがヒットと勢いが止まらない。

Img_0166

釣りができなくて船の中でずーと寝ていた人が起き抜けにサクッと魚を釣ることはままあるのですが、キハダ、カンパチ、アラ、と短時間で次々釣り上げる中洲さんのあまりの効率の良さはまさにその見本と言えたので、僕も効率的でいいですねえ、などと声をかけて笑った。

 

この後ムロアジのフカセ釣りをしていたサワさんにカジキがヒットしたため釣りを中断し僕はシャツを脱いで日向ぼっこをしながらビールを開けてリゾート気分を味わっておりました。

Img_0197

そんなこんなで時は刻々と過ぎて早くも夕まずめとなりました。

そんな中でいちばんにヒットさせたのはまたまた山形Nさん、本当によく釣る。

Img_0220

彼は朝から、いや昨日あたりからアラを狙って底をトントンと攻めていたようなのですがヒットするのは意に反してカンパチばかりの様子でここでもまた上がって来たのはカンパチだったので嬉しいやらなんやら微妙な表情なのがおかしい。

 

午後6時を過ぎたあたりでこの日の最後のポイントに入ります。

明日最終日は早い時間に男女群島を離れなければならず、釣りをする時間が短いので、早起きして釣りをしようという作戦なのでそれに前倒ししてこの日は早めに釣りを切り上げて寝ようという作戦だったのでありますね。

 

ここでは今回ミニイールという小型のルアーでスマガツオばかりたくさん釣っていたY店長が今度はジグでもスマをヒットさせます。

 

Img_0410_20240531053901

さらに好調男女群島初体験組のコスモKが(もはや呼び捨て)カンパチをヒット。

Photo_20240531054001

一方で根魚王はアラ狙いでジグをしゃくるも何故か一人だけションベンダイを三連発させて渋い顔をなさっていた。

いつも思うのだが、ションベンダイ、という魚の名前はあまりにも不名誉な名前で名付けられた方はさぞや不本意だろうなと思うし、ションベンダイ、という名前をつけた方のこの魚に対するニクシミのようなものも感じられて、一体何があってこんな名前になったのだろうとションベンダイに同情するのでありました。キレイな魚なのに。

Img_0291

夕日が傾き横から日差しが当たる時間になった頃に僕にもヒット。

今度はカンパチの引きだったのですがサイズはなかなか思うようにはならなくて釣れて嬉しいのだけれど残り時間は少なくなるしそろそろでかいのが来てくれないかなあと気持ちも焦る。

 

Img_0210

午後6時半を過ぎて最後の流しになった時、底からしゃくり始めた僕のジグにアタリがあるのですがなかなか魚が掛からない。

さらにそのまま誘い続けると魚は追いかけて来ている様子で二度ほどアタルもののなかなかフッキングしない。

20メートルくらい誘って来て一瞬ジグを止めたところにガツンと来た。

 

ここまで追いかけて来て食ったのだからカンパチに違いないと気を抜かずにファイトする。

手元にはグイグイと子気味良い感触が伝わり楽しませてくれるし重さもそこそこある感じだ。

 

ところが、あるところまで来たら突然魚が引かなくなった。

あれ?どうした???と巻き続けたらなんとカンパチではなく現れて来たのはアラではありませんか。

Img_0315

僕がヒットさせるまでの様子をすぐ横で見ていたY店長も、根魚のアラがこんなに上の方までジグを追いかけて来てヒットしたのには驚いていたほど、僕自身も初の体験に、釣りをしていると何が起こるかわからないものだと驚いたり感心したりしたのでありました。

アラは意外とそこにべったり張り付いているというよりもう少し上にいるのかもしれないと推測すると昨日一日中アラ狙いで底をネチネチ釣っていたのに釣れなかったのも頷けるのでありました。

Img_0332

 

この一匹をもってこの日の釣りは終了となり、投錨する場所に移動して船をアンカリングしたところで夕食の支度を待ちながらシャワーを浴びたり小物釣り美しくダイナミックな風景を楽しんだりして過ごします。

大自然に囲まれた中でのお疲れのビールもたまらなく美味しい。

Img_0350

僕は今回ハンドメイドジグのツキジグのビルダーである築山さんから特別にプレゼントされた120gくらいのツキジグとは全く違う細身の形のプロとジグを試してみることにして、そのジグを開封してからセッティングして釣れるまでの一部始終をY店長にビデオ撮影していただいた。

ジグを出してセッティングし、海に放り込むところまではワンカットで撮影したもののいくら男女群島とはいえそう簡単に魚がかかるわけではない。

一旦ビデオをカットして釣れるまで待っていてもらったら以外とあっさり何かがヒット。

出来の良すぎに笑いながら巻いてくると小さなアラカブがかかっていた。

魚をカメラの前に突き出した後リリースして撮影終了。ツキジグは良く釣れる(笑)

 

ちょこっと夜釣りをしたらマツカサウオも釣れました。

Img_0369_20240531053901

 

夕食の支度ができてみんなで最後の夜を乾杯し美味しいもつ鍋に舌鼓を打ってこの世は早めにベッドに入ったのでありました。

Img_0362

翌日最終日は4時半起床で9時頃までが勝負の短時間の釣り。明日遅はでかいカンパチを、と期待しつつワクワクしながら眠りについたのでありました。

 

