北海道ツーリングに初めて行った!その13 帯広〜静内
7月7日日曜日、今日は七夕だ。
七夕だというのに北海道の帯広市内は朝から雨だった。
今日は雨の予報だったのでどこを走るか決めていない。天気予報を見て少しでも天野少なそうな場所を選びながら走るコースと目的地を決めるという作戦だ。
早朝四時に起きてコーヒーを飲みながら一人で作戦を練る。
雨雲レーダーなどをみると襟裳岬方面が昼過ぎには雨が上がりそうな気配なので、帯広から南下して襟裳岬を右に回り込み適当な街で宿泊しようと宿を探すと、静内の街に比較的安いホテルが空いていたのでここを予約する。
スマホで予約できるので便利な時代になったものだ。
午前8時過ぎにホテルを出た時には雨は降っていなかったのだけれど、帯広市街を抜けるあたりから降り始めた。もはや多少の雨くらいではびくともしないくらい雨には慣れていたものの路面が滑るのでバイク旅での雨は要注意なのであります。
帯広市内を南下し抜けると田園風景が広がる。雨の畑の風景も良い。スマホのナビは高速道路に入るように指示するが無視して一般道を走った。
途中道の駅でトイレ休憩しながら広尾まで走ると海が現れた。太平洋との再会になんだか感動した。広尾から海沿いの道に出ると道の駅もなく、右手は崖、左手は海、人も住む場所がないような風景が続く。海にはサーファーが何人かいてサーフィンを楽しんでいた。
しばらく行くと長いトンネルをいくつか通った。トンネルの中はヒンヤリとしていて気温が17度まで下がりバイクのカウル、ヘルメット、バックミラーが全て結露して視界がなくなり焦る。まずはヘルメットを手で拭い、次にバックミラーを拭いた。時折対向車が現れるくらいの車の量ではあったものの路面状況も気になり緊張して走った。トンネルを出ると気温は23度あり、温まったヘルメット、バイクで再びトンネルに入ると結露する、というのを繰り返しストレスがマックスになる。
これらのトンネルを全て抜け切ったあたりの左手の海岸に出っ張った展望台と駐車場があったのでバイクを停めて写真を撮った。
襟裳岬方面から走ってきて駐車場に入ってきたライダーがいたので、この先の道の状況などを聞いて情報交換した。襟裳岬はガスっていて何も見えない、と彼は言っていた。いつの間にか雨は上がっていた。
そこから30分ほど走ると「襟裳岬」の看板があったので左に曲がると狭い私道のような道になり車が来たらすれ違うのがやっとくらいになり焦ったが、幸い車は走って来ず、どんどん寂しい風景になっていくではないか。道を間違えたかしら、確か45年前に来た襟裳岬は大きな駐車場があってレストランもあったはず、と不安になってきたがそのまま進むと岬の先端の一軒家が佇んでいるだけの場所に出て、そこに車が2台停めるのがやっとくらいの駐車場がありバイクが一台停まっていた。
その横にバイクを停めて、閃光のバイクの人と一緒に歩き岬の先の方に進んでいくと、ガスがかかって50メートル先も見えないくらいだった。昔襟裳岬に僕がきた時はこんなところじゃなかった、などと話しながら進んでいくと岩でゴツゴツの岬の突端が見えた。
その他には何も無い。仕方ないので写真を撮っていただきバイクに戻った。
走ってきた小道を戻り大きな道に出て左に曲がり岬を回り込む方向に進むと間もなく見覚えのある大きな駐車場が現れて車やバイクがたくさん停まっている、ああ、やっぱりここだ、昔と同じだ、と少しホッとして駐車場に入りバイクを停めてここから見下ろす岬の先端に向かって歩いた。
吉田拓郎、遠藤実の二つの「襟裳岬」の曲の歌碑が建っていた。
確か吉田拓郎が「襟裳の春は何も無い春です〜」という歌ったら当時の襟裳の人たちが「何もなくない!」と怒ったという話があったよなあ、と思い出しながら、そんな地元に反感を買った歌もヒットすれば歌碑になっちゃうんだね、とニヤニヤしながら歩いた。
岬の先まで行くと灯台があ流のだがそこから先は柵がありその下はガスで何も見えなかったので、先ほど間違って行ったのがラッキーだと思えた。
写真を何枚か鳥駐車場に戻る。時計を見るとまだ11時だったのでお昼には早いしお腹も空いていない、襟裳岬を回ったあたりに美味しいラーメン屋さんがあるよ、と昨夜北の屋台で話をした人から情報を来ていたので、一応そこでお昼にしようかと思っていたのだが早すぎたので、ラーメンは諦めて先に進むことにした。
