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カテゴリー「バイクツーリング」の記事

2025年5月 6日 (火)

外国人と共に走る春のツーリング⑤伊香保温泉〜横浜

伊豆〜ビーナスライン〜志賀高原満座道路〜伊香保温泉と神奈川県から静岡県、山梨県、長野県、群馬県とやって来た旅もこの日でおしまい、横浜に無事に戻るだけの最終日です。

 

前回も書いたのだけれど、この日は走るルートのほとんどが高速道路で単調なライディングが続く上に、香港ライダーのカール君はバイクで一度にこれだけの長距離を高速道路で走った経験がない、ということも大きな不安材料だったのでありました。

 

それを踏まえて、とにかく前日は早く寝るようにと話しておいたにも関わらず午前一時過ぎまで起きていたカール君だったので、例によって早起きの僕でしたがカール君は七時の朝食の時間ギリギリまで寝かせておくことにして、屋上の露天風呂に使ってさっぱりして時間調整をしたのであります。

 

二人の普段の生活のリズムがあまりにも違うのでお互い戸惑うところもあったりするのですが、大きな支障がない限りはお互いを尊重してやるsかないと思うのでありました。

 

七時にカール君を起こして朝食バイキングを食べたらチェックアウトは道路の混む前に高速に乗りたかったので九時に設定して支度を始めました。

カール君も食後に屋上の露天風呂に浸かりにゆき僕は部屋で二度寝します。前夜遅くに一度目が覚めてしまいまだ眠かったのでありますね。

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八時半頃目を覚ました僕は身支度をしてカール君が露天風呂から戻るのを待って、時間に合わせて戻った彼と予定の九時を少し回ったところでチェックアウトをして宿を出ました。

 

伊香保温泉から関越道までは初めて使う駒寄パーキングンのETC専用入り口に向かったのですが、水沢うどんの店の連なる街道を通り過ぎて山裾を下ると高速道路が見えて来ました。

高速に乗る前にガソリン補給をしておきたかったので、スマホのナビで検索して最寄りのガソリンスタンドを探して満タンにしたら関越道に乗り東京方面に向かいます。

 

十時半くらいだったのでまだ交通量も少なく時速80キロのスピードを保ちながら走ると、カール君が僕のすぐ後ろを走ってついてくるので、もしもの時のために僕との車間距離を長めに保つように指示して走ります。

彼も理由をちゃんと話せばすぐに理解してくれて、素直に僕のいうことを聞いてくれるので助かりました。

退屈して眠くならないように見える景色の説明をカール君に観光ガイドをしながら走ったので思っていたより快適なライディングになり最初の休憩は嵐山パーキングを考えていたのを高坂サービスエリアまで延長して一気に走りました。

 

寄居から嵐山の辺りは緩い登坂が何キロも続くので渋滞の名所であります。

交通量は少なかったもののそれでも車の数は増え始めて来ていたので一番左端もレーンを80キロで進みました。

とにかく安全第一、そして居眠り運転による単独事故を防ぐことに集中したのでありますね。

 

バイクに乗らない方は、バイクでの居眠り運転なんて信じられないかもしれませんが、意外とバイクも眠くなるものなんです。

昔、バス釣りをしていた頃に夜討ち朝駆けの釣りをバイクでした時には何度も居眠り運転をして怖い思いをしたことのある僕は、とにかくカール君の居眠り運転に気を使いました。

おそらくこれまで香港でしかバイクに乗ったことがなかったカール君はバイクで居眠り運転の経験もなかったろうという前提で、彼が高速走行をどこかで舐めていたら危険だと思っていたのであります。

 

なんとか高坂サービースエリアまで安全に走って辿り着き、休憩をとりつつお昼ご飯も食べて、ここから先は鶴ヶ島ジャンクションで圏央道に入り八王子を回って横浜に向かうだけなのでありましたが、食後の一時間くらいが一番眠気の襲ってくる時間なので要注意です。

 

高坂を出ると間もなく鶴ヶ島ジャンクションを八王子方面に曲がったあたりで僕は少し眠気を感じたので、カール君に眠くない?と聞いたら、彼も案の定少し眠いというので狭山のパーキングで一休み。

眠気覚ましに買っておいたドリンク剤をカール君と二人で飲んでさらにソフトクリームを食べてからのんびりスタート。

車の交通量はかなり増えて来ていて片側に車線の圏央道はスムーズに流れるにはほぼちょうど一杯というくらいの車の量になっていました。

 

ここも安全運転で左車線をキープし、のろい車がいても抜くことはせずに付き合うようにしました。

目覚ましドリンクが効いて眠気もどこかに吹っ飛んでくれたので快適に走ることができ、午後三時半過ぎには厚木のパーキングに到着。

その先は海老名で高速を降りるので最後までお互いに気を引き締めるようにと話し合って出発します。

 

短い休憩をとってから海老名インターまで走って圏央道を下り、一般道を40分ほど走り無事我が家に到着となったのであります。

まだここから借りたバイクを返しに行くという行程もあるものの、とりあえずは一区切り、安全に帰ってこられたことをお互い祝福して握手をし、荷物を下ろして一休みしました。

バイクの返却時間までまだ余裕があったので、少しゆっくり休んでから東名横浜町田インター近くのレンタル屋さんに向かいバイクを返却。

お店の人の対応は素晴らしく良く、僕らが無事に帰って来たことを一緒に喜んでくれたし、転けてキズになったところに関しては冷静に修理代を見積もって請求してくれたので、カール君も一番気になっていたところをクリアできてホッとしていた。

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総走行距離は756キロメートル。

カール君にとっては人生初めてのロングツーリングだったので、メーターの数字を写真に撮っていた。嬉しかったんだろうな。

この五日間を振り返ると、初日こそ雨に泣かされたものの、その先は概ね天気も良かったし、転けたものの怪我もなく大事に至らなかったので僕も満足していた。

 

レンタル屋さんからは僕のバイクにニケツして家まで帰り、近所の焼鳥屋さんで打ち上げとなりました。

そもそもカール君と出会ったのは昨年の夏に僕が北海道ツーリングをした時にお昼に入った食堂で彼のグループがたまたま隣に座って、注文のことでトラブっていたところに僕が首を突っ込んだのがきっかけで、バイク好きの彼とラインを交換してやり取りしているうちに日本をバイクで旅したい、という話になって今回のツーリングが実現したのでありますが、今回のツーリング中も行く先々で僕らと出会った人たちにこの話をして盛り上がり、なんだかみんな親しくなっちゃう感じでとても楽しかった。

 

ここの焼き鳥屋さんでも美味しい焼き鳥と焼酎ですっかり酔っ払って、お店の他のお客さんや店主もこの話に巻き込んでカタコト英会話の店に変貌させつつ閉店時間を過ぎるまで飲んでツーリングの成功を祝ったのでした。

小さな出会いが大きな輪に広がっていくことを身をもって体験できたことはとても素晴らしく思い出深い旅になったのでありました。

 

また来たい!と彼は何度も言っていたのでおそらくまた来ることになるかも知れない。

僕もこのツーリングで普段できない経験をたくさんさせてもらったし、旅先での出会いも素敵なことがいくつもあったので、大歓迎!と返事をしたのでありました。

See you next !

 

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2025年5月 5日 (月)

外国人と共に走る春のツーリング④湯田中温泉〜志賀高原万座道路〜伊香保温泉

香港から来たカール君とのバイクツーリングもいよいよ四日目で、本日が最大のハイライト。

冬季閉鎖で閉まっていた志賀高原万座ルートが二日前に開通したのを狙っての山道のワインディングロードツーリングだ。

しかもこの道は国道の標高2200メートル近い国道の最高地点を通過する上に道路の左右は雪の壁というところも通るので盛り上がるに違いない。

 

当日朝は9時出発を目指した。この日からゴールデン・ウィークの前半が始まるので道路が混むと予想したので、なるべく早い時間の混雑前に快適なライディングをしたかったのだ。

僕は例によって朝早く5時には起きて朝湯に浸かってからストレッチなどをして体をほぐし7時の朝食の時間を待ったのだが、カール君は昨夜も仕事やら何やらで夜更かししていたのでなかなか起きない。ちょっと気をもんだが寝不足でバイクに乗るのも危ないので7時ギリギリに起こして朝食バイキングで満腹になりさあ出発。

と思ったら、カール君はお土産屋さんで買い物したりして割とのんびりな感じ。

短気な僕から見たら、おいおい何やってんだよ!早く出ようぜ、という気分なのだが、海外旅行に来ているカール君から見たら、お土産物くらいゆっくり買わせてくれ、それに何をそんなに急いでんだよ!という気分なのだろう。10分、20分出るのが遅くなったところで大した事ない、と自分に言い聞かせて彼の準備を待って9時に出発となった。

前日駐輪場に止まっていたたくさんの大型バイクはすでに出払っていて遅れをとった形になったのだがまあ良い。

 

この日は前日夕方から入り込んだ寒気のおかげですっかり冷え込んでいて、走り始めたところでの気温が7度とやや寒い。

それを予想して、ウェアはライダージャケットの上に冬山登山用のアウターをがっちり着込んだのでさほど寒くはなかったのだが、山道をどんどん登っていくと気温はどんどん下がり、志賀高原スキー場の下の方を通過する頃には3度まで下がってきた。

驚いたのは自転車でこの道を登っていく人たちが結構いて女性の割合も高い。

自分の足で登り切ったら達成感もひとしおだろうなあ、などと思いつつ追い抜いてゆく。

 

気温が下がるとグローブはしているとはいえこの気温では手が冷たくなる。僕のバイクはグリップヒーターなるものがついているのでスイッチを入れると握っているハンドルのグリップが温まるのだけれど、カール君の借りたバイクには付いていなかったので手が冷たくて辛かったろう。一番上のスキー場である横手山ゲレンデの下の駐車場に着いたときはなんと気温が1度まで下がった。

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ここで一休みしてバイクを止めて冷えた手を温める。

ここからは景色も良いので駐車場は連休らしく車やバイクで一杯だった。カスタムしたスポーツカーがずらりと並んでいて壮観だった。

天気は快晴だったがややガスがかかって遠くの山は少し霞んでいたものの見事な風景だった。

カール君は香港の友達とテレビ電話でこの様子を実況していたようで、今時の旅はこうしてリアルタイムで行き先の風景を共有したり出来るんだなあと感心する。

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30分ほど休んでいよいよ最高地点に向かって出発する。

すぐ先には長野県と群馬県の県境に大きなお店があって、そこには県境を示す大きな文字が壁に書かれていて、ここもインスタなどの写真スポットになっている。したがって駐車場は隙間もないくらいびっちり混んでいたのでスルーした。