 

写真協力:Ebb&Flow  サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2024年5月29日 (水)

男女群島遠征2024春②@サンライズ新海

サンライズ新海で行く男女群島遠征二日目。

天気は薄曇りで海は凪。潮は流れて釣りをするには最高のコンディションであります。

 

今回は天候に恵まれて男女群島に三泊もできるという恵まれた状況だったので、朝も余裕で6時に朝食が出されてゆったりと食べた後に釣りが始まるというリゾート的時間の使い方でありました。

早起きの僕は昨夜早く寝て8時間たっぷりと眠って5時半に起きて、みんなを起こさないようにコーヒーを淹れる準備をし、コーヒー豆をゴリゴリと挽いていたらその音とコーヒー豆の香りで何人か起きて来た。

関東地方に比べると一時間ほど遅い男女群島の朝もすでに明るくなっていた。

カモメの鳴き声を聞きながらコーヒーの香りと味を楽しむ。

クルーのユウキくんが朝食の支度を始める前にコーヒーを淹れさせてくれたので、普段家で起き抜けに飲むコーヒーと同じように男女群島でもコーヒーが飲めたのは幸せだった。

 

この日の朝食はフランスパンにベーコンを挟み味をつけたものにサラダも付く。

朝食を食べながら昨夜僕の寝た後の話を聞いたら夜釣りをしたり酒を飲んだりで盛り上がったらしい。

怪魚ハンターがアカハタも釣れたと言っていた。

美味しい朝食を食べ終わる頃に船は動きだしこの日最初のポイントに向かった。

 

7時半過ぎに最初のポイントに到着し早速釣りを始めるとあっという間に根魚王に何かがヒット。

根魚王は魚の引きですでにこの魚が狙いのアラ(クエ)だと確信していたようでなんと無く表情が緩んでいる。

上がって来たのは食べ頃サイズのアラだった。

狙い通りの釣果が朝一できたのでご満悦の様子。ジグは今回とてもよく釣れたツキジグというハンドメイドジグ。

Img_0406

根魚王に続けとばかりにすぐにサワさんがカンパチをヒットさせた。

今日も男女群島は入れ食いの模様。他の一同も気合いが入る。

Img_0407

僕も朝まずめにアラを狙ってボトムをトントンとたたくような釣り方をしたがアタリがない。

 

ポイントを変えてカンパチをジグで、キハダマグロをキャスティングで狙い始めたところすぐにコスモKにヒット。

狙い通りキハダマグロか?と思ったらなんだか引き方が違うし魚が小さい。

Img_9772

短いファイトで上げてみたらなんとヒレナガカンパチだった。カンパチがトップで釣れることはとても珍しく、数年前にジギング王がトップで釣ったのをみたことがあったがヒレナガカンパチはサンライズでも初めてというくらいだった。

Img_0408-1

珍しさに感心ながらも手を休めずにジグをしゃくっていた僕と根魚王にヒット。

僕は狙い通りにアラが来たか?と一瞬ニヤリとしてしまったが、ヒットしてからいつまでも子気味良いカンパチのグイグイという引きが収まらない。一方の根魚王は先ほど以上に嬉しそうな顔をしながらファイトしているではありませんか。どうやらまたまたアラが来た様子。

上げてみたら予想通り僕はカンパチで根魚王はアラ。しかも早くもこの日二匹目。釣り始めて一時間も経っていないというのに根魚王の実力、男女群島の豊かさは半端でない。

Img_9794

並んで写真を撮ったけれどカンパチを釣ってなんと無くがっかりしているあたりがとても贅沢な話なのでありますが、男女群島ならではの贅沢なのであります。

 

ポイントを移動したらカツオが跳ねていたのでキャスティングでカツオを狙う釣り師が何人かでるとたちまち本ガツオにスマガツオの連続ヒット。

昨日から好調の山形Nさんもスマガツオをキャッチした。

Img_9797

Y店長はジギング竿に持ち替えてカンパチを釣っている。

Img_0410

やがて潮が緩んで来てあたりが遠のき僕がアカヤガラを釣ったのを機に大きくポイント移動することになりました。

Img_0413

男女群島を知り尽くしている田代船長は潮の流れているポイントがわかっているようでそこを目指して船はしばらく走ります。

 

遅ればせながら今回の遠征メンバーを紹介すると、再三登場している山形NとコスモKの二人が若手組で男女群島初参加、バイク大好きさんからバイクを手放して改名した中洲さん(笑)、サワさん、常連組は怪魚ハンターに根魚王そして僕に引率のY店長の合計8名であります。

 

30分くらい時間をかけて移動し新たなポイントに入ります。

ここもカンパチ、アラ(クエ)、キハダマグロが狙えるポイントなのでキャスティング組とジギング組に分かれて釣り開始です。

僕は自身の中では男女群島恒例となっているアラを早い所釣り上げたかったので底をネチネチと攻めるのですが、男女群島の海底地形はとても複雑で急峻な根があちこちに有るため次々と根掛かりをしてジグや仕掛けを失い移動の度にラインシステムの組み直しをしていました。

 