雨は上がり路面も乾いて走りやすくなっている。浦河まで走ったら道の横に広い駐車スペースがあったので、ここにバイクを停めてしばらく休んだ海からの波音が心地よく気持ち良い。ホテルの朝ごはんに出たおにぎりを一つ持ってきていたのを思い出しそれを食べて昼食にしてしまった。
ここまでもう10日近く北海道を走って色々な場所を訪れているけれど、僕の旅にはグルメというのが無いなあ、と思う。普通はその土地の美味しいものを食べるのも旅の楽しみの一つと考えるし、僕自身もそれを否定するわけでは無いのだけれど、うまいもの探しがどうも煩わしい性格のようで、苦労せずに出会えれば食べる、という怠け者なのだ。
再び静内に向かい海岸線の道路を西北に走る。途中山から海に雲が流れ込んでいる場所があり写真は撮れなかったが感動的だった。
どんどん走っていくと静内に早く着きすぎてしまうことに気がついたので、途中の街にカフェを見つけて入りエスプレッソを飲んで休憩した。
そこから静内までは30分くらいで着いた。ガソリンを入れておこうとスタンドを探すのだが、道の左右にあるスタンドがどこも日曜日は休みらしく、静内の街を抜けそうなくらい先まで走ったところでようやく営業しているガソリンスタンドを見つけて入る。
セルフのスタンドで機械に五千円札を入れたら機械に詰まってしまい反応しない。困っていると店員さんが出てきて五千円札を取り出してくれたので、今度はシワのないきれいな一万円札を入れたら無事給油できた。
ガスを入れてホッとしてホテルに向かう。街道から少し入ったところにそのホテルはあった。
古臭いそのホテルは三階建てでエレベーターも無く、自販機のビールは450円もするし廊下はタバコのヤニ臭かったが、僕の部屋は禁煙ルームでヤニの匂いはしなかったものの少しカビ臭かったが、まあ安いから仕方ない。
時間はまだ3時半過ぎだったが4時から風呂に入れるというので部屋で少し休んでから風呂に入り疲れをとった。誰も他の客はおらずのびのびと気持ちよく風呂に浸かって雨で冷えた体を温めた。体重を測ったらこの旅に出る前より2キロ減っているではないか。いかに貧しい食べ物しか食べていないかを証明しているような体重がおかしかった。
着替えて身軽な格好になったところでホテルの近くのコンビニまでバイクで行き、夕食と酒を買って帰り飲んだら満腹になり寝てしまった。
7時頃に目が覚めて外の店で飲んでみたくなり、いい店はないかなと街をぶらついた。
狭い街だがいくつかスナックを探したのだが焼き鳥屋、焼肉屋さんくらいでスナックはあったものの日曜日で休みのところが多くなかなか良さそうな店に当たらない。
大通りを渡りその先にスープカレー&バーと書かれた店があったので入りカウンターに座り人を注文した。
隣の席にパソコンを見ながら酒を飲んでいるカップルがいた。カウンターの隅には競走馬の競売カタログが何冊かあり、そこには明日から競売が始まると書いてあった。
出てきたジンを飲みながらカタログを手に取りパラパラめくってみると二千万円くらいから一億円以上するものもいるようで、僕には縁のない世界だなあ、こういう世界もあるんだあ、と初めて知る世界に感心してしまった。
しばらくしてカウンターの中のお兄さんが話しかけてきたのでツーリング中だと話す。お兄さんは沖縄の出身で釣りもするということで話が合い盛り上がる。彼はここの街では狩猟の免許も持っていて鹿を撃つと言うのだが、夜は猟が禁止されていて昼間人のいる時間に銃を打てるような場所に鹿が出てくることは稀なのでなかなか撃てないと話した。
そんな話をしていたらカレーの香りがしてきて急に小腹が空いたので鹿肉のスープカレーを注文して食べた。
スープカレーのスープはなんだか自分でもカレー粉を使って作れそうな味だったが、具の野菜や鹿の肉は美味かった。お兄さんは横浜にもいたことがあると言うので、クラフトビールの話をしたら興味を示していた。
そんな話をしていると8時になり、この日行われた東京都知事選の開票速報がテレビに映し出され、緑のおばさんの再選を告げたので旅で盛り上がりかけていた気分が現実位引き戻されてちょっとガッカリする。
8時半に店を出た、お兄さんに「また来てください」と言われるのを聞きながら外に出てホテルに戻り9時過ぎには寝てしまった。
この日に使ったお金
エスプレッソ 440円
ガソリン8.5L 1582円
宿代 7400円
コンビニ 1000円
スープカレー・ジン 3600円
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