あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
ということで本日は元旦でありますが、記事の方は7月8日に続きます。
7月8日、いよいよ北海道をバイクで走るのも最終日、今日は苫小牧まで走って午後のフェリーに乗り北海道を離れるのであります。
この日も早朝4時に目が覚めてコーヒーを入れて飲み、窓から外の天気を見てみたら雨は降っていなかった。
今日は移動距離はあまりないのでのんびり走ればいいのだがどこかに寄らないと間が持たないので行き先を考えた。
静内からさほど離れていない二風谷のアイヌ民族資料館に行くことだけは事前に決めていたのだけれど、それでもまだフェリーの出船まで時間が十分があまりそうなので苫小牧を越えて有珠山から支笏湖や洞爺湖まで行って時間を潰そうかなどと考えたものの、そのコースだと300キロ以上走ることになる。色々考えて、とりあえずこの案で行きながらあとはその時の気分任せで変更して、とにかくフェリーに間に合うようにしようと決めた。
7時過ぎに朝食を食べにホテルの食堂に行く。バイキング形式の朝食なのだけれど北海道の美味しい食材がたくさんおかずにあってどれも美味しい。揚げナス、イカ・タコの塩辛、サラダ、目玉焼き、米もうまい。朝から食べ過ぎてしまった。今回のツーリング前からダイエットをしていて、体重を増やしなかったのだけれど、昨日の計量で体重が減っていたので最終日くらい北海道のうまいものを食べようと食べたいだけ食べた。
8時過ぎにホテルを出て二風谷に向かう。60キロ程度の近距離なのでのんびり海沿いを走りたかったのだが、途中ナビ通り走ったら無料の日高自動車道路がありうっかり入ってつまらない景色の見えない道を走るがまあいい。
日高富川インターを下りて山に向かって走ると20分ほどで上り坂になり沙流川沿いに走る道を登ると、間も無くそれほど標高のないところに二風谷ダムが現れ、その先に目的地の二風谷アイヌ民族資料館があった。
月曜日の午前中の早い時間だったせいか客は少ない。資料館と隣にある萱野茂資料館の二つの資料館があったので両方の共通券を買ってじっくり見学することにした。
資料館の中に入ると食器などの生活用品、猟具、武器、歴史など様々な民具が展示されていて興味深い。鮭の皮から作った靴や衣装などもありアイヌの生活に鮭は必需品だったのだこと、それを捕るのを禁止しアイヌ文化を消滅させようとした日本政府のやり口は汚い。自然と共存しながら生活していた豊かな文化を否定し土人扱いをして日本人との同化をさせた歴史はほか移動を訪れ、現在の豊かな北海道を享受する我々は知っておかなければならないと感じた。僕自身もアイヌへの侵略者の、そして差別者側にいるのだという意識を持たなければならないと強く感じた。
アイヌ民族は文字を持たなかったために明治以前の歴史的記述はなく不明なのだそうだが、言い伝えとして様々な歴史が残されてきているというので、それにも興味がわく。豊かな文化財にその歴史の深さと豊かさを感じることができた。
二つの展示館を1時間くらいかけて見学してから二風谷ダムに行く。
このダムの建設をめぐってはアイヌ民族初の国会議員であった萱野茂さんを中心に猛反対があった歴史を僕も知っている。治水を理由に政府が強行して作ったダムなのだが、ただのコンクリートのアーチダムと違ってとても立派な贅沢な作りのダムサイトだった。展望台からダムに溜まった湖を見るが水は濁って汚れていてガッカリしたものの魚の波紋がそこかしこにみられたので少しホッとする。
前にも書いたが僕は不要なダムの建設には反対だ。政府は治水を理由に日本中にダムを作るがそれが日本の川、そして海まで全ての自然体系を破壊している。沙流川は時折氾濫することはあったものの鮭の登る美しい川だった。川に氾濫はつきものだ、川は氾濫することで浄化する作用もある。昔は氾濫区域には人が住まないという暗黙の了解があったのにそこに住居を建てて氾濫する川が悪いというのは間違いだと思う。
などと考えていたら、なんだか気持ちが疲れてしまって、ここから有珠山まで走る気がすっかり失せてしまった。
気分転換に苫小牧港近くの美味しくて有名な海鮮食堂があるというので、そこに行って北海道ツーリング最後の食事は北海道三昧しようということに決めた。
苫小牧に向かって走ると、メーターの走行距離が2500キロを超えた。
苫小牧港のフェリーターミナルを通り越した先にあるその食堂に着いたら、予想通り長蛇の列ができている。時刻は昼ちょい過ぎで一番混む時間だから仕方ない。30メートルくらいの列の最後尾に並んで順番を待つ。フェリーの出船は夕方なのでそれまで他に予定がないので気分的には余裕があり並んでいる人間観察などしていた。食堂はもともと港の関係者用に作られたものらしく、関係者優先、という看板も立っていた。