それでも根掛かりを回避できればカンパチやヒメダイが釣れた。

 

怪魚ハンターはこの時期では珍しいヒラマサをジギングて釣り上げる。

Img_9826

そこをネチネチ攻めていた僕に待望のアラらしきアタリがあり思わずやったー!と声をあげてファイトしていると、セイイチ船長がニヤニヤしながら近づいてきて、そんなに甘くはないですよう、と言うではないか。

確かにね魚には違いないけれどアラにしては重さが足らないなあと思っているうちに魚が見えてきたらオレンジ色をしている。

あらああ、アカハタちゃんじゃないですか!しかもいいサイズ。本来なら喜ぶべきところなのだが素直に喜べない。

アラへの道は遠かったのであります。

Img_9830

ここでお昼の時間となり、ユウキくんの用意してくれた鯖の塩焼き定食を食べる。

男女群島まで来て鯖の塩焼き定食って、普通すぎて船中泊っぽくないのですがそこがまたこの船のすごいところ。船中泊だからこの程度の食事で我慢してください、と言うようなものは出てこない。当たり前のようにこういう定食が出てくるあたりがサンライズならではなんですね。

とても美味しい鯖潮定食に舌鼓を打ち午後の部へ突入です。

Img_9832

30分くらい走っってポイントを大きく変えたところには鳥山が立っておりカツオやキハダが跳ねていた。

山形NさんがすぐにスマガツオをキャッチするとY店長はカンパチを。

怪魚ハンターはヒラマサを釣り上げた。

相変わらずアラ狙いの僕にもヒットしてファイトを楽しんだのだけれど魚が見える直前でフックアウトしてしまった。

 

根魚王はアラ狙いの泳がせ釣りをしていたが大きなカンパチをキャッチしてガッカリしている。なんと贅沢な。

Img_9858

今度はすぐさまジギングで怪魚ハンターがいいサイズのカンパチをキャッチ。

こちらは狙い通りらしく嬉しそう。

Img_9875

釣りっていうのは釣れればいい、っていうものではないんですね。

やはり、自分の狙った魚を狙い通りに釣り上げた時の快感がたまらない。なぜならそこに至るまでは綿密な作戦、技術、運などが複合的に一致しないと達成できないのでこの辺りが釣りの醍醐味になるわけです。

まあ、中には釣れればなんでもいい、ていう人もいるんでしょうがそれはまたそれで個人の楽しみ方はそれぞれということで。

Img_9840

午後も3時すぎくらいになりまたまた大きく移動して朝一にやったポイント方面に戻って来たら潮が流れて条件が良くなっています。

泳がせ釣りをしていたサワさんがでかいアラをキャッチした。

Img_0421

この辺りから初めて男女群島に来て初めてのカンパチジギング経験という山形Nさんもカンパチに飽きてアラ狙いをしていたようだ。

話を聞いたら、普段釣った魚をもし帰ることはほとんどせず、リリースしてしまうらしいのですが今回はアラだけは持ち帰りたい、というではありませんか。気合いが僕あたりと違うんです。

 

このあとコスモKさんに根掛かりの様なアタリがあり、いや、根掛かりだと思って船長に外してもらおうとしたら動いたのでファイトを始めた。

かなりの重さでリールのハンドルがなかなか回らない。アラだとしたらかなりの大物だ。つい先ほどそういう大物を見ているだけに頭の中はアラを想像し気合いが入っているのだろう、苦戦しながらも少しずつ糸を巻いて間を詰めている。20分近いファイトの末ようやく獲物が見えて来たのだが何かおかしい。

Img_9901

上がって来たのは魚ではなく石だった。しかも石の上に海藻や貝などが箱庭の様に見事に配置されていてまるで小宇宙の様だった。

この獲物をキャッチしたことからコスモKの名前が定着してしまったのでありました。

Img_9904

このポイントの潮が再び緩んだところで大活躍のコスモがアカヤガラを釣ったところで潮の流れているところに移動します。

Img_9909

 

夕まずめの時間帯に入った移動後の釣果はすごかった。

まずはカンパチの入れ食い。そして怪魚ハンターのアラ二連チャン。

隣でアラ狙いの根魚王が苦笑をしていた。

Img_9918_20240529061601

同じくアラ狙いの山形Nはまたまたカンパチを釣り上げて微妙な笑みを浮かべていた。

Img_9923

 

さらに6時に迫ろうというところでカンパチの入れ食いとなるのだが、あれ?誰かメンバーが一人でてこない。

船酔いに弱い中洲さんが初日は絶好調だったのにこの日はひどい船酔いで朝から夜まで動けないほどの状態で辛そうだった。

Img_0428
Img_0425

日が傾きこの日の釣りもそろそろ終わりか、と思った時、泳がせ釣りをしていた根魚王になんとカジキがヒットした。

ジャンプしたカジキの大きさを見て一同驚く。

以前Y店長が100キロクラスのシロカワカジキを釣ったのを目の当たりにしたことがあるがそんなサイズではなかった。

200キロはありそう、と僕がいうと船長も頷いている。

 

ここから何と一時間半のファイトになりカジキにモリを打ち込んで締めた後船にあげるのにも全員で30分かかってようやく船に入ったら、そのデカさが一層際立った。何しろ持ち上げられないし船の横幅より長さがあるので船に縦に置くしかない。

