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カテゴリー「JAZZ・オーディオ」の記事

2018年3月27日 (火)

JAZZ AND BOSSA II @岩見淳三ギタートリオ

大学時代のジャズ研の先輩でギタリストの岩見淳三がギタートリオで新作CDを発売した。

タイトルはJAZZ AND BOSSA II

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数年前に出て好評だったJAZZ AND BOSSA というアルバムの第二弾ともいえこのアルバムの発売記念ライブというのを見に行き、ついでに早々とご本人から購入しサインまで貰う。

ライブではこのアルバムのメンバーにヴォーカルのSHIZUKAが入り楽しいものだったが、ここではニューアルバムのご紹介をしましょう。

と申しますのも、本アルバムの出来が実に素晴らしいと感じたからです。
岩見淳三のギターというのは実にオーソドックスなモダンジャズギタースタイルなので、ぱっと見新しいサウンドが散りばめているものとは対照的に渋いギターの世界であります。

言い方を悪く言えば地味、派手なテクニックも多用しないし音色もオーソドックス。
今回はさらに全ての曲をガットギターで演奏されているのでよりオーソドックスな印象を受けるのですが実はこれがよかった。

録音が素晴らしいところにも寄与されているのであろうけれど、音の一音一音の細かなニュアンスや彩りの変化の付け具合が実に忠実に再現されていて、演奏者の気持ちの入れようがその音にはっきりと聞き取れるのであります。

テクニックというのはこのように音に生かされて初めて結実するものだと思うと岩見のギターは素晴らしいテクニックを持っていると言えるでありましょう。

ベースの中村新太郎もよく実に歌心溢れた実にメロディアスなベースラインでサポートしているし、ドラムの山口新語のタイトで繊細な音づかいも良い。

最初に家でかけた時は質のいいBGMくらいの気持ちで聴いていたのだけれど、聴いているうちにだんだんゾクゾクしてきた。

選曲はスタンダード曲中心なので、ぼーっと聴いていいると聞き逃してしまう音がたくさんあって、すぐさま続けてかけ直すと何度聞いても新しい発見がある。

最近僕の買ったCDは一度聞いたら、「ああこんな感じね」と棚にしまってしまうことが多かったのだけれどこのCDは何度も聞いた。
聴けば聴くほどノシイカか貝ヒモかのように味が滲み出てくるのであります。

難しい曲を演奏してカッコイイという方向を目指すのもアリだけど、スタンダードをこれだけ弾きこなす方がシロート演奏者の僕あたりには勉強にもなりました。

伊勢秀一郎のトランペットが二曲入っているのもアルバムにアクセントをつけているし、伊勢トランペットがまたいい。

発売記念ライブに行った時(この時はトリオ演奏)もいいなあ、と思ったけれどもこうしてCDで何度も聴くとまた違った良さがわかって、ライブとレコード芸術は別なものだというものもつくづく認識されるのでありました。

録音がこれまた素晴らしいので今までオーディオにそこそこお金をかけておいてよかった、とも思える一枚なのであります。i- podしか持っていない方はジャズ喫茶(まだ残ってる)に持って行ってかけてもらってみてください。
ビックリしますよ。

こう書いていると、自分の先輩のCDだから宣伝しているのだろうと思われるかもしれませんが、そういう身内の宣伝は嫌いなので決してそんなことはございません。

機会があったら皆さんも是非聞いてみてください。

一つだけ注文があるとしたらジャケットですねえ。
裏のジャケットの写真を表に持ってきた方が雰囲気のあるアルバムになったような気がするなあ。     

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2017年1月30日 (月)

Longing@DAVID AZARIAN

先の投稿が「がっかりジャケットなのに中身は良かった」という話だったので、今回は「ジャケットかっこいい」アルバムの御紹介です。

LongingというアルバムでリーダーはDAVID AZARIAN(デヴィッド・アゼアリアン)というピアニストです。

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アルバムジャケットを見れば、昨日のタコボウズ(失礼)とは違って端正な顔立ちのモノクロ写真にシンプルな筆記体でのアルバム・タイトルと黄色で書かれたリーダー名のコントラストがオシャレじゃあないですか。

みるからに中の音楽もカッコ良さそう!期待してしまいます。

今回も名前をなんと読んでいいのかわからないのでどこの国の人だろうとジャケットを見回したら1983年アルメニア録音とある。

アルメニアってどこだ!?と地図を見ればカスピ海と黒海に挟まれた南北に柱のような地形の中にひしめく小国の一つで、東はアゼルバイジャン、南にイラン、西にトルコなどと複雑に国境を接するところに位置している。
独断的にいってしまうけれど、見るからに政情が不安てそうな地域でありました。

歴史をひもとけば1983年と言ったらアンドロポフが前年にソ連(まだあったんですね)の 書記長になり東欧から湧き上がる民主化の波を粛清によって引き締め、ソ連復活を目論んだ時期でありますから、そういう時代の中でこのような音楽がアルメニアで演奏されていて、しかも録音が残っているというのは驚きでもあります。

アルバムのノーツだけではあまりに情報が乏しいので早速、またまたググってみたところやはりこのヒト、デヴィッド・アエザリアンというアルメニア出身のピアニストらしい。
まあ、なに人でもいいや。中身の音楽の方を聴いてみよう!

