外国人と共に走る春のツーリング③車山高原〜美ヶ原〜湯田中温泉
ツーリング三日目、朝5時に目が覚めてしまい一人で一回のキッチンに行って一人エノカフェをしながら習慣になっている日記を書く。
キッチンには人懐こい猫ちゃんがいて僕の膝に乗ってきて愛想を振りまいてくれた。
黒のトラちゃんで、正直言って僕は猫より犬派なのだけれど、これくらい愛想がいいと猫ちゃんでも可愛いと思う。
コーヒーを飲み終えて部屋に戻りカール君は爆睡状態なのでベッドの上でストレッチを入念にやり、6時頃になってキッチンに人の気配がしたので再び下りていくとオーナー氏が朝食の支度をしていた。
コーヒーを出してくださったので飲むと、一口でこのコーヒーはかなりこだわって淹れているな、ということが分かる美味しさだった。
二人だけだったのでコーヒーの話から僕のエノカフェの話、今回のツーリングの話などしていく。僕が横浜から来たことを話すとオーナー氏も横浜出身でしかも僕が以前住んでいた街の出身ということがわかり話がはずむ。
途中で朝食を出していただき食べながら話さ進んだのだけれど、話が進む内に趣味がお互いジャズや絵画鑑賞だったり、なんと仕事も同業者でお互いの会社や共通の知人がいたりと世間は狭いではないか。
なんだかとても運命的な出会いを感じた。こういう出会いがあるから旅は面白い。
さらに話すと年齢も僕と同学年でとても親しみが湧きすっかり意気投合しまった。
オーナー氏は自転車が趣味で以前は自転車での山登りもやっていたらしい。すごく値段の高そうな自転車が2台キッチンに飾られていて、以前僕も自転車を少しだけかじったことがあるので自転車の話も盛り上がる。
カール君は朝食の7時になっても起きてこなかったのだが、お天気は雲がかかっていて予報では10時ころから晴れてくるという予報なのでオーナー氏のご厚意もあってそのまま寝かせておいて9時になって起こした。
カール君が食事中も僕とオーナー氏は趣味の話やら昔の街の話、仕事の話などで盛り上がり楽しい時間を過ごす。
10時近くなりチェックアウトの時間が迫ったので、話の続きはまた今度来ます、ということにしてオーナー氏に見送られながらゲストハウスを出た。
ビーナスラインを車山から走り始める。
空にかかっていた雲は概ね取れてきて、蓼科山、八ヶ岳、南アルプスが美しい。
ゆっくり走りながら長めのいい場所を選んでは写真を撮りながら美ヶ原に向かって走る。
この辺りは今は枯れ草の山だが、もう少し季節が進むとレンゲツツジの赤い花で染まり、さらに季節が進むとニッコウキスゲの花の黄色が美しい所だ。
これらの美しさに惚れて、40年近く前はずいぶん撮影に来たものなのだけれど、ニッコウキスゲに関しては最近は鹿が食べてしまってずいぶんと減ってしまったらしい。
頭の中で真っ黄色に染まった山の景色を思い浮かべながらワインディング・ロードを右に左に気持ちよく走り抜けた。
平日なので他の車やバイクも少なくマイペースで走行を楽しめた。
カール君もカーブを曲がって景色が変わるたびに歓声をあげながら走る。
美ヶ原は近づくと、道幅は狭くなりキュカーブも多くなるので先行する僕が、次は急だよ〜!とか道悪いところあるよ〜!とか教えながら走った。
標高1700メートルの標識が道端に立っているのを見て二人ともテンションが上がる。
ヘアピンカーブをいくつか通り抜けると急に視界がひらけて美ヶ原に出た。
大きな駐車場の向こうに遠く北アルプスの山々がやや霞んで見えた。
眺めのいい場所を選んでバイクを停めて、三脚を出して二人一緒に写真を撮った。
この雄大ね景色は狭い香港島に住むカール君にはかなりのインパクトがあったようで、しばらくの間香港の知人に電話したりしていた。
僕も地べたに腰掛けてきたアルプルの山々を見た。
ちょうど正面に五竜岳、唐松岳、白馬岳と昔よく春スキーに行ったお馴染みの山々が見える。
いつ見てもこの連山の姿は飽きない。
僕ら以外にもバイクのライダーがたくさん来ていたのでカッコイイバイクに乗っている人を選んで声をかけてバイクの話などをする。
地元に住むライダーはしょっちゅうここに来るというので羨ましい。今回はビーナスラインが冬の通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙って遠方から来ているらしいライダーもたくさんいた。バイクのナンバープレートを見ると岐阜や大阪のナンバーもいる。
一時間ほどのんびりして美ヶ原を後にして上田に下り高速に乗って湯田かな温泉に向かう。
美ヶ原から上田に向かう道は狭くなるし路面が少し悪くなるので要注意だ。ゆっくりと注意しながらカーブを曲がる。
10分ほど下りたところで美しい白樺に囲まれた場所に出る。一瞬バイクをとめて写真を撮ろうと思ったが停める場所がないので仕方なくそのまま走り抜けた。
急なカーブをたくさん曲がってどんどん山を降りていくと丁字路にぶつかりその横に広い駐車場のある蕎麦屋があったので入る事にした。
この店は以前一人でツーリングに来た時にもお蕎麦を食べたことがあるので美味しいのを知っていたのでためらわずに入る。
駐車場の周りに生えている桜が満開で美しい事にも引き込まれた。
蕎麦屋山に入り食券を買い注文する時に店のおじさんに、この子は香港からツーリングに来てるんですよ、と話すとおじさんは急に表情が柔らかくなり遠いところわざわざありがとう、と言ってくれた。
