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カテゴリー「グルメ」の記事

2023年2月 2日 (木)

井手ちゃんぽんとのタタカイ@井手ちゃんぽん唐津店

前回は福岡空港の近くでのうどんとのタタカイに負ける話でありましたが、今回は佐賀県の唐津に移動してちゃんぽんとタタカウお話であります。

 

ちゃんぽんの前になぜ佐賀の唐津かといえば、今や日本一有名な遊漁船となってしまったサンライズ新海さんでの釣りに出かけたところ釣行初日はシケで海に出られなかったため、やむなく道具のセッティングだけ午前中にすませて午後は唐津の街を散策ということになったので、以前から車中から看板を見るだけで入ることのできなかった井手ちゃんぽんというお店に行きた〜い!とゴネたワタクシに釣り師一同にお付き合いいただいて出かけたという経緯なのであります。

今から10年前、初めて訪れた唐津の街並みの中に井手ちゃんぽんの名前を見た時には素早く反応してしまった。なぜなら四十年来の仕事仲間でスキー仲間の仲良し友達に「井手ちゃん」という男が居るからなのであります。

初めて井手チャンポンの大きな看板を見た時には「井手ちゃん、こんなところでお店出してたの?」とおもわず思ってしまったくらいそれはとても不意で驚きを伴ったものなのでありました。

以来、井手ちゃんぽんにはその横を通り過ぎてしまう度に「井手ちゃんごめんね、今日も行けなかったよ」などと心の中で叫んで居たのでありますが今回の出船中止でようやくいけることになり心は弾む。

街道沿いの井手チャンポンの巨大看板が遠くに見えてくるとすでにコーフンに打ち震え、何を注文しよか?など作戦を練るのでありました。

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午後一時過ぎというのに比較的車で埋まっている印象の駐車場に車は止まり店の入り口を入る。

広い店内は思っていたよりがらんと空いており我等釣り師7名はお座敷席に案内された。

早速メニューを見て見るとちゃんぽんの他にも色々あったのだが、ワタクシはすでに心に決めていた。ここはノーマルなちゃんぽんで行こうと。

ところが、メニューの中にトッピングを見つけた途端に心が揺れる。

そこにはキクラゲ、と書かれているではないか。

ワタクシはキクラゲが大好物であのプリプリした食感がたまらない。

メニューの文字を見た途端頭の中は耳たぶのようなプリプリしたキクラゲ(中国語ではキクラゲを木耳と書いてムアールという)が麺の中からのぞ見るように混ぜられている様子を思い描いておりました。

もうここはキクラゲトッピングしか無いな、とろくにメニュの写真もろくに見ずに決めてしまった。

ほぼ同時に同じ席にいたジギング王とSさんもキクラゲトッピング、しかもダブルで!というのを頼むと申しておる。

もう一人の同席者、N氏は海苔トッピングを選んだ。

 

お店のお姉さんを呼んで四人分の注文をするのだがトッピングをどの麺につけるのかがややこしくて可愛いお姉さんを混乱させてしまいオヂサンたちは小さな反省と運んできたときに再びお姉さんに会えるという期待をしつつちゃんぽんが出てくるのを待つ。

 

しばらく待たされてようやく出てきたちゃんぽんを見たときに、あれ?これは誰が頼んだちゃんぽんかしら?と思うほど自分の勝手なイメージとは大きくかけ離れた佇まいのちゃんぽんが目の前に置かれる。

テーブルに置かれたちゃんぽんは全て黒い山盛りのどんぶりという状況で一瞬何が起こったのかわからずワタクシの軽い脳みそが混乱した。

そしてその黒い山には二種類あり、一つは海苔で麺が見えなくなっているもの、もう一つは千切りのキクラゲで覆われているものということが理解できた。

 

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想像していた麺の隙間から恥ずかしそうに顔を見せているはずのキクラゲは千切りに切り刻まれて麺の上に山盛りにされてうず高い黒い山の様を呈している。

ありゃあ、こうくるかあ!と腹の中で叫んだのでありますが郷にいれば郷に従え、これが井手ちゃんぽん流のキクラゲならばそれをいただくしかない。

早速キクラゲをその奥にあろう野菜を麺に混ぜて食べようと箸を向けたのだが、もやしやキャベツなどの野菜は出てくるもの麺が端に引っかかってこない。

山盛りなので安易に崩そうとすると雪崩が起こってどんぶりの周りを汚してしまう危険もあった。

仕方ないのでキクラゲと野菜を口に運び食べ始めたのでありますが、千切りになったキクラゲはプリプリちゃんのイメージとは程遠くコリコリと口の中で音を立てて砕かれて行く。

頑張ってもやし、キャベツと共にコリコリもそもそと食べ進んで行くのであるが、肝心の麺がいつになっても現れない。

やがてうず高かった野菜と木耳の山が姿を消す頃になってようやく端に麺が引っかかってきたのを見てホッとした。

ようやく麺が一緒に食べられるという安堵のため息をついたのでありますね。

 

ところがここまでのキクラゲと野菜たちとのタタカイでワタクシの腹は概ね満たされてしまっており、せっかく麺が出てきたというのに箸が進まなくなってしまってた。

お隣のキクラゲダブルトッピングのジギング王も苦戦の様子。海苔トッピングのN氏も複雑な表情だった。

 

このまま食べ残す様なことがあっては井手ちゃんに、いや井手ちゃんぽんさんの方だ!に申し訳ない。

などと何とか気持ちを奮い立たせ最後まで食べきったときにはもう動きたくない程の満腹状態になっていたのでありました。

 

重くなったお腹を持ち上げる様に何とか立ち上がって店を出たのでありますが、車に乗るや否や反省会が始まる。

第一の反省点はキクラゲおよび海苔などのトッピングの量の多さとその盛り方にもはや精神的敗北をしていたということ、そしてその下に隠れる様に忍んでいた山盛り野菜にも不意を打たれた。

反省会に地元福岡出身のY店長は自分だけ小を頼んだので美味しくいただけたと自慢げに口を挟み一同からスルドイ批判的な視線を向けられる。

あの盛りの多さとトッピングの脅威について知っていて口を閉ざしていたのであるならば裏切り行為であるからなのであります。

 

この様に我ら釣り師はその多くが井手ちゃんぽんに完全なる敗退を喫し言葉少なにうずくまる様にして唐津の街に向かってY店長の運転するハイエースで運ばれて行ったのでありました。


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2023年1月31日 (火)

牧のうどんに敗退する@牧のうどん空港店

牧のうどんと聞いてもピンとこない方が多いでしょうが九州北部では知られたうどん屋さんのチェーン店で本店は唐津にあるらしい。

ここのうどん、注文する時に麺の固さをまず先に問われる。やわ麺、中麺、硬麺の三種があり段階的に茹で具合が硬くなっているのであります。

 

以前にも本ブログで書いた記憶があるのですが、この牧のうどんは唐津のサンライズに釣り遠征に行った時の必須メニューとなりつつあり、前泊の為に夜のいい時間に福岡空港に着いたらまずは牧のうどん空港店にまっしぐら!というのがこのところの定番。

今回もサンライズでの釣りに先立って牧のうどんを味わうこととなったのでありました。

夜8時過ぎに福岡空港に到着した我ら東京出発組の釣り師6人は福岡空港で山形から来た初参加のNさんと合流すると牧のうどんにまっしぐら。

店に入ってテーブル席のお座敷に座り込むと40センチくらいはあろうかという長細い注文票とにらめっこする。

今回のメンバーにはもう一人初参加の茨城のスーさんがいらしたのでこの方にも牧のうどんの注文に関する注意点および戦略などを先輩ヅラして語りつつ注文をしたのでありました。

 

牧のうどんを注文する時のワタクシ的注意点は、①硬面を選ぶ ②トッピングには必ずゴボウ天を入れる。③できれば何かもう一つトッピングする(いつもこれを何にするかで迷う)

と行ったところが基本なのでありますが、これも本家福岡出身のルアーショップエブ&フローのY店長からの受け売りでどってことないんですが、ワタクシ的嗜好としましては主にトッピング2はコロッケにすることが多いんですね。

コロッケそば、コロッケうどん、というのがワタクシは大好きなのでありまして、コロッケにツユがしみこみホロホロとはかなく崩れて行くところをちょっと待った!崩れる前に!と食べるのがたまらないのであります。