アルバムを聴いたらまず気になったのが録音があまりよろしくないところ。
ピアノの音色は妙に軽く、ダイナミックレンジも狭い感じ。
楽器の音量バランス的にはピアノは引っ込んでしまいベースの音が前に出すぎてうるさい。さらにピアノもベースも調律がずれているように聴こえる。

こう書いたところでこのアルバムはダメアルバムなのかと思われるようですが、なんというか不思議な魅力があるんですよ。

この録音のバランスの悪さと演奏の中で時にピアノとベース、ドラムスがバラバラなことをしているように聴こえるのですが、そこからから生まれる浮遊感がなんとも心地よいという効果を生み出しているのです。

収録曲は四曲。うち二曲がスタンダードで二曲がアエザリアンのオリジナル曲。

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一曲目はオリジナル曲。
曲のテーマがピアノのシングルトーンにベースが絡んで進行していくのですが、メロは美しいのに不安定なコード進行のAメロからちょっぴり安心できるサビに入ってまた不安定なAメロに戻るちょっと変わった曲。この辺りが政情の不安定さに由来するのかどうかは別にして、妙に不安定な中でクラシカルなピアノのタッチが妙に物悲しく響き渡り、そこに少々うるさ目のベースが少し調子外れに入って混ざると妙な浮遊感が生まれて心地よく感じる。

要所にジャズ的リズムのキメを入れたり、ドラムはフォー・ビートになったり16ビートになったり変化して一体どこに行っちゃうんだろうと不安にもなるんですが、ちゃんとキメを入れるむことでを演奏全体が不安定なままにならない。
それでも何ともとりとめのない演奏であることには違いなく、ソロのメロディは決して粋でもカッコよくもなく情緒に流されるままに歌い上げているだけのような気すらするのでありますが、妙な魅力があり引きずりこまれてしまう。ヒトによってはいぶし銀のようなピアノと表現しているようでありますが・・・

このピアニストは右手の高音をキラキラさせるのが好きなようで、ソロの随所に見られるのですがこれをリチャード・クレーダーマン的と捉えるのか否かは聞き手の好みの問題かな?そういえば1982年と言ったらクレーダーマン全盛の頃じゃなかったっけ?

とにかくどの曲も素直に同じテンポで演奏し続けるということをせずに、どんどんリズムやテンポが変わっていくのだけれども、調性は整っているのでけしてフリージャズ的な響きはしていないんですよ。

二曲目のChild is Bornのテーマなどは情感たっぷりに歌いあげて美しいのだけれど、時に臭いフレーズと僕には感じてしまうものもあり、聴いている自分がこのピアノが好きなのか嫌いなのかなかなか判断できない不思議な気分に成ってくる。

曲の最後はHappy Birthdayのメロディで洒落たつもりで終わっているのだけれど、そこまでの演奏とのギャップにちょっと唐突な感じがする。

三曲目のオリジナルも一曲目に似てメロディが悲しい。
でもベースがうるさいのでその悲しさを思う存分味あわせてもらえないところにリズムの変化で次なる世界に変わっていってしまうので、つかみどころがないのであります。

四曲目のジャイアントステップスはミディアムテンポで始まり例によって叙情的ねっとりフレーズで組み上げられていき、途中から倍テンポになりコルトレーン・テンポになっていくのでありますが、ねっとりしたピアノのフレーズは変わらずジャイアントステップスという曲を演奏する時に良く行われる「渇いた疾走感」的解釈とは全く違っているところが面白い。


なんだか、サウンド全体は一聴するとクリアで渇いたヨーロピアン・ジャズのようであるのだけれど、聴きこむほどにウェットな感じを受けるという不思議なアルバムなのでありました。
何れにしても、ぼくには捉えどころのない印象が否めなく、何度も繰り返して聴けばその良さもわかるのかもしれないけれど、そういう気分にならないんですよねえ。
ジャケットはカッコイイけど中身的にはカッコ悪いジャケットのナイポンクのストレートな演奏の方がぼくは好きだなあ。

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2017年1月29日 (日)

Cookin' at the office @ NajPonk Trio

新春CDバーゲン・シリーズはさらに続き、今回はジャケ買いの話です。

ネットでCDバーゲンのページをスクロールしながら、何かいいのはないか?と物色していた時不意に現れたのがこのアルバム・ジャケット。

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タコボウズ(失礼)が薄気味悪い笑顔を浮かべているのが目に入った瞬間、戦慄が走りましたよ。その時頭の中で叫んだ言葉は「なぁ〜んじゃあ〜、こりゃあ!」

青い目の白人スキンヘッドに不敵な笑顔、着ているチェックのシャツ、全てがジャズ的ではない、いや、ぼくの中にあるジャズのイメージとは程遠い、むしろ対極にあるようなヴィジュアル。唯一ジャズらしいのは背景がバーの棚でずらりと酒瓶が並んでいるところくらいか。

本当にこれはジャズのCDなのだろうか?と一体どういう人のアルバムなのか?とミュージシャンの名前を見て次なる衝撃が走った!
Najponk trioと書かれている。Najponkってなんて発音するんだ?「ナジポンク」か?だとしたら吉本の一発ギャグのような人をおちょくった響きではあるけれど、国によってはそういうオトの名前もあるのだろう。しかしこの響きもジャズっぽくないなあ。

ということで、この非ジャズ的ジャケットを見ただけでその場はスルーし、さらに画面を下へとスクロールさせていったのでありましたが、あまりの強烈な印象が脳裏にこびりついて離れずたのアルバムをチェックすることに集中できない。

仕方ないので再度薄笑いスキンヘッドに戻り、ちょっとどういう人なのかググってみた。
すると、わたくしの受けた戦慄や衝撃は大いに的外れであったことを知る。

Najponkは「ナイポンク」という発音でチェコ人のピアニスト。2000年頃から活躍しており、スイングするピアノスタイルは人気があるらしくCDも沢山発売されているので、真面目なジャズファンの中ではすでに有名人なのであろう、ぼくの勉強不足であることが分かった。