 

そこから程なくして道路の左側に国道最高地点の碑がある場所に着くとここの駐車場も満杯だったのだが、運よく一番手前のバイクが出てくれたところにスッとバイクを停められた。

碑の前では記念写真を撮る人たちの順番待ちになっていて、自転車のグループが写真を撮っていたので、思わず「すごいですねえ、自転車でここまで来るなんて」と声をかけたら「実はすぐ下の駐車場まで車で来たんです。ズルしてるんです」と笑いながら返事が返ってきた。

そういうのもありなんだなあ、それでも駐車場からでも結構な斜面を登るのでやっぱり自転車の人はすごいと思う。

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順番待ちして二人で代わりばんこに写真を撮ったら後から次々と来る車やバイクに場所を空けんとさっさとこの場を去って下り始めた。

少し下りたところに先ほどの自転車のヒトが言っていたと思しき駐車場があったのでバイクを停めて残雪の山々の風景を堪能する。

 

道路を走る車は思っていたほど多くなく、駐車場の周り以外では渋滞するようなことも全くなかった。

天気も良く空気もよく景色も良く、良いことずくめの三点セットで言う事なし。

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ここからまた少し下ったところに道路の左右に雪の壁が高く残っている場所があり、やはりバイクや自転車の人が写真を撮っていたので僕らもバイクを路肩に停めて写真を撮った。

雪の壁は5メートルくらいか、立山黒部ルートの雪の壁には及ばないもののなかなかの見応えがあった。

ここではなぜか車で来た人は写真を撮る人がいなくバイクのヒトか自転車のヒトだけだったのが面白い。

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香港育ちのカール君は雪を見る機会もそうない上に道路の左右が雪の壁になっているのに大興奮して写真を撮りまくっていた。

埼玉育ちの僕もそれなりにコーフンして写真を撮りまくった。

この辺りに来るともう手が冷たいのも忘れて残雪の風景に魅了され切っていた。

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ここからさらに少し降りたところに広い駐車場があったのでそこにもバイクを停めて写真を撮る。

駐車場のすぐ横には適当な斜面があって、自分でハイクアップしてスキーをしているテレマーカーがいたり、スノーボードを準備している若者もいた。

カール君と二人で僕らも雪の上まで登って写真を撮った。

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ここを離れると、山をどんどん下り見晴らしも悪くなって行く。

草津と万座の分岐点で万座方面に曲がる。

草津方面は雪崩の危険があると言うことで封鎖されていた。

 

ぐんぐん標高が下がっていく道を降ると、先ほどまでは雪山の景色だったのが次第に木々が芽吹き、さらに降りていくと桜が咲き誇ろ場所があり、

料金所を抜けた先の長野原町まで降りると風景はすっかり春の新緑の風景に変わっていった。

 

たったの数時間でこれだけ季節の変化を楽しめると言うのも僕には初めての経験だったので嬉しかった。

八ッ場ダムまで走ってお昼を食べる。

ここの駐車場では何かのイベントをやっていてスピーカーからがなり立てるカン高い声が耳に突き刺さりこれまでの自然満喫モードを一蹴してくれたのですぐに建物の中に逃げ込んでお昼を食べて退散した。

 

八ッ場ダムの水はコバルト色に美しく、カール君もビュいーティフル!を連発していたが、このダムができる前はもっと美しい渓谷があったことや政府が無理やり作ったダムだと言うことなどを彼に話したら昔の渓谷が見たかったと言っていた。

 

ここからは一気に榛名湖に向かって走る。

時間にしておよそ40分。僕も初めていくルートだったのでナビを見ながら慎重に走る。

国道から榛名湖方面に曲がって山道に入るとバイク乗りにとってはなかなかの楽しめるワインディング・ロードが続き気持ちが良い。

 

どんどん登っていくと春爛漫から再び初春の風景に戻っていく。

登り切ってから少し降りたところに忽然と榛名山と榛名湖が現れた。

道を左折してその先の駐車スペースにバイクを停めて一休みする。

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足元の湖畔ではブラックバス釣りの釣り師がいたので声をかけたら、まだ釣れないけどデカいのが見えた、と言っていた。

100メートルほど先には腰まで湖に立ち込んで竿を振る釣り師もいた。どうやらバスの産卵シーズンに入っているらしく一年で一番デカいバスが釣れる時期なのでたくさんの釣り師が来ていた。

 

少し休んだ後、ここからはすぐ近くの伊香保温泉まで走るのがこの日の行程で、まだまだ時間が早かったので湖畔沿いの道をカール君に先行させて好きなところでバイクを停めて写真を撮って、と言うことにした。

 

ここまで四日間、ずっと僕の後ろをついてくるばかりだった彼は自分の好きに走れるのに若干の緊張を持ちながらも嬉しそうだった。

湖畔はちょうど桜が満開だったので何ヶ所かで停まって写真を撮ってゆったりとした時間を過ごす。

 

ボート乗り場の近くではボート釣りのヒトが沢山いてみんな浅場に産卵に来るバスを狙っているのがよく分かった。

昔僕もバス釣りに夢中だった頃にはこの季節は富士五湖に毎週のように通ったことを思い出し懐かしかった。

 

のんびり過ごして榛名湖を堪能したので再び僕が先行して伊香保温泉まで下りる道を下る。

かなり急なカーブが続くので安全にスピードを殺して走った。

途中で路面をわざと起伏を作ってスピードを出さないような舗装をしている場所が何ヶ所かあり、カール君の僕も何事が起こったのかと焦ったり、その走り心地の悪さを笑ったりして走った。こう言う道はローリング族などの多い山道の随所にみられるのだけれど、バイクにとってはとても怖い道で、一つ間違えるとそれほどスピードが出ていなくても事故につながると僕は思うのだが、ケーサツの皆さんはそうは思わないらしいのだね。

 

30分ほど山を下ったら伊香保温泉に到着。

宿もすぐに見つかり、駐輪場もバイク専用に屋根の下にあったのでそこに入ると既に十台ほどのデカいバイクが置かれていた。

 

チェックインを済ませてビールを一杯飲んで早速温泉に入り疲れをとる。

この日のルートは短時間ながら充実していた。一日のルートを頭の中で振り返りながら湯に浸かった。

 

このホテルは洗い場のある温泉と屋上の露天風呂に分かれて湯があり、カール君は温泉を梯子して屋上の露天風呂も行くと言うのだが、僕は少し疲れていたので部屋に戻り眠くなったので少し昼寝をした。

ウトウトしていたらカール君が戻って来て、温泉街を散策してくるというのだが、僕はすっかり疲れていて昼寝するね、と寝てしまった。

 

夕食の時間まですっかり寝込んで疲れも取れたところでこのツーリングの最後の晩餐となる。

と言ってもホテルのバイキングなのでそれほどすごいものも無いのだけれど、僕は日本酒のつまみ用に焼き鳥やモツ煮、寿司などの日本食中心に食べ物を選んで大量にテーブルに並べて、とりあえずビールから日本酒へと二人で飲み進んでいった。

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旅の山場を超えた安堵感と充実感に満たされて二人ともいい気分で酒が飲めた。

僕にとっても初めての経験に沢山出会えた旅になったので、この機会を作ってくれたカール君に礼を言った。

これまで一人だけのソロツーリングしかしたことのない僕にとって初めての二人でのツーリングだったが、お互い気遣い合いながら楽しみを共有できるツーリングは楽しみも二倍になりこれはこれでいいなあと感じていたのだ。

 

翌日は伊香保温泉から横浜まで帰るだけなのでほとんどが高速道路走行になる。

高速道を走るのは単調なライディングが続くのでバイクでも居眠り運転をすることがある。

これは事故を起こせば即、命に関わるような大事故につながるのでこの日の晩は早めに寝るようにカール君に話しておいたのだが、先に眠った僕が夜中に目を覚ますとカール君はまだ起きていたので早く寝るように諭した。

彼の日常生活のリズムが夜更かしなのでなかなか寝付けなかったり、持って来た仕事もあるらしく彼なりに大変だと言うことは承知していたのだが、この日だけは翌日の高速走行が危険だから早く寝るように、と話したら彼も理解してくれてすぐにとこに入って、気づけば僕より先にイビキをかいていた。

 

ブログ掲載の文章、画像の無断転載は禁止です ©️enos1091 All rights reserve

 

2025年5月 4日 (日)

外国人と共に走る春のツーリング③車山高原〜美ヶ原〜湯田中温泉

ツーリング三日目、朝5時に目が覚めてしまい一人で一回のキッチンに行って一人エノカフェをしながら習慣になっている日記を書く。

キッチンには人懐こい猫ちゃんがいて僕の膝に乗ってきて愛想を振りまいてくれた。

黒のトラちゃんで、正直言って僕は猫より犬派なのだけれど、これくらい愛想がいいと猫ちゃんでも可愛いと思う。

 

コーヒーを飲み終えて部屋に戻りカール君は爆睡状態なのでベッドの上でストレッチを入念にやり、6時頃になってキッチンに人の気配がしたので再び下りていくとオーナー氏が朝食の支度をしていた。

 

コーヒーを出してくださったので飲むと、一口でこのコーヒーはかなりこだわって淹れているな、ということが分かる美味しさだった。

二人だけだったのでコーヒーの話から僕のエノカフェの話、今回のツーリングの話などしていく。僕が横浜から来たことを話すとオーナー氏も横浜出身でしかも僕が以前住んでいた街の出身ということがわかり話がはずむ。

途中で朝食を出していただき食べながら話さ進んだのだけれど、話が進む内に趣味がお互いジャズや絵画鑑賞だったり、なんと仕事も同業者でお互いの会社や共通の知人がいたりと世間は狭いではないか。

なんだかとても運命的な出会いを感じた。こういう出会いがあるから旅は面白い。

さらに話すと年齢も僕と同学年でとても親しみが湧きすっかり意気投合しまった。

 

オーナー氏は自転車が趣味で以前は自転車での山登りもやっていたらしい。すごく値段の高そうな自転車が2台キッチンに飾られていて、以前僕も自転車を少しだけかじったことがあるので自転車の話も盛り上がる。

カール君は朝食の7時になっても起きてこなかったのだが、お天気は雲がかかっていて予報では10時ころから晴れてくるという予報なのでオーナー氏のご厚意もあってそのまま寝かせておいて9時になって起こした。

 