みんなで苦労して写真を撮り終える頃には陽はとっぷりと落ちて空は薄暗くなっていた。

Img_0436

あまりの大きな生き物を見て僕は興奮し感動していた。こんな大きな魚が自由に海を走り回っているところを想像するだけで興奮するし、その迫力ある魚体や顔からは畏敬の念が込み上げてくる。

 

船長も「これだから海はたまらない」と興奮気味だった。

長さを計り重さを計測したところ何と前長390センチ、重さ240キロもあった。

サンライズの過去最大魚となる。

Img_0008_20240529061601

このまま船を係留して船長とユウキくんが魚の処理をしてくれている間に我ら釣り師はコーフン覚めやらない中で夕食の手巻き寿司を食べた。

美味しい手巻き寿司だったのだがカジキのショックの方が優っていたのか僕は味をよく覚えていない。

食事を終えたらすでに9時を回っていたので今夜もまた早々に一人ベッドに潜り込んで寝てしまった。

こうしてサンライズ珍記録、新記録の二日目は終わった。

船酔いの中洲さんはとうとうキャビンに姿をあらわすことはなかった。

 

写真協力:Ebb&Flow  サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

2024年5月28日 (火)

男女群島遠征2024春①@サンライズ新海

私事ではありますが、この春で大物の海釣りを初めて満10年を迎えめでたく11年目に突入しました。

この10年間に遠征で訪れた島は南から与那国島、西表島、慶良間諸島周辺、硫黄鳥島、小笠原母島、父島、聟島列島、徳之島、トカラ列島周辺、種子島、男女群島、五島列島周辺、壱岐、対馬、隠岐の島など15あまりになり、それより北は三重、伊勢湾、輪島、佐渡島、遠州灘周辺、鹿島、三陸周辺、下北半島、積丹半島と沿岸部の名だたる釣り場で釣りをしてきました。

それというのも11年前の初春にたまたま酔っ払ってバスの窓から車窓風景をボーッとみていた時にSALT WATER FISHING PRO SHOPという看板が目に入ったのがきっかけでルアーショップ 、エブアンドフローさんとの運命的な出会いが会ったからで、僕の釣り人生を大きく変えてくれることになったし、この10年の充実した釣り生活を支えてもらうことになりとても幸運に感じているのであります。

同時にこの10年間に釣りを通じて知り合った多くの釣り仲間たちも素敵な人が沢山いて、僕の人生を豊かにしてくれていることにも感謝するばかりであります。

そんな風にある意味人生の大きな転機から10年が過ぎ11年目に入っていく今年の釣りにまた新たな何かを期待してしまうのでありますが、その第一段の遠征があのサンライズ新海での男女群島遠征になったことはとても運命的で嬉しい。

この船はすべての面においてトップクラスの船でハード面もソフト面も最高の釣りを提供してくれるためあまりにも人気で予約すら取れなく、なかなか乗ることが難しい船になってしまいましたが、そんなサンライズのツアーを組んでいただけ、当たり前のようにこの船に乗れてしまうことにも感謝が尽きないのでありました。

もう一つ、サンライズといえば僕にとってはエノカフェ発祥の地で、8年前の初夏の男女群島遠征において初めて船上で自家焙煎コーヒーを淹れたのがエノカフェを始めるきっかけになったのでありますね。

以来8年間先に列挙した全国の釣り場のほとんどでエノカフェを開店し美味しいコーヒーを海の上で飲むという至福の時間を得られたのも幸せでした。

この場を借りて釣り船の船長の皆さんと釣り仲間の皆さんに深くお礼を申し上げます。

 

と、いうことで相変わらず前置きの長いブログになってしまいましたが、ここからはギアを入れ替えて男女群島遠征に行きましょう。

Img_3088

今回の行程は5月21日に羽田を発ち福岡空港から糸島のホテルへ泊まり、翌日早朝唐津の呼子港へ移動してサンライズ新海に乗船。

釣りの支度をしてから6時半頃出船。今回は男女群島に向かう前に三宝曽根というポイントに寄ってから男女に向かう事になりました。

お天気は曇り空で寒くも暑くもなく快適な上海は凪で最高のコンディション、サンライズ新海号は海面を滑る様に海をかっとばしあっという間に(寝てたからですが)平戸大橋をくぐって五島方面に向かいます。

平戸のあたりは最も波が静かな風裏で海も静かなので早速コーヒーを淹れる事に。

エノカフェ8年目の記念すべき開店です。思えば8年前もちょうどこの辺りの海上を走りながらコーヒーを淹れたのがエノカフェの始まりだったので感慨もひとしお。今回はブラジルのショコラサンアントニオというほのかに甘みを感じるバランスのいいコーヒーを淹れたのでありました。

あ、そうそう、今回はサンライズのクルーにユウキ君という新メンバーとの初顔合わせで、キッチン周りを快く提供してくれた上にエノカフェのサポートをしてくださり大変お世話になる事になったのです。

走る海の上で美味しいコーヒーを飲んだ我らエブフロ遠征メンバーは寝ていた二人を除いて6人が文字通り美味しい思いをしてみなさん満足していただけエノカフェ冥利につくというものです。