そうなると、この薄気味悪いジャケットの中身が、ぼくの想像を裏切ってどれだけ素晴らしいのだろうか、という好奇心がぐんぐんと湧いてきてポチっちゃったのであります。

ジャケ買いといったら、本来は何かとてもジャズを感じさせる魅力的ジャケットに惹かれ、さらにミュージシャンや曲目など眺めて、その中身の演奏を自分なりに想像し期待して買うものなのでありましょうが、レコードからCDに変わってサイズが小さくなってしまって以来ジャケットの魅力も減少してしまった感もあり、ほとんどしてこなかったのだけれど、まさかこういう形でのジャケ買いをするとは思ってもみなかった。
いわば「逆ジャケ買い」というのか。初めての会見であります。


さて、数日後ワタシの手元にはタコボウズがあった。
実物のジャケットはPCのディスプレイの中ものよりもさらにその薄気味悪さが増し迫力があり目を背けたくなる。

ジャケットを裏返してCDを取り出してセットしCDプレーヤーのプレイボタンを押すと最初の音がスピーカーから飛び出してきた。

「いいじゃん!」
思わず立ち上がってしまいそうになった。

いいのである。モンクの曲 In Walked Budのテーマはまるで本当にヤク中でフラフラのバド・パウエルが「今日は調子いかんね!」とよたりながら歩いている感じがしてきて、一気にそのサウンドに引き込まれた。

スタイル的にはハード・バップ・スタイルのスウィングした演奏なのだが、なかなか気の利いたフレーズやキレの良さ、よどみないフレーズながらも嫌味がない。
「いいじゃないか!いいじゃないか!」と、曲が進むにつれどんどんその世界にのめり込んでいく。

ジャケットから受けたネガティブな印象の反動もあってかスィングしたオーソドクスなスタイルの演奏が輝いて見える、いや聴こえる!

十曲目まで一気に聴き倒して唸らされた。
これは、愛聴盤になってしまうかも。どうしよう!

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少し冷静になってアルバムの中身のことも書いておきましょう。
演奏は2015年2月チェコのLittle Glensというお店でのライブ録音。
演奏曲十曲は一曲彼のオリジナルを除いてすべてスタンダード曲ばかり。
演奏だけでなく選曲もなかなかイカしておりますぞ。

おあとは直接聴いてののお楽しみ!ということで。


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2016年7月20日 (水)

コルトレーン ペンシルバニア州立大 ライブ

もう数日過ぎてしまったけれど7月17日はテナー・サックス奏者コルトレーンの命日だった。今年は49回目の命日。来年はちょうど50回忌になる。

亡くなってもう50年というのだから半世紀も前の人なのに、音楽的には、というよりジャズのサックス的には未だにこの人の影響がとても大きくて、数年前に若くして亡くなってしまったやはりサックスの名手だったマイケル・ブレッカーなどを始め現在の一線のサックス奏者のスタイルにまだまだ色濃く影響を与えているところがすごい。

私自身もサックスを吹来始めたのはコルトレーンを聴いて吹きたくなったのが18歳の時。そして数年前にはやはりコルトレーンに憧れてず〜っと欲しかったソプラノサックスも手に入れて吹き始めたと言うこともあり、この方への思い入れは人一倍強いのだ。

そんなコルトレーンの未発表ライブ録音がアナログ盤で発売されるというのをこの4月に聞いて早速予約したのが一周間前に突然送られてきたのを放置してあったので、49回忌に当たる7月17日に聴いてみた。

せっかくなので、暑いけれど窓を閉めてデカイ音で着ちゃおうと気合を入れてオーディオ装置に電気を入れてさあてと箱を開けてみた。

すると、箱を開けてびっくり! なんとこのレコード、ジャケットがない!
厚手のビニールにシールが貼ってあって、その中にむき出しのレコードが入っているだけ。
さらに、レコードの真ん中のところのラベルもない。
さらに、さらに、レコード盤が白地に赤を放射線状に吹きつけたような昔のピクチャー・レコードというようなやつ。通常はミュージシャンの写真をプリントしたりするのだが色だけ、というシロモノ。

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なんだかブートレグ(海賊盤)の雰囲気がプンプンするのだが、唯一の情報源であるビニールに貼られたシールに書かれた内容を見ると

JHON COLTRANE QUARTET 
Live at the Pennsylvania state University,January 19th 1963

SIDE A  1.BYE BYE BLACKBIRD
SIDEB   1.EVERY TIME WE SAY GOODBYE
             2.MR.P.C
             3.MY FAVORITE THINGS

YOUR COPY 151/300. MADE IN THE EU.     SUITABLE 1347

と書かれている。

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コピー・ナンバーが300枚中の151番目らしい。
ちょうど真ん中を折り返したところの一枚。なんだかどうでもいいことなんだけれど嬉しくなる。

真ん中のラベルのところまでレコードの溝が刻まれているということは録音時間も長いということなので、片面20分強というLPレコードの収録時間からすると30分くらいは入っているのか?


いったいどんな音が出てくるのだろうか?と早速ターンテーブルに乗せてかけてみた。
録音は高音が潰れた帯域の狭いものであまり良くないが、楽器の音はよく捉えられていて本家インパルス・レコードの録音よりもベースの音などはっきり、しっかり聞こえる。

さて肝心の演奏の方なのだけれど、一曲目がBye Bye Blackbirdというのにちょっと驚いた。
と言うのは、この曲、1957年のマイルス盤「Round Midnight」でコルトレーンが演奏していた曲なのだけれども、コルトレーンが自分のクゥアルテットで演奏したものを聴くのは初めてだったからであります。


というよりも、1963年のコルトレーンというと、他のライブ資料など見ても自分のオリジナル曲のモードものを中心に演奏していて、これに時折バラード曲のスタンダードが入るくらいで、ミディアムテンポのスタンダードをこの時期に演奏しているのは珍しい。しかも、片面およそ30分の長時間演奏!