カール君が食事中も僕とオーナー氏は趣味の話やら昔の街の話、仕事の話などで盛り上がり楽しい時間を過ごす。

10時近くなりチェックアウトの時間が迫ったので、話の続きはまた今度来ます、ということにしてオーナー氏に見送られながらゲストハウスを出た。

 

ビーナスラインを車山から走り始める。

空にかかっていた雲は概ね取れてきて、蓼科山、八ヶ岳、南アルプスが美しい。

ゆっくり走りながら長めのいい場所を選んでは写真を撮りながら美ヶ原に向かって走る。

 

この辺りは今は枯れ草の山だが、もう少し季節が進むとレンゲツツジの赤い花で染まり、さらに季節が進むとニッコウキスゲの花の黄色が美しい所だ。

これらの美しさに惚れて、40年近く前はずいぶん撮影に来たものなのだけれど、ニッコウキスゲに関しては最近は鹿が食べてしまってずいぶんと減ってしまったらしい。

頭の中で真っ黄色に染まった山の景色を思い浮かべながらワインディング・ロードを右に左に気持ちよく走り抜けた。

 

平日なので他の車やバイクも少なくマイペースで走行を楽しめた。

カール君もカーブを曲がって景色が変わるたびに歓声をあげながら走る。

 

美ヶ原は近づくと、道幅は狭くなりキュカーブも多くなるので先行する僕が、次は急だよ〜!とか道悪いところあるよ〜!とか教えながら走った。

標高1700メートルの標識が道端に立っているのを見て二人ともテンションが上がる。

ヘアピンカーブをいくつか通り抜けると急に視界がひらけて美ヶ原に出た。

 

大きな駐車場の向こうに遠く北アルプスの山々がやや霞んで見えた。

眺めのいい場所を選んでバイクを停めて、三脚を出して二人一緒に写真を撮った。

この雄大ね景色は狭い香港島に住むカール君にはかなりのインパクトがあったようで、しばらくの間香港の知人に電話したりしていた。

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僕も地べたに腰掛けてきたアルプルの山々を見た。

ちょうど正面に五竜岳、唐松岳、白馬岳と昔よく春スキーに行ったお馴染みの山々が見える。

いつ見てもこの連山の姿は飽きない。

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僕ら以外にもバイクのライダーがたくさん来ていたのでカッコイイバイクに乗っている人を選んで声をかけてバイクの話などをする。

地元に住むライダーはしょっちゅうここに来るというので羨ましい。今回はビーナスラインが冬の通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙って遠方から来ているらしいライダーもたくさんいた。バイクのナンバープレートを見ると岐阜や大阪のナンバーもいる。

一時間ほどのんびりして美ヶ原を後にして上田に下り高速に乗って湯田かな温泉に向かう。

 

美ヶ原から上田に向かう道は狭くなるし路面が少し悪くなるので要注意だ。ゆっくりと注意しながらカーブを曲がる。

10分ほど下りたところで美しい白樺に囲まれた場所に出る。一瞬バイクをとめて写真を撮ろうと思ったが停める場所がないので仕方なくそのまま走り抜けた。

 

急なカーブをたくさん曲がってどんどん山を降りていくと丁字路にぶつかりその横に広い駐車場のある蕎麦屋があったので入る事にした。

この店は以前一人でツーリングに来た時にもお蕎麦を食べたことがあるので美味しいのを知っていたのでためらわずに入る。

 

駐車場の周りに生えている桜が満開で美しい事にも引き込まれた。

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蕎麦屋山に入り食券を買い注文する時に店のおじさんに、この子は香港からツーリングに来てるんですよ、と話すとおじさんは急に表情が柔らかくなり遠いところわざわざありがとう、と言ってくれた。

この店に限らず、昨日のお昼のほうとうのお兄さんも、僕が香港から来たんだよ、と言ったら即座にカール君に向かって多謝(ドーツェ)と挨拶してくれたし、外国人と日本人のバイクツアラーというのは彼らから見ても珍しいらしく食いつきがいい。

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山菜を中心にした天ぷらセイロを二人して頼んだが、ちょうど季節の山菜が美味しかった。カール君は好き嫌いなく日本食を食べてくれるので嬉しい。

お蕎麦を食べた後は併設されている土産物屋でお土産を物色し、外へ出てからはバイクと桜の写真をたくさん撮ってから出発した。

 

ここからは急な下り坂も急カーブもなくなり緩い下り道が山村を通り抜けながら走っている。

途中で菜の花が満開の名の花畑があったので急停車して写真を撮った。

 

山を降りてくると季節が短い時間の間にどんどん進んで変わっていくのが楽しい。

名の花畑の向こうに見える山肌も新緑で美しかった。

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上田市内を抜けて上信越道に入り最初のパーキングで休憩を取る。

この辺りから急に風が冷たくなってきて、まだ午後の2時ころだというのにバイクを走らせると寒く感じた。

 

上信越道の信州中野ICまでの道のりは冷たい強風との闘いになった。

トンネルを潜り抜けて出た途端に猛烈な横風が巻くように吹き付けるので注意するようにカール君に伝えながら走っていく。

 

長野市を越えたあたりで信濃川沿いに大きな桜が満開に咲き誇る並木が続いていて目を楽しませてくれた。

かなりの長い距離を桜並木が並んでいたのでおそらく花見の名所として有名な所なのではないかと思った。

 

風はどんどん冷たくなっていき、途中トイレ休憩したサービスエリアでカール君はダウンジャケットを上に着込んだ。

 

強風に煽られながらようやく高速を降りたところでガソリンスタンドを探して給油する。

長野はガソリンが高いので有名だが、僕のバイクはハイオクガソリンなので1リットルが軽く200円を超えると、改めて長野はガソリン高い!と感じた。

 

給油後、カール君が突然マツキヨの看板を見て買い物したいというので急遽入る。

なんでも友人に頼まれた買い物があり、その品物の写真を店員さんに見せて在庫を聞いているのだがどうも無いようで諦めて店を出て湯田中温泉に向かった。

 

10分も走ると温泉街に着きその晩の宿を探したのだが、なんと僕が宿の名前を勘違いして覚えていて、ついた宿はなんだかすごく高級な感じの宿で、バイクを停めたら女将と番頭さんらしき人が出迎えてくれて、名前を告げると僕の予約は入っていないという。

改めてスマホに入っている予約情報を見たら全然違う名前の宿で、その宿の名前を番頭さんに言ったら道順を教えてくれた。ありがたい。

 

我らの泊まるべき宿に着くと駐車場にはすでに10台ほどの大型バイクが止まっており、そこの空いているスペースにバイクを止めてチェックインした。

たくさんの大型バイクは、明日我々が走る予定の志賀高原草津道路が二日前に冬季通行止めが解除されたばかりなのでそれを狙っていくライダーたちのものと思われる。

 

チェック・インして分かったのだが、このホテルも翌日泊まるホテルも初日に泊まった伊豆ホテルもみんな同じ系列のホテルだった。ネットで条件検索して見つけたホテルなので同じような条件だと同じ系列のホテルが引っかかったようだ。

部屋もサービスも温泉も値段も満足のいくものだったので全く問題はなかったのだけれど、部屋に入った途端、カール君が「俺、ここ来たことある」というではないか。何度も日本に来ているカール君とはいえ、まさか同じホテルに二度泊まるとは思ってもいなかったらしく驚き喜んでいた。

 

部屋で一休みした後は冷えた体を温泉で温め、その後はコインランドリーで洗濯してから居酒屋に食事にという順番で行く事にした。

普段から烏の行水の僕に対して温泉付きのカール君は長湯でなかなか出てこないので、一人で部屋に戻ってビールを飲みながら暮れ行く外の景色を眺めていた。

 

コインランドリーまでは5分ほど歩いて行く。

到着すると普段コインランドリーを使うことのない僕はカール君に使い方を教えてもらった。

百円玉しか使えず、五百円玉の両替機はあるものの新しい五百円玉は両替ができなくてちょっと焦ったが、財布を探したらなんとか間に合うコインがあった。

洗濯時間中には僕が昔仕事で行ったロンドンでコインランドリーに行ったのが唯一のコインランドリー経験で日本のコインランドリーは初めてだ、という事やこの後居酒屋で何食べようか、などという事を話しながら時間を潰す。

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洗濯が終わると、綺麗になった衣服を持ったまま居酒屋に向かった。

ネットで見つけた居酒屋さんは席も空いていてお料理も美味しい。馬刺し、野沢菜漬けの天ぷら、きのこバターなどを食べながらビールから日本酒の飲み比べになって酒がどんどん進む。

飲みすぎると明日の山道走行に支障が出る、というか危険なのでセーブするのが大変なくらい食べ物も酒も美味かった。

ここでもお店のお姉さんが香港からのライダー客を珍しがり話しが弾んだ。

 

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お茶漬けで締めて10時ころ店を出て宿に帰り寝る。

明日はいよいよ今回のツーリングのハイライト、志賀高原草津道路の標高二千メートル以上の道を走る。

明日からゴールデンウィークが始まるので渋滞が心配なので早めに出ていこうね、とこの三日間一緒に暮らして、せっかちな僕から見るとスローペースなカール君に出発時間を念を押してこの晩も先に寝てしまった。

 

 

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2025年5月 3日 (土)

外国人と共に走る春のツーリング②伊豆大仁〜車山高原

ツーリング二日目、朝イチの野暮用が9時からしか陽が足せないので朝はのんびり9時に出発した。

 

雲は多いものの雨が上がってくれただけでも大満足。暖かいのでライダージャケットで走れる、というだけで幸せ。

そうそう、今回は走りながら無線で会話できる「インカム」を二人ともつけていたので走行中のコミュニケーションはちゃんと取れるので、僕が先行してカール君が後からついてくるようにした。

彼のバイクはBMWの310cc。

小さいけれどパワーがあるので高速道路も80キロ走行なら問題なさそうだと分かったので基本的にゆっくり景色を楽しみながらいくスタイルにした。

 

午前10時に野暮用を済ませてフリーになたので大仁から沼津まで走って東名に乗る前に給油する。

僕のバイクは20リットル近く入るのだけれど、彼のバイクは10リットルしか入らないので気を使って早めの給油を心がける。

 

東名に入って走ると眼下に駿河湾が時々見えるのでカール君が大喜び。

富士ICで降りて朝霧高原に向かう。

富士の街中は交通量が多かったが山を登り始めると少なくなった。

朝霧高原が近づいてくると霧の中に入り視界が悪くなる。一番霧の濃いところでは先行車のテールランプがようやく見える程の濃い霧なので緊張した。

それでも朝霧高原を抜けて精進湖が近づいたら霧が消えていと安心。

精進湖から甲府盆地に抜ける道の曲がり角にあるお店でお昼をとって休憩することにした。

 

看板に「ほうとう」とあったのでカール君にほうとうを食べさせたかったのだ。

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中に入ったらたまたま昼時なのに席が空いていてすぐに座れた。

席に座って壁を見たらボクシングチャンピオンのポスターがたくさん貼ってある。よく見たら席に案内してくれたお兄さんじゃないか!

