外国人と共に走る春のツーリング②伊豆大仁〜車山高原
ツーリング二日目、朝イチの野暮用が9時からしか陽が足せないので朝はのんびり9時に出発した。
雲は多いものの雨が上がってくれただけでも大満足。暖かいのでライダージャケットで走れる、というだけで幸せ。
そうそう、今回は走りながら無線で会話できる「インカム」を二人ともつけていたので走行中のコミュニケーションはちゃんと取れるので、僕が先行してカール君が後からついてくるようにした。
彼のバイクはBMWの310cc。
小さいけれどパワーがあるので高速道路も80キロ走行なら問題なさそうだと分かったので基本的にゆっくり景色を楽しみながらいくスタイルにした。
午前10時に野暮用を済ませてフリーになたので大仁から沼津まで走って東名に乗る前に給油する。
僕のバイクは20リットル近く入るのだけれど、彼のバイクは10リットルしか入らないので気を使って早めの給油を心がける。
東名に入って走ると眼下に駿河湾が時々見えるのでカール君が大喜び。
富士ICで降りて朝霧高原に向かう。
富士の街中は交通量が多かったが山を登り始めると少なくなった。
朝霧高原が近づいてくると霧の中に入り視界が悪くなる。一番霧の濃いところでは先行車のテールランプがようやく見える程の濃い霧なので緊張した。
それでも朝霧高原を抜けて精進湖が近づいたら霧が消えていと安心。
精進湖から甲府盆地に抜ける道の曲がり角にあるお店でお昼をとって休憩することにした。
看板に「ほうとう」とあったのでカール君にほうとうを食べさせたかったのだ。
中に入ったらたまたま昼時なのに席が空いていてすぐに座れた。
席に座って壁を見たらボクシングチャンピオンのポスターがたくさん貼ってある。よく見たら席に案内してくれたお兄さんじゃないか!
「お兄さん、ボクシングの人?」と聞いたら「もう20年前ですけれどね」と返事。
最近スポーツジムで格闘技エクササイズにハマっている僕は元プロボクシングチャンピオンに興味津々で、色々話しかけると、お兄さんは嫌がりもせずに愛想良く返事してくれるので楽しい。
お店的には間もなく観光バスで大量の客が一気に入ってくるので、その対処に緊迫している様子だったが、さすが元チャンピオンだけあって次々入ってくる他の客にも余裕の対応をしているところがすごい。
出てきたほうとう定食は季節の野菜と鰹のしっかりした出汁が効いていて大変美味しく、これまで食べたほうとうの中でもトップクラスだった。
いつもはチェーン店に入って食べていたのだがやはりこういう地のものは個人でやっている店のようなところの方が美味しい気がする。
お兄さんに、「これまでで食べた中で一番美味しい」といたら喜んでくれた。
僕らの会話を聞いていた隣の席のおばちゃんが突然お菓子をくれたりして、なんだかやたらと和んだ雰囲気になった所にタイミングよく団体さんのバスが入ってきて観光客がなだれ込んできた。
出て行くタイミングにちょうどいいので、お兄さんに「また来るね」と挨拶して店を出る。
店を出て峠道に入ると間もなく長いトンネルに入った。
この道路はずいぶん前から存在は知っていたのだけれど、このルートを通る用事がなかったので初めて通る。
長いトンネルを二つ抜けると山のかなり高い所に出た。
精進湖側は標高が高いので降りてきてもなおまだ山はうっすらと木の芽が黄緑色になりかけている程度だったのだが、カーブの続く道をどんどん降りて行くとやがて木々は芽吹き所々に山桜が咲いていて美しい。
路肩のスペースを見つけてバイクを停めて写真を撮った。
カール君も初めてのこうした景色に大興奮し写真を撮りまくっていた。
さらに下りていくと小さな山村の風景が美しい。日本の正しい山村風景の春、といった感じで大変良い。
道に沿って流れる川は春の水がキラキラ輝いて流れている。
道路の傾斜が緩やかになり山村を通り抜けると名の花畑が美しい所に遭遇したのでバイクを停めてまたまた写真を撮る。