いったいどういうアドリブを取るのだろうか、まさかマイルスの時みたいなソロは取らないよなあ、取るわけないと期待満々で聴いていくと、やはり神様コルトレーン。

すごいソロを展開していく。
通常のコード進行の中に独自の代理コード進行をちりばめながらそれもものすごいテクニックで音を紡いでゆくのは圧巻。

この年のコルトレーン作品は「バラッド」「ジョニー・ハートマンとコルトレーン」などバラッドものが多く、一般的にはコルトレーン不調の年みたいな言われ方を昔は言われていたけれど、そんなことない。

B面の三曲もアトランティック時代の曲ですが、こちらは他でもなんどもライブ演奏などされているお馴染みの曲。
これらの曲もすごい演奏なのだけれど、曲の途中でフェード・アウトしてしまっているところが残念。

多分一曲全部入れると表裏で二曲のレコードになっちゃう、というような都合でもあったのでしょう。コルトレーンのソロ部分は堪能できるものの記録的にはちゃんと全部入れて残していただきたかったなあ。

二枚組になっちゃてもいいから。

というレコードなのですが、これらのサウンドはアトランティック時代に複雑にコードを展開していき開花したコルトレーン・サウンドをさらに進化させているのが良くわかる。

後付けだから言えることなのだけれど、この後のコルトレーンがコード進行に束縛されないスタイルの音楽、モードやフリーに進んで行く一過程であるのが良くわかる貴重な演奏です。

もちろん、そういう理屈を飛び越えて聴いていて聴きごたえのある感動的な演奏なので、久しぶりにじっくり聴くコルトレーンに昔の感動も蘇り、自分のジャズの礎はここにあるんだなあと再確認。

加えて、今自分の演奏しているジャズも、技術的には到底かなわないけれど、せめて雰囲気だけでもこういうサウンドを目指したいものだとあらためて思うのでありました。

来年の50周年までに、少しはコルトレーンに近づくことができるのだろうか。

 

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2016年3月 6日 (日)

やっぱりレコードはいい!

正直に白状すると、オーディオシステムと呼べるようなものを持っているにもかかわらず、最近音楽を聴くのはもっぱらYou-Tubeで演奏するための参考用として聞くことが多く、真面目にスピーカに向き合って音楽を聴くということを怠っておりました。

昨日のセッションで、「次回にやろうね」と渡された楽譜の中にコルトレーンのViolets for your furs とクリフォード・ブラウンのSanduという曲があった。

どちらの曲も今から40年以上前にジャズを聴き始めた頃に手にれたレコードで擦り切れるほど何度も聴いた曲なのではりますが、楽譜を見て細かいところを随分忘れているのに気付きチョロっとYou-Tubeで聴いてみた。

ああ、そうだ、ここはこんな感じだ、などとわかった気分になりながらも、なんだか昔体に染み込むほど聞いた時の印象と違う違和感を感じたので、久しぶりにレコードを取り出してちゃんと聴いてみることにした。

折しも家人はおらず、日曜の昼下がりなのでご近所さんにも比較的気兼ねなく大きい音で聴けるのではないか、という身勝手な判断で久しぶりに一丁聴いちゃうぞ、とレコードを取り出して、アンプのボリュームは少々大きめでかけてみた。

まずはコルトレーンのViolets for your furs,
この曲はコルトレーンのごく初期の確かリーダーとしては二作目くらいのアルバム。

まあ、そんなことはどうでもよくて、いったいどういう演奏をしているのか、久しぶりに聴くと自分の耳も変わっているので聴こえ方も変わろうと聴いてみた。

針を落として小さなノイズの中から出てきたコルトレーンのサックスの音は先ほどのPCで聴いたのとは大違い。

当たり前の話なのだけれど、PCで聴いていた音は本来の演奏の上面のほんの一部だけ、上澄みをサラッと聞いていただけということがよくわかり感心したり反省したり。

オーディオ・ファンでない人は別に音が聴ければそんなに音質にこだわる必要なんてないじゃん、てよく言いますけれども、確かに音楽を軽く聴いて楽しむだけならPCでもi-Podでもいいと思うんですよ、私だって。

でもね、私の場合昨年あたりからジャズは聴くものから同時に演るものにもなっているので、演奏家が演奏現場でいったい何をしているのかというのは非常に大切な要素になってくるんです。

レコードをそれなりのオーディオ装置で聴いてみると、例えばコルトレーンのサックスの音ならば、楽器の音の強弱の細かなニュアンスが聴こえるのはもとより、息を吹き込む時の音の出る前の音や細かなマウスピースへの唇の圧力の掛け方なども感じられるので、これは自分が演奏する際に大変役に立つんですね。

楽器をやらないオーディオ・ファンはこれを臨場感ということで楽しむのでしょう。

ともかくも、久しぶりに真面目に聴いてみてレコードの音の良さと情報の多さに感激!同時に自分が演奏する時のいろいろなヒントをつかむことができて、音に感情を詰め込むために具体的にどういうテクニックを使えばいいのかということまでレコードが教えてくれた気がしたのであります。

CDではどうなのか?
という質問が飛んできそうですが、本アルバムのCDは持ち合わせないのなんともいえ何のですが、CDは日頃聴いていてこのように感じることはあまりないですねえ。

実は先月マイルス・デイビスのBlue in Greenをコピーするのに何十回もKind of Blueをきいたのですが、マイルスの細かな音の出し方への気配りまではよく聴き取れましたがマウスピースへの唇の圧みたいなものまでは感じられなかった気がした。

と、ここまで書いてKind of Blueもレコードで聞かなくては片手落ちだなと、早速取り出して聴いてみた。

やはり、印象が全く違うじゃありませんか!