 

船はここからさらに3時間近く南下して最初のポイントへ向かいます。

その間は昨夜の寝不足を補おうとサンライズの快適ベッドでひと寝していました。

 

目が醒めるとエンジン音が下がってどうやらポイントに到着したらしい。

船長が潮の流れを確かめて船の流し方を決めたところでいよいよ釣りの開始です。

何しろここに来るのは船長自身も10年ぶりというので一体何が起こるか見当がつかない。

果たして事件的な爆釣となるのかはたまた何も釣れないのか。

 

釣り始めてすぐにメンバーの誰かにヒット。しかし竿先がプルプル震えているだけであまり引かないのですぐにカツオと分かった。

上がってきたのは小さめのスマガツオ、本命ではないけれど晩酌のおつまみには最高なので僕の顔がほころぶ。

続けてすぐにもう一人にスマガツオがヒットする。

Img_0389

早くも本日の晩酌のおつまみが確保できた。

 

これだけスマガツオがいるならでかいカンパチも居そう、と気合いを入れてしゃくってみたけれど三流しして5キロクラスのカンパチをコスモK氏が釣り上げたのみで他にはあたりも少なかった為船長はこのポイントを見切って男女群島への移動を決断し移動開始します。

 

Img_0390_20240528070401

2〜3時間走って、またまたベッドで寝ていた僕が目を覚ましてキャビンに上がると男女群島が横から見渡せる位置を船は走っていた。

 

いつもは五島列島方面から南下して来るので島の北側からアプローチするのですが、今回は東北東方面から来たので島を横から見るアングルでのアプローチで、この角度で男女群島全体を見渡すのは初めてだったのでレアな風景にしばらく見とれていました。

 

島の南の方に移動して午後3時前にポイントに着きいよいよ男女群島での釣りが始まります。

狙いはカンパチとクエ。

ミヨシでしゃくっていた今回初男女群島でカンパチ釣りも初めてと言っていた山形のNさんが早速ヒット。

ところがファイトを初めて間も無くロッドがポッキリ折れてしまった。

折れたままでファイトをして上がって来たのはカンパチでは無くヒラマサだった。いいサイズの魚を釣り上げたものの狙いとは違う魚に竿が折れてしまったので微妙な心境だったろう。

Img_9620

その数分後にはチビカンパチの入れ食いになり次々とヒットする。カンパチに混ざってスマガツオもキャッチする。今回はスマガツオが多く釣れ、この後も連日スマガツオがジグやキャスティングでたくさん釣れた。

Img_9656
Img_9662

四時前には五人同時にカンパチがヒットして入れ食いになる。今回の男女群島はすごいことになりそう。僕も一本追加した。

 

さらにその直後またまた僕にヒット。今度のは今までのものより方が良さそう。

約半年ぶりの本格ジギングだったのでなんだかファイトがぎこちない。妙に無駄な力が入ってしまいひどく疲れた。

上がって来たのは8キロクラスのカンパチだった。

Img_9679

それから約30分後にまたまた入れ食いタイムが来る。というか流し帰るたびに魚がヒットする感じで釣れるので楽しくてたまらない。

山形Nさんが何匹目かのカンパチをヒットさせていたところにクエを狙っていた僕にもヒット。

引き方が明らかにカンパチとは違いこれはやったぞ!と引率のY店長がビデオまで回してクエが上がって来るところを撮影していたら、海中に見えて来た魚の色が何か違う。あれ?なんだろ?とさらに上げてみたら、なんと、いいサイズのメジナがスレでかかっていた。

男女でメジナを釣るのはこれで2回目だ。ちょっとがっかりしながら写真を撮る。

Img_9686

さらに続いて怪魚ハンターとまたまたNさんがカンパチをキャッチ。怪魚ハンターのカンパチはなかなかのサイズだった。

僕にもまたまたヒット!でもまたまた何だか引き方が違う。今度はブリが上がってきた。三ヶ月早ければ美味しい寒ブリなのだけれど、この時期のぶりは脂の乗りも悪く身もパサパサなので即リリースする。

Img_9699_20240528070501

その次の流しでも5人同時ヒットするなど入れ食い状態は続く。しかしサイズ的には満足のいくものではなくこれくらい釣ると欲が出て数より型が欲しくなるものだ。

Img_9707

そんなことを考えていた矢先に怪魚ハンターにヒットした魚はデカかった。

竿が一気に船の下までのされそうになりなかなかリールも負けない様子。強い引きに堪えて最初の走りに耐えると船もフォローに入り水深のある方向に移動した。

竿は満月のように曲がる。タックルはPE4号と決して太い頑丈なものではないので慎重にファイトする怪魚ハンターだったがとても冷静に対処していた。

Img_9711

 