「お兄さん、ボクシングの人?」と聞いたら「もう20年前ですけれどね」と返事。

最近スポーツジムで格闘技エクササイズにハマっている僕は元プロボクシングチャンピオンに興味津々で、色々話しかけると、お兄さんは嫌がりもせずに愛想良く返事してくれるので楽しい。

 

お店的には間もなく観光バスで大量の客が一気に入ってくるので、その対処に緊迫している様子だったが、さすが元チャンピオンだけあって次々入ってくる他の客にも余裕の対応をしているところがすごい。

 

出てきたほうとう定食は季節の野菜と鰹のしっかりした出汁が効いていて大変美味しく、これまで食べたほうとうの中でもトップクラスだった。

いつもはチェーン店に入って食べていたのだがやはりこういう地のものは個人でやっている店のようなところの方が美味しい気がする。

お兄さんに、「これまでで食べた中で一番美味しい」といたら喜んでくれた。

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僕らの会話を聞いていた隣の席のおばちゃんが突然お菓子をくれたりして、なんだかやたらと和んだ雰囲気になった所にタイミングよく団体さんのバスが入ってきて観光客がなだれ込んできた。

出て行くタイミングにちょうどいいので、お兄さんに「また来るね」と挨拶して店を出る。

 

店を出て峠道に入ると間もなく長いトンネルに入った。

この道路はずいぶん前から存在は知っていたのだけれど、このルートを通る用事がなかったので初めて通る。

長いトンネルを二つ抜けると山のかなり高い所に出た。

精進湖側は標高が高いので降りてきてもなおまだ山はうっすらと木の芽が黄緑色になりかけている程度だったのだが、カーブの続く道をどんどん降りて行くとやがて木々は芽吹き所々に山桜が咲いていて美しい。

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路肩のスペースを見つけてバイクを停めて写真を撮った。

カール君も初めてのこうした景色に大興奮し写真を撮りまくっていた。

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さらに下りていくと小さな山村の風景が美しい。日本の正しい山村風景の春、といった感じで大変良い。

道に沿って流れる川は春の水がキラキラ輝いて流れている。

 

道路の傾斜が緩やかになり山村を通り抜けると名の花畑が美しい所に遭遇したのでバイクを停めてまたまた写真を撮る。

ひたすら走りまくるツーリングも楽しんだろうけれど、僕はのんびり景色を楽しむのが好きなのでいつもこんな風だ。

 

山を下り切り甲府南ICの手前で道の駅のような場所があったので一休みする。

甲府盆地は初夏の暑さだった。朝霧高原で着たジャケットの下のフリースを脱ぐ。

少し休んで車山に向かう。

 

甲府南ICから中央道に乗り走り始めると八ヶ岳や南アルプスの山々の裾が見えて雄大な景色が広がる。

八ヶ岳SAまで走って一休み。ソフトクリームを食べながら巣作りに励むツバメを見る。

 

そこから諏訪南ICまで走っておりて八ヶ岳に向かって走ると雲が取れて八ヶ岳の山々が見えたのでまた写真を撮る。

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さらに走って山麓に入る前を左折して蓼科方面に向かってしばらく走るといきなり満開の桜の並木に出会ったので急遽右折して横道に入りバイクを停めて写真を撮った。

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外国人観光客の多くが日本の桜を好むがカール君も例外ではなく夢中になって写真を撮っていた。

しばらく写真を撮って出発。

ところがここでアクシデントが起こった。

 

来た道に戻るのには今いる場所をUターンしなければならなのだが、カール君の足前でうまくバイクでターンできるか微妙だったので悩んだ結果本人が大丈夫というのでUターンしたら嫌な予想が当たってカール君がターン中によろよろと転けてしまった。

本人はパニックになってバイクを起こそうと必死なのだが、起こせる体制になっていない。

僕は安全な場所に自分のバイクをとめて駆けつけて手伝いすぐにバイクを起こしたがマフラーに傷がついてしまった。

 

幸い怪我もなかったし、他の車が来ない場所を選んだので大きな事故にもならなかったが、転けた本人はバイクに傷をつけたこともショックで運転に集中できない様子で走り始めたので気にするな!運転に集中しろ!と声をかけた。

 

少し走ったら落ち着いたようで、周りの景色を楽しむ余裕もでてきたのでホッとした。

茅野市の芹が沢の交差点を右折して蓼科高原方面に向かい、別荘地の手前のガソリンスタンドで給油する。

 

そこから先はビーナスラインに入るとガソリンスタンドがない。

満タンにして安心してビーナスラインに入る。

再び山を登りピラタスロープウェイの分岐を直進し白樺湖方面に向かうとやがて左側の斜面がひらけて中央アルプスの残雪の山々が見えた。

バイクの停められそうなスペースを一つ見逃してしまったのでその先でバイクを停めて写真を撮る。

 

そこからは白樺湖畔のコンビニまで走り夕食と酒を買い込んだ。

この日は車山のゲストハウス泊まりなので夕食を調達しなければならないのだ。

 

僕はレンチンのスパゲティを買ったが大食いのカール君は弁当とラーメンを買い込んでいた。

 

ビーナスラインのメインである白樺湖から先は展望が良い。

東に蓼科山から八ヶ岳、天気が良ければ富士山、南アルプスの甲斐駒岳、さらに南から西に目をやれば中央アルプスまで見える眺望の良さだ。

白樺湖を見下ろす場所で陽の落ちた後の湖を写真に収めてゲストハウスに向かった。

 

ゲルトハウスは車山のペンション街の一番奥にある「うらら」という所。

すぐ横の駐車場にバイクを停めて中に入るとご主人が出迎えてくれた。

宿のオキテを一通り説明を受けて部屋に入るとすぐにビールで乾杯。

この日は他の客もおらず気楽だった。シャワーを浴びて一休みしてから夕食を食べた。

 

日本観光オタクのカール君もこのビーナスラインはノーマークだったと言い感動して喜んでくれた。

買い込んできた日本酒を二人で飲んで少し酔っ払い今日一日をゆっくりと振り返る。

お天気はまあまあ、まだ雲が残っていたのだが明日からは晴れ予報だ。

明日はここから美ヶ原に向かい、高原の風景を堪能した後は志賀高原の麓の湯田中温泉まで走る。

寝不足のバイク運転はとても危険なので夜更かしのカール君に早めに寝るように、と言って僕は先に寝た。

 

 

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2025年5月 2日 (金)

外国人と共に走る春のツーリング①横浜〜伊豆大仁

春の信州にバイクツーリングに行くことになった。

「行くことになった」というのは、昨年北海道ツーリング中にたまたま根室で出会ったバイク付きの香港人のカールくんという僕から見たら若者が、日本をバイクで走りたいから付き合ってくれないか?と昨年末に打診があり、軽い気持ちでいいよ、と返事をしたのがきっかけだったからなのであります。

ツーリングの行程は彼の希望を入れつつ概ね僕が組んで五日間の行程で信州から草津・伊香保と回って帰ってくるルートを考えたのでありますが、カールくんの都合で初日は中伊豆の大仁温泉に行く事になり、ちょっとコース的にはまとまりがないかなあ、という感じになったのでありますが、結果的にはこれが良かった、ということでツーリングの出発です。

 

初日はまずバイクを借りに行くところから始まるのですが、なんとあいにくの土砂降り。

開店同時に行って借りる予定を遅らせて雨が小雨になるまで我が家で待機した。

横浜の我が家から伊豆大仁まではおよそ100キロの道のりなので、初日としては足慣らしにちょうどいい距離だったし、のんびり走っても三時間もあれば行けるので出発を遅らせる余裕があったのでありますね。

 

お昼頃、雨が小降りになったところを見計らってバイクにニケツしてレンタルショップまで約30分、借りるバイクはあらかじめカールくんが予約してあり、バイクショップの方の対応もとても感じがよく手続きも順調に終わりすぐに出発できた、と言っても一度我が家に戻り荷物をバイクに積み込んでからの出発なのでありますね。

 

カールくんのバイクの腕前を知らなかったので、最初は様子見に一般道の交通量が少ないところを選んで帰宅しようと雨の中走ったのでありますが、予報では午後から晴れるという予報とは裏腹になかなか止まない。

途中でお腹も空いたので雨宿りがてらご近所のライダースカフェ、ジャック・イン・ザ・ボックスに寄ってハンバーガーをいただきながら雨宿りする。

 

午後一時半を回り、そろそろ出かけないと夕方までに大人につかなくなりそうな気配になってきたので、小雨の中をやむなく出て、家で荷物をバイクにくくりつけて出発した。

 

まずは横浜の我が家から国道1号線に出て藤沢バイパスから高速で茅ヶ崎まで走り西湘バイパスに向かいます。

国道1号を走っているあたりで雨が上がりホッとする。

高速はレンラルバイク屋さんでETCカードも借りられたのでスムーズに乗り降りできて良かった。

 

西湘バイパスに乗るとおりからの南風で大波が立ち怒涛のように打ち寄せる波を見てカールくんは大興奮。パーキングエリアに入ってしばし海を眺める。

 

ここから箱根に向かい箱根新道に入ると山は雲の中だった。

濃い霧で前の車がようやく見えるくらいの視界の悪さだったので慎重に走る。霧の水滴も体が濡れるくらい酷かったし路面も濡れていたので怖かった。

峠を越えると雲は切れてようやく雨とはおさらばできて本当にホッとする。

 

この日泊まる宿は夕食バイキング付きの宿で、バイキングの始まる午後6時半までにはチェックインして欲しいと言われていたのだけれど、なんとかギリギリの6時過ぎに到着し無事チェックイン。

疲れた体を休める暇もなくバイキング料理とビールでとりあえず初日の無事を祝い乾杯した。

 

香港生まれ、香港育ちのカールくんはバイクこそ持っているものの狭い香港島の中しか走ったことがないので、100キロも一度に初めて走るのは生まれて初めてだったのでそれなりに緊張しただろう。

無事に初日を終えてホッとしたのと満足したので嬉しそうだった。

 

食後はゆっくり温泉に浸かり疲れを取った。

日本の温泉に外国の人と一緒に入るのは初めての経験だったが、日本通のカール君は何度も日本に来ていて温泉も大好きなので、日本の温泉システムに戸惑うこともなく普通に楽しめた。