何が違うんだろう?

レコードではスタジオの空気が見えるというか感じることができる、録音の仕方が前出のコルトレーンのルディ・ヴァンゲルダーとこのマイルスのコロンビアスタジオでは全くコンセプトも違うので比較はできないのだけど、レコードの方が確実に微妙なニュアンスまで聴き取ることができるのは間違いないようです。

もちろん、先ほども申し上げたとおり、曲だけ聴いて楽しむだけならどうでもいい話なのではありますが。

こういうことなどから想像するに、かつて1980年代の中頃まで、レコードを買うお金のないジャズミュージシャンはジャズ喫茶に行っては新譜レコードをリクエストしては聴き入ったという話を思い出すと、当時のジャズ喫茶のオーディオ・システムから出ていた音はとても良かったので、目に見えない細かな音からいろいろな演奏の技を盗むようなことをミュージシャンは必死になってやっていたのではないかと思うのであります。

今では有名ミュージシャンの演奏する姿が簡単に見ることができるので、何をやっているのか簡単に見えてしまい、特にドラムスなどはかつてはどうやったらこういう音が出るんだろう?と四苦八苦して悩んでいたことが白日の下にさらされてしまっているので、「なあんだこんな風にやったんだ」という話がたくさんあるようです。

しかしながら、サックスの唇の加え方や細かい力の入れ具合などは残念ながら、そういう技術の解説映像以外ではなかなか見る事ができないので、あらためて今、レコードの貴重さとその音の良さに目覚めさせられた思いがいたします。

同時に、音楽は数をたくさん聴くことも大事だけれど、一つ一つからどれだけ聴き取って自分のものにしていくのか、ということはもっと大切なことのような気がしてきたので、これからは自分のやりたい音楽に関してはもう一度レコードでじっくり聴いて、当時のミュージシャンの思いやテクニックを少しでも感じ取っていこうと思うのでありました。

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2015年3月15日 (日)

SPIRITUAL NATURE/Masahiko Togashi

イースト・ウインド・シリーズ第四弾はあの名作、冨樫雅彦のスピリチュアル・ネイチャーです。っていっても、なにそれ?聞いたことない。とおっしゃる方が多いんだろうなあ。

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SPIRITUAL NATURE
MASAHIKO TOGASHI

The BEGINNING
MOVING
ON THE FOOTPATH
SPIRITUAL NATURE
EPIROGUE

このアルバムは1975年4月厚生年金会館でのライブ録音と、エピローグのみそのあとスタジオで追加録音され構成されております。

メンバーがすごい!冨樫雅彦さんにあのナベサダこと渡辺貞夫さん、鈴木重夫さんのフルートにソプラノ、ピアノの佐藤雅彦、フリー界のベースで最高にカッコよかった翠川敬基さんに、やはり当時注目のベーシスト池田芳夫さん、タイコの豊住芳三郎さんのパーカッションのほか、中川昌三さん、中山正治さん、田中昇さんなどなど。

なんでみんな「さん」付けで書いているかというと、およそ30年前にワタクシがH大学ジャズ研所属の頃企画していたコンサートや関係していたイベントでほぼみなさんお世話になっている方々なので敬意を表しているのであります。

このアルバムは、フリー・ジャズのカテゴリーに入るのかもしれないですけれども、きちんとしたテーマのモチーフがあり、ベースの提示するリフに合わせて管楽器がメロディーを奏でる、というのが時折現れ、その間の空間、時間を埋め込むようにいや、流れるように美しい音色のピアノやパーカッションの音が広がっていくものです。

アンドリュー・ヒルのオマージュと言い、このアルバムと言い、前衛の中の美みたいなものが構築されつつあった時代なのかもしれません。

ソロになるとフリー・ジャズ独特の一音一音の緊張感が凄まじく、研ぎ澄まされた時空間と言った言葉が似合うんじゃないかしら。
このころの冨樫雅彦さんの演奏はとても音色が豊かで、タイコも音階を意識したチューニングをしているのでとてもメロディアスです。がむしゃらに叩きまくるという音ではなく一音一音探りながら音を選んで出している印象を受けますね。

メロディーのモチーフはとても日本的なメロディを奏でていて、当時世界中で個性化していたフリー・ジャズの日本的スタイルの一つの答えがこのアルバムをはじめとする冨樫雅彦と山下洋輔トリオにあったのではないかということが、今の時代になって俯瞰してみると見えてくる気がします。
同時に、今聞くとちっともフリージャズに聞こえない。上質の環境音楽のようにも聴こえます。時代を先取りしていたサウンドだったのかもしれませんね。

圧巻は四曲目のタイトル曲。
鈴木重夫さんのソプラノサックスのソロが無茶苦茶カッコイイ!
そこに絡んでくる冨樫さんのタイコがまた素晴らしい。
時折、ここぞ!というところで入るピアノがカッコイイ。
凄まじいい疾走感!ああ・・・恍惚としてしまうのであります。

まあ、バップしか聞かないという方々にはお勧めしませんが、いろいろなスタイルのジャズを聴いてみたいという方には最高の一作だと思いますよ。

録音もとても良く、ライブ録音としては傑出しているんじゃないでしょうか。
ワタクシは実はレコードで聴いているのでCD化された時に、この録音の表現する楽器音の肌触り的なところがどこまで表現されるかは未知ですが、ベルや鈴を叩くタッチまで見えて来るほどの素晴らしい録音です。

