バイクを代えてからというもの乗り回すのが楽しくて仕方ない。というのに今年の春のお天気ときたら雨ばかり。晴れの日の予報を狙ってはバイクで出かけている。
先週は三日間のロンツーだったが今週は日帰りソロツーであります。
行き先は横浜から中央道を下り勝沼で降りて葡萄畑を見ながら秩父に抜ける雁坂トンネルを通って奥秩父に抜け、三峯神社にお参りして横浜に戻ろうというルート。多分300キロくらいの行程になるだろう。
朝6時半頃横浜の家を出る。
横浜新道に下川井インターから乗ってそのまま東名の上を通り越して国道16号線を橋本まで走る。
やや渋滞もあったが概ねスムーズに走れた。
ここから八王子方面に行かず16号線を離れて相模湖方面に進み圏央道の相模原インターを目指した。
この道は新しい広い道なので快適、相模原インターで圏央道に乗るとあとはスイスイと走る。
クルコンが大活躍して楽をさせてくれる。
八王子ジャンクションを中央道甲府方面に曲がりカーブの連続する高速の登り道を快適に走った。
周囲の山の新緑が美しく気分良い。
長〜い笹子トンネルを抜けると甲府盆地が眼下に広がる。トンネルを出て最初のインター勝沼で降りた。
45年前、僕が学生時代は中央道はここまでしかできておらず、白馬や霧ヶ峰方面へスキーに行くときはいつもこの先は国道18号線を炎炎と走ったものだ。
今回は国道18号を進むのではなくすぐに勝沼のぶどう園が山の斜面に広がるぶどうの丘を目指した。
国道から曲がって少し丘陵地帯をいけば道路の左右にぶどう園が続く。
少し走ると展望がひらけた場所があったのでバイクを停めて写真を撮った。
緑が眩しく空気もうまい。
さらにぶどう園の中を走ってぶどうの丘に行く。
ここはひときわ小高い丘の上にレストランやぶどう園、展望台などのある施設だ。
到着は9時前と早かったし季節的にぶどうが取れる時期でもないせいか誰もいない。
駐車場の一番奥まで進むと丘の上の端っこに鐘がありここからの展望が素晴らしいのでバイクを停めて休憩し風景を楽しむ。
ここから見る丘は一面ぶどう畑でまるでヨーロッパの田園に来たみたい。
昔仕事で訪れたドイツの田舎を思い出し懐かしかった。うまいワインを飲みたくなるが平日の朝っぱらから飲酒運転するわけにも行かずコンビニで買って来たお茶で文字通りお茶を濁す。
一休みしてからは丘を下り秩父へと抜ける雁坂トンネルに向かった。
このトンネルは30年くらい前に秩父で仕事をした頃に工事をしていたトンネルで雁坂峠という峠の下を貫く長いトンネルで何年か前にできたらしい。
この完成により秩父と甲府は一本の道で繋がりとても近くなっただろう。
今回のツーリングもそれを実感したいがためのツーリングのようなものだった。
トンネルを目指して走っていると突然目の前に大きな寺の山門が現れた。
武田信玄の菩提寺である恵林寺だった。
これはラッキーとバイクを山門前に停めさせていただき、ささっと写真を撮って失礼する。
140号線に入り少し走ったところで道の駅があったのでトイレ休憩がてら甲州土産のほうとうを購入。これでお土産はバッチリだ。
さらに140号線を笛吹川沿いに登って行くと広瀬ダムがありダム湖がチラチラと新緑の隙間から見える。
ダム湖の人工的な湖は嫌いなので写真も撮らずにどんどん進んだ。
湖の先で大きくカーブがあり登ったところから雁坂トンネルとなる。
入り口に料金所があり、当然ETCなどは無いのでボックスにオヂサンが立っていてお金を払う。
300円くらいかな、と思っていたら590円も取られたのでちょっとびっくり、普通車はもっと高いだろうから1000円近くするのか?