この店に限らず、昨日のお昼のほうとうのお兄さんも、僕が香港から来たんだよ、と言ったら即座にカール君に向かって多謝(ドーツェ)と挨拶してくれたし、外国人と日本人のバイクツアラーというのは彼らから見ても珍しいらしく食いつきがいい。
山菜を中心にした天ぷらセイロを二人して頼んだが、ちょうど季節の山菜が美味しかった。カール君は好き嫌いなく日本食を食べてくれるので嬉しい。
お蕎麦を食べた後は併設されている土産物屋でお土産を物色し、外へ出てからはバイクと桜の写真をたくさん撮ってから出発した。
ここからは急な下り坂も急カーブもなくなり緩い下り道が山村を通り抜けながら走っている。
途中で菜の花が満開の名の花畑があったので急停車して写真を撮った。
山を降りてくると季節が短い時間の間にどんどん進んで変わっていくのが楽しい。
名の花畑の向こうに見える山肌も新緑で美しかった。
上田市内を抜けて上信越道に入り最初のパーキングで休憩を取る。
この辺りから急に風が冷たくなってきて、まだ午後の2時ころだというのにバイクを走らせると寒く感じた。
上信越道の信州中野ICまでの道のりは冷たい強風との闘いになった。
トンネルを潜り抜けて出た途端に猛烈な横風が巻くように吹き付けるので注意するようにカール君に伝えながら走っていく。
長野市を越えたあたりで信濃川沿いに大きな桜が満開に咲き誇る並木が続いていて目を楽しませてくれた。
かなりの長い距離を桜並木が並んでいたのでおそらく花見の名所として有名な所なのではないかと思った。
風はどんどん冷たくなっていき、途中トイレ休憩したサービスエリアでカール君はダウンジャケットを上に着込んだ。
強風に煽られながらようやく高速を降りたところでガソリンスタンドを探して給油する。
長野はガソリンが高いので有名だが、僕のバイクはハイオクガソリンなので1リットルが軽く200円を超えると、改めて長野はガソリン高い!と感じた。
給油後、カール君が突然マツキヨの看板を見て買い物したいというので急遽入る。
なんでも友人に頼まれた買い物があり、その品物の写真を店員さんに見せて在庫を聞いているのだがどうも無いようで諦めて店を出て湯田中温泉に向かった。
10分も走ると温泉街に着きその晩の宿を探したのだが、なんと僕が宿の名前を勘違いして覚えていて、ついた宿はなんだかすごく高級な感じの宿で、バイクを停めたら女将と番頭さんらしき人が出迎えてくれて、名前を告げると僕の予約は入っていないという。
改めてスマホに入っている予約情報を見たら全然違う名前の宿で、その宿の名前を番頭さんに言ったら道順を教えてくれた。ありがたい。
我らの泊まるべき宿に着くと駐車場にはすでに10台ほどの大型バイクが止まっており、そこの空いているスペースにバイクを止めてチェックインした。
たくさんの大型バイクは、明日我々が走る予定の志賀高原草津道路が二日前に冬季通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙っていくライダーたちのものと思われる。
チェック・インして分かったのだが、このホテルも翌日泊まるホテルも初日に泊まった伊豆ホテルもみんな同じ系列のホテルだった。ネットで条件検索して見つけたホテルなので同じような条件だと同じ系列のホテルが引っかかったようだ。
部屋もサービスも温泉も値段も満足のいくものだったので全く問題はなかったのだけれど、部屋に入った途端、カール君が「俺、ここ来たことある」というではないか。何度も日本に来ているカール君とはいえ、まさか同じホテルに二度泊まるとは思ってもいなかったらしく驚き喜んでいた。
部屋で一休みした後は冷えた体を温泉で温め、その後はコインランドリーで洗濯してから居酒屋に食事にという順番で行く事にした。
普段から烏の行水の僕に対して温泉付きのカール君は長湯でなかなか出てこないので、一人で部屋に戻ってビールを飲みながら暮れ行く外の景色を眺めていた。
コインランドリーまでは5分ほど歩いて行く。
到着すると普段コインランドリーを使うことのない僕はカール君に使い方を教えてもらった。
百円玉しか使えず、五百円玉の両替機はあるものの新しい五百円玉は両替ができなくてちょっと焦ったが、財布を探したらなんとか間に合うコインがあった。
洗濯時間中には僕が昔仕事で行ったロンドンでコインランドリーに行ったのが唯一のコインランドリー経験で日本のコインランドリーは初めてだ、という事やこの後居酒屋で何食べようか、などという事を話しながら時間を潰す。
洗濯が終わると、綺麗になった衣服を持ったまま居酒屋に向かった。
ネットで見つけた居酒屋さんは席も空いていてお料理も美味しい。馬刺し、野沢菜漬けの天ぷら、きのこバターなどを食べながらビールから日本酒の飲み比べになって酒がどんどん進む。
飲みすぎると明日の山道走行に支障が出る、というか危険なのでセーブするのが大変なくらい食べ物も酒も美味かった。
ここでもお店のお姉さんが香港からのライダー客を珍しがり話しが弾んだ。
お茶漬けで締めて10時ころ店を出て宿に帰り寝る。
明日はいよいよ今回のツーリングのハイライト、志賀高原草津道路の標高二千メートル以上の道を走る。
明日からゴールデンウィークが始まるので渋滞が心配なので早めに出ていこうね、とこの三日間一緒に暮らして、せっかちな僕から見るとスローペースなカール君に出発時間を念を押してこの晩も先に寝てしまった。
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