そういえば1978年頃だったかな、大学の学祭に冨樫さんを呼んで演奏していただいた後に、我がジャズ研の学祭出店していたライブハウスにお越しいただき深夜まで飲酒するという貴重な体験をしました。

この時、誰かが冨樫さんに聞いていた「フリー・ジャズを聴かないとジャズは本当に理解が深まらないのですか?」って。そうしたら冨樫さんは、必ずしもフリーを聴かなければならないということはない、とおっしゃっていました。

それは、ジャズはとても多様な音楽でそれは文化と同じでそれぞれの独自性が尊重されるべきもので優劣をつけるものではない。みな平等なのだということを冨樫さんは語りたかったのかもしれません。


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2015年3月14日 (土)

Yesterday's Thought/ART FARMER

イースト・ウインド・シリーズ第三弾はアート・ファーマーのイエスタデイズ・ソウツです。

このアルバムは、発売直後にジャズ喫茶で聞いて飛びつくように買いました。
演奏もいいのだけれど録音もいいんですね。

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YESTERDAY'S THOUGHTS/ART FARMER

personnel
Art Farmer       Flh
Ceder Walton  Piano
Sam Jones       Bass
Billy Higgins     Drums

曲目
What are you doing the rest of your life
How insensitive
Namely you
Alone together
Yesterday's thoughts
Firm roots

当時の日本のレーベルの良い音の録音とされていたのが、スリー・ブラインド・マイスというレーベルだったんですね。ここの録音の特徴というのはそこで鳴っている音をありのままにないも色づけせずそのまま録音してレコードにするというもの。

この方向はオーディオ的には全く間違っていないのですが、音楽をどう表現するのか?という時には、必ずしも正解ではないとおもうのです。

ブルー・ノートにしてもプレステッジにしてもルディ・ヴァン・ゲルダーが録音した音は彼の音、つまり彼のイメージするジャズの音になっているので、必ずしもピュアに録音された生音ではないのですが、ジャズらしい響きを持っており今だに万人にすかれていますよね。
ブルー・ノートの録音、つまりヴァン・ゲルダーのマスタリングした音は、私が感ずるところではドラムスについては素晴らしく良い音ですが、ピアノの音について言えばダメダメな音だと思っています。なんであんなにレンジの狭いカタマリのような音作りをしたのか全く理解できません。

同じ時代、西海岸のコンテンポラリー・レーベルの録音の良さに比べたら一目瞭然。
ヴァン・ゲルダーのあの音は確信犯の音なんですね。

もっとわかりやすい意図的録音をしているのが、クリード・テーラー先生のCTIレーベル。あれなんか音を丸くしてエコーをビンビンにかけちゃっているのですが、なんとも言えない良い味を出していらっしゃる。

何を言いたいかと言いますと、レコード会社にはそのレーベルのサウンドと言うのがあるということを言いたいんですよ。

話をイースト・ウインドに戻しますと、当時のスリー・ブラインド・マイスと同じ音作りではイカンと思ったのでしょうか、それとも偶然なのでしょうか、このアート・ファーマーの録音はアートのフユーゲル・ホーンの味を引き立たせるためにわざと少しマイルドに仕上げているんですよ。

具体的に言うと低域と高域を少し抑えているんです。これがバンドのサウンドに実にマッチしていて、生々しさと叙情的な良さのちょうど良いところにあるサウンドなんです。

ここまで書いて他のイースト・ウインドのアルバムの音と比べてみると、昨日、一昨日の二作は生々しさ丸出し録音のような印象を受けるので、アート・ファーマーについてだけこのエンジニアのこの録音にしたのかもしれませんね。

ちなみにイースト・ウインドのレコーディング・エンジニアはこのころはほとんどが鈴木良博さんという日本の大御所エンジニアがやってらしゃるんですが、本アルバムを含むアート・ファーマーもでは主にNYのヴァンガードスタジオのお抱えでもあったエンジニアのデヴィッド・ベイカーがレコーディングをして、ミキシング・エンジニアを鈴木良博さんがやる形になっていますので、デヴィッドサウンド色が強くなっているのかも。

えーと、少し音楽の話もしましょう。
このアルバムがヒットしたのでこの後イースト・ウインドからはライブも含めて数枚のアート・ファーマーのアルバムが出ていますが、出来栄えはこのアルバムが一番のような気がしますね。

この後のSUMMER KNOWSはもちょっと甘ったるい感じなんですが、このアルバムにはそれがなく毅然とジャズをやっているところが良い。
選曲もいいですね。
スローで始まりイン・テンポにになってミディアム・テンポでドラマチックに展開していく1曲目。
小気味良いボサ・ノバの2曲目。
軽快なミディアム・ハイの3曲目
テンポだけでなく選曲が練りこまれている感じがしますね。
4曲目はバックの三人が素晴らしい。
5曲目でスロー・バラードをじっくり聞かせて最後はシダー・ウォルトンのオリジナルのアップ・テンポで締めくくりという構成。

いわゆる、スタンダードの名曲をやってみました、という安易な作りになっていないところが素晴らしい。
この辺はプロデューサーの腕なんだろうな。

先ほども書きましたが、サイドを固めるシダー・ウォルトン・トリオがこれまた良い
ピアノも、ベースも、タイコも絶妙。

6曲どれも素晴らしいですよ、一番好きなのはアローン・トゥゲザーかな。
一曲目もいいなあ、最後のシダーのオリジナルもいいぞ!ってみんないいんじゃん。
そうです、聞き応えがあるんです。
あのアルバムはこの曲だけね、っていうのとはちょっと違うんですね。