 

二日目は朝一カールくんの野暮用を大人で済ませた後霧ヶ峰のビーナスラインまで走るので初日の二倍の距離を走ることになる。

どのルートで行こうか色々考え悩んだ。時間を優先するなら高速を利用して御殿場から富士五湖道路〜中央道〜蓼科方面に行けばいいのだが、高速ライディングは好きじゃない。景色を楽しめないからだ。

色々考えた末、大仁〜沼津IC〜富士ICと東名を少し走り、富士山の西側を回り込んで精進湖から甲府盆地に抜けて中央道を諏訪南まで走ってビーナスラインを目指すことに決めて寝た。

 

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2025年1月 3日 (金)

夏の北海道ツーリングをして思った事

6月末から7月初旬までの12日間の北海道バイクツーリングをして思った事感じたことなどをつらつら書きたいと思います。

 

まずは服装です。

僕は下は皮のパンツで上は3シーズン用のライダージャケット、その下はTシャツでした。

Tシャツは長袖と半袖を用意し、寒い時用に薄手のフリースを一枚持って行きましたが、一番寒かった雨のオホーツク海沿岸の時でもこれでしのげました。

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パンツは皮だとバイクから降りた時の動きが少し不自由になるしかさ張るので次回は防水ジーンズというのを試してみたいと思います。

ジャケットも晴れると結構暑かったのですが、まあなんとか耐えられたし、寒い方が体に良くないので、朝昼の寒暖の差を考えるとこれでよかったのかなと思います。

長袖のシャツ、フリース、雨具は必須ですね。雨の中10度くらいまで下がったのですがこれで凌げました。

夏だから、といっても北海道は雨で北風が吹くとかなり寒く冷えます。この辺は万全の対策が必要ですね。

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着替えは3〜4日分の下着類を持ってゆき途中で途中の根室で一度だけでした。

宿に洗濯機があったのですが、順番待ちで結構待たされました。近くにコインランドリーもあったのでそちらを利用する手もありましたね。何れにしても宿探しの時に選択設備があるか、周辺にコインランドリーがあるかなどは下調べしていくのが良いと思います。

寒いと手が悴むのでできればグリップヒーターがあると便利です。無かったら濡れても手が冷えないような雨用手袋があった方がいいかもしれません。雨で冷えるとかなり手が冷たくなります。

足元はブーツで行ったので、街を歩く時用にスニーカーを持って行きました。

 

フェリーは僕の場合は大洗から苫小牧までのそよそ20時間くらい。

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スマホで音楽を聴いてお酒を飲んで暇つぶしをしましたが、陸地に近い場所を船が走っている時以外は電波が通じませんので、オンライン系の娯楽は使えませんので要注意です。仲間と一緒ならロビーでカードゲームなどして遊ぶのもいいのかも。食事はバイキングのみで一食2000円以上したので(朝夕うセットで3000円ちょい)高いのでカップ麺やレトルト食品ですませました。これらは売店で売っていますが、売店は割と早く閉店するし朝も遅いので時間に要注意ですね。大浴場があるのでタオルは必須です。レンタルタオルも有りましたが。

船が走行中はバイクに行けないので、船室内に持ち込む荷物を忘れないように注意が必要ですね。

フェリーの上下船時には網目のスロープの真ん中にバイク用の通路がありますが、幅が狭いので意外に緊張します。

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事前に便利グッズとして他人から聞いたものでよかったのはウエットティッシュですね。

これは必須です。北海道は虫が多いので、1日走るとヘルメットもバイクも虫が潰れてひどく汚れて視界が悪くなるので、すぐに取り出して拭き取れるウエットティッシュは大変重宝しました。カウルのないネイキッドバイクだとおそらくシャケっとにも虫がたくさん潰れてつくと思いますので、その対策も必要かもしれません。

寝床用のダニよけスプレーも持って行きましたが、ビジネスホテル泊が多かったこともあり使いませんでした。

 

今回はキャンプ用品は持って行きませんでしたが、コーヒー好きなので、コヒー豆から淹れられる道具一式を持って行きました。毎朝美味しいコーヒーを飲んで体も気持ちもシャキッとできて良かったです。

汚れものや濡れものを分けて入れるビニール袋もあると便利です。

一眼レフカメラと三脚を持って行きましたが、三脚は一度も使いませんでした。じっくりシャッターチャンスを狙うような写真を撮ることがなかったのです。

持ち物についてはこんな感じかな。

 

食べ物については、僕はグルメにあまり興味がなかったのであまり参考になることは書けませんね。ウニ、イクラ、サケ、などいずれも美味しい食材が豊富な北海道ですが、最近は取れなくなってきて価格も上がり贅沢な食事になってしまう印象でした。ホッキ貝が何処にもあり美味しかったのは印象的でしたね。厚岸の生牡蠣を食べられなかったのもちょっと心残りでした。そのほか野菜や海産物なども新鮮で美味しくビジネスホテルの朝食でも十分に楽しめました。

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走行時の注意としては、北海道の道は広くてまっすぐな道が多く、他の車の平均速度が速い上に郊外の道路に速度標識はほとんどありません。気がつくとついついスピードが上がってしまうので気を使いましたね。路面もツギハギで凸凹のところが多いので気を抜いて走ると危険です。

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あ、それから街場の路肩の縁石が段差が大きく幅も広いので結構気を使います。

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ツーリング中に出会うバイク乗りと取締りの情報交換などするのも大切ですね。僕が話した何人かは違反で捕まったと話していました。

 

今回絶対に避けたのは暗くなってバイクを走らせることです。夜間のバイクは事故リスクも上がりますし路面が見えにくくスピードを出すと危ない。動物も夜は活動が活発になるので、夜のライディングは避けた方が良いと思います。

僕は熊とは出会いませんでしたが、鹿には数回出会いました。大きなエゾジカは突然車道に出てきて、しかもクラクションくらいではなかなか逃げないので当たったら大変です。郊外の道にはいたるところに「シカ注意!」の看板や標識がありましたのでそれだけシカによる事故は多いのだと思います。

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一日の走行距離は体力に合わせて決めればいいのかな。僕は300キロ以下と決めて走りましたが、若くて体力があれば400キロくらい移動できるのかも。ただし長距離を走れば走るほど、ただ走るだけのツーリングになってしまいますけれど。せっかくの美しく雄大な風景を楽しまないのは勿体無いと感じます。

高速道路は本州と風景が変わらないので、よほど急ぐ時以外はオススメしません。一般道を走った方が断然風景も楽しめます。

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走るコースと宿は、あらかじめ大まかなルートを決めてあとは天気と相談しながら一日前に宿を決めて目的地を決めるというやり方をしました。ツーリングハイシーズンには少し早かったので、この方法で大体の宿は取れましたが一度だけ予約の日にちを間違えてキャンル料を無駄にした上に宿探しに焦るということもありましたが、どんな宿でも構わず選ばなければこの方式でいけると思います。

 

今回12日間で雨の日が4日ありました。時間に余裕があれば雨の日は乗らないのが理想かな。

 

ツーリング全般を通りて感じたのは、今回はバイクでひたすら走って移動しただけ、という感じがしたので次回はキャンプ道具を持って行って、もう少し気に入ったキャンプ場なのでのんびり過ごす旅もしてみたいと思いました。

 

北海道の風景は雄大であるにも関わらず一日走れば風景がガラリと変わってくれるので飽きることがありません。

これが大陸などですと、何一も同じ風景の中を走って飽きてしまうという事があるのでしょうが、そういう意味では北海道の自然の規模は理想的だと思いました。

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風景を楽しむことだけではなく、土地の人たちとの触れあいももっとしたかったですね。

アイヌの資料館で勉強できたことは僕にとって北海道を知る上で、また日本の民族事情を知る上でこの上ない良い機会でした。

これから行かれる皆さんも、ただ楽しい、だけのツーリングではなくこうした施設を訪れて勉強することも自分を豊かにしてくれるのでオススメします。

以上がツーリングしての感想です。

何かご参考になれば幸いです。

 

 

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2025年1月 2日 (木)

北海道ツーリングに初めて行った!その15 大洗フェリーターミナル〜自宅

7月9日、北海道ツーリング最終日、といっても朝起きた時には僕の乗ったフェリーはすでに太平洋上を南下していて、朝5時過ぎに目が覚めてロビーに行くと大きなガラス窓から三陸海岸が見えていた。

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船上でも一人コーヒーを淹れて飲み朝食はカップうどんで済ませた。安上がりだ。

6時になると大浴場が開いたので風呂に入りサッパリして風呂場の脱衣所の体重計に乗ったら70kgを超えていてガッカリした。やっぱり北海道で太らずに帰ることはできなかったのか、という思いだったのであります。

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ベッドでゴロゴロ音楽を聴いたりしているうちに昼になると、船内放送があり大洗港到着が30分早まって午後1時半になるとの事なので、ぼちぼち船を降りる支度をはじめる。

1時頃になると船内は早くも下船しようという人たちが動き出したのだけれど、僕は下船の合図があるまでベッドでのんびりしていた。人より早くバイクに辿り着いてもどうせ全員揃うまでは船から出られないからだ。

1時半前にフェリーが着岸したので荷物を持ってロビーまで出たらすでに下船の行列ができていたので、後ろには並ばず行列の横にある椅子に座って、行列が流れはじめるのを待った。隣にいたライダーと話をしたら5日間の北海道ツーリングの帰りだという。仕事を持っているとこのくらいの期間がやっとなんだろうなと思った。休みが昔より増えたというけれど日本人は働きすぎだよと思った。

やがて列が動き出したので最後尾について階段を降りてバイクの停めてあるフロアーに降りバイクのもとに戻った。

気が早い人はバイクの固定を外す作業中だというのにエンジンをかけていたが、密室でエンジンをかけて排気ガスを出すのはやめてほしいと思った。バイクの固定が全て外されると上階に登るためのスロープが降りてくる。僕らバイクが停めてあるのは二階のフロアでその下の一階に停めてある自動車が先に上がってきて上階の出口に出てゆくのを待ち、その次がバイクの番になっていたのでしばらく待っていたら、数台前に止まっていたBMWの1200RSというバイクに乗っていた人が僕のところにやってきて、トップケースは純正ですか?と聞かれたので、後付けの他メーカーのものですと返事をする。彼は純正の物を使っていたが今回のツーリングでサイズが小さく感じてもっと大きいのを探しているのだと話した。こういう場所でも情報交換できるのはいいなと思った。