ちょっと高すぎない?と思いながらトンネルに入る。
トンネルの中は走っていても景色は見えないし閉塞感はあるし暗いし怖いしで面白くない。
直線のトンネルはとても長く工事は大変だったろうなあ、とか日本の土木技術はすごいなあとか思いながら走った。
何キロ走ったろう?ようやくトンネルを抜けると路肩が広くなっていて山のかなり高いところからその先にある真っ赤な橋などが見えてなかなか良いので、安全を確保しながらバイクを停めて写真を撮った。
お天気も良くここでも新緑が眩しい。生命感あふれる新緑に囲まれるのは気持ちがいい。
ここから先は降って行く道で、いくつかのトンネルと橋を通り過ぎたら見覚えのある場所に出た。
かつて仕事をした時によく来た山の風景で、新緑も紅葉もとても美しい場所だった。
当時はトンネルが繋がっておらず行き止まりだったため交通量もほとんどなく路肩に車を止めて撮影をすることができたが、今はとても危険なので走りながら緑を楽しんだ。
さらに下ると栃本という標識が出て来たのでそこを曲がり細い道に入る。
ちょっと走れば栃本の集落に出た。
ここは秩父側から見てかつての甲州に抜ける峠道の手前の最も山奥の集落で急斜面にへばりつくように家々が立っている。
斜面の畑ではこんにゃく芋などが作られていたようだが今はどうなのだろう。
集落に入ってすぐに見覚えのある家があったのでバイクを道端にとめて覗き込んだ。
かつてこの家は民宿をしており仕事で何日も世話になったことがあったのだ。
庭におばあちゃんがいたので挨拶し、かつての話をしたがおばあちゃんは僕のことまでは覚えていなかった。
斜面から張り出した庭から写真を撮らせていただきしばし世間話をする。
トンネルができて便利になりましたか?と聞いたらトンネル代が高いのであまり使わないようなことを言っていた。
ここからは秩父の街に出るのも甲府に行くのも同じくらい時間がかかるらしい、そうなると金のかからない秩父に出るらしいのだ。
交付側からの観光客はいくらか増えたというが集落をみると観光で潤っているという雰囲気はなく、むしろ昔よりもサビれている印象だった。
高齢化ということもあるのだろう、何人か見かけた人たちは皆老人ばかりでこの集落の将来を不安にさせた。
集落にはかつての関所や古い宿などが今でも残りなかなか見ごたえがあるのだが、新しくできたトンネルの本道はこの集落をバイパスして中津川の方に抜けてしまうので訪れる人も少ないのだろうなと思った。
集落を抜けてからは三峯山神社を目指す。
ここの神社は大変立派なもので埼玉の中でも有名な神社だ。
同時に神社に向かうワインディングロードはバイク乗りにとっては楽しい道になる。
小河内ダムのダムサイトを右折して山道に入るとその先は神社までの一本道で狭いところも多い。
この道に入った途端交通量が増してワインディングロードを楽しむほどの走りはできなかったが、ぐんぐんと標高を上げながら走って行くのは楽しい。
山頂近くにある神社の広い駐車場は有料で200円払い広々とした駐車場の中でバイクがまとまっているところを選んで止める。
10台ほどのバイクが止まっていた。
駐車場から神社までは20分くらいのプチハイキング。
天気が良いので歩くと汗が出る。鳥居を抜けて歩いて行くと大きな杉の木が沢山現れやがて木々に囲まれた山門が下に見えた。
一旦階段を下って立派な山門をみる。
彫り物が立派で素晴らしい。
そこを抜けて再び登るとヤマトタケルノミコトの像があり一応これを見てから本堂に向かった。
本堂に上がる階段の上には左右に立派な建造物があり目を奪われた。
お参りしてから写真を撮りまくる。本堂の他にも神楽堂やら何やら絵になる建造物が沢山ありひとしきりコーフンしながら写真を撮りまくった。
参拝を終えたら昼を過ぎていたのでどこかで美味しい蕎麦でも食べよう、とググってみたら良さげな店が秩父市内にあったのでそこを目指す。
ところが僕はここで誤った判断をしたようだ。
三峯神社から秩父市内までは30分くらいで行ける距離だろうと思って走り始めたのだが甘かった。
行けども行けども山道は終わることなくその道沿いには時折お蕎麦やさんもあったのだが決めたところを意地で目指したのが大間違い。
行けども行けども秩父の街には到達せず一時間くらい走ってようやく街中に入り、目指すお蕎麦やさんはさらに先の町外れときたもんだ。
街中のプチ渋滞を腹ペコでイラつきながら走り抜け、街道からちょっとだけ住宅街に入り込んだところにあるお目当てのお蕎麦やさんにようやく到着するも、駐車場はガラガラで一台も車が無い。
ひょっとして休み?あるいは人気ない不味いお店?
不安になりながらお店に入るとやっていた。上がり込んで食べるお店なので上がってざるそば大盛りを注文しまっていると、なんと直後から次々に客が訪れてすぐに満員となり、最後にきた客はもうお蕎麦が売り切れてしまったからと断られていた。
タイミングが良かった、ちょうど空いている時間に入れただけなのだ。
出てきたお蕎麦は本物の手打ちそばでそばの香りがよく美味しかった。
堪能した上に休憩も取れて一息つけるいい時間だった。
蕎麦屋を出たらあとは横浜まで帰るだけなのだったが道程をグーグルマップくんに聞いたら関越道を目指すのではなく299号線を飯能方面に抜けてさらに青梅に抜けるという道を示すではないか。
飯能までは元地元埼玉なので土地勘はあるがそこから青梅まで抜ける道は全く見当がつかないままグーグルくんのいうがままに走ると意外と早く青梅インターまで抜けることができた。
圏央道に乗ればあとは道なりに走って東名に入り綾瀬スマートインターで降りればお家まであとわずか。
夕方4時頃には帰宅できてホッとする。
何キロ走ったかは忘れてしまったがたぶん300キロくらいかな。
新緑も美しく、素晴らしい風景に美味しいお蕎麦、懐かしい地をいくつも訪れてなかなかの充実したツーリングとなったのでありました。
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