そういう意味でも、イースト・ウインドのアート・ファーマーを買うんだったら、まずはこれっていう感じがしますね。
もちろん他作品も駄作はないのでオススメしますが。

話は飛びますが、晩年のアート・ファーマーはヨーロッパの古城を買って住んでいたとか。日本とヨーロッパで受けちゃってジャズメンには珍しくお金持ちになれたようです。もっとジャズがお金になる時代が来ればいいんですけれどねえ。


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2014年12月30日 (火)

年末はジャズ喫茶@BUNCA 志木

年の瀬も押し迫って30日ともなれば、大掃除をするなりおせち料理を作るなりお正月の支度をしようというのが昔の大人のヒトの正しい姿でありますが、「昨今の若者たちにはあらたまってお正月を迎えようというような文化はもう無いんじゃないの?」って、先日行った床屋の旦那が言っていたっけ。

何でも、かつては12月ともなるとお正月前に髪をさっぱりして迎えようというヒトたちで床屋さんは大忙しの年末モードというものに突入したらしいのだが、最近は12月といっても普段の月と変わらぬ客足だそうで、とりわけ若者たちにその傾向が顕著であるとか?

ただでさえ少子高齢化が進んで、髪の無いハゲおやじが増えた上に若者が減っているところにもってきてこのような、若者の正月なんて別に特別じゃないもん的傾向はさぞや床屋さんにとっては商売上痛いんだろうなあ、などと同情しながら髪を切られたワタクシなのですが。

今回は髪を切る話じゃあ無くて、そんな若者同様お正月を前にして大掃除をするでも無く昼間っからジャズ喫茶に行ってジャズ三昧というお話。

というのも、年末は埼玉の実家に帰ってしまうので大掃除なんかしたくても出来やしない。じゃあその前にやるかっていうと、それもモチベーションが上がらないのでやらないんですよ。そう、それで埼玉の実家で「やる事無いじゃん」て暇こいていた時に「そうだ!ジャズ喫茶に行こう!」って突然頭の中にJRのCMよろしくマイ・フェバリット・シングスのメロディが流れちゃったものだから早速出かける事にしました。
こういう時の立ち上がりは早い。


出かけたのは実家の近くにある、東武東上線志木駅から歩いて3分ぐらいの至近距離にあるBUNCA(バンカと読む)に出かけました。そういえば昨年もにたような記事書いたかも。

ここのお店は、アナログ・レコードとオーディオ・システムが大変充実していて、ジャズ&オーディオ好きのワタクシにはたまらない空間なんですね。
さらに、このお店のマスター(女性)の選ぶレコードのセンスがとても良いので、せっかくいい音なのに変なのがかかるっていう心配も無い。

オーディオ・システムについて簡単にご紹介しますと、プリアンプはマッキントッシュのMC500(98万円)、パワーは同じくマッキントッシュのMC1000を二台(180万円)でスピーカをドライブしています。

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スピーカがこれまた素晴らしくJBLの38cmウーファーをホーン仕立ての箱に入れたのが左右に二発ずつ、高音はJBLの 2440当たりと思われるドライバーにTADのウッドホーンと思われるホーンなのですがこれが最強!

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実にきめ細かくしかもパワフルに音を再生してくれるんですね。
前にも書いたけれどピアノの和音が全部一音一音聞き取れるくらいの分解能。
サックスの音なんかも使ってるリードの厚さの番手が見えてくるような生々しさ。

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そこで今回は、ただ聞きに行くのも能がないので自分のCDを持っていったんですよ。
本来ならレコードを持ち込みたかったんですが、もうレコードでは手に入らないシロモノだったのでやむなくCDで我慢しました。

そのCDというのは、これも以前本ブログに書いたポール・デスモンドのAUDREY Live in Toronto 1975というシロモノ。

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Paul Desmond's Canadian Quartet
AUDREY  Live in Toronto 1975

30年近く探していたのを今年の7月頃に偶然入手したんですが、このレコードいやCD について以前ここのお店のマスターとお話しした事があったんですね。
それで、せっかく手に入れたのを一度いい音で聞いてみたいなって思っていたものですから自宅から持ってきたんですよ。いわば確信犯なのであります。

年末だというのにお昼ちょい過ぎという事もあってカレーライスなど注文するお客さんでけっこう座席がいっぱいになっていて、忙しく動き回るマスターの隙を見て昔のジャズのヒトなのでコーヒー一杯で粘るワタクシがバッグからCDを取り出してリクエストしたらいやな顔ひとつせず快く引き受けてくださいました。

ワクワクしながらスピーカーから音が出てくるのを待っていると、デスモンドの軽く、でもよーく聴くと厚みのあるマイルドな、これもよーく聴くとカラッと乾いた感じの音が飛び出して来たじゃあありませんか!
我が家のオーディオ・システムから出てくる音とは音の厚みが全然違う。

このアルバムの聴き所は4曲目の「When sunny gets blue」だと思っているんですが、始めは早くその曲が聴きたいと思っていた。ところがスピーカが鳴りだすとデスモンドの音の良さに引き込まれ、他の曲もじっくり聴き込んでみたくなっちゃったんですよ。

おりしもスピーカの真っ正面に席を陣取っていたワタクシは、他の客の事など眼中に入れず「一人昔のジャズ喫茶攻撃」を開始。
両腕を組み、うつむいて目を閉じて一言もしゃべる事など無く、またコーヒーを飲む時に食器の当たる音を出す事にまで気遣いつつスピーカから飛び出してくる音に集中したのでありました。