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一回の車が全て出た次に僕らバイクと同じフロアに停まっている車から下船が始まる。車を誘導する係のお兄さんが誘導を無視して走り始めた年寄りの運転する車に危うく轢かれそうになっていた。

そんな様子を見ているとようやくバイクの順番になり合図に従ってスロープを上がって船の外に出た。

暗い船底から明るい外に出た時の開放感は良い。船を出たバイクたちが嬉しそうに走り去っていく。僕もその中の一人になって走りはじめたのだが、信号で止まった途端にキビシイ現実が待っていた。太陽の熱がジャケットを突き抜けて腕や肩に伝わってくるではないか。焼けるような暑さにこれはヤバいと感じた。横浜の自宅までここからおよそ150キロ、果たしてこの暑さに耐えられるのだろうか。

街を抜けて高速道路に入る、入り口で仲間を待っていた先ほどのBMWの人が追い抜き様にサヨウナラの挨拶してくれた。

高速に入って風を切り始めたら暑さは緩和されて少し楽になった。空も入道雲が立ってきて曇ってくれたのがありがたい。

常磐道に入ると石田のSAに入り水分をとって小休止する。こまめに水分を取らないと熱中症になりそうだった。常磐道は最高時速が時速110キロ制限になっていたが一番左の走行車線を100キロでゆっくり走った。ここまできて焦って飛ばして事故を起こしたくなかったのだ。広い北海道を走ってきた直後だったので自宅までの150キロは大した距離に感じられなかった。北海道の街を四つ分走るくらいの距離だからだ。距離感が麻痺しているというのか北海道モードになっていた。茨城県から鬼怒川を渡り千葉県へ、利根川をわたり埼玉県へ行くと東京まで50キロの看板を見たら、もうすぐそこだねという感覚だった。

三郷から外環道に入りナビに従い走る。ところが本来なら外観三郷に向かところを間違えて高速を降りてしまい、Uターンして乗り直した。

この辺りから雨がポツポツ降ってきて時折顔に当たる。外観三郷の先は長いトンネルで雨に濡れる事なく市川まで走ることができた。

ジャンクションを東京方面に曲がり市川料金所を通過したところのPAで小休止してルートの再確認をする。時常磐道から外観経由で都内を抜けるのは初めてだったので間違えないように慎重に行く。

ナビに示された自宅までの距離を見たらあと70キロほどだった。稚内から紋別に向かった時のことを思い出したらもうすぐじゃないか、と思った。暑さもここまではなんとか耐えられる暑さだったのだけれど、首都高に入ってお台場から東京港トンネルに入った途端にものすごい熱気に包まれて苦しいくらい。メーターの示す外気温は37度だった。体温より高いではないか。幸い車は流れていたので直ぐにトンネルから出ることができたので、大井のPAに入りヘルメットを外して涼んだ。

ここからの残り40キロは走り慣れた道なので間違えることもないし距離感も掴めている。もう直ぐ自宅だなと感じていた。

湾岸線を空港トンネルを抜けてつばさ橋、レインボーブリッジとゆくと常磐道からは小さく見えていた富士山が大きく正面に見えて「おかえり」と挨拶をしているように見えた。

横浜新道に入るともうほんのわずかだったが、こういうタイミングで気を緩めた事故が多いというのを思い出し気を引き締める。新道を降りて一般道に入るとすれ違うバイクがある度ヤエーをしてしまいそうになりおかしい。

午後5時16分自宅に無事到着。総走行距離は2731キロだった。鹿児島の指宿半島から稚内までの道のりにほぼ等しい距離だ。

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1日あたりの平均走行距離は300キロ以下に抑えたのが功を奏して疲れはあまりなかった。

今回のツーリングはただ走っただけのツーリングに感じたので、次回行くときにはもっと時間に余裕を持って行き先でのんびり遊んだり地元の文化に触れ合ったりしたいと感じた。

 

この日使ったお金

食費     600円

高速代  4500円くらい 

 

初めての北海道ツーリング編はこれにて終了です。

長い文章にお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。

 

 

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2025年1月 1日 (水)

北海道ツーリングに初めて行った!その14 静内〜苫小牧フェリーターミナル

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

ということで本日は元旦でありますが、記事の方は7月8日に続きます。

 

7月8日、いよいよ北海道をバイクで走るのも最終日、今日は苫小牧まで走って午後のフェリーに乗り北海道を離れるのであります。

この日も早朝4時に目が覚めてコーヒーを入れて飲み、窓から外の天気を見てみたら雨は降っていなかった。

今日は移動距離はあまりないのでのんびり走ればいいのだがどこかに寄らないと間が持たないので行き先を考えた。

静内からさほど離れていない二風谷のアイヌ民族資料館に行くことだけは事前に決めていたのだけれど、それでもまだフェリーの出船まで時間が十分があまりそうなので苫小牧を越えて有珠山から支笏湖や洞爺湖まで行って時間を潰そうかなどと考えたものの、そのコースだと300キロ以上走ることになる。色々考えて、とりあえずこの案で行きながらあとはその時の気分任せで変更して、とにかくフェリーに間に合うようにしようと決めた。

 

7時過ぎに朝食を食べにホテルの食堂に行く。バイキング形式の朝食なのだけれど北海道の美味しい食材がたくさんおかずにあってどれも美味しい。揚げナス、イカ・タコの塩辛、サラダ、目玉焼き、米もうまい。朝から食べ過ぎてしまった。今回のツーリング前からダイエットをしていて、体重を増やしなかったのだけれど、昨日の計量で体重が減っていたので最終日くらい北海道のうまいものを食べようと食べたいだけ食べた。

 

8時過ぎにホテルを出て二風谷に向かう。60キロ程度の近距離なのでのんびり海沿いを走りたかったのだが、途中ナビ通り走ったら無料の日高自動車道路がありうっかり入ってつまらない景色の見えない道を走るがまあいい。

 

日高富川インターを下りて山に向かって走ると20分ほどで上り坂になり沙流川沿いに走る道を登ると、間も無くそれほど標高のないところに二風谷ダムが現れ、その先に目的地の二風谷アイヌ民族資料館があった。

月曜日の午前中の早い時間だったせいか客は少ない。資料館と隣にある萱野茂資料館の二つの資料館があったので両方の共通券を買ってじっくり見学することにした。

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資料館の中に入ると食器などの生活用品、猟具、武器、歴史など様々な民具が展示されていて興味深い。鮭の皮から作った靴や衣装などもありアイヌの生活に鮭は必需品だったのだこと、それを捕るのを禁止しアイヌ文化を消滅させようとした日本政府のやり口は汚い。自然と共存しながら生活していた豊かな文化を否定し土人扱いをして日本人との同化をさせた歴史はほか移動を訪れ、現在の豊かな北海道を享受する我々は知っておかなければならないと感じた。僕自身もアイヌへの侵略者の、そして差別者側にいるのだという意識を持たなければならないと強く感じた。

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アイヌ民族は文字を持たなかったために明治以前の歴史的記述はなく不明なのだそうだが、言い伝えとして様々な歴史が残されてきているというので、それにも興味がわく。豊かな文化財にその歴史の深さと豊かさを感じることができた。

二つの展示館を1時間くらいかけて見学してから二風谷ダムに行く。

このダムの建設をめぐってはアイヌ民族初の国会議員であった萱野茂さんを中心に猛反対があった歴史を僕も知っている。治水を理由に政府が強行して作ったダムなのだが、ただのコンクリートのアーチダムと違ってとても立派な贅沢な作りのダムサイトだった。展望台からダムに溜まった湖を見るが水は濁って汚れていてガッカリしたものの魚の波紋がそこかしこにみられたので少しホッとする。


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前にも書いたが僕は不要なダムの建設には反対だ。政府は治水を理由に日本中にダムを作るがそれが日本の川、そして海まで全ての自然体系を破壊している。沙流川は時折氾濫することはあったものの鮭の登る美しい川だった。川に氾濫はつきものだ、川は氾濫することで浄化する作用もある。昔は氾濫区域には人が住まないという暗黙の了解があったのにそこに住居を建てて氾濫する川が悪いというのは間違いだと思う。

などと考えていたら、なんだか気持ちが疲れてしまって、ここから有珠山まで走る気がすっかり失せてしまった。

気分転換に苫小牧港近くの美味しくて有名な海鮮食堂があるというので、そこに行って北海道ツーリング最後の食事は北海道三昧しようということに決めた。

苫小牧に向かって走ると、メーターの走行距離が2500キロを超えた。

 

苫小牧港のフェリーターミナルを通り越した先にあるその食堂に着いたら、予想通り長蛇の列ができている。時刻は昼ちょい過ぎで一番混む時間だから仕方ない。30メートルくらいの列の最後尾に並んで順番を待つ。フェリーの出船は夕方なのでそれまで他に予定がないので気分的には余裕があり並んでいる人間観察などしていた。食堂はもともと港の関係者用に作られたものらしく、関係者優先、という看板も立っていた。

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この店は10人ずつくらいまとめて店に入れて食事をさせるシステムで客の回転は悪い。待ちながら何を食べようか色々考えていると、周りの人もグループなどではあれが美味しい、これも美味しいなどと囁いているのが聞こえて参考になる。どうやら一番の名物は海鮮丼とホッキカレーらしくそのどちらかにしようと悩んだが、海鮮丼なら自分で釣った新鮮な魚をしょっちゅう食べているから他では食べられないであろうホッキカレーを食べることにした。

昨夜もカレーだったのに、カレーが好きなのだ。

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1時間ほど忍耐強く待っていたらようやく自分の順番が回ってきた。時は店の閉店時間の午後2時を回っていたが中に入れてくれた。カウンターの席に案内されて前を見たらトッピングのカツ、メンチカツ、魚のツクネ、ホタテを揚げたものなどが並んでいるではないか。こういうのに僕は弱い、何かしら手を出したくなるのだ。カツカレーはウトロで食べたし、ホタテの唐揚げもオロロンで食べたからメンチカツを選んでトッピングした。

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カウンターの中の作業を見ていたらどうやら注文があってからホッキカレーを作っているようだった。煮込んだカレーのルーに切り刻んである大量のホッキ貝の身を両手で山盛りにしてドサっと気前よく鍋にぶちまけているその姿に感動する。

それを少し火を通してホッキカレーとなりでてくる訳だが、出てきたカレーは大盛りで嬉しい。旅先ではよくカレーを食べるが空港などで食べるものにはルートご飯の比率を誤っているものも多く非常に不快な思いをさせられることがままあるのであるが、ここのカレーは完璧だった。