この店は10人ずつくらいまとめて店に入れて食事をさせるシステムで客の回転は悪い。待ちながら何を食べようか色々考えていると、周りの人もグループなどではあれが美味しい、これも美味しいなどと囁いているのが聞こえて参考になる。どうやら一番の名物は海鮮丼とホッキカレーらしくそのどちらかにしようと悩んだが、海鮮丼なら自分で釣った新鮮な魚をしょっちゅう食べているから他では食べられないであろうホッキカレーを食べることにした。
昨夜もカレーだったのに、カレーが好きなのだ。
1時間ほど忍耐強く待っていたらようやく自分の順番が回ってきた。時は店の閉店時間の午後2時を回っていたが中に入れてくれた。カウンターの席に案内されて前を見たらトッピングのカツ、メンチカツ、魚のツクネ、ホタテを揚げたものなどが並んでいるではないか。こういうのに僕は弱い、何かしら手を出したくなるのだ。カツカレーはウトロで食べたし、ホタテの唐揚げもオロロンで食べたからメンチカツを選んでトッピングした。
カウンターの中の作業を見ていたらどうやら注文があってからホッキカレーを作っているようだった。煮込んだカレーのルーに切り刻んである大量のホッキ貝の身を両手で山盛りにしてドサっと気前よく鍋にぶちまけているその姿に感動する。
それを少し火を通してホッキカレーとなりでてくる訳だが、出てきたカレーは大盛りで嬉しい。旅先ではよくカレーを食べるが空港などで食べるものにはルートご飯の比率を誤っているものも多く非常に不快な思いをさせられることがままあるのであるが、ここのカレーは完璧だった。
早速食べてみるとホッキ貝の身は柔らかくヌルッとした食感で味は甘い。この甘さにははじめ違和感を感じたがよく噛むとルーの辛さと絶妙のバランスに変化して行き大変美味しい。トッピングのメンチカツもボリューム満点でサクサクと美味しくたまらない。
このメンチカツ、カウンターの上に置かれていた時にはハエがブンブン飛び回って時折たかったりしていたのだけれど、美味しさにそのような些細なことは気にならなくなってしまった。
ペロリと食べてしまってカレーが1200円にメンチカツ180円、しめて1380円也。
満足して店を出たらもう客は並んでおらず、店の入り口もしまっていた。
店から苫小牧フェリーターミナルまではすぐそこの距離で3時前に着く。
乗船開始は湯型5時だというのにもうすでに20台くらいのバイクが駐車してあった。
乗船手続きをしにビルに入ると3時半に手続き開始、と書かれていたのでしばらくの間座って体を休める。少しウツラウツラしてうたた寝してから階下の受付に行ったらすでに50人くらいの人が並んでいて手続きも始まっていた。
受付窓口は三つしかなくその内の一人の係員は研修生らしく手際が悪いのでなかなか列が進んでいかない。随分待たされて4時過ぎにようやく手続きが終わった。売店に行き夕食のおにぎりとジュースを買い込んで5時の乗船開始を待つ。
5時ちょっと前に館内アナウンスがあり、乗船客は車のところに行くように言われたのでバイクに向かった。周りのバイクは50台くらいに増えていてくる時と同じくらいの数になっていた。バイクがたくさん集まっている風景というのは独特の雰囲気があり少しコーフンする。
やがてあまり待たされることなく乗船の合図があり、指示に従って一台ずつ乗船して行く。
フェリーにバイクを止めてすぐに客室に向かうとまだガラガラだったので、他の客が来る前にと風呂に向かった。このフェリーは大浴場があるのがいい。風呂に入ったらもう既に先客が数人いたので意外だった。フェリーに乗り慣れた人たちはみんなこうするのだろうか、とにかくまず汗を流して体を温めて後はのんびりする、というのが正しいやり方らしい。
風呂から出たら当然サッポロクラッシックを飲む。
飲み終えたらバイクに忘れ物をしてきたことに気づいて戻ったらまだ乗用車の乗船をしていた。
6時過ぎにおにぎりを食べて夕食終了。そのままうたた寝して8時過ぎに起きて売店に行き日本酒とカップうどんを買って部屋で酒飲んで9時頃には寝てしまった。
船が走り出したことも気づかなかった。疲れていたのかな。
明日の朝目が覚めたらもう太平洋上を航行しているだろう。北海道は晴れるとそこそこ暑かったけれど関東に帰ったら熱波地獄が待ち受けているのかと思うと、果たして大洗の港から横浜まで熱中症にならずに無事帰れるのであろうか?と心配になった。
この日に使ったお金
二風谷資料館入館料 700円
飲み物 180円
ホッキカレー&メンチ 1380円
おにぎり&飲み物 500円くらい
缶ビール 340円
カップ酒・ツマミ 840円
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