8分ほどのファイトで上がってきたカンパチはデカかった。姿が見えると釣り師一同から大きな歓声が上がった。

二人掛かりでタモを上げ船に横たわったカンパチは堂々たる風格を持ちみていた僕には畏敬の念が湧き上がってきた。

こんなでかいカンパチが水中にはウヨウヨいるのかと想像するとワクワクしてくる。

怪魚ハンターのファイトも見事だった。

この方は昨年は小笠原の母島で30キロオーバーのカンパチを釣り上げたが今回もその時のカンパチに負けないほどのサイズだった。

Img_9730

写真撮影後に計量すると29キロもあった。

釣り師一同から祝福の歓声が上がり船上は盛り上がる。

時間的にはちょうど夕まずめに入ったところなのでまだまだチャンスはある。

僕も次は俺だ!と頭のなかではでかいカンパチがかかった瞬間をイメージしながら再び竿をしゃくり始める。

 

しかしその後はアタリが遠のき小ぶりのカンパチと根魚王がいいサイズのアカハタを2匹釣って初日の釣りは終わった。

Img_9743_20240528070501
Img_9747

夕食には大皿いっぱいに盛り付けられたスマガツオのタタキとムロアジの刺身が出てきて酒が進む。

Img_9760

メインディッシュはさらに豚シャブ攻撃で僕のぽっこり出ている三段腹を攻撃してきた。

美味いので我慢できずにいたところに、山形Nさんが地元の銘酒十四代を手土産に持って来てくださったので、なすすべも無く酒と肉に溺れ酒池肉林となる。

Img_9766

初日から入れ食いに大物が釣れて好発進となりキャビンの中は大盛り上がりをしていたが、普段から早寝の僕は9時過ぎには眠くなってしまい先にベッドに入り聞こえてくる笑い声を子守唄に眠りについた。

 

写真協力:Ebb&Flow  サンライズ新海
釣りに関するお問い合わせはルアーショップEbb&Flowへどうぞ
ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

 

 

 

 

 

2024年5月21日 (火)

350クラブの親睦会でセッションしたよ@ABスマイル

中島仁トリオを聴いた翌日は横浜エアジンから歩いて数分のところにあるABスマイルというジャズクラブで、ジャズギタリスト岩見淳三さんのファンクラブである350クラブの親睦会に呼ばれてサックスを吹いてきました。

この親睦会は年に一度ペースで行われていてもう20年以上続けられているそうなのですが僕に声がかかるようになったのは10年くらい前からかな。

ちょうどその頃から僕自身が楽器の演奏に真面目に取り組むようになった時期だったので、人前で演奏する場を与えていただいたのは大変ありがたく、釣りのスケジュールとの兼ね合いで毎年とはいかないもののちょこちょこと参加させていただいては、美味しいお酒とお料理に舌鼓を打ちつつサックスを吹くという事をしてまいりました。

 

今年は三年ぶりくらいの参加でしたが、この会で知り合ったミュージシャンの方も何人かできて久しぶりに会うのも楽しみでしたし、一般的なジャズクラブでのジャムセッションとはまた違うリラックスした雰囲気の中で演奏するのも楽しみでした。

今回の参加メンバーは、三年前とは随分変わっていて、350クラブの楽器をやらない音楽を聴くのが専門のお客さんと岩見さんのお弟子さんたちのギタリストにその仲間的なリズム陣やフロント陣が集まりました。

フロント陣は僕のソプラノサックス以外は三人のアルトサックスの方々で年齢は様々。久しぶりにお会いした文京区のポール・デスモンドと僕が勝手に命名してしまった方にも会えて嬉しかった。

 

会の仕切りは岩見さんの事務所の社長兼ボーカルのYAYOIさんで、肝っ玉母さんぶりをフルに発揮しながら場を仕切って進行していきます。

全員揃ったところで乾杯してからは社長の命令で呼び出されたメンバーでのセッション。

今回は初めて来る方も何人かいて少し緊張している様子もありましたが、和気藹々と和やかに演奏が進んでいきます。

 

久しぶりに会うと、太った人、痩せた人、変わらない人など様々いて中にはあまりの変貌ぶりに誰だかわからない人もいたりするのに音を出した途端に、あ!あの人だ!と過去の面影を思い出すところが面白かった。

Img_3076_20240520050501

 

僕の出番は4番目くらいでちょっと緊張して始まりましたが、一旦音を出してしまえばあとは開き直るしかない。

everything happen to meを吹かせてもらったのだけれど、アドリブに入ったらサビの進行で躓きちょいと焦る。

やばいなあと思いながらも無理やり押し切り最後まで吹き切ってなんとか終わってホッとした。

終わったらYAYOI社長から「今日はいいね」と褒められたので「今日も!でしょ」と絡んで笑をとって引っ込む。

 

初めて聞く人たちの演奏は新鮮だし、これまであった方々の演奏もときを重ねて腕を上げている様子がよくわかり聴いていてとても楽しいし刺激にもなるのでありますね。

一曲やったら気分が楽になってワインをがぶ飲みしてすっかり酔っ払い、何組かの演奏を終えると中休みの休憩があり350クラブの会長である三浦さんからこの回の歴史や今年の11月に岩見さんのリサイタルが決定したことなどの報告などがあり一休み。

 

後半のセッションが始まると2番目に呼び出されて一曲やる。

今度はプロのベーシストのジャンボ小野さんと岩見さん、それに大学ジャズ研の先輩のドラムの三浦さん(会長とは別人)とのセッション。

酔っ払った勢いで気持ちよく吹きまくって気分いい。もう間違えたってなんだって怖いものなし、という感じでこういう雰囲気の場での演奏は普段は中々できないので楽しいものでありました。