早速食べてみるとホッキ貝の身は柔らかくヌルッとした食感で味は甘い。この甘さにははじめ違和感を感じたがよく噛むとルーの辛さと絶妙のバランスに変化して行き大変美味しい。トッピングのメンチカツもボリューム満点でサクサクと美味しくたまらない。

このメンチカツ、カウンターの上に置かれていた時にはハエがブンブン飛び回って時折たかったりしていたのだけれど、美味しさにそのような些細なことは気にならなくなってしまった。

 

ペロリと食べてしまってカレーが1200円にメンチカツ180円、しめて1380円也。

満足して店を出たらもう客は並んでおらず、店の入り口もしまっていた。

 

店から苫小牧フェリーターミナルまではすぐそこの距離で3時前に着く。

乗船開始は湯型5時だというのにもうすでに20台くらいのバイクが駐車してあった。

乗船手続きをしにビルに入ると3時半に手続き開始、と書かれていたのでしばらくの間座って体を休める。少しウツラウツラしてうたた寝してから階下の受付に行ったらすでに50人くらいの人が並んでいて手続きも始まっていた。

受付窓口は三つしかなくその内の一人の係員は研修生らしく手際が悪いのでなかなか列が進んでいかない。随分待たされて4時過ぎにようやく手続きが終わった。売店に行き夕食のおにぎりとジュースを買い込んで5時の乗船開始を待つ。


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5時ちょっと前に館内アナウンスがあり、乗船客は車のところに行くように言われたのでバイクに向かった。周りのバイクは50台くらいに増えていてくる時と同じくらいの数になっていた。バイクがたくさん集まっている風景というのは独特の雰囲気があり少しコーフンする。

やがてあまり待たされることなく乗船の合図があり、指示に従って一台ずつ乗船して行く。

 

フェリーにバイクを止めてすぐに客室に向かうとまだガラガラだったので、他の客が来る前にと風呂に向かった。このフェリーは大浴場があるのがいい。風呂に入ったらもう既に先客が数人いたので意外だった。フェリーに乗り慣れた人たちはみんなこうするのだろうか、とにかくまず汗を流して体を温めて後はのんびりする、というのが正しいやり方らしい。

風呂から出たら当然サッポロクラッシックを飲む。

飲み終えたらバイクに忘れ物をしてきたことに気づいて戻ったらまだ乗用車の乗船をしていた。

6時過ぎにおにぎりを食べて夕食終了。そのままうたた寝して8時過ぎに起きて売店に行き日本酒とカップうどんを買って部屋で酒飲んで9時頃には寝てしまった。

船が走り出したことも気づかなかった。疲れていたのかな。

明日の朝目が覚めたらもう太平洋上を航行しているだろう。北海道は晴れるとそこそこ暑かったけれど関東に帰ったら熱波地獄が待ち受けているのかと思うと、果たして大洗の港から横浜まで熱中症にならずに無事帰れるのであろうか?と心配になった。

 

この日に使ったお金

二風谷資料館入館料  700円

飲み物        180円

ホッキカレー&メンチ 1380円

おにぎり&飲み物   500円くらい

缶ビール       340円

カップ酒・ツマミ   840円

 

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2024年12月31日 (火)

北海道ツーリングに初めて行った!その13 帯広〜静内

7月7日日曜日、今日は七夕だ。

七夕だというのに北海道の帯広市内は朝から雨だった。

今日は雨の予報だったのでどこを走るか決めていない。天気予報を見て少しでも天野少なそうな場所を選びながら走るコースと目的地を決めるという作戦だ。

 

早朝四時に起きてコーヒーを飲みながら一人で作戦を練る。

雨雲レーダーなどをみると襟裳岬方面が昼過ぎには雨が上がりそうな気配なので、帯広から南下して襟裳岬を右に回り込み適当な街で宿泊しようと宿を探すと、静内の街に比較的安いホテルが空いていたのでここを予約する。

スマホで予約できるので便利な時代になったものだ。

 

午前8時過ぎにホテルを出た時には雨は降っていなかったのだけれど、帯広市街を抜けるあたりから降り始めた。もはや多少の雨くらいではびくともしないくらい雨には慣れていたものの路面が滑るのでバイク旅での雨は要注意なのであります。

 

帯広市内を南下し抜けると田園風景が広がる。雨の畑の風景も良い。スマホのナビは高速道路に入るように指示するが無視して一般道を走った。

途中道の駅でトイレ休憩しながら広尾まで走ると海が現れた。太平洋との再会になんだか感動した。広尾から海沿いの道に出ると道の駅もなく、右手は崖、左手は海、人も住む場所がないような風景が続く。海にはサーファーが何人かいてサーフィンを楽しんでいた。

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しばらく行くと長いトンネルをいくつか通った。トンネルの中はヒンヤリとしていて気温が17度まで下がりバイクのカウル、ヘルメット、バックミラーが全て結露して視界がなくなり焦る。まずはヘルメットを手で拭い、次にバックミラーを拭いた。時折対向車が現れるくらいの車の量ではあったものの路面状況も気になり緊張して走った。トンネルを出ると気温は23度あり、温まったヘルメット、バイクで再びトンネルに入ると結露する、というのを繰り返しストレスがマックスになる。

これらのトンネルを全て抜け切ったあたりの左手の海岸に出っ張った展望台と駐車場があったのでバイクを停めて写真を撮った。

襟裳岬方面から走ってきて駐車場に入ってきたライダーがいたので、この先の道の状況などを聞いて情報交換した。襟裳岬はガスっていて何も見えない、と彼は言っていた。いつの間にか雨は上がっていた。

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そこから30分ほど走ると「襟裳岬」の看板があったので左に曲がると狭い私道のような道になり車が来たらすれ違うのがやっとくらいになり焦ったが、幸い車は走って来ず、どんどん寂しい風景になっていくではないか。道を間違えたかしら、確か45年前に来た襟裳岬は大きな駐車場があってレストランもあったはず、と不安になってきたがそのまま進むと岬の先端の一軒家が佇んでいるだけの場所に出て、そこに車が2台停めるのがやっとくらいの駐車場がありバイクが一台停まっていた。

その横にバイクを停めて、閃光のバイクの人と一緒に歩き岬の先の方に進んでいくと、ガスがかかって50メートル先も見えないくらいだった。昔襟裳岬に僕がきた時はこんなところじゃなかった、などと話しながら進んでいくと岩でゴツゴツの岬の突端が見えた。

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その他には何も無い。仕方ないので写真を撮っていただきバイクに戻った。

走ってきた小道を戻り大きな道に出て左に曲がり岬を回り込む方向に進むと間もなく見覚えのある大きな駐車場が現れて車やバイクがたくさん停まっている、ああ、やっぱりここだ、昔と同じだ、と少しホッとして駐車場に入りバイクを停めてここから見下ろす岬の先端に向かって歩いた。

吉田拓郎、遠藤実の二つの「襟裳岬」の曲の歌碑が建っていた。

確か吉田拓郎が「襟裳の春は何も無い春です〜」という歌ったら当時の襟裳の人たちが「何もなくない!」と怒ったという話があったよなあ、と思い出しながら、そんな地元に反感を買った歌もヒットすれば歌碑になっちゃうんだね、とニヤニヤしながら歩いた。

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岬の先まで行くと灯台があ流のだがそこから先は柵がありその下はガスで何も見えなかったので、先ほど間違って行ったのがラッキーだと思えた。

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写真を何枚か鳥駐車場に戻る。時計を見るとまだ11時だったのでお昼には早いしお腹も空いていない、襟裳岬を回ったあたりに美味しいラーメン屋さんがあるよ、と昨夜北の屋台で話をした人から情報を来ていたので、一応そこでお昼にしようかと思っていたのだが早すぎたので、ラーメンは諦めて先に進むことにした。

 

雨は上がり路面も乾いて走りやすくなっている。浦河まで走ったら道の横に広い駐車スペースがあったので、ここにバイクを停めてしばらく休んだ海からの波音が心地よく気持ち良い。ホテルの朝ごはんに出たおにぎりを一つ持ってきていたのを思い出しそれを食べて昼食にしてしまった。

ここまでもう10日近く北海道を走って色々な場所を訪れているけれど、僕の旅にはグルメというのが無いなあ、と思う。普通はその土地の美味しいものを食べるのも旅の楽しみの一つと考えるし、僕自身もそれを否定するわけでは無いのだけれど、うまいもの探しがどうも煩わしい性格のようで、苦労せずに出会えれば食べる、という怠け者なのだ。

 

再び静内に向かい海岸線の道路を西北に走る。途中山から海に雲が流れ込んでいる場所があり写真は撮れなかったが感動的だった。

どんどん走っていくと静内に早く着きすぎてしまうことに気がついたので、途中の街にカフェを見つけて入りエスプレッソを飲んで休憩した。

 

そこから静内までは30分くらいで着いた。ガソリンを入れておこうとスタンドを探すのだが、道の左右にあるスタンドがどこも日曜日は休みらしく、静内の街を抜けそうなくらい先まで走ったところでようやく営業しているガソリンスタンドを見つけて入る。

セルフのスタンドで機械に五千円札を入れたら機械に詰まってしまい反応しない。困っていると店員さんが出てきて五千円札を取り出してくれたので、今度はシワのないきれいな一万円札を入れたら無事給油できた。

 

ガスを入れてホッとしてホテルに向かう。街道から少し入ったところにそのホテルはあった。

古臭いそのホテルは三階建てでエレベーターも無く、自販機のビールは450円もするし廊下はタバコのヤニ臭かったが、僕の部屋は禁煙ルームでヤニの匂いはしなかったものの少しカビ臭かったが、まあ安いから仕方ない。

時間はまだ3時半過ぎだったが4時から風呂に入れるというので部屋で少し休んでから風呂に入り疲れをとった。誰も他の客はおらずのびのびと気持ちよく風呂に浸かって雨で冷えた体を温めた。体重を測ったらこの旅に出る前より2キロ減っているではないか。いかに貧しい食べ物しか食べていないかを証明しているような体重がおかしかった。

 

着替えて身軽な格好になったところでホテルの近くのコンビニまでバイクで行き、夕食と酒を買って帰り飲んだら満腹になり寝てしまった。

7時頃に目が覚めて外の店で飲んでみたくなり、いい店はないかなと街をぶらついた。

狭い街だがいくつかスナックを探したのだが焼き鳥屋、焼肉屋さんくらいでスナックはあったものの日曜日で休みのところが多くなかなか良さそうな店に当たらない。

大通りを渡りその先にスープカレー&バーと書かれた店があったので入りカウンターに座り人を注文した。

隣の席にパソコンを見ながら酒を飲んでいるカップルがいた。カウンターの隅には競走馬の競売カタログが何冊かあり、そこには明日から競売が始まると書いてあった。

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出てきたジンを飲みながらカタログを手に取りパラパラめくってみると二千万円くらいから一億円以上するものもいるようで、僕には縁のない世界だなあ、こういう世界もあるんだあ、と初めて知る世界に感心してしまった。