ここのスピーカから出てくる音はスピード感、音圧共に素晴らしいので「音が出てくる」というより「飛び出してくる」と表現する方がぴったりなんですね。

ここまで集中してオーディオでの(生演奏でない)ジャズを聴いたのは久しぶりです。
生演奏を聴く時というのは、エリック・ドルフィー先生もおっしゃったように、瞬間で空中に消え去っていく音を一音でも逃すまいと必死に集中するので、繰り返し聞く事の出来るCDやレコードを聴く時とは集中力が全く違うものなんですが、ここではそのくらい集中して、「フレーズの一音も聞き逃さないぞ!」という気合いのもとに聴き込んだのでありました。

全6曲の演奏が終わる頃にはいささか疲れがみえて己の歳を感じたりしたのでありますが、最後まで集中して聴く事が出来ました。

演奏終了後、マスターにお礼を言ったら以前来た時に会話した事を覚えていてくださった。年に2〜3回しかこない金にならない客なのに、これは嬉しかった。
勢いでブログに書かせてくださいとずうずうしくも願い出て写真まで撮らせていただきました。

東武東上線方面のジャズ・ファン、オーディオ・ファンのみなさま!
途中下車してでも一度いってみる価値のあるお店ですよ。
う〜ん、これもまた以前書いた事があるような。。。

追記
ポール・デスモンドのAUDREYですが、たった今アマゾンで見たら輸入盤の在庫があるらしい、再発されたんですね、何処の国か知らないけれどえらいえらい。興味のある方今がチャンス!リマスターモノだったらワタクシももう一枚買っちゃおうかな。

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2014年10月26日 (日)

アナログ・プレーヤーDP75が壊れちゃった!

おとといの晩の事です。

このところジャズといえばMacのインターネット・ラジオで聴く事ばかりだったので、たまには腰を据えてアナログ盤でも聴こうかと、とりあえずパーカーのエンブレイサブル・ユーが聴きたくなってダイアル盤の2テイクを聴き、久しぶりのアナログの音に「やっぱノイズが有ってもアナログの音は深くていいわ」と感動しそのまま同LPを裏表始めから聞き返しました。

次はアルトつながりでフィル・ウッズとジーン・クィルのヤツをかけちゃおうとお皿をまわし、「フィル・ウッズうまいなあ」などと感動していたらA面三曲目で突然の異変!
プレーヤーのスイッチが突然切れて音がグニャ〜〜オンと徐々にのびてどんどん音程下がりやがてストップしてしまいました。

何事か?とプレーヤーの前に行き、33回転のボタンを押すと一瞬回るんだけれどすぐにスイッチが切れてしまう。では、45回転の方は?と押してみるとこちらは何事もなく平常に回ってくれる。

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これじゃあ昔レイ・ブラウンのやっていたダイレクト・カッティングの45回転盤とEP盤しか聴けないじゃん。


このプレーヤーDP75というターンテーブルで、今から32年くらい前に購入したビンテージもの。
数年前にも一度回転不良を起こしてDENONに修理してもらったのだけれど、その時確か修理はこれで最後、今後は部品の調達が出来ないので無理かもしれませんといわれた気がする。
さらに、二年くらい前にDENONさんは修理部門をやめてしまい、別会社に外注して直してくれる仕組みになっていたような。

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さて困った。果たしてこのプレーヤーは直るんだろうか?
大量に部屋を占拠しているLP盤はいったいどうなってしまうのか?
ゴミと化すのか?はたまたディスク・ユニオンあたりに二束三文で買われていくのか?


最後のだけは避けたいなあと思案していたら、この手の行く先のなくなったオーディオを修理してくれる工房が有ったのを思い出した。それも比較的自宅から近くに。


早速ネットで調べた工房に電話して、修理可能かどうか訪ねてみると、
「33回転だけ動かないというのは初めてのケース」と不安になる事をおっしゃるじゃあありませんか?なんだか不安だぞ。
「でも45回転が回るのならモーター自体に異常は無いようなのでどこか制御部分のパーツが不具合なんでしょう」とのこと、色々専門的なお話をされた後に「何とかなるでしょう」との返事。で少しほっとしました。
ただし「時間は少々かかりますよ」とのことなのだが、一ヶ月や二ヶ月CDとインターネット・ラジオでしのぐのはわけない。

なにせ、せっかく買ったツェッペリンのアナログだってまだ数回しか聴いていないし、ましてやツェッペリン4のアナログに関しては発注済みの入荷待ち。確か今月末頃入荷の予定。
このままじゃあ、聴かずのレコードとして未開封コレクションになってしまうところだった。

早速修理に出そうとターンテーブルを箱から取り外そうとし、まずはターンテーブルのお皿を外さねばと、丸いテーブルに開けられた四角い穴二つに片手ずつ突っ込んで引っ張ったのだけれどこれが外れない。
確かコツが有ったはずと、以前は外して修理に出せたんだから、と再度試みるも何度やっても外れない。

仕方ないので、件の工房に再び電話して外し方のコツをお聞きした。
「軽く引っ張ると少し浮き上がるのでその次にグッとちょっと力を入れて引くと外れます。それでダメなら両手で引いているところを誰か他の人に真ん中の軸を軽く叩いてもらえば間違いなく外れます」とのこと。

かみさんは外出中でバカ犬くらいしかおらずこれは戦力外、一人しかいなかったのでもう一度教えられた通り一度軽く引いてから次でグッと力を入れたら「パカッ」と音がして外れた。

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先ほどの苦労がウソのように簡単に外れていただき目出たしめでたし。
早速明日にでも修理に出す運びとなったのでした。
さて、このターンテーブルちゃん、無事に直って帰ってくるのでしょうか?
結果はまたの機会に。


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