 

後半の部が終わると一旦お開きにした後で楽器持ったメンバー全員で大ジャムセッション。

blue bossaをみんなで弾きまくって盛り上がり夜はふけていったのでありました。

 

ああ、楽しかった。また来年皆さんに会えるといいなあ。釣りとの予定がかぶらない事を祈りつつ皆さんと再会を誓ってABスマイルを後にしたのでありました。

 

ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

 

2024年5月20日 (月)

中島仁トリオのライブを聴きに行った@横浜エアジン

21世紀に入る頃からか、ネットによる音楽発信や情報交換即時性の発展なども手伝って世界中に様々なスタイルのジャズが沸き起こるように出てきて、ジャズの多様化は今や聴き手個人の能力では把握できないほどに多様に広がり、あれもジャズ、これもジャズともはやカテゴリー分けをすること自体が無意味なのではないかと思うほどに複雑になっていますが、聴き手としてはそんな様々なスタイルのジャズから好みの音楽を掘り起こして行くのも楽しみで、次々と出会う新しい音楽世界に心トキメク今日この頃であります。

そんな現代においては既にクラシカルなジャンル分けになるヨーロピアンスタイルのピアノトリオという言い方になってしまいますが、そんな言葉がちょっと安易ではありますがわかりやすい表現なのかなと思われる音楽を演奏する中島仁トリオというピアノトリオがあります。

 

このピアノトリオは5年前にCDレビューをしていて、クリアで美しいながらも変幻自在に展開して行くサウンドを聴かせてくれたのですが、最近2枚目のCDを発売し、そのレコ発ライブが横浜馬車道のエアジンで行われるというのでこのチャンスを逃すものかと聴きに行きました。

 

馬車道のエアジンというライブハウスは横浜のこの地域でも老舗の店で、どうやら今年が55周年らしく半世紀以上やっているライブハウスも文化的に貧しい日本においてはここまでの継続には大変なご苦労があったのではないかと思われるところですが、僕としてももう前回行ったのがいつなのか忘れてしまったくらいの久しぶりの来店でした。

歴史を感じる古い店内には沢山のビデオカメラが据え付けられておりツイキャス配信ができるようにできるようになっていた。

おそらくコロナ禍を乗り切るための施策であったのだろう。

 

中島仁トリオはベースの中島仁(ヒトシ)、ピアノの望月慎一郎、ドラムの橋本学(マナブ)の三人からなるピアノトリオであります。

このトリオにスウェーデン人のサックス奏者オーべ・オンゲマールソンをゲストに吹き込んだアルバム、ミラー・オブ・ザ・マインドをこの5月に発売したばかりで、彼らのフライヤーの文章からメンバー紹介をしてみよう。

 

ピアノの望月慎一郎は1980年生まれと書いてあるので40代半ばのミュージシャン。

6歳で作曲を始め13歳の頃には海外でも自作曲を披露したという経歴の中でジャズに出会ってからは独学で研究をしているらしい。

欧洲ジャズに近い演奏スタイルを取り入れ、独自の方法論で作品を送り出す。2017年にピアノトリオによる大作アルバム「Visionary」をリリース。2018年、橋爪亮督(sax)をフロントに迎え「Another Vision」をリリース。2021年、Miroslav Vitous(b)、福島進也(ds)をむかえ「Trio2019」をリリース。

と書いてある。

ドラムの橋本学は1976年生まれ。大学入学後モダンジャズ研究会にてジャズ・フュージョン活動を開始、卒業後プロ活動へ。2001年横浜ジャズプロムナード・コンペティションで参加バンドがグランプリ受賞。2005年よりTrio Zero(伊藤志宏piano、織原良次fretless-bass)を主催、作・編曲を手掛ける。2010年には台湾のジャズフェス、2014年にはスイスでのライブ、2012年にはミュージカル「ラブ・イズ・ミラクル」へ楽曲提供。2016年長野県富士見町に移住後は中部甲信地方発信の活動を開始。様々なユニットに参加しそれぞれのレコーディングにも参加。ジャズのみならずポップス・ラテン・ブラジル・アラブ音楽・古楽・ドラム以外のパーカッションも多用して節操なく活動。2010年Trio Zero 1st album「Energitic Zero」をリリース、などど書いてあります。

このトリオのリーダーでベースの中島仁は15歳でエレクトリックベースを始め大学ジャズ研時代にECM系サウンドに傾倒。大学卒業後は故郷の安曇野に定住し2010年頃からコントラバスにスイッチし音楽活動を再開、ヨーロピアンサウンドに影響を受けた自己リーダーのピアノトリオを主軸に活動を続ける。(中略)2017年からスタートした橋本学氏&望月慎一郎氏とのユニット「kiretto」に多くのインスピレーションを得て2018年どうメンバーによるアルバム「Pioggia」をレコーディングしリリース。隠しレビューで絶賛を得る。2019年、JAPRS(日本音楽スタジオ協会)主催の『日本プロ音楽録音賞』の「クラッシック・ジャズ・フュージョン部門においてどうアルバムにて優秀賞を受賞。

