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カテゴリー「ツーリング」の記事

2019年5月31日 (金)

信州バイクツーリング2019春 その3安曇野・諏訪

朝諏訪を立ち美ヶ原高原を回って安曇野の松川村の住宅街にあるスペイン料理店パンプローナに着いたのはちょうどお昼だった。

お店の前にバイクを止めていると店主のイカさんが出てきた。

イカさんというのはもちろんニックネームで本名は小笠原さんといい大学のジャズ研の先輩でギターを弾くお方だ。

ちょうどそこに年配のご夫婦のお客さんがやってきてお店に入っていったので僕も一緒に店に入る。

この年配のお客さんは最近よくいらっしゃるお客さんでこの店のパエリヤがすっかりお気に入りらしい。僕に向かって「このお店美味しいのよ、ご存知?」と奥様が聞かれたので、「よく存じています、横浜から食べにきました」とちょっぴり大げさに返事した。

ここで休憩とランチを兼ねて時間を過ごす。はじめこのツーリングの計画を立てた時は一泊お世話になる話があったのだが、天候が下り坂なので食事だけの訪問になったのだ。

ランチはちょっと贅沢に一人でイベリコ豚のコースを頼んだ。

スペイン風オムレツとしらすのアヒージョの前菜、サラダ、イベリコ豚のソテー?、パンまたはご飯、マンゴーのアイスにアイスコヒーで2600円、手頃な値段でとても美味しい。後から他にも二組のお客さんがあり月曜の昼から流行っていた。先輩夫妻が忙しそうに働く合間をみては会話を交わしながら食事をとる。

 

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お客さんが全員帰ったところでなんと大胆にも他人のレストラン内でエノカフェを開く。

エノカフェというのは僕が遊漁船内を主体に展開している出前コーヒー屋さんで自分で焙煎した豆をその場で挽いてコーヒーを淹れる。
これを事もあろうに、スペイン料理店でやってしまおうという大それた行動に出たのだった。

この日は特別にコスタリカ・リベンス農場のブラックハニーという豆を用意した。

この豆はコーヒー豆にするときにコーヒー豆の実を洗い流さずに残したまま乾燥させて作るもので、コーヒーになった時もほのかな甘みとフルーティな香りがしてなんとも贅沢な気分にしてくれる豆なのだ。今回特別に焙煎して持参した。

図々しくも厨房に入り込み先輩を顎で使ってお湯を沸かさせてコーヒーを挽いて淹れた。

先輩ご夫妻に飲んでいただく。お二人の評価は期待以上に良く、満足してくださったようだ。もう今日の仕事はここで終わりにしたい、とリラックスされていた。

あまりいつまでもお店にいると仕事の邪魔になるのでこの辺で失礼することにした。お土産にお店特製のサラダドレッシングと安曇野在住の大学ジャズ研後輩の中島仁さんが今年デビュー録音したCDを購入して再開の挨拶をしてお店を出た。

外は暑く真夏のようだったが、走り始めたら風が心地よい。

ここからは再び上諏訪で友人の経営する「シャンブルドット畳」という宿に向かう。この日の宿泊地だ。

安曇野から上諏訪までは高速で走れば一時間もかからないので、のんびりと下道を走る。

安曇野の田園風景が美しい。途中上高地方面の看板を見たらそちらにも行きたくなったが、ちょっと時間が足らないので次の機会に回す。

松本まで下道を走り長野道に乗る。時速90キロで快適に走りすぐに岡谷インター到着、ここで降りて上諏訪まで下道を走り途中でガソリンを入れた。ハイオクガソリンが1リットル170円もしたので驚く。我が家の近くの安いお店だと150円で入れられるからだ。

ガソリン満タンになり上諏訪へ、あとは明日横浜へ向かうだけなのでガソリンタンクの小さいこのMT09でもこのまま給油なしで帰れるだろう。

四時過ぎに上諏訪駅前着、電話で友人と連絡を取りバイクの駐車場の場所を案内してもらう。

およそ一年ぶりに会う友人Kは僕のバイクを見てえらく興奮していた。彼もかつてはバイク乗りだった。そういえば安曇野のイカさんもバイク乗りだった。僕らの世代は映画イージーライダーの影響もあったのかみんなバイク好きだった。みんなバイクを卒業して大人になってしまったけれど、僕だけいつまでも高校生のようにバイクに乗って喜んでいる。気が若いのか幼稚なのか。

 

 

シャンブルドット畳は民泊の宿だ。

上諏訪駅前から山を歩いて5分ほど登ったところにあり諏訪湖を見下ろし眺めが良い。

部屋というより一人がちょうど寝られるスペースに仕切られた小部屋が並び、寝床には畳が敷かれている。

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宿の中は細かなところまでしゃれたインテリアで飾られているのは経営者のKの妻ちーちゃんのセンスの良さだ。彼女はかつてはデザイナーだったらしい。

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諏訪湖の見えるガラス張りのテラスで湖を見ながら三人でくつろいだ。この日はたまたま宿泊客は僕一人だったのだ。

久しぶりの再会、昔話、最近のよもやま話など花が咲いていくらでもおしゃべりし飽きない。

 

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今度来る時は、高校時代の仲良し仲間が集まり電車でお酒飲みながら来よう、という話になり盛り上がる。

諏訪湖の先の山に夕日が落ちるのを待ったがあいにくの曇り空で見えなかったのでみんなで温泉に出かけ、帰りがけ飲み屋で一杯やりながら再びよもやま話に花が咲いた。楽しい夜が更けていった。

 

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翌朝5時過ぎ起床、年寄りなので早起きだ。予定ではゆっくりと昼頃までのんびりしてから横浜の自宅に向かおうと予定していたのだけれど、天気予報が変わり朝8時頃から雨が降る予報になったので、早く出ることにした。友人Kも仕事で7時半には出るというので一緒に出ることになった。

 

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国道20号線を諏訪から茅野に向かってしばらく走ると中央道諏訪湖インターがある。インター手前のコンビニで朝食のサンドイッチとコーヒーを買うが雨雲が迫っているのでここでは食べずに高速に乗った。

平日早朝の中央道上りはガラガラでのんびり走っても他の車の邪魔にならなかったのだが、雨雲に追いかけられているような気分だったので、先の空が明るく見える甲府方面に向かって制限速度いっぱいで走る。

小一時間走って八ヶ岳SAに着くと空も明るくなり一息着いでベンチに座りサンドイッチを食べた。

ひとしきり休んで出発。後はまっすぐ帰るだけだ。八ヶ岳SAからは須玉インターにかけて下りのカーブが続く。この道は車で走るとカーブがきつく緊張を強いられるのだが、車体の倒せるバイクだと心地よい。スピードに乗りながら気持ち良く下り坂を飛ばした。

さらに走り韮崎インターを超えると富士山が正面に大きく見えてきた。

手前の山並みに半分ほど隠れた富士山が大きな顔を出している。その姿は堂々として富士山に見守られているような気分になった。

やがて甲府盆地に入り平坦な道を大きくカーブしながら行くと工事で片側車線が制限されていてスピードが落ちた。

左右にブドウやモモなどの果樹の林を左右を見ながら登り坂に入ると間も無く笹子トンネルにはいる。

往路では長く感じたこのトンネルが帰りはさほど長く感じなかった。

この先の談合坂SAまで一気に走って休憩を取る。天気予報もここから先は雨は降らない予報だったのでコーヒーを飲みながら少し疲れた体を休める。

平日の午前中の上り車線にバイクは少なく行きの道のような賑やかさはない。

30分ほどのんびり休んで走り出す。ここからも八王子ジャンクションに向かって急カーブの下り坂が続きバイク的には心地よい。

八王子ジャンクションから圏央道海老名方面に入り厚木PAでトイレ休憩しすぐに出た。海老名インターで高速を降りる。下道を海老名、藤沢、と走り横浜に入るのだが藤沢に入ったあたりで小雨がぱたつき始めた。予報では午後降り出すはずだったのに早まったようだ。通雨ですぐに上がることを期待しながら走ったが家に着くまでのおよそ30分、雨は止むことはなかった。

お昼丁度、横浜の自宅に着く。走行距離は三日間で610キロメートル、1日平均およそ200キロというのは僕の体力では丁度いい距離だった。三日間連続して走ることでどの程度疲れるのか予測がつかなかったが思ったより疲れはなかった。

高速の長距離走行が最も憂鬱だったのだが、ヘルメットをフルフェイスのちょっといいヤツに変えたせいか、時速100キロで走るのも苦にならず帰路は三回の休憩でおよそ200キロを走れたのは収穫だった。

頭の中ではもうすでに次のツーリング計画がふつふつと湧いてきていた。

 

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2019年5月30日 (木)

信州バイクツーリング2019春 その2 美ヶ原・安曇野

信州バイクツーリング二日目

友人宅を朝7時半に出る。友人宅の庭から路地に曲がろうとした時に後輪を縁石に取られて立ちゴケする。

バイクを起こし動揺を隠せぬままに別れの挨拶をして一路美ヶ原高原に向かった。

諏訪から美ヶ原に向かうのには上田・佐久方面に抜ける和田峠を経由しビーナスラインに入るルートをとった。

国道の登り道は初めは退屈な坂道がつづく、月曜日の朝7時過ぎなので交通量は少ないが緩いカーブの連続で面白みがない。

道は新和田トンネルの手前から旧道に入ると突然雰囲気は林道風の一車線道に変わりうねうねと曲がる道になり楽しいのだが、いかんせん対向車に気を使うので気疲れするし、万が一ここで事故ってしまったらいったい誰が発見してくれるのだろうか?という恐怖もある。しばらく走るとビーナスラインにぶつかりここからがバイクツーリングの本領を発揮できる道になる。

比較的舗装も良い二車線道路にカーブがつらなる、スピードを落とすのに気疲れするほど他の車はいなく、時折美ヶ原方面から降ってくるバイク乗りと手をあげて挨拶を交わす。

バイクのライダーがすれ違う時に手をあげて挨拶するのは好きだ。

車でドライブ中すれ違う時に挨拶など絶対しないがバイクにはそれがあるのは同じバイク乗りとしての仲間意識のようなものを共有できる。一瞬ですれ違ってしまい次に出会うことがあったとしても記憶からは消えてしまっててもお互い手をあげることで気持ちに妙な一体感を覚えるから不思議だ。

山歩きでもすれ違う見知らぬ山行者とは挨拶を交わすのが普通になっているが、山登りの場合はお互い挨拶を交わすことで様子を伺い合うことで、遭難を未然に防ぐ効果があったりするのであろうと思うのだけれど、バイクの挨拶はそれとはまたちょっと違う感じがする。山登りをするときにすれ違う相手に一体感を感じることはあまりないからだ。

最近はやりの自転車のロードレーサーたちはすれ違いざまに挨拶をするのだろうか?

 

話を戻そう。

ビーナスラインに入ると快適なワインディングロードが続く。次々と織りなすカーブを車体を傾けて走り抜けるのはバイクならではの快感。下手くそ初心者ライダーにもそれなりの面白さはある。体を傾けてジェット機の旋回のようにカーブするのはスキーにも共通する感覚だ。

初めは両側を森に囲まれていた道は標高1500メートルを超えるあたりから笹の草原となり視界が一気に広がる。

道路も山の北側から南側に回り込んだようで、朝日が当たり眼下に広がる風景が眩しく見えてくる。

一旦道は下りになり尾根を回り込んだように感じた、その先に標高1700mの看板があり、ここからはヘアピンカーブの連続だった。

次から次へと続く登りのヘアピンカーブに体も心も揺られて心地よく酔う。車だったらハンドルとアクセルワークに翻弄されるだろうが、バイクは体が倒せるところが違う。体とバイクが一体となって弾丸のように突き進んでいくのだ。

 

ヘアピンをいくつか超えたところに標高1800mの看板があり傾斜のきつさを教えてくれる。

さらにヘアピンをいくつか曲がった所で1900mの看板があり視界が一気に開けて周囲の山々が足元に見える。

さらにヘアピンを超えたところに美ヶ原高原美術館の看板がありそこに向かった。

すぐにひらけた広い駐車場が見えてきたが、車はほんの二、三台止まっているだけ。バイクも数台あるだけだった。

ガラガラなので北アルプスを背景に写真が撮れるポイントにバイクを停めて写真を撮った。

 

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美ヶ原は30数年前に撮影の仕事で何度か訪れて以来だ。

脳裏に焼き付いていた記憶そのままの風景に感動する。

北アルプス連峰、後立山連峰を正面左に、やや間があって山並みの向こうから顔を出しているのは館山の剣岳だろうか。

時刻は朝8時半、空気はややガスり始めていたが30年ぶりの風景を見ながら己のこの30年間を心の中で振り返る。


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しばらく山を見たのち他の車やバイクが停まっている場所に移動した。

大型ワンボックスの後ろにキャンプ用の椅子を置いてコーヒーを飲んでいるカップルがいたので挨拶する。「夕べは泊まりですか?」と話しかけたら「そうです」と帰ってきた。日の出の北アルプスはさぞや美しかったでしょうねと想像しながら話しかけたら、ニコニコしながら頷いていた。

その先で自分よりやや年配の男性に挨拶されて話かけられた。男性は大型バイクが次々とやってくるのに感心しているようで、自分はもう歳なのでバイクは無理だから車で来たけれど、バイクはさぞかし気持ちよいでしょうね、と話す。

 

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見かけは僕とそう変わらないおじさんだった。川崎からきたというので、僕は横浜から来ましたというと同じ神奈川県民ということで妙な一体感を感じた。

おじさんは定年退職して暇なのだが一人旅が好きらしく一人で車に乗ってはあちこちに出かけるのだが、どこもハイシーズンは避けて空いている時を狙って行くのだという。梅の開花前の水戸の偕楽園に行って、寒いだけの思いをしたことなど話していた。


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9時になると高原美術館が開館する。この時に教会の鐘を打ち鳴らすのだが、北アルプスの連なる山々を遠く見ながら高原に響き渡る鐘の音を聞くというのもこれがなかなか風情があって良い。できれば一人で聞くよりも先ほどのコーヒーカップルのようにしてみたいものだ、などと思った。

いい山を眺めていると飽きない、南の風がやがて強くなってきたが標高があるのでぬるい風も心地よかった。

9時半までここで山の風景を堪能しいろいろな思い出や人生の反省などしてから山を下ることにした。

下りはじめは来た道を戻るのだが、下りのヘアピンに疲れた頃に松本方面への分かれ道がありそちらに曲がる。

そこからは林の中をひたすら下るカーブが続きこれもまた心地よい。時折先行の自動車に道を阻まれたが皆快く先を譲ってくれた。

 

林の中をしばらく走ると突然視界がひらけて湖が現れた。美鈴湖という湖だ。

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ヘラブナ釣りの桟橋に何人かの釣り師がいるのを釣り師の僕が見逃すはずがない。即座にバイクを止めて一服しがてら写真を撮った。5分ほど見ていた廊下、何人かが竿を絞り込んでいたので魚は釣れるようだ。この標高ならまだこの時期が乗っ込みなのかもしれない。竿は15尺はありそうな長竿をみんな使っていた。

 

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さて、いつまでも釣りを見ていてもしょうがないので再び下り始める。浅間温泉という温泉を超えてさらに下る。

この辺りは標高が下がってもヘアピンカーブが続くのだが、この辺りはローリング族が多いらしく、禁止の看板が立ちカーブの道路中央には縁石が打ち込まれてセンターラインを越えられないようにしてあった。

しばらく行くと突然民家が見えて山里の風景となり山道は終わった。

 

ここからは真新しい広い国道を抜けて一気に安曇野方面に向かう。

少し走って長野道をくぐれば見覚えのある安曇野の風景が広がった。

あまりにも安曇野が近いので面食らってしまうほど。

安曇野の松川村にある大学時代の先輩が経営するスペインレストランに向かったのだが、このままでは開店時間前に着いてしまいそうなので、安曇野のコンビニにバイクを停めて一休み。下界は暑いのでアイスを食べる。

一息ついでから混んでいる県道を避けて山沿いの道を回り込んで松川村に向かう。この辺りはスキー大好き時代に毎年のように春スキーに訪れていた八方尾根や五竜遠見などに通ったおかげで土地勘があった。

 

安曇野はちょうど田植えシーズンを終えていた。田植えが終わっている田んぼに水に遠く鹿島槍ヶ岳の残雪を移して緑と白とのコントラストが美しい。安曇野はこの時期の風景が一番好きだ。

 

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少々暑かったけれど好きな風景の中を走るのは楽しい。やがて見覚えのある風景が現れ、国道から右折し線路を渡ってさらに右折したところにスペインレストラン・パンプローナがあった。

 

 

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