ということで、今回注文したのは硬麺にゴボ天、コロッケ、そして丸天の三種盛り。

丸天というのは関東でいうさつま揚げですね。さつま揚げを天というところが九州らしいので現地の気分を味わいたい意味でこれを加えたのでありました。

 

ここ、牧のうどんの定番メニューには肉ゴボウ天というトッピングが王道らしいのですが、ここに乗ってくる肉は甘く煮付けられている甘さが嫌いなのでワタクシはこれを避けているのでありますが、今回初参加のお二人のうち一人の方はとりあえず王道を!ということで注文なされていました。

申し忘れましたが、ここ、牧のうどんの硬麺はグズグズ食べているとどんどんツユを吸い込んで膨張しみるみる増えていくのでありますね。

さらに追い打ちをかけるようにお店からはツユの入ったヤカンを用意してくださる。

この増える麺に打ち勝つ為には、食レポよろしくうどんの写真など撮る事なく出てきたら素早く食べて麺に増える隙を与えないことが必須であり他の手立ては今の所ワタクシには見当たらないのであります。

 

待つこと数分。注文から出てくるまでは速く客に食べる準備を与えることを許さない。

素早く出てきたワタクシの三種盛り。

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この三種盛りは初めての組み合わせだったので期待とわずかなコーフンの中眼前に現れた。

定番のゴボ天を覆い隠すように存在感を示す丸天に早くもツユがしみこみ始めているコロッケ。彩美しく置かれたワカメ。これらのバランスのとれた佇まいに思わず、いや不覚にもスマホを取り出し写真を撮る。あーでもない、こーでもないとアングルに悩んでいるすきに麺は早くもツユを吸い込み始めていたのでありました。

気づいたワタクシはすぐに食べ始めたのでありますが、熱々の丸天と崩れる前にコロッケを処理するのに手こずって時間を取られてしまった。

麺を食べ始めた時にはすでに時遅し。食べても食べても麺は減らず、むしろ増えていくように感じる。

ここに来てゴボ天の下に大量の天かすが書けられているのを発見!これがまたツユを吸いどんどん増えて行くではありませんか!

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食べた麺は胃袋の中でさらに膨らむので食べる速度は落ちてさらに体制は麺有利となってゆく。

 

満腹中枢が働ききって、もうお腹いっぱい!という精神状態にも関わらず麺はまだ三分の一ほど残っていた。もはやツユはほぼ全て麺に吸い取られてどんぶりの底にはわずかしか残っていない。

最初にコロッケをやっつけたワタクシは、ゴボ天→麺→丸天→麺というローテーションで食べ進んだのでありますが、四分の一ほどを残して精神的にはほぼ敗北状態となり意識が朦朧となりつつさえあった。

最後の方はどうやって食べたのか記憶もおぼろげなのであります。

 

それでもなんとか完食し牧のうどんとのタタカイは終わったのでありました。

苦しいながらも全部食べたので良しとしよう、などと心の中で思ったのではありますが実態はうどん側の完全勝利。

今年の初牧のうどん戦は敗北に終わったのでありました。

 

釣りの前泊のため糸島のビジネスホテルに向かう車の中で身動きできないくらい満腹になりながら敗因を分析したところ、天かすの量が思いの外多かったこと、欲張って入れた丸天が熱くて食べるのに苦労したところなどに問題があったようなので次回はワカメもしくはおぼろ昆布などの海藻系のトッピングで勝負しようと心に決めたのでありました。

次回の対戦はすでに5月後半に予定されていますのでお楽しみに。

 

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2020年3月 7日 (土)

早春の箱根は雪だった@箱根

先週のことになるけれども、箱根の仙石原にある宿に珍しくカミさんと二人で出かけてきた。本来は去年の台風19号の直後に行く予定だったのだけれど、台風の被害を予想して延期していたのだ。結果的に延期は正解で、台風19号のおかげで仙石側の遊歩道は流されるは、大涌谷からの温泉の供給は止まるは、芦ノ湖はあふれるはと大被害にあい観光どころではなかったのだったのでありますが、年も明けてそろそろ復旧しただろうということで再び宿の予約を取り直したのだ。この時点ではまだ新型コロナウィルスの拡大はなかった。

ところが二月に入るとみなさんもご存知の通り新型コロナウィルスの拡大が始まり連日報道されたので、こんな時期に行くのもなんだよねえ、という話にもなったのだが、クーポン権が期限切れするとかなんとかで一泊で出かけることになったのであります。

当日、昼ごろ横浜の自宅を出発しとりあえず海老名のサービスエリアでお昼を食べることにした。

サービスエリアに入るといつも通りの、いやいつも以上に混んでいる。コロナウィルスなんて意外と世間は気にしていないのか?なんて思いながら建物に入って行こうとしたら、海老名サービスエリア新装開店!的な看板が立っていてキャラクターの着ぐるみちゃんが二人いて一緒に記念写真を撮ってる人がいた。偶然新装開店の日にいてしまったのだ。最近はサービスエリアの食べ物などを目当てにドライブする方々も多いと聞くが、この日海老名にたくさん集まっていたのもそんな人なのか?

厚木豚、という豚肉のブランドのお店があったのでロースカツ定食を食べてみたらなかなか美味しいロースカツだった。

昼食に満足して海老名を出発し一路御殿場へ、この辺りから雲が多くなってきたが富士山はよく見えた。

御殿場から箱根の外輪山に登る道のカーブを曲がるたびに大きな富士山が目に飛び込んでくるドライブは気持ちが良かった。

外輪山を抜けるトンネルをくぐって芦ノ湖側に出た途端天気は曇り空になった。仙石原を走る車の中から見ると、流石にシーズンオフの平日でしかも新型コロナ、人影はほとんどない。真新しく作られた昨夜道路があちこちつぎはぎのようにあり台風の被害の酷さを示していた。

時間はまだ二時過ぎだったので宿に入るにも早いし、入ってもすることもないので湖尻まで車を走らせて芦ノ湖を見に行った。

仙石原から一旦登った坂道を下り切ると湖尻の駐車場に着く。ここも数台しか車が止まっていない。車を降り用としたら雪がちらほら舞ってきた。

さすが箱根、北海道と同じくらい寒いところだけある、と感心しながら車を降りて桟橋に行くと、一瞬の間に雪は本降りとなり湖の上を走る海賊船がかすんで見えた。

 

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桟橋には僕ら以外に人はなく、解禁前の湖上には釣り船もいない。とても寂しい風景が広がっていた。

雪が強く降ってきたので土産物屋に避難すると、大きな観光バスから数人の観光客が降りてきた。先頭に日本人のガイド女性が旗を持ちその後ろをみんな背中を丸めて足早に土産物屋の中に入ってくる。十人に満たない観光客は全員が白人系の外国人でアジア系の人は見当たらなかった。これも新型コロナの影響か。

土産物屋を一回りしてお土産を買い、出る。

宿に向かう前に酒を買っておきたかったので仙石原方面に戻りコンビニで酒とビールを買い込もうとしたら、道を間違えて大涌谷へ行ってしまった。ここの駐車場にはそこそこの車があったが何時もに比べると人はまばら。僕らは寒そうなので降りずにきた道を戻った。

無事にコンビニにたどり着きビールに日本酒、ツマミなど囲んで宿にチェックインする。

とりあえず風呂に入るというのが通常の流れなのだろうが、お風呂の湯はまだ温泉が来ていないのでただのお湯らしいと聞き入る気がしなくなってしまった。窓辺の椅子に座り窓の外に降る雪を見ながらビールを飲む。

いい具合に酔っ払って来たところにスマホが鳴ってヤフーニュースを表示していた。見てみると、安倍総理が月曜日から春休みまで全国の小中高校を休みにする、と出ていたのでビックリ。教育関係の仕事をする妻はさらにビックリ。現場をどれだけ知っていてこういう決断を思いつきで出すのか!と怒っていた。あまりお利口さんな総理でないことは重々知っていたもののここまで場当たり的に政治をするのかと呆れた。