とだいぶはしょってしまったけれどこのように書かれているのであります。

 

さて、長くなってしまった前置きはこのくらいにしてトリオの演奏の話に進もう。

 

この日のライブはニューアルバム「mirror of the mind」のプロモーションを兼ねてのライブだったので、演奏曲は一曲を除いて全てそのアルバムからのものでした。

ベースのリズムパターンから始まりそこにピアノとドラムが絡んで行くような曲が多く、所謂バップのようにドラムのカウントで一斉に入るような曲はなく、自然にスーッと始まり心地よく流れてまたスーッと音が空気に溶けて消えて行くような構成の曲が多かった。

そのサウンドはどれも透明感と静謐感の中を静かに三人のサウンドが渦巻きながら透明な流れる川のように清涼感があり美しい。

それは望月のピアノが流れるような美しいメロディーを紡ぎ出しながら左手の和音はドビュッシーあたりの印象派クラッシックに通じるモダンでイマジネオティブなサウンドを加える。ヨーローッパジャズ風と一言で言ってしまうこともできるが、それはバップ的なリズムやフレーズを排除してクラッシックからのアプローチが多くを占めたメロディと和音からくるものなのだろう。

ただ美しく綺麗、というだけのものでは無く聴き手の想像力を掻き立てるような間やメロディ、リズムの絶妙なバランスを感じられた。

Img_3073

橋本のドラムはピアノの流れるメロディとリズムに協調しながらも単純なリズムパターンを叩き同調することなく、音の隙間を埋めるように複雑なリズムと音色のこれもまた聴く側に新たな想像力を与えてくれる。一定のリズムを叩き続けるのでは無く様々なリズムを次々と繰り出しながらも全体は統一されたリズムペースに繰り出すものでさらにそこにスティックの持ち替えや素手での演奏など音色もカラフルで、音世界がどんどん広がっていくのだ。

Img_3074

そのドラムスタイルは僕にはミルフォード・グレイブスのトーキングドラムを想起させてくれた。ヨーロッパ系のピアノトリオのドラムスに多いスタイルなのだろうが彼のサウンドの根にあるのはどこか土着的な日本的な語り口をヨーロッパ的に表現しているようにも感じて面白かった。

 

リーダー中島のベースは自由に広がるピアノとドラムの背後で全体のサウンドをしっかり一つにまとめるような安定たリズムをキープしながら音の流れを導くように流れながらも、時には強く、時には優しくとトリオのサウンドに強弱を与える。その演奏スタイルは誠実な彼の性格をそのまま表したような正確で無駄のないものでありました。

Img_3075

 

三人の絡み合うように作り出す音を聴いていると聞き手の僕の中に自分なりの新たな想像が頭の中に浮かび上がりイマジネーションを刺激してくれ音世界が頭の中にどんどん広がってゆき心地よい。どこまでも透明感があり美しいのだが全体の音の流れは静かにうねる様に様々に形を変えて流れてゆく、まるで透明な川の流れが常に変化しながら大きくなったり小さく渦を巻いたりて流れてゆく様で、それらは見ているだけで飽きない能登同様に、音の変化に心地よく乗りながらも次の変化を期待して聴いていて起きることのないものだった。

 

多くの曲はいくつかのスケールとリズムパターンで組み立てられたちょっと複雑なモードの様なスタイルで、バップ的な「はいテーマです、ここからはアドリブ、バースがあってエンディング、」という様なはっきりした構成でそれぞれのミュージシャンの技を聴くというのとはちょっと違って、もちろんテーマ、アドリブ、テーマと流れていく構成は同じなのだが、そのつなぎ目がとてもシームレスな感じでテーマとアドリブ全体のサウンドを浴びて楽しむと言ったらいいのだろうか、そんな感覚でトリオの演奏を楽しんだ。

 

日本人のピアノトリオでこのタイプの音を聴くのは僕は初めてだったのでとても新鮮に感じた。

音楽をカテゴリーで分けるのは、最早多様化の進んだジャズ、いや音楽全体が多様化してシームレスになっている現代ではあまり意味のないことだと僕は考えるので彼らのサウンドをヨーロッパスタイルのピアノトリオとくくってしまうのには抵抗がある。

彼らのサウンドも一聴するとヨーロッパ的な音楽言語を使いながらも彼ら個々の出す音は日本という土壌から染み出す様なエッセンスを感じられそれが他のピアノトリオとは違う中島仁トリオのサウンドの個性になっているのではないかと感じる演奏でした。まあ、ジャズってそういうものか。

 

一部と二部に分かれてほぼアルバムからの曲全てを演奏し、さらにアンコールも一曲演奏してこの日の演奏は終わった。

今回はアルバム参加のサックスのオーべ・オンゲマールソンが怪我で参加できなかったのはとても残念で、帰りがけにアルバムを買って彼の入った演奏を家で楽しむことにしてた。

ライブハウスから外に出ると初夏の夜風が清々しく感じられた。

 

追記  この日の演奏はエアジンのツイキャスライブで見ることができるようです。

    興味を持たれた方は是非¥横浜エアジン¥ツイキャスで検索してみてください。

 

ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

« 2024年3月 | トップページ | 2024年6月 »

2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30