ひたすら走りまくるツーリングも楽しんだろうけれど、僕はのんびり景色を楽しむのが好きなのでいつもこんな風だ。
山を下り切り甲府南ICの手前で道の駅のような場所があったので一休みする。
甲府盆地は初夏の暑さだった。朝霧高原で着たジャケットの下のフリースを脱ぐ。
少し休んで車山に向かう。
甲府南ICから中央道に乗り走り始めると八ヶ岳や南アルプスの山々の裾が見えて雄大な景色が広がる。
八ヶ岳SAまで走って一休み。ソフトクリームを食べながら巣作りに励むツバメを見る。
そこから諏訪南ICまで走っておりて八ヶ岳に向かって走ると雲が取れて八ヶ岳の山々が見えたのでまた写真を撮る。
さらに走って山麓に入る前を左折して蓼科方面に向かってしばらく走るといきなり満開の桜の並木に出会ったので急遽右折して横道に入りバイクを停めて写真を撮った。
外国人観光客の多くが日本の桜を好むがカール君も例外ではなく夢中になって写真を撮っていた。
しばらく写真を撮って出発。
ところがここでアクシデントが起こった。
来た道に戻るのには今いる場所をUターンしなければならなのだが、カール君の足前でうまくバイクでターンできるか微妙だったので悩んだ結果本人が大丈夫というのでUターンしたら嫌な予想が当たってカール君がターン中によろよろと転けてしまった。
本人はパニックになってバイクを起こそうと必死なのだが、起こせる体制になっていない。
僕は安全な場所に自分のバイクをとめて駆けつけて手伝いすぐにバイクを起こしたがマフラーに傷がついてしまった。
幸い怪我もなかったし、他の車が来ない場所を選んだので大きな事故にもならなかったが、転けた本人はバイクに傷をつけたこともショックで運転に集中できない様子で走り始めたので気にするな!運転に集中しろ!と声をかけた。
少し走ったら落ち着いたようで、周りの景色を楽しむ余裕もでてきたのでホッとした。
茅野市の芹が沢の交差点を右折して蓼科高原方面に向かい、別荘地の手前のガソリンスタンドで給油する。
そこから先はビーナスラインに入るとガソリンスタンドがない。
満タンにして安心してビーナスラインに入る。
再び山を登りピラタスロープウェイの分岐を直進し白樺湖方面に向かうとやがて左側の斜面がひらけて中央アルプスの残雪の山々が見えた。
バイクの停められそうなスペースを一つ見逃してしまったのでその先でバイクを停めて写真を撮る。
そこからは白樺湖畔のコンビニまで走り夕食と酒を買い込んだ。
この日は車山のゲストハウス泊まりなので夕食を調達しなければならないのだ。
僕はレンチンのスパゲティを買ったが大食いのカール君は弁当とラーメンを買い込んでいた。
ビーナスラインのメインである白樺湖から先は展望が良い。
東に蓼科山から八ヶ岳、天気が良ければ富士山、南アルプスの甲斐駒岳、さらに南から西に目をやれば中央アルプスまで見える眺望の良さだ。
白樺湖を見下ろす場所で陽の落ちた後の湖を写真に収めてゲストハウスに向かった。
ゲルトハウスは車山のペンション街の一番奥にある「うらら」という所。
すぐ横の駐車場にバイクを停めて中に入るとご主人が出迎えてくれた。
宿のオキテを一通り説明を受けて部屋に入るとすぐにビールで乾杯。
この日は他の客もおらず気楽だった。シャワーを浴びて一休みしてから夕食を食べた。
日本観光オタクのカール君もこのビーナスラインはノーマークだったと言い感動して喜んでくれた。
買い込んできた日本酒を二人で飲んで少し酔っ払い今日一日をゆっくりと振り返る。
お天気はまあまあ、まだ雲が残っていたのだが明日からは晴れ予報だ。
明日はここから美ヶ原に向かい、高原の風景を堪能した後は志賀高原の麓の湯田中温泉まで走る。
寝不足のバイク運転はとても危険なので夜更かしのカール君に早めに寝るように、と言って僕は先に寝た。
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