呆れた勢いでビールも進み酔っ払って寝てしまう。

夕食の時間に食堂に行くと、客は我々を含めて四組しかいない。

さらにビールを飲みながら腹いっぱいご馳走を食べて部屋に戻ると風呂に入るのも面倒になり寝てしまった。

翌朝は目がさめると当時に風呂に行き全身を綺麗にする。朝風呂は気持ちいい。

さっぱりして朝ごはんを食べたら部屋に戻りエノカフェを開店する。濃厚で香り高いコーヒーをゆっくり味わいゆったりとした時間を過ごす。

外は晴れ間も見えて明るかった。早めに出て富士山を見ようということになり、宿を出て芦ノ湖スカイラインに車を走らせる。

冬用タイヤ規制のかかった芦ノ湖スカイラインも平日とあって車がいない。マイペースで走りながら三国峠まで来たところで車を止めて降り景色を眺めた。

駿河湾から富士山までの大パノラマは迫力があった。冬枯れの荒涼とした景色だったがこういう風景も好きだ。

 

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写真を撮って再び車を走らせ、杓子峠、パノラマ台を周りそれぞれ車から降りて写真を撮り箱根峠にある道の駅に向かう。

 

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道の駅では野菜や土産物を買い込み、大観山に寄ってからお目当てだった小田原のお寿司屋さんに向かう。

カミさんが見つけたお寿司屋さんで美味しいらしい。カーナビを頼りに箱根新道から1号線を小田原方面に向かうと、小田原駅の近くにその店はあった。向かいのコインパーキングに車を止めて店に入ると、ここもガラガラ、昼時だというのに我々しか客がいない。人気店らしいので並ぶのではないかなどと想像していたので肩すかしをくらった気分だった。

ランチメニューの中で一番高い、お任せ、のにぎり4500円を奮発して注文した。期待して待っていたお寿司が出てきたので早速食べると美味しい!マグロの中トロが口の中でとろけるように美味しいのだ。ややコーフン気味になってヒラメに手を出したら、今度はちょっとがっかり。この間自分で釣って食べたヒラメの方が美味しかった。鮮度の問題なのだろうか、マグロ以外のお寿司は自分の釣った魚にかなうものはなかったのでちょっと残念。でもマグロはすごく美味しかったので不満は無かった。

このまま帰るのも時間が早いので、いつも横目で見ているだけで言ったことのない小田原城に行ってみることにした。

店からすぐにお城に着く。城に上がる前に二宮尊徳が神様の神社にお参りし、新型コロナの早期終息を願う。

城の門をくぐり場内に入って行くとカワズザクラが咲き、空は青空でまるで春のようだった。雪の箱根と対照的だ。

 

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城の中に入ると、博物館になっており城についてのいろいろが展示されていた。この手の世界は僕は専門職だったので食い入るように見てしまうのが常なのだが、どうも三国峠に着いたあたりから今シーズンは鳴りを潜めていた花粉症が発症し、鼻水が止まらなく集中して展示を見られない。

そうは言いながらも、なかなかよくできた展示映像の予算を見積もったりしながら上へ上へと登り、天守閣の一番上の見晴らしを楽しんだ。

ここからは相模湾から箱根山が一望でき、この城がここに作られた理由がよくわかる眺めだった。

 

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ひとしきり城を楽しんで降りるといい時間になっていたので一路横浜の自宅に向かう。

登りの西湘バイパスも空いており藤沢あたりで少し混雑した以外はスムーズに走れて四時過ぎに帰宅した。

どこに行っても人が少なく、空いていて快適ではあったものの、ちょっぴりさみしい感じのする早春の箱根旅でありました。

 

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2019年9月20日 (金)

小笠原を食う@小笠原父島

小笠原には固有の植物やらが多くて世界自然遺産にもなっているのですが、そういう環境であれば当然自然からの恩恵である食べ物も固有種がたくさんあるわけです。

 

前回、一昨年前に母島にいた時にはペンション住まいだったのでそれほど珍しいものは食べなかったのですが、今回は父島の洋風居酒屋に通い込んで珍しいものをたくさん食べましたよ。

初日の晩飯に出かけるとお目当てのお店の道端に立てかけられたお店のメニューには「島もの」として小笠原父島特有のお料理がずらりと書かれていた。

最初に目に飛び込んできたのは何と言っても「新亀の煮込み」「新亀の刺身」「新亀のアヒージョ」と言った「新亀」もの。

 

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「新亀って亀だよねえ」「亀なんか食べちゃっていいの?」なんて言いながらお店に入りながら最初に頼んだのが新亀の刺身。

僕は旅に出た時はその土地の食べ物にトライするのが趣味なので、多少それが怪しいものだったり、ゲテモノ風だったり、味に疑問、不安があったりしてもとりあえずは食べてみよう、というのが基本なのだ。韓国でも蚕のさなぎの缶詰を食べてみた。美味しくなかったけど。中国でのムカデ、セミの幼虫、サソリ、の串刺しは流石に怖くて手が伸びなかったけれど興味はなくはなかった。人かじりくらいならしてもいいと思っている。

食というのは文化なので、その土地固有の食べ物を食べるということはその土地の文化を理解するには手っ取り早い一つの方法だからと思うのだ。

 

よく聞く話で、そんなものを食べたら可哀想、という言い方をする方もいらっしゃるが、犬も亀も魚もイルカもクジラもみんな一つの命なのだからどれも殺して食べるのは可哀想なのである。それを食べるということには食べなければ生きていけなかったその土地の歴史や風土というものがあるのだから可哀想だから食べないという選択肢は僕にはない。

ということで早速亀の刺身と亀の煮込みを頼んでみた。

出てきた刺身は想像していた以上に赤身の綺麗な刺身だった。

 

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早速食べてみると、歯ごたえが馬刺しに似ている。味も馬刺しに近いがクジラの刺身にも通じるものがある。「なんだか馬刺しとクジラの中間みたいですねえ」ということで他のメンバーとの意見も一致した。

次に亀の煮込み。これも美味しい。亀のスープというのは昔中華で食べたことがあり、それは誠に濃厚で美味しいスープだったが、この亀の煮込みも味が濃厚で美味しい。亀のキモなども使っているようだったが臭みもなく淡白だった。

 

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美味しい美味しいといいながらみんなで亀をつつきながら酒をガンガン飲む。

 

小笠原で出される亀はアオウミガメで、これは世界的に絶滅危惧種になっているらしい。

小笠原では昔から亀の肉というのは貴重な蛋白源だったようで食べられていた。それどころか明治時代には年間3000匹もの亀を取っていたらしく流石に亀がいなくなってしまったらしい。現在は時代は当然自然保護の波の中にあるので年間100匹程度の制限を持って捕獲することで亀の数は増えているというのを聞いて少しホッとした。絶滅危惧に加担してまで偉そうに食べたいとは僕でも思わないのだ。

ということで亀の味見が終わった後はそのほかの「島もの」をいただく。

島魚、というのは多分カンパチやバラハタといった僕らにはおなじみのものだと思ったので野菜系を攻めた。

島パパイヤキムチ、島ニラもりもり豆腐、島レモン入り鳥南蛮、島魚ツナピザ、薬膳島ラー油ピザ、とメニューにあるものを深慮することもなく片っ端から頼んで貪りついた。キムチはビルに合い、島ニラもりもり豆腐は島ニラを刻んで冷奴に乗せてタレをかけたもの。これもさっぱりして酒のつまみに合う。鳥南蛮は鶏肉が美味しかった。一体この鳥は島で飼われているものなのか、それとも本土から運んでくるのか?などという疑問を語り合いながら食う。ピザはまん丸ではなくインド料理のナンを小さくしたような大きさと形、これも肉厚の記事にチーズたっぷりで美味しい。島寿司はからしをつけた小ぶりの握り寿司、さらに島寿司の天ぷらというのも頼んで食べた。そのほかにもサラダやら漬物やら片っ端から2個づつ頼んで6人でシェアした。

酒は生ビールに始まり、タコの実酒や島ラムマザーという小笠原特産のホワイトラム酒のサワーを飲んだ。これもクセはあるがつまみには合う。南国らしいキリッとした酒だった。島レモンのタワー酎ハイなどというものもあり面白半分で頼んでみる。

 

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しかし驚いたのは島の食べ物よりも昆虫大好きさんとバイク大好きさんの大好きブラザースの食いっぷりであった。

鳥南蛮にピザなど脂っこいものをつきつきたいらげフライドポテトなどさらに食べた後に締めのローストビーフ丼というのを一人で平らげてしまった。

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初日はこのくらいで勘弁したが、2日目はだいたいのものの味はわかったので初日の中から好みのものを中心にまたまた大量にたのむ。さらに前日釣ったカンパチと島の漁師さんにいただいたカツオが大皿に尾頭付で出てきた。

 

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カツオは大変美味しく一同奪うように食べてあっという間になくなったが、カンパチは食べ慣れているので橋が進まない。対象に余ってしまったので隣の賑やかなテーブルの団体さんにお皿ごとあげてしまった。

この日のヒットは初日に食べなかった「亀のアヒージョ」だった。ニンニクの聞いたアヒージョにした亀の肉は美味しく、残った油もバケットに染み込ませて食べると美味しい。バイク大好きさんはこれがすっかり気に入ってしまい、3日目には四人で3皿頼んだ上にバケット4人前頼んでその半分ほどをバイク大好きさんがたいらげてしまった。

 

さらに別腹のスウィーツも充実しており、島レモンを使っいクジラの尻尾をかたどったアイスなどがあり甘いもの好きさんたちが食べていた。

 

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このように同じ店を三日間食べ尽くしたせいで3日目には流石に一部の方々は飽きてしまったようであったが、小笠原父島の食べ物は大方食べ尽くしたという充実感と満腹感に満たされた小笠原遠征であった。僕自身のお勧めは島寿司と亀のアヒージョかな。

 

 

 

写真提供:エブアンドフロー


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2018年10月18日 (木)

日本一料理の美味しい民宿@勝田荘 隠岐の島(海士町)

隠岐の島釣行一日目の夜。寝不足におよそ十二時間の釣りでヘトヘトになり宿に転がり込むと異性のいい声が飛んできた。民宿勝田荘のご主人、新さんの声だ。ご主人といってもまだ若い見た所30代後半と言ったところか。

このご主人、割烹料理店を渡り歩いて修行してきた料理人で、従ってこの宿の料理は民宿の概念を超えた美味しさとなる。隠岐の島に釣りに来る目的の半分はこの宿の料理が食べたくて来るからと言っても過言ではないほどだ。

この日、新さんの目に映った我々六人の釣り師は死んだ目でどろ〜んとしてゾンビのようだったらしい。すかさず梅林船長に今日の釣果を聞いたところ思わしくなかったという返事を聞きこれはまずいと思ったという。我々がゾンビだったのは釣れないことよりも極端な睡眠不足が原因だったのだけれど。

ここはひとつ自分の料理で盛り上げねばと腕をふるってくださった。
風呂から上がりさっぱりした我らに用意された料理は豪華絢爛写真の通りである。

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左奥から、ヒラマサとイカのお鍋、枝豆、シロイカの和え物、マイカの肝和え、手前右にきてシロイカのウニ和え、ヒラマサのお造り、サザエ、ヒラマサのヌタと、どうだ!これでもか!参っただろう!とばかりに料理が並ぶ。

風呂から上がった一同は梅林船長も強引に巻き込み乾杯。寝不足のゾンビ状態も幾分晴れた顔になっている。頭痛の僕はノンアルコールビールで我慢したが、この食事を前に酒が飲みたかったことは言うまでもない。

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どの料理も素材の持つポテンシャルを極限まで引き出したうまうま料理。
一同、参った参った、降参です、うまいうまいと酒がガンガン進むもの、いきなりご飯をお代わりしてワシワシと食うものなどに分かれ料理の味を堪能した。
普段はその日の釣りの反省など口にしながらチビチビとご飯を食べるのだが、一同食べるのに集中して美味い美味いの連発。

ヒラマサは旨味甘味共にジューシーであった。サザエはどこまでもコリコリとし、イカは料理によりそれぞれの味付けで異なる顔を見せてくれた。味付けは総じて上品で繊細。同じ素材でこれだけ味の印象が変わるのかと驚かされた。僕の中ではこの宿は日本一料理の美味しい民宿だ。

酒の飲めない僕はご飯ワシワシ組に入りあっという間に普段はお代わりしないご飯をお代わりし、料理もきれいに平らげてしまったら満腹。

寝不足で満腹となれば自ずと睡魔が襲う。明日も4時半起きとなれば早く寝ておきたい。ただでさえ頭痛と疲れで体調はかなり悪い状態だったのでヘトヘトだった。

8時を回ったところで、先に寝ますと席を立ち部屋に向かったところで新さんに厨房の前でばったりあったら、まだまだこれからですよ、何やら以下の豪華料理に美味しい雑炊があるという。

普段の僕なら、ああそうですか、それでは戻っていただきましょう。ということになるのだが、この日は疲れと眠気が極限まで来ていたので丁重にお断りして布団に入った。

不眠症の僕はどんなに眠くても連続して眠ることができないので、こんなに眠いのにさらに睡眠薬を飲んで布団に入った。15分以内には寝ちゃいますから、と隣にいたジギング王に宣言したところで記憶が途切れた。

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2018年7月24日 (火)

猛暑の中でのクエ鍋パーティ

先週遠征釣り釣行に出かけたウッチーこと内田氏が18キロもある巨大クエを釣り上げたというので、それをお店に持ち込み普段なかなか集まることのない釣り仲間を集めてクエ鍋パーティをすることになり招待されたのでのこのこ出かけてきましたよ。

のこのこ出かけたというけれどクエ鍋までの道のりは遠かった。

当日は昼間に新宿へ用事があったので午後2時台の一番暑い時間に新宿に到着、地下鉄から地下道となるべく冷房の効いているところを歩いて最後の最後で地上に出たら、そこは熱帯の南国のような熱風がボワーンと体を包み込んだ。素早く目的のビルに入り込みなんとかセーフ。

この日は観測史上最悪の激暑で埼玉の熊谷では観測史上最高の41.1度を観測した日で、観測所の百葉箱の中で41.1度ということは都心のアスファルトの上ではもっと気温は高かったに違いない。

用事を済ませて出て来たのが4時過ぎだったけれど、まだ西日は当たっていて空気はボワーンとしている。それでも風がいくらかあったので日陰を歩いたらなんとかなった。その足で百人町の石森楽器まで歩いてお買い物をしながらしばし涼んで横浜へ移動。総武線、山手線、京浜東北線と乗り継いて桜木町へ。

宴会が始まるまでまだ二時間近くあったのでジャズ喫茶ちぐさでビールでも飲みながらジャズを聴いて涼んでいようと思ったのでした。
ところが、店の前に行ったら「準備中」の看板が下がっている。
6時からのバータイムは本日貸切!と書かれていてショック。一瞬うろたえたけれど野毛には「ダウンビート」というジャズ喫茶があるのでそちらに移動。ところがこちらは月曜日定休ということでまたしてもお店に入れない。

時刻は6時ちょい前、宴会は7時半から、ということだったのだけれども、もうこうなったらそこいらのしらん店に入って時間を潰すより目的のお店に行って早めに飲んでたほうがいいや、ということで一向に涼しくなりそうにない黄昏の大岡川沿いを歩いて野毛から黄金町まで移動し目的のお店に行ったら運よく開店していたのです早く入り、事情を話して先に一人で一杯飲んでいることにした。と言っても集合時間までまだ一時間くらいある。

ビールが二杯目に行ったところで見覚えのあるシルエットがお店に入ってきた。ヨッシーさんが登場。ヨッシーさんも仕事が早く終わっていくあてもないので早めにきて店の周りをウロウロしていたら僕らしき人影が店内に見えたので入ってきたとのこと。

そんな話をしているところにKHKさんも登場し、お店のご主人から二階に席が用意してありますから、というので二階に移動し世間話しているところで集合時間も近づきポツポツとメンバーが集まってきた。

この日のメンバーは13人。クエを釣った遠征に参加したメンバーに普段釣り以外でもおばかな遊びをして交流のあるメンバーが加わった格好になる。

遅れてくる、と宣言していたマッキーさんを除いてメンバーが揃ったところで宴会の開始。

このお店をコーディネートしてくれたPZ4さんがそのまま無理矢理幹事にされてみんなの注文を取りまとめる羽目になってしまった。とりあえずは全員生ビールで乾杯。
これだけの人数が集まることは滅多にないのでいきなり盛り上がる。

まずはクエのお刺身が登場。ウッチーさんに「いただきます!」と挨拶して刺身を口に運ぶ。
脂が乗っていて甘みがあり弾力性のある歯ごたえがたまらない。一同口々にうまい、うまいの連発。

次に登場したのが巨大なクエの頭を丸ごとオーブンで焼いたカマ焼きとアラの部分を同じく焼いたもの、そしてヒレ周りの甘辛煮つけ。


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                                          ウッチーさんとカマ

何と言っても釜の迫力に圧倒され一同テンションが一気に上がる。
大きく開けた口にある牙のような歯が迫力もので、一部ではナショジオ的自然科学的考察、一部ではその大きな口とクエの舌をネタにした下品な下ネタと同じ素材でもこうも品位に差がつくのかというほど見事に話題が二分され、上品組とゲス組に分かれての宴会になっていった。

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              これが釣りたかった!と根魚王

アラやカマ周りの肉は分厚くむっちりとしていて大いに美味しいのでありました。とりわけホオ肉の大きさと言ったら大人の拳大はあろうかという大きさで、数人で分けても十分に行き渡る大きさ。こんな大きなホオ肉は食べたことがないし見たこともない。


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一同大いに興奮し写真など撮りまくり、その牙の鋭さに感嘆し、持ち帰りたいなどというものも出てきて大騒ぎ。

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酒はビールから日本酒やハイボールへと進み、酔い加減もいい感じになって来たところでいよいよお鍋の登場。白身のみを薄めに切って湯引きしてあり手が込んでいる。しゃぶしゃぶ風にお鍋に入れて火が通ったところでいただく。

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最初はポン酢で食べた。もちもちとした食感に独特の甘みと旨みが口いっぱいに広がる。うーむ、これは美味い。と次は塩ダレで食べて見たらこれがまた上品なお味になりクエの旨味がいっそう引き立つ。向かいにいたPZ4さんは「うめーうめー」と山羊化してしまいお隣のKHKさんもいつになく饒舌になっている。

メインイベントのお鍋が進みつつあったところに最後のメンバーであるマッキーさんが登場し一同から声が上がる。マッキーさんはこのところ仕事が忙しくてろくに釣りに行くこともできないばかりか釣具屋さんに顔を出すこともままならなかったので久しぶりに顔を見た人が多く、懐かしさに声が上がったのでありました。

店主が気を利かせて追加のクエのお肉を大量に持って来てくれたので、さらにここからクエ鍋は盛り上がったのでありますが、テーブルに置かれた三つのコンロから発せられる熱は大層なもので、さらにその熱い鍋を食うものだから全員汗だく。

お店に肩に無理を言って冷房をギンギンに強くしていただくにも関わらず一同の汗は一行に引っ込まない。記録的猛暑の日にわざわざ鍋を食うというところからして基本的に何か間違っていたのかもしれないが、不可抗力なのでこればかりはどうしようもない。

こうして汗だくになりながらも酔っぱらい化した一同の声はデカくなり、上品組もゲス組もごちゃ混ぜになって下ネタやらお下品な話で盛り上がるのでありますが、全員釣り師であるのにも関わらず釣りの話題が全く出てこない。せめて、ウッチーさんにこのクエを釣った時の状況やら感触を聞くくらいのことがあっても良さそうなのに、全くそういった話題は出てこないのでありました。

さて、お鍋が綺麗になったところでシメの雑炊であります。
僕は最初からこれが目当てでありました。魚の出しが全てで切ったお汁を一気に吸い込んだご飯の美味しさといったら、鍋本体よりも断然美味しいのであります。

ゲス組の雑炊を仕切らせていただいて、ご飯を投入しお醤油でちょいと味付けして少し煮込んだら溶き卵でゆるくとじます。

まずは味見を!と僕が最初に人すくいして食べたら、!!!!!美味い!!!!!
これだよクエ鍋の醍醐味は!その顔を見てPZ4さん、KHKさんY店長もすかさず雑炊をすくって口に運んでは口々にうめー!!!を連発。全員でウメーウメー!と山羊化してクエ鍋は無事終了したのでありました。

この間およそ二時間、あっという間の出来事でありました。
巨大クエを提供してくださったウッチーさんに感謝。こうしてみんなで集まって和気あいあいと飲める仲間にも感謝、幹事をしてくれたPZ4さんお疲れ様、そして無理を聞いてクエを調理してくださった店主にも感謝の一夜でありました。

店の外に出たら9時半を過ぎようというのにまだ熱風が渦巻いており、一同汗をかきながらそれぞれ家路に着いたのでありました。


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2018年3月18日 (日)

ヤスモノスコッチは最強なのだ!

本ブログで酒の話はあまり書いていないことに今になって気がついたのだが、決して酒が嫌いなわけではございません。というよりむしろ酒好きのブルイに入る方でして日頃から酒を飲まない日よりも飲む日の方が圧倒的に多い、いや飲まない日は年間を通じて数日か、というほどお酒は好きなんであります。

基本的にはビール好きですね。キンキンに冷えたビールがあれば幸せ!なのでありますが、ビールばかり何リットルも飲むのも芸がないので、というよりビールの後は濃い酒が欲しくなるので、自ずとアルコール度数の高い酒に移行するのが常なのであります。

濃い酒部門ではここ数年は芋焼酎が圧倒的に多かったですね。これは種子島、長崎など九州方面に釣りの遠征に行ったあたりからの傾向でありました。一時は屋久島の三岳に惚れ込んでしまい一升瓶を大人買いするほどでありましたが、三岳の高級ブランド化による?大幅な値上げなどがあっていつの間にか僕の中の芋焼酎ブームは去りました。沖縄の泡盛もよく飲みます。久米仙、八重泉などが好きでよく飲みますね。

焼酎のいいところは何と言っても安くて濃い、つまり安上がりに酔っ払えるところなのでありました。過去形に書くのは、かつては焼酎といえば40度くらいはみなあったのに最近は25度くらいの度数(濃さ)でいささか物足りない、言い方を変えればコスパが悪いのであります。

それでも美味しいから特に疑問も持たずに焼酎の日々を過ごしていたのですが、最近ふとしたことで近所のお酒の量販店KYリカーというお店でスコッチのコーナーを物色していたら、なあんと、むかしは高嶺の花だったジョニー・ウォーカーやらカティ・サークやらのブランドものウィスキーが千円ちょいで棚に並んでいるのを発見してちょっとクラクラするくらいのショックを受けてしまったのであります。

さらに、その棚を見ていたら本場スコッチの初めて見る名前のものがずらりと並んで僕に向かっておいでおいでをしているじゃあありませんか。お値段の方もビックリの千円切りというものまであって、本当に中身は大丈夫なのだろうか?と疑ってしまったものの、その中に「フォートウィリアムス」という名前のものを見つけて、「あ、ホンモノだ!」とピンときたのであります。

フォートウィリアムスというのは恐竜伝説で有名なスコットランドのネス湖から流れる川伝いに北へ北へと進んで行ったちょうど川の河口のにある北の果て的な街の名前なのであります。
なぜそんなことを知っているのかというと、今から三十年ちょっと前、まだセーネンだった僕が初めて行ったヨーロッパの長期滞在ロケの時にこの街を訪れたことがあったからなのであります。

当時の僕は駆け出しのディレクターでこの仕事が初めての海外ロケ。にも関わらず、というか自ずというか、とにかく低予算の仕事だったのでスコットランドにはカメラマン氏と僕の二人だけでロンドンから空席待ちの便で飛ぶというほどのケチくさいもので、「海外ロケ行ってきたんだよ!」なんてエラそうに胸を張ってエバれるようなものとは程遠い仕事でありました。
スコットランドに行って何に一番驚いたかというと、川の水も水道から出てくる水もみ〜んなスコッチウィスキーの色をしていることですね。

スコットランドの地質は泥炭(ピート)と呼ばれるもので、この地層を通る雨水はタンニンの色がついてウィスキーのような琥珀色になるんです。
琥珀色というとキラキラした明るいイメージですが、これが大量に集まり川となり湖となると鉛色になるのであります。僕が行った季節(初冬)が曇りの多い季節ということもあり、重く垂れ込めた雲に少ない光を反射させた水は鉛色をして流れ、あるいは重く輝いておりました。

ネス湖などは一面鉛を張ったように波立たぬその湖面が一瞬でも揺らごうものなら何まブキミな生き物が出てきたと思わざるを得ないほどのブキミな湖でありました。

僕とカメラマンはグラスゴー空港からレンタカーに乗り撮影をしながら、ハリー・ポッターの二作目で車が空を飛んだシーンの舞台のあたりを経由しネス湖を撮影してたどり着いたのがフォートウィリアムスの街だったのであります。

小さな民宿みたいなホテルを行き当たりばったりで探し、古い街並みの街のスーパーで酒のつまみをカタコトも喋れなかった英語でなんとか買い求め宿に帰ったら部屋の風呂のお湯が出しっぱなしになっていて、ウィスキー色のお湯が湯船から溢れ出して風呂場の床までびしょびしょに濡らしてしまい、なんて叱られるのかドキドキしたっけ。

幸い温厚な店主はロクに話が通じないだろうと思ったのか、いくらかの床の補修料を請求しただけで許してくれたのも深い思い出になっている。

このようなぎっしりあった思い出がKYリカーの棚のウィスキーの瓶を見た途端に一気に頭の中に溢れ出してしばらくラベルを見て立ちすくんでいたのでありました。店員さんから見たらさぞや怪しいおっさんに見えたでありましょう。万引きするんじゃないかとチェックしていたかもしれません。
すっかり話が長くなってしまいましたが、そんな経緯でフォートウィリアムスという税別990円のスコッチを買って帰った夜、まだホントにこの値段でスコッチなのか?と疑いつつ、あの日の溢れたお風呂のお湯と同じ色の液体をグラスに注いでストレートでちびりと舐めてみれば、口に広がる香りと風味は間違いなく正しいスコッチの味で再びスコットランドの思い出に浸ってしまったのであります。

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ブレンドウィスキーとはいえこれだけ美味しいお酒が税抜きたったの990円。しかも40度もあるから少量で酔っ払えるしアルコールが体から抜ける飲む比較的スムーズで日本酒の酔い醒めのように翌日の朝までクネクネと絡みついてくる女のようなしつこくない。
こんなにコストパフォーマンスの良いお酒は他にないのではないのか?ということに気づいたのであります。

最近はバーボンなどにもこのくらいの価格のものが登場してきましたが、僕の感じるところでは同じ銘柄のものでも安くなったもの中にはかつての高級値段時代より味が落ちたと感じるものがありメーカーさんとの信頼関係が崩れてしまったので最近はすっかり敬遠がちになってしまったのであります。

その点でスコッチの小規模酒造会社の気合いのブレンドものに軍配をあげるところなのでありますね。

思えばわしらのセーシュン時代にはスコッチなどというのは高嶺の花だった。
中学二年生の時にわざわざ家から離れた酒屋まで買いに行ったサントリーレッドのコークハイ(死後か?)でゲロを吐いたのが我がウイスキー人生の始まりでありますが、当時のレッドが500円。サントリーの角瓶が1500円で、それすら買えず、なんとか買えて飲めるのは1000円のホワイト止まり。ダルマと呼ばれた2000円のサントリーオールドは買えなかった。

当時のスコッチとなると今や1000円ちょいで売られているジョニーウォーカーの赤が3000円くらいしていてお目にかかることすらなかった。その後海外旅行のお土産といえばスコッチという時代になりましたが、当時は一ドル360円時代でまだ海外旅行に出かける人なんてお金持ちの一部くらいだったんです。

そんなセーシュン時代憧れのスコッチが日常的に安価で、しかも焼酎より安く飲める時代が来るなんて思いもよらなかったっちゅうもんです。長生きはしてみるもんだ。

ということで、目下のところ酒といえば安いスコッチにすっかりハマっていまい、くだんのフォートウィリアムスはすぐに空となり先日2本目を購入。
今度も1000円前後のブレンドスコッチで「エインシェント・クラン」( Ancient Clan)というシロモノ。

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これも前出のフォートウィリアムスと同じスコットランドの北部ハイランド地方のスコッチなのでありますね。

早速飲んだら、これもまた美味しい。
同価格の国産ウィスキーとは比べ物にならないおいしさ。
うまさ、お値段、アルコール度数の高さとコスパは抜群。

これでまた一週間くらいは幸せな日々を送ることができると思うとヤスモノスコッチは今の僕にとっては最強のお酒なのであります。


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2018年2月28日 (水)

最強の中華料理と最高の釣り友@華珍楼 弥生台 横浜

このところブログの更新が滞っておりましたが、実は風邪ともインフルともつかない体調不良に見舞われて10日ほど寝込んでいました。その後もなんとなく体のだるい日が続いていたのですが、ここにきてやっと復調しました。というより復調しなければならない理由があったんです。

それは岐阜の帝王がはるばる東京湾シーバスジギングにやってくることになっており、そのアテンドを僕がすることになっていたので体調悪い〜、なんて言ってられない、何が何でも復調して一緒に釣りを楽しみたいという思いがあったので、酒も外出も泳ぐのも釣りも控えてひたすら家の中でおとなしく本を読んだりして体調を元に戻したのでありました。

折しも平昌オリンピックの最中だったので、普段は見ないテレビで女子スピードスケートやカーリング女子など、女子競技を中心にテレビ応援、ラジオ応援しつつ、アスリートの体調管理に見習いつつ己も精進せねば、などと大きく異なる次元ではありますが妙な精神的一体感を得ていたのでありました。

その甲斐があって、先週末には元気復活!プールに通い二日で2000メートル泳いでも大丈夫なほどの復調を果たしたのであります。

さて、いよいよ岐阜から帝王がやってくる当日。
新幹線でやってくる帝王を新横浜まで迎えにゆき、混雑する一般車専用ロータリーの場所取りを、車を止める隙間がなくてロータリーを二周しながらも無事確保し帝王と合流。一路自宅へ。

ビールを飲んで一服、さらに明日の釣りの支度を済ませて風呂に入ったらさあ宴会に出陣です。

帝王には黙っていたのですが、近所の中華料理店「華珍楼」さんに昨年釣って冷凍保存しておいたハタを三匹、事前に預けて料理をお願いしておいたのであります。さらに二人だけではそんなに食べきれないし会話も寂しいだろうと昆虫大好きさん、おさむし君、ライダーNさん、などに声をかけて小規模宴会を企んでおいた。

おさむし君を除いては帝王とは旧知の釣り仲間、というよりしょっちゅう岐阜で何やら会っているらしい仲間なので横浜まで来てこの方々を呼ばない手はないという仲なのでありました。

少し遅れて来たおさむ氏くん合流し乾杯。

最初に出て来たお料理を見て全員から「おおおおお〜!」という声が上がります。
最初の一品はハタを丸揚げしたものに高菜をベースにしたタレがたっぷりかかっている。

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一同その迫力にひれ伏しなかなか手を出さないところを取り分けてそれぞれに口に運ぶと、「うまい!」「うまい!うまい!うまい!」と口々に連発。
このタレをご飯にかけるとさらにうまいんでっせえ〜、とおいらがご飯を人数分注文していき渡ると、早くも飲み会モードから食べまくりモードに突入。

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             早くも飯食いモードに突入!

「このタレやばいっす」などと言いながら食べているところに二品目のお料理が登場。
中華料理の王様とも言える「ハタの中華蒸し」であります。

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高級中華料理屋さんのメニューによくある「時価!」と書かれているアレですね。
一品めのうまさのあまりに脳の中に多少混乱しつつあった一同でありますが、二品目を口にしたら得意の下ネタも言葉少なくなり静かになってしまった。

決して良い子になった訳じゃあありません、あまりの美味しさに食べるのに夢中になり喋ってるヒマなんぞ無くなってしまったのであります。

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         何も喋らなくなってしまった二人、目つきもアブナイ


この中華蒸しのタレもご飯にかけるのたいそう美味しいので、またまたご飯を注文し早くも一同ご飯二杯目に突入し黙々と食べております。 取り分けおさむし君と昆虫大好きさんの「昆虫コンビ」は時折出る話題にも食いつかなくなるほど一心に骨までしゃぶっておりました。


早くもご飯を二杯食べてしまったところに駄目押しの一品。
皮付きの切り身を揚げたものに胡椒の効いたタレがたっぷりかかっているお料理。
これは、ワタクシも初めて見るお料理なので興味津々。すでに満腹化しているのに手を出して一口食べると、これまでの二品とはまた違ったうまさがある。胡椒がピリッと効きながらハタの旨味が口いっぱいに広がる至福の瞬間。

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一同も、「またこれも違う味で美味い!美味い!」「人生でこんなに美味いものを食ったことはない!」と美味いしか言わないヒトビトと化して宴会は盛り上がっていったのでありました。


ハタ三皿をペロリとたいらげたところに杏仁豆腐のデザートを平らげたらもう心も体も満たされてしまいかつテンションは最高レベルまで到達し下ネタの連発。

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          コーフンとともにすっかり食べ尽くされたお料理

これ以上お店にいると他のお客さんにヒンシュクを買いそうなのでお勘定をすませると、それじゃあ、この勢いでエブフロを襲撃しようということになり、車二台に乗り込んでルアーショップ、エブアンドフローへ向かいます。

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           満たされて心地よい、いや不気味な笑みが…


エブアンドフロー着きお店に入るとY店長が一人でお客さんのリールに糸を巻いていた。
そこにいきなり異常にテンションの高い五人が乗り込んできたものだから日頃冷静なY店長に一瞬狼狽の表情が見えつつも、そんなこと気にせず店長に絡見まくるタチの悪い酔っ払い客。実際には飲んでいるのは二人だけなのだけれどあまりのテンションの高さに店長の目には全員が酔っ払いに見えたらしい。

明日仕事で釣りに行けないおさむしくんとライダーN氏の二名のテンションがさらに、さらにとやたらと上がってそのうち何かしでかすのではないかと思われる程、ワタクシも見ていてちょっとハラハラしちゃいましたよ。
店長も動揺したのか岐阜の帝王が、「これで」と買い物の商品と千円札をカウンターに置いたら、店長の目には千円札しかはいらなかったらしく「何すかそれ?」というリアクション。思わず一同ズッコケたりとコーフンとドタバタの店内に。

ひとしきり店長に絡んだら美味しんぼのコーフンも幾分落ち着き、明日のシーバス釣りの準備にいくばくかの買い物をし、お店をハカイする事もなくまた万引きするものもおらず無事に一同お店を出たのでありました。


いやあ、最高の絶品中華でコーフンし、釣具屋でさらにコーフンしと最高の仲間との最高の夜は暮れていったのでありました。

さて次回はそのシーバス釣りのお話です。お楽しみに。


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2017年9月21日 (木)

バラハタ三昧@華珍楼 横浜

釣り師をしていると釣った魚を食べるというのは日常的に行われるのでありますが、滅多に釣れないお魚をプロの料理人に調理していただいたものを食べるとなるとかなり非日常的なことになります。

今回は小笠原で釣れたバラハタというお魚、しかも超特大のお魚だったのでこの一匹をプロの料理人に委ねたなら一体どのような料理に仕上がるのであろうか、という一切おまかせ、何が出てきても文句を言わずに食べちゃいます、というものでした。

そもそも、このバラハタというお魚自体、沖縄地方でよく釣れる亜熱帯のハタなのですが、珊瑚の海にいるものはバラハタのエサとなる小魚などに蓄積されたサンゴのシガテラ毒という毒があるので流通できないお魚なのでありますが、サンゴの無い種子島に住むものや小笠原のものは問題なく食されているという訳ありの魚なのであります。

それにしても、小笠原のバラハタはすごかった。現地ではチギと呼ばれるこのお魚、通常は40cmもあればいいサイズなのですが、小笠原のサイズは桁が違う。

下の写真のように70cm近くありそうなのがバンバン釣れてしまう。元々味は美味しいお魚なので当然小笠原ではチギ料理がたくさんあり僕らの釣行時に泊まったペンションの夕食にも出てきました。

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             ヨッシーさんの釣り上げたバラハタ

以前、このバラハタと同じ亜熱帯の高級ハタであるアカジンを目隠しして食べ比べしたところバラハタに軍配があがるほど美味しいお魚なので釣れたからには持ち帰り食べない手はないのであります。

しかしながらこの大きなバラハタの入った発泡スチロールの蓋を我が家の台所で開いた時に、その大きさに圧倒され、たじろぎ、どう料理していいのか困ってしまった。

湯引きに煮付けくらいのアイディアはあるものの、このサイズ、半身ずつ二品の料理にしたら量も多すぎて飽きてしまうであろうということで、ここは一丁プロに任せようと、近所の中華料理屋さんである華珍楼さんのママさんとシェフに相談したら快く引き受けてくださった。

あまりの大きさにお二人も見た時は一瞬驚いていたが、すぐにこの部分はこんな料理で、と説明してくれたので、もう全部お任せしますからお願いします。と文字通りの丸投げしてしまったのでありました。

お魚おあずけた翌日夕刻、事前に声をかけてあったご近所の食いしん坊九名が華珍楼に集まりました。

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今日は何が出るの?と聞かれ、僕もわからないと返事をしたのですが、大半の方々は過去にもここでキジハタの中華蒸しを食して絶句した経験があるので、不安よりも期待にニコニコ顔でお料理が出るのを待ちました。

最初に登場したのは切り身の天ぷら、中華風

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衣をつけて揚げてあるのですが下味と頃にも何か少し味がついているような感じ。
これをトマトケチャップまたは藻塩をつけていただきます。

僕は迷わず藻塩に行きましたよ。
ビールを飲みながらならケチャプより藻塩でしょう。
一口かじってみれば部ある意味がプリプリで旨味がジワーッと染み出してくる。
衣のサクッとした食感と味のプリプリのコラボでのけぞりそうになるくらいお口の中は大変なことになってしまった。

一同、腹が減っていたのか、美味しいの連発をしながらテーブルが一回りしたら天ぷらは完食。

次に出てきたのは野菜との炒め物。

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これはあっさり味の味付けの炒め物なのですが、一度油通しをしてあるようでただ痛めたのとはちょっと食感が違う。
とてもタンンパクな魚の身と野菜の旨味がこれまた素敵なコラボで、先ほどの天ぷらと同じ魚とは思えない印象のお味。

これまた一同、美味しい美味しいといいながらテーブルが二周するかしないかで綺麗に片付いてしまった。

三品目は本日のメイン・イベントとも言える頭の部分の中華蒸し。

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ここのシェフはこの中華虫が得意料理だそうで、東京で働いて時代もこれをやらせたら何本かの指に入ったそうな。

たっぷりのネギは甘く魚から滲み出した旨味とタレとの絶妙のハーモニーに今回も一同絶句。細かく取り置いてはそこにタレをかけて食べるのですがブリブリの身にタレの旨味がたまらない。

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これはご飯がいいですよねえ、と誰かが言ったので白いご飯をいくつか注文してそこにこのタレをかけてお茶漬けにすれば、一口で天にも昇る気分。
ああ、生きていてよかった、と実感できる瞬間でございます。

一品一品の量が半端でないのでこの三品を食べた時点でほとんどの方がお腹いっぱい、といい出したところに四品目を持ってきたお店のママさんが「まだ三つありますよ」というので、一同「え〜!そんなに食べられない〜!」と声をあげたのありましたが・・・

さて、その四品目は甘酢餡かけ。

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これも何か秘伝の下ごしらえをしてあるらしく、身がフワフワの食感でこれまでとは全く違った食べ物の印象。甘酢とのバランスも抜群で箸が進んでしまいます。
同じ魚の切り身でこうもいろいろなバリエーションを作り出せるのだということに感動しつつ食べていけば、先ほど満腹宣言したはずの一同、どんどんお腹に入っていくじゃあありませんか。

そこに追い打ちをかけるように登場したのは五品目の高菜とバラハタの炒め物。

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これは唐辛子を効かせて辛く仕上げた一品で、ご飯にのせたら切りなく進んでしまう。またまた白いご飯を三つばかり注文して取り分ければみるみる胃袋に収まっていく。

先ほど皆さんが口に出した「お腹いっぱい」は嘘だったのか?「美味しいものは別腹」という声も飛び出しましたが、味付けや食感が違うお料理は甘いもののように別腹に収まってしまうから不思議であります。

「もう、今度こそお腹いっぱい。」「もういらない」という声がではじめた中、締めの中華スープが登場。

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西洋料理ではスープは最初に出てきて口を湿らせてくれますが中華では最後の締めがスープです。
分厚い大きな切り身の入った贅沢なスープは濃厚な出汁ながらも口の中をさっぱりさせてくれて、これまで食べたお料理のいろいろな味をを全部口の中から誘い出すように流してくれる。

気がついてみれば、あんなに「満腹!」を連発していたのにスープも綺麗に飲んじゃって、本当に美味しいものは別腹なんですね。

「デザート食べる人!?」と僕が聞いた時にはさすがに全員首を横に振りもう食べられません!という顔をしていたのでこの辺でおひらきということに。

とにかく、一匹のお料理をこれだけの種類、個性的な味と食感に料理してしまうシェフに感激し、また中華料理四千年の奥深さも感じたのでありました。

帰り際にはシェフも顔を出してくれて、一同お礼を言って解散。
とても贅沢なディナーになりました。

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2016年10月23日 (日)

西表島の料理は美味かった!@レストランRoco

西表島の旅の楽しみは釣りはもちろんであるが食べ物もたいへんおいしく大きな楽しみになっている。

西表島には美味しい料理がたくさんある。
地元の新鮮な魚介類や農産物、肉などを使った島料理などの郷土料理にも美味しいものがたくさんあるのだが、今回ご紹介するのは素材こそ島の新鮮なものを使いながら調理と味付けにひとひねりした料理をご紹介しよう。

といっても、島の中の何軒かあるレストランや飲食店を食べ歩いたというわけではなく、私の宿泊したマリンボックスさんが経営しているレストランRocoさんのお料理の中から、酔いながら食べてかなり薄れたしまった記憶をたどりながらのご紹介であります。


まずは、メニューに載っているもの中から三品。
初めはかなり有名かつ美味しいイカスミライスコロッケというお料理。
見た目は揚げパンみたいですが、中身はイカスミで味付けしたチャーハンなんですね。これをおにぎりのように丸めて薄くコロモをつけて揚げてある。

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割ってみれば中から黒いイカスミご飯がほろほろと出てくるのでおにぎりだということがわかりますね。
これに特製のタレをかけて食べるのですがそのお味はと言うと。

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サクッとしたコロモの歯ごたえの後に中のご飯のムチっとした歯ごたえ、これに引き続いてイカスミの旨味と甘味が口いっぱいに広がり、さらにこのチャーハンを味付けしている様々な隠し味が絶妙なバランスで口いっぱいに広がる。

この味と食感は未だかつて味わったことがない。
ビールののつまみに最高!もちろん食事としても最高に美味しい。

たまたま隣の席で食事をしていたジモティさんに「イカスミコロッケは食べましたか?」と勧められたので、地元の皆さんにもおそらく知れ渡っているのでありましょう。もはや西表島名物的な食べ物でもあるらしい。

同行の岐阜の帝王は飲食関係の方なので下に肥えていらっしゃるのですが、初日にこれを一口食べたとたん、「わし、これ毎日食べる!」と宣言なさっていた。


続いては地元八重山そばの焼きそば。
これはシンプルに塩味の焼きそばなんですが、ここでも隠し味が効いている。
これもビールのつまみに最高!ってビールばかりではなかった。焼酎ロックにもよく合う。まあ、私の場合お酒ならなんでもいいのだが。


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次の一品はメニューにはあるが、いつでもある訳ではない一品
ノコギリガザミというマンングローブの川に生息するカニであります。

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正直申し上げて、私はカニ料理にあまり興味がない。
美味しいのだが食べるのが面倒くさいからというしようもない理由からなのだが、それはタラバガニなどの細い身のカニの足を一生懸命ほじくって、食べられるのはほんのわずか、というところが嫌いなのだ。

その点このカニのハサミを見てくれたまえ。
太くて立派なハサミにカニの肉がギュっと詰まっているではないか。
細い脚はどなたか本物のカニ好きに譲って早速ハサミの一番太いところをいただいた。
むっちりしたカニの身の濃い味。海のカニよりも何か野趣の漂う味が感じられる。
旨味は口の中に広がりしばらくの間残るのを楽しみながらこれを酒で喉に流し込んだ。こういうカニならば大歓迎!いくらでも食べられてしまう。


さてさて、ここから先はメニュにはおそらく「島の魚料理」くらいにしか書いてない料理たちで、その時お店にある魚たちから絶妙の調理で出されるであろう料理の一群なのであるが、我々は釣り師なので自ら釣った魚を調理していただくという贅沢をすることができる。

トップバッターはおそらく一番の高級魚であるアカジンのお刺身と皮の湯引き。

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スライスしたシークヮーサーとレモンが添えられてあっさりとした風味が漂う。
これを確か特製のタレにつけて食べた。

アカジンというのはスジアラという魚とコクハンアラというハタ科の魚の総称なのであるが、ここではスジアラのアカジンである。

身はもちもちで甘味がある。ハタ科の刺身特有のコクと甘味が口いっぱいに広がる。
それと対称的な歯ごたえの皮の湯引き。これがまたコリコリした上に、皮の周りのゼラチン質を含む一番美味しい肉が口に広がるのでたまらない。

刺身、皮の湯引きを交互にいただくだけでお酒はどんどん進んでしまう危険な料理である。


続いてはアカジンとバラハタのマリネ。
このマリネはアカジンの肉の旨味と野菜や果物など絶妙に混ぜられた味付けで、口当たりはあっさりしていながら濃厚な味わいの一品。

Karupa

ソースは上質のオリーブオイルをベースに様々なハーブなどを使ってるようなのであるが私のようなシロートには解明できるものではなかった。
あまりの美味しさに後日家に持ち帰ったアカジンで類似品を作ってみたのだが、全く別な料理になってしまったにもかかわらずそこそこ美味しく、アカジンの実力を知らされたのであります。


次なる料理はまたまたアカジン料理。
今度は鍋であります。それもトマト・ベースの。
ホール・トマトとココナッツ・ミルクをベースにしてアカジンのアラで出汁を取っているスープは身がよじれるほど旨い。

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ここにさらに野菜、豆腐、身などを入れて鍋にするのであります。
なんという贅沢な料理でありましょう。

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トマトとココナツ・ミルクとのバランスは絶妙で洋風でありながら東南アジア的風味も感じられる異国情緒満載のお鍋。

さらには、これらの具からしみ出た一番美味しいところの抽出物であるスープを使った雑炊!これをとろけるチーズでしめればリゾット風おかゆとなる。これにタバスコのちょっぴり酸っぱい絡みがよく合う。


Zosui

この雑炊は店主のはからいで鍋を食べた翌朝に出されたのであるが、あまりの美味しさに朝から三杯飯をペロリと食べてしまった。

今回の西表島遠征はご覧のように連日アカジンを食べまくる「アカジン食べ放題ツアー」の様を呈しているのでありますが、もしみなさんが西表島のこのお店を訪れた時にアカジンの在庫があったならば、多少の金額は出し惜しみぜずにこれらの料理を注文することをお勧めする。

この店のシェフは魚の素材を知り尽くして調理し、素材そのもの味をストレートに味わうものから、全く別の食べ物に変身させる料理まであらゆる料理を作り出す腕前を持っていらっしゃる。

ある時は「和」の、ある時は「和+中華」、そしてそうしたカテゴリーを超えた創作料理に至るまで様々な味を楽しませてくださる。

おそらくはこれらの料理は世界中他のどこにいっても食べられないと思われる美食だと、一応世界20カ国以上を旅した経験のある筆者は感じているのであります。


さてさて、美味しいのはアカジンだけではありません。
ここのシェフの腕にかかればどんなお魚も美味しい料理に変身してしまうのであります。

次なるはカイワリというアジ科の魚の刺身とヤマトカマスというカマスの仲間のタタキ。

Kaiwari

 カイワリのお刺身は大型なれどアジの仲間らしく、アジ特有の甘味と滑らかさが満喫できる美味しいお刺身であることはこれまでも経験済みであったのだが、今回最も驚かされたのはヤマトカマスのタタキ。

ヤマトカマスという魚は釣った時に特有の匂いがするため、我々釣り師の間では「臭い魚」として認識され、釣れたらすぐにリリースというのがこれまでの常識であり、誰も食べてみようなどと言い出すことすらない、いわば見捨てられた魚であった。

それがどうだろう。一体どうの様に処理をしたのか、このタタキに臭みなどは一切なく、モチっとした歯ごたえに独特の旨味、あっさりした味はこれまた酒の魚に最高ではないか。

実はこの料理が出てきた時点で私はかなり酔いが回っており、この後アカジンの切り身を揚げた料理と、アカジンやヤマトカマスなどのだし汁で作った茶漬けが出てきて、一同どよめきながら食べるほど美味しかった様なのであるが、不徳にも酔いに負けて口にしたにもかかわらずその味が思い出せない。

一番美味しい!と一同が口にしていた料理の味を覚えていないというのは書き手としては失格なのであるが、みなさんにその味を楽しむまでのお楽しみを取っておいたということで許したまえ。

写真提供: Ebb&Flow

ご参考:レストラン Roco

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