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しばらくしてカウンターの中のお兄さんが話しかけてきたのでツーリング中だと話す。お兄さんは沖縄の出身で釣りもするということで話が合い盛り上がる。彼はここの街では狩猟の免許も持っていて鹿を撃つと言うのだが、夜は猟が禁止されていて昼間人のいる時間に銃を打てるような場所に鹿が出てくることは稀なのでなかなか撃てないと話した。

そんな話をしていたらカレーの香りがしてきて急に小腹が空いたので鹿肉のスープカレーを注文して食べた。

スープカレーのスープはなんだか自分でもカレー粉を使って作れそうな味だったが、具の野菜や鹿の肉は美味かった。お兄さんは横浜にもいたことがあると言うので、クラフトビールの話をしたら興味を示していた。

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そんな話をしていると8時になり、この日行われた東京都知事選の開票速報がテレビに映し出され、緑のおばさんの再選を告げたので旅で盛り上がりかけていた気分が現実位引き戻されてちょっとガッカリする。

8時半に店を出た、お兄さんに「また来てください」と言われるのを聞きながら外に出てホテルに戻り9時過ぎには寝てしまった。

 

この日に使ったお金

エスプレッソ     440円

ガソリン8.5L      1582円 

宿代         7400円

コンビニ       1000円

スープカレー・ジン 3600円

 

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2024年12月30日 (月)

北海道ツーリングに初めて行った!その12 帯広⇄美瑛・富良野

北海道バイクツーリング9日目、朝四時に目が覚めたら昨日の酒が残っていて軽い頭痛がしたけれど、コーヒーを飲んだらスッキリ治った。

今日は美瑛と富良野に行こうと思い天気予報を見ると富良野は一日中雨の予報だったが美瑛は午前中いっぱい天気は持ちそうなのでまずは美瑛に向かうことにした。

朝食は昨日と同じ系列のホテルだったのでここもおにぎりが出たので、おにぎりを四つ頂いて朝食に三つ、おやつか又はお昼用に一つに分ける。

7時過ぎに駐車場で雨具を着ていたら隣のバイクの人も出てきて、雨の中のライディングは嫌ですねえ、的な話をしてから出発する。

美瑛に向かって走り始めるとすぐに霧雨が降り始めてガッカリする。さらに間も無く本降りになって来て早くもびしょ濡れになる。スマホのナビが高速道路に誘導したのでどうしようか一瞬迷ったが雨の中は早く通過してしまいたかったので高速道路に乗った。

 

高速道路を走るのはつまらない、景色を楽しむ余裕もないし道路は北海道も本州も似たようなものなのでただ移動するだけのライディングになってしまうからだ。目指す高速の出口はトマム、ここまでの距離が意外とあった。北海道の距離感はいつもこんなで大体思ったよりも遠い。

トマムでで降りるとさらに雨は土砂降りになってきてすでに腕に雨水がしみ込んで冷たくなってきた。すこし走ったら「道の駅南ふらの」があったのでためらわずに入り雨宿りした。まだ時間は8時半頃だったので他に人も車もいない。当然店も建物もまだ開いていない。一人で雨の道の駅で途方にくれたような雰囲気で休憩した。

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少し休んだら気分転換になったので再び雨の中を出発し、堂々から離れて農道を走る。農園風景は雨の中でも美しかった。

富良野から美瑛まで、僕の頭の中では隣町くらいのイメージだったのだがいざ走ってみるとかなり離れていて、一時間くらい農園風景の中を走ってようやく美瑛町に入ると雨が上がった。天気予報通りだ。

美瑛の丘陵に広がる農園風景は美しいので有名だ。僕も30年くらい前にその風景の撮影に訪れて感動したことを覚えている。その時は景色のいい場所に案内してくれるコーディネーターがいたのだけれど、今回は自力でビューポイントを探さなければならないので、とりあえずは有名な「マイルドセブンの木」よいう場所を目指した。

街を抜けて農園地帯に入ると他の車も同じ方向に走ってゆくので、おそらくこの車もマイルドセブンを目指しているのだろうと思いながら後ろについて走るとその通りだった。道端には所々に「マイルドセブンの木➡︎」のような案内板が立っていて人気の高さを感じたと同時に昔はこんなの無かったぞ!などと思いながら走った。

遠くの丘にはパッチワークのような風景が見えて美しい。

いくつかの角を曲がりいい景色の場所があったのでバイクを停めて写真を撮りながらマイルドセブンにたどり着いたのだが、到着してビックリ!

 

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丘の上に10数本の白樺が並ぶ場所が「マイルドセブンの木」なのだがすぐ近くに大きな駐車場があり大型の観光バスが何台も停まっており大勢の人がうじゃうじゃいてその周りを歩いている。道路には交通整理のおじさんが数人いて車と人の流れをさばいているではないか。それを見ただけで嫌になりここまで来て人だかりを見ても仕方ないので駐車場を通り過ぎた先の交差点を曲がり「マイルドセブンの木」の横を歩行者に気をつけながら通り抜けてその先の人にいない畑のそばにバイクを停めて風景を楽しみながら写真を撮った。

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今でこそ美しい風景が観光地化して賑やかだが、丘陵地帯の斜面の原野を開墾してこのような畑にするまでの苦労に思いをはせると胸が熱くなった。

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バイクで移動しながら何箇所か気に入った場所で写真を撮り、最後に「ケンとメリーの木」という場所に向かう。ここもどうせ混雑しているだろうと思っていたけれど、昔撮影に来た場所なので行くだけで良いのでそこに向かう。

着いてみると案の定人だらけだったので駐車場から気を見て再訪のご挨拶をして富良野に向かうことにした途端に小雨が降って来た。

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農道から道道に入り富良野に向かう。30分くらい走ったところに「ごまそば」の看板があったのでその店に入り休憩を兼ねて昼食をとった。

天ぷらと大根おろしの乗ったそばに汁をかけて食べると美味しい。ごまそばはこの辺りの名物で確か35年毎に来た時にも、初めて北海道に来た45年前にも食べている。30分くらい店内で休んでから再び雨の中を富良野に向かって走り始めると峠を越えたあたりで雨が小降りになって来て、富良野の街に入ると雨が上がったので、ラベンダー畑に立ち寄ることにして道道から離れてラベンダーロードと地図に書かれた道を目指したら道の両側にラベンダーが植えてある場所に出たのでしばらく走る。

ところが緩い上り坂を登って降りたらラベンダーがなくなってしまい、何か物足りない。もっと咲き誇っている場所があるはず、と来た道を引き返していくと丘を戻った途中に「日の出公園」という看板があったのでそこを曲がり少し行ったら、丘全体がラベンダーで覆われた花畑が見えて来た。

ああ、ここだあ、と丘の上の駐車場まで行くと富良野の街を見下ろす丘の上に展望台があり、斜面には一面ラベンダーが咲き誇り紫色になっているではないか。これぞ僕のイメージ通りのラベンダー畑、というところにたどり着けて嬉しい上に運良く雨も上がっている。

ラベンダー畑の中には小道があり畑のすぐ横で写真を撮れるようになっていたので、良さそうな場所で何枚か写真を撮った。観光客はここも多く外国人も多かった。中国語を話す人が多く中には畑の中に入って写真を撮る人もいてこういうところのマナー感覚が中国的だなあと感じた。畑に入り込めばいい写真が撮れるのはわかっていてもやらないのが日本的な感覚なのだが、やったもん勝ち的なところが中国的だと思うのだ。

バイクに戻り丘を下り始めるといい場所があったのでラベンダー畑を背景にバイクの写真を撮ってここを離れた。

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あとは帯広に戻るだけなのだが道道の広い道をただ走るだけではつまらないので、農道を選んだナビに従いかり狩勝峠方面に向かうと、前を走る軽のワンボックスに日本中の観光地のステッカーを貼ってあった。おそらくこの車で全国をのんびり旅しているのだろう。なんだかこういう車に出くわすのも北海道らしいな、と思った。農道をゆっくり走るその車はしばらく同じ道を走っていたが、僕に道を譲ってくれたので先に峠道に向かって走った。

 

一つ峠を超えて朝立ち寄った「道の駅南ふらの」にまた入り休憩していると再び雨が降り始めたが、ここから少し走ってトマム IC入口付近を通る頃には雨が上がってホッとする。

帰りは高速に乗らずに狩勝峠を目指した。こちらの道の方が風景が楽しめて高速より良い。峠の頂上にある大きな駐車場に着くとバイクを降りて十勝平野を一望できる展望を楽しみ写真を撮った。

ここから帯広市内まであと40キロくらいまだある。北海道は広いなぁ。40キロといったら横浜の我が家から箱根くらいの距離だ。

メーターを見たらいつの間にか総走行距離は2000キロを超えていた。

 

峠を下りて新得から帯広への広い道を気持ちよく走流とようやく帯広市内に入りガソリンを入れた。10L以上入った。今日一日良く走ったなと思った。

 

3時半過ぎにホテルに戻ると雨は上がっていてラッキーだった。

部屋に入りシャワーを浴びて朝のおにぎりをつまみにビールを飲んでから少し昼寝をして疲れをとった。

 

夕方6時過ぎにまた昨日と同じ北の屋台へ行き同じ店に向かったが、今日はもう予約で一杯と言われ他の相手いる店にもぐりこんだ。その店では地元の美味しい焼酎があり楽しめたし料理も美味い。隣の席に座っていた兄ちゃんが自転車乗りだというので、自転車の話で盛り上がる。僕も今から20年近く前にロードレーサーを持っていてよく乗り回したので、自転車の楽しみはわかっていた。

この店オリジナルの白菜、セロリ、ピーマンの入った餃子が美味しく、それにつられて白ワインも飲んで満腹になる手前で店を出てホテルに戻り字すぎに寝てしまった。あとで調べたらなんだかんだ320キロもこの日は走った。横浜から名古屋の距離にほぼ等しい。雨の中の320キロは疲れた。

 

この日に使ったお金

高速代     800円

飲み物     300円

ごまそば        1300円

ガソリン    2000円ちょい

夕食(飲み代